第2話
その頃動物園では、暴れている妖怪軍達と非無始が戦っていた。
非無視は、斬撃を放つ特殊な扇子を使い、応戦してい
る。
その場にいた妖怪達をみな倒す。がいつもの余裕綽々というわけでもなく、汗をかき、息を切らしていた。
動物園内にある建物に隠れ、窓から戦いを見ていた剣河は、戦闘が終わると、非無始の元に駆け寄り、水を与えた。
あらあら、妖怪を倒す人間がいたなんて、驚いたわ。
と、お岩さんの声が遠くから聞こえる。
非無始は本能で察した。
非無始「あいつはだめだ!逃げよう!」剣河「え?おお・」と気の抜けた返事を。
非無始「まじで、やばいって!私がお姫様抱っこしたげるから:」
お岩さん「あらあら、微笑ましいわね」と、お岩は動物園が崩壊し、小屋から離れたうさぎを抱っこしながら、剣河達を見ていた。
この人の気配が全くしない、場所に、剣河は強者一人と一匹がいる空間に、剣河は取り残されている気分がした。
お岩さん「人が一、二匹いるって事は、人間の群れが近くにあるわねえ」と。
動物園内の施設に隠れていた人間達の気配を感じると、その方向をギロリ。と睨む。
すると、その施設に向けて0.001%程の力ではっけいを使い、その衝撃で壁一面が壊れた。
すると、隠れていた民衆は見つかり、すぐさま出口に向かいみな逃げ惑う。
お岩さん「つまらないわね、戦う意志すらないなんて、こちらが戦意喪失しそうだわ・・・」
しかし、一人だけその施設から離れずただ泣きじゃくる子供がいた。
お岩さん「あら、坊や、なんて愛らしいのかしら、その端正な顔を思い切りぶん殴りたくなるくらい可愛いわ」と、お岩さんは拳を握る、すると、お岩さんの拳の真下の地面にクレーターが出来る。
それに驚き子供は腰を抜かした。
剣河(あ、あいつは…・言無視したあの時のガキ・・・!)
俺が救った…・・!
剣河「あの子供が殺される!助けないと!」非無視「無理よ!あの子はもう助からない!早く、私に捕まって!」
剣河はそれを無視して、無我夢中で、その子供に向かって走り出した。
非無始「剣河ッ!!!」
お岩さんは困惑した様子で剣河の方を向く。
剣河「やめる!」と地面に落ちていた石を拾い、思い切り、投げるが、お岩さんには当たらない。
非無視は舌打ちをすると、斬撃を放つ扇子をフル回転させ、お岩さんに向かって、時速1350kmで投げた。
しかし、お岩さんはいとも容易くその扇子をキャッチす
る。
非無視は驚愕し、お岩さんは余裕と人を見下す表情で、非無視を見た。
面白い人間がいるじゃないの。とお岩さんは剣に向けて、掌を向ける。
そして、剣河に、はっけいを放つ。
だが非無始は剣河を庇い、剣河は無事だ。
しかし、非無視の右腕が吹っ飛んで消えた。
その頃、森の山奥、薄暗い洞窟に馬骨と馬骨に助けられた子供が身を潜めていた。
馬骨は化け狸に打撃でもがれた右腕をもう片方の腕で支え、右腕が右肘に繋がるように密着させていた。
馬骨「切断面が思ったより、綺麗で助かった」子供「その腕、繋がるの?ちゃんと手術とかしないとだめなんじゃ…・・」
馬骨「俺は回復能力が高いから、こうしてれば繋がるよ、後2時間くらいすればね」少しばかりの沈黙が続く。
ママ・・・大丈夫かな・・・と頭が冴えてきた子供は途端に啜り泣き始める。
馬骨「俺が全回復したら、君のママを一緒に探そう、きっとママは無事さ」子供「ほんと!?」
馬骨「…・ほんとだ・・・」
鏡坂の父と再婚の二十歳の女みゆはハワイ島にいた。
ハワイにはまだ妖怪の魔の手は猛威を振るってはいなかった。
みゆ「もう、私達、別れましょう」
鏡坂父「え、なんでだ」
みゆ「だって、あなたに飽きたんだもの、さよなら、まあ、この私、みゆと結婚できた事を誇りに思うのね」と、みゆは、誰かと肩がぶつかった。
みゆ「あら、ごめんなさい、前見てなかったわ」その時、ビル群が爆発した。
?「おやおや、私なら、あなたを飽きさせませんよ」みゆは、その肩がぶつかった謎のイケメンに、捕まり片手で担がれる。そのイケメンは妖であった。
謎の妖女「私この子気にいったわ、奴隷としていましょう」
と、鏡坂父の前に、四匹の強靭なオーラを放つ妖怪が現れた。
我らは妖怪軍七天王幹部。七人ミサキ。本物の最強妖、
真打登場だ・・。
彼らは、修行僧のような服装をしており。
七人の人間を殺してその魂を身代わりにしないと成仏できず、成仏させない限りは絶対に倒す事ができない不死
身の怨霊。
妖怪軍幹部七天王no.1「我らは鏡坂の血を滅ぼす事をぬらりひよん様に任せられている」
七天王no.4「千年前、鏡坂と名乗る一人の男の驚異的な戦闘能力により、妖族は敗戦してからだ」
鏡坂父「それは俺のご先祖様だな」
そして、妖怪軍幹部四天王の部下達は皆、狙撃手であり、スナイパーで常に鏡坂父を捉えていた。
七天王no.2「まずはお前からだ、鏡坂不拶(かがみざか
ふさつ)」と鏡坂父を指差す。
妖怪軍幹部七天王no.4「人間はまとめて残虐に潰してやるぜ、一人残らず駆除してやる」みゆ「やっぱり、私達、復縁しましょう」
妖怪軍幹部七天王no.3の女「可愛いみゆちゃんも私の奴隷となるのよ」
鏡坂不拶(父)「お好きにどうぞ」
みゆ「この人でなしッ!」
みゆは、不安気な顔で鏡坂不拶を見る。
鏡坂不拶「ったく、しょうがねぇなあ、俺は膝壊して、軍を引退した身なんだけどな・・・」と、手のひらから、剣を召喚した。
そして、その剣を鞘から抜く。
この剣は悪殺の剣(つるぎ)、悪者だけを斬る事が出来
る。
と、その剣を妖怪軍幹部に向けて、振る。と、斬撃を放
たれ。
妖怪軍幹部七天王七匹、および、後ろの荒廃した建物に潜んでいた幹部の部下達をまとめて、父は瞬殺した。
う、嘘だろ・・・七人みさきの方々は力を合わせればぬらりひょん様とほぼ対等に戦えるのに、それを一瞬で・・・。
と、スナイパー班の部下達はそれをくらいながらも思う。
それだけではない、その斬撃の威力はハワイ島から北アメリカ大陸全土まで届き、悪党を一蹴した。
斬撃の威力により、世界中が地響きが起き、争っていた妖怪も人間も皆が驚く。
馬骨「なんだ、この威力は…・・!」
ぬらりひょんもその威力の方に目を向ける。
お岩さんもそのパワーを感じると焦燥していた。
みゆは悪者ではないので、その剣の攻撃は効かなかった。
みゆ「あの七人ミサキって妖怪、不死身じゃないの?普通に倒したけど・・・」
鏡坂不拶「この剣にはそんなの関係ないのさ」と、剣を優しく、人差し指でさする。
みゆ「ていうかさ…グスッスン・・・どうして、助けてくれたの?」目うるうる。
鏡坂不拶「いや、お前があんまりにも、哀れだったから
(笑)」
みゆ「なにそれ一(怒)」ビギビキ
本部司令官とぬらりひょんは剣を交えていた。
本部司令官は焦り、怒りを剣にぶつける。
対してぬらりひよんは、汗ひとつ書くこともなく、冴えた顔つきで、澄ました目で、相手をしていた。
ぬらりひょん「よせ、俺はお前を殺す気はない、お前のみぞを殴った時も加減したのだ」なんだと!?
ぬらりひょんはデコピンで、本部司令官をダウンさせ
る。
ぬらりひよん「いいか、俺は必ず一人残すんだ、この俺の強さを知らしめるために、お前が語り部となり、妖怪の恐ろしさをみんなに伝えてくれ、お前ら人間にとっては、この戦争の敗北は、歴史的瞬間になるんだろ?」本部司令官はただのデコピンで、脳震盪を起こし、気絶してしまう。
壊滅させ、ぬらりひょんは帰る。
とした所。
待て。
と弱々しい声が聞こえる。
敵は二人いるぞ・・・!
と、鏡坂は立ち上がった!
ぬらりひょん「お前、諦めた方がいいぞ」
なに…・・!?
その頃、地球防衛軍本基地では、地球外にある人工衛星で、妖怪兵の位置を捉えていた。
副本部司令官はそのポインター(位置)を凝視していた。
どうなっているんだ、これは…わずか30分足らずで妖怪軍の二割が消滅している・・・誰の仕業だ?
その仕業は鏡坂父、不拶によるものであり。
戦況がみるみる内にひっくり返り。
本基地にある高性能AIが人間と妖怪の勝率を計っていたのだが、そのAIが明らかな特異的存在により、誤作動が生じ、なんとヒートショックを起こし、壊れてしまった。
一方で、鏡坂炎垂はぬらりひょんに喰らい付いていた。
ぬらりひょん(ふむ、先程までの女のビンタのような剣撃ではない、いや、それ以上に力が増しているようにも感じる…・・)
鏡坂はぬらりひよんによる、みぞの腹パンによって、本来なら瀕死になるはずであった。
鏡坂は常に力を制したいた。
それは無意識に理性がブレーキをかけると、脳に信号を送っていたからである。
自分が常に強者であり、頂点の存在であったからだ。
しかし、今、自分よりもはるかに強い生物が、現れた事により、理性がぶっ壊れ、倫理観などなく醜く哀れな本能が解剖され、抑えて込んでいた。
力の制限をなくした。
ぬらりひょん(だが、負ける未来が思い浮かばんな…・・)
ぬらりひょんは、少し力を強め、鏡坂の猛撃を弾き返した。
ぬらりひょん「俺の部下にならんか?殺すのは惜しい
な」
嫌だね。
ぬらりひょん「逆に聞くがどうやって勝つんだ?これだけの実力差で、勝つ算段があるとでも言うのか?」鏡坂は何も言わず、睨みつける。
ぬらりひょん「お前に少し興味が湧いた、面白い」と、倒れていた本部司令官の腹を刺した。
なっ・・・!
本部司令官「早く、我々を倒し、病院に連れて行かないと、この男は死んでしまう」
鏡坂「我々?そうか、後ろに見える妖怪の陣地で座っている、じいさんみたいな奴もいるのか・・・」鏡坂は遠くの闇山本五郎左衛門を見る。
すると、なんと闇山本五郎左衛門は妖怪軍の陣の中にある玉座に座ったまま、頬杖をついて、寝ていた。
鏡坂(なぜだ?なぜ、この戦争の最中寝ているんだ…・!?)
ぬらりひょん「何を突っ立っているんだ?かかってきなさいな」
鏡坂(落ち着け・・ぬらりひょんは俺に焦燥心を掻き立て、動揺させ、少しでも勝率を上げたい訳だ・・・いつも通りだ…・・)
勝つ…・・!
と、呼吸を深く一息吸い、ぬらりひょんにかかる。
百手の読み合いの中。
鏡坂は、自身の能力を使い、スローボール戦法(力を
0.98倍にする)を使い、一撃浴びせるが、致命傷にはならなかった。
鏡坂(体をねじって、致命打を回避したか・だが、一撃浴びせたぞ…・・)
ぬらりひょん「なるほど、わざと、剣速を遅くする事で、タイミングをずらし、読み合いに打ち勝ち、刃を当てる、大した技術だ、だが同じ技は俺には通じない」鏡坂「一眼でわかったのか?いや、そんなはずはな
い…」
すると、ぬらりひょんは念力を放つ。
だが、その念力は人間には見えない。透明だからだ。
鏡坂はしかし、ビッ!と頭を横にすばやく動かして避けた。
ぬらりひょん(妖気を感じられる妖怪ならば、あの念力は見えるはず・・本能で避けたのか?)
お見事、だが、残念・・。
すると、鏡坂は、背中に連れるような激痛と、違和感を感じる。
すると、鏡坂の胴体は、どんどん捻れ、痛々しい、うめき声をあげる。
この念力はブーメランのように、持ち主に帰ってくるん
だ。
しかし、鏡坂は、決して、倒れなかった。
よろける体に喝をいれるかのように、ダン!と地面を踏み締める。
おお、なんと…・これを受けて、肉の塊にならない人間は初めてだ。
九郎は鏡坂の師匠の弟子でもあり、税伝書をこっそり、コピーし、お守り代わりに常に持っていた。
そして、精神病院の部屋でその秘伝書を読んでいた。
九郎とかがみの思い出。
かがみが父の葬式の3日ご。
泣いていた。
しかし、九郎が回復魔法をかけた。
僕の力は精神を回復させることもできるんだ。まあ、僕自身に回復魔法かけても、効果ないけど。
と、それから、鏡坂落ち込んだときは回復魔法をかけた。
受験に落ちた時や、失恋した時、推しのアイドルが結婚した時など。
九郎にとってはかけがえのなき思い出。
九郎は、その秘伝書を抱きしめ、助けてくれ、鏡坂。と呟いた。
速く動くたびに傷口に強い風がたり、ジンジンと痛い。この痛覚を鏡坂は久しく体感した。
鏡坂(・・覚醒の波動を使うしかない、だがこれは一度使うと体が動けなくなる、大欠点を抱えてる・・・だけど、威力は絶大だ…・・!)
鏡坂は剣速を早める。
ぬらりひよん「戦いを焦っているようだな!」と、またスローボール戦法を使う。
ぬらりひょん「その技は効かないと言ってるだろ、耳がないのか?」とカウンターで、鏡坂は掌打を喰らって吹っ飛び。
鏡坂は地に手をつき、尻もちをつき倒れる。
だが鏡坂は地面にある小石が混ざった砂を握りしめ。
斬りかかってくるぬらりひょんの目を目掛け、その砂をぶつける。
すると、ぬらりひよんは目を閉じ、ひるむ。
今だ・・!
覚醒の波動の構えを。
ぬらりひょん(なんてな、人間の目の粘膜と同じだと思ったか!)
と目をかっぴらく。
なっ…・・!
しかし、ぬらりひょんの足に何かが掴んだ。
それは本部司令官だった。
ぬらりひょんは気を取られる。
その一瞬を見逃さず。
鏡坂は99999999999の攻撃力のある覚醒の波動をぬら
りひよんに当てた。
その威力で嵐が吹き乱れる。
鏡坂は力を使い果たし、筋肉が萎み、倒れてしまう。
だが、ぬらりひよんにはかすり傷しかついていなかった。
その頃、コウモリ男、新幹線男、NO.8の男。即席三人チームは、交戦中の妖怪軍達半分を倒した後、力尽き、敗れた。
イギリスのレイボンは、その場にいる妖怪軍の七割を倒した後、惨殺され、敗れた。
本部司令官は最後の無意味なあがきを見せると、心臓が止まった。
だが、まだ鏡坂は、立ちあがろうとする。
なぜ、諦めない?
まだ俺は負けてない。
ぬらりひょん「無知というのは、残酷だな。勇気と無謀を履き違える。生きる上で一番重要な事だ。幼い頃、それを、教えてくれる大人がいないまま、成長したのだろう。子供の頃に人格形成はほぼ完成される」
ぬらりひょんは、倒れている鏡坂を刺して、致命的一撃を喰らう。
ぬらりひょん「お前に哀れみすら感じてきたよ」
と、鏡坂を遠くに蹴り飛ばし、すると小石のように鏡坂は跳ねた。
鏡坂「俺は…弱いのか…こんなちっぽけな存在だったのか…」
と、血が吹き出す傷場所を抑える。
そのとき、鏡坂は地球が自分を見ているような気がした。その地球視点から、大地を見ると、ぬらりひょんも自分も小粒ほどの大きさであり、その地球より巨大な無限に広がる宇宙視点では、太陽系惑星は全て、ビー玉ほどの大きさだ。
真上を飛んでいた鳩が、ぬらりひょんと鏡坂の戦いで発生してしまった砂嵐によって、撒き散らされた、一つの小石が羽に当たり、怪我をし、鏡坂の目の前で、倒れた。その鳩はどんどん衰弱していく。
その前の伏線で、平和の象徴である鳩は鏡坂とぬらりひょんが戦っている真上を飛んでいた。
鏡坂はその鳩を愛でる。
すると、目が赤色に一瞬変化する。
心臓が早くなり、それに呼応するように、地響きが起き、嵐が巻き起こり、雷鳴が轟いた。
そして、自分への怒りで、秘めたる力が解放され、覚醒した。
すると、なぜか鳩の怪我は回復し完治し、空にばたいていった。
なんだ!?なんだその変化は!?なぜ急激にパワーが増した!?
鏡坂は無意識に、キャピキャピなんでらめぇ♥を会得したのだ。
鏡坂は、落としてしまった剣を拾うと、目にも止まらぬ速さで、ぬらりひょんを、上段袈裟斬りで、仕留め。倒した。
闇山本五郎左衛門は、ぬらりひょんと、鏡坂の低レベルな争いについ、うたた寝をしてしまっていた。
だが、鏡坂の驚異的な力により、目が覚めた。
鏡坂は、死んでいる本部司令官を見ると、顔を歪ませ、歯を食いしばり、上を見る。
鏡坂は、キャピキャピナンデらめぇ♥を会得した事により、相手に自分の力を分け与えられるという能力にも目覚めた。
素晴らしい、我が息子を倒すとは…・。と。闇山本五郎左衛門は、剣を抜き、こちらに歩み寄る。
間山本五郎左衛門からは闘気が感じられた。
闇山本五郎左衛門が生きている限り、死んだ妖はまた百年後に蘇るので、闇山本五郎左衛門の中で不安などは一切なく、逆に目の前の強敵に胸を躍らせていた。
間山本五郎左衛門「私は、潔癖なのでな、強者と認めた者としか、戦わぬのだ、そこで一つ、お前に試練を与え
よう」
鏡坂「なんだ?聞かせてくれよ…・」(よし、こいつにべらべら喋らせて、少しでも体力回復を・老人は話を聞いてほしいからな…・・と、息を切らしながら、頭をフル回転させる。
闇山本五郎左衛門は上を指差した、3時間前に、指から放った、太陽に似たエネルギーのかたまり。
闇山本五郎左衛門「あの太陽のようなものは、全生物を妖怪に変えるエネルギーの塊だ、今から、あれを落とす、それを受け止め、消滅させてみる」と、指をくいっと、降ろすと、その太陽級のでかさはある、エネルギーの塊が、猛スピードで降ってくる。
そのエネルギーの塊は、終楽生命ノ創造という妖術であ
る。
鏡坂は、地形が変わるほどの威力で、地面を蹴り、その
エネルギーの塊に、鏡坂流奥義 残害撃ノ嵐を放つ。これは打撃技である。
すると、簡単に粉々に割れた。
闇山本五郎左衛門が驚くのに対し、鏡坂は困惑していた。
息子である鏡坂炎垂が戦っている最中、鏡坂不拶は、妖怪軍の六割を倒していた。
鏡坂は、着地すると、おぞましい、殺気を肌で感じた。
間山本五郎左衛門「素晴らしい、私の技「終楽生命/創造」を破壊する者をずっと待ちびえていたのだ・・・」
鏡坂「いや、今の技普通に弱かったぞ」少しの間が空くと、二人は同時に剣を振るった。
だが、剣速は闇山本五郎左衛門が上。
鏡坂は闇山本五郎左衛門に苦戦を強いられながらも、なんとか戦いにはなっていた。
妖怪の体力の回復は早い。
山本五郎左衛門(あぁ、この感覚だ、体に負荷をかける運動エネルギーにより、筋繊維が壊れ、筋肉疲労を起こし、その疲れが回復する頃には筋肉が強化される・・・それを繰り返す、運動し、体に重たい負荷を得ている瞬間はどの娯楽よりも勝る…)
鏡坂は全力を出しているのに対し、山本五郎左衛門は楽しんでいた。
しかし、鏡坂は不思議と自身の敗北が見えない。
鏡坂(俺よりも、格上だが、勝てるな…・)
鏡坂は闇山本五郎左衛門と千手の剣の読み合いをしたの
ち。
間山本五郎左衛門に覚醒の波動を剣から繰り出す。
だが、避けられる。
その覚醒の波動は、斬撃として、放たれ、はるかかなたの斜め上に飛んでいった。
そして、筋肉は萎み、倒れる。
お前のその技は一度見ている。そんなものこの俺にたると思ったか。
しかし、その覚醒の波動の斬撃は、ブーメランのように、返ってくる。
鏡坂の狙いは背後からの斬撃による奇襲だった。
もうすぐで斬撃が首に当たる。
ともいかず、後ろからの不意打ちの斬撃も呆気なく山本五郎左衛門の剣撃一撃で消された。
なんだ、今のが、最終兵器か?威力がやけに、弱いな。
そりゃ、フェイントだからな。
と、鏡坂の拳撃は闇山本五郎左衛門のみぞに一撃入っていた。
先ほどの覚醒の波動は、10%の威力であり、この技は威力を調節出来る。
すると、今度は、100%の覚醒の波動を使い。
そのまま、自身の体をひねって、拳に力を入れ、殴り飛ばした。
すると、太陽まで吹っ飛び、倒した。
筋肉は萎んだのではなく、わざと萎ませたのだ、自分を弱く弱く見せ、相手に勘違いさせるために。
闇山本五郎左衛門に打った、1度目の反動技は10%。
2度目は100%で放ったのだ。
だが、キャピキャピメールナンデらめぇ♥、と、110%の反動技、覚醒の波動を使った事で、体がまたぶっ壊れ、瀕死に追い込まれる。
だが、鏡坂は今、どんな窮地だろうが乗り越えられる、精神的機能、身体的機能、自身は生き残る豪運を持ち合わせていた。
恐らく、誰にも今の鏡坂には勝てないだろう。
最強の生物、闇山本五郎左衛門が弱く見えるほどに、鏡坂は強くなりすぎた。
やった!俺は最強の生物に成ったんだ!誰の助けも借りずに、強力な技を覚えて・・俺はすごい!
…・だけど・・・みんな死んじまった…。
その頃、剣河は、非無視の命を乞うべく、お岩さんに土下座をしていた。
お岩さん「あなたは傷つけないわ、だってあなたのおかげで、優秀な敵兵を倒せたんだもの・・・ありがとうね♥」
剣河は涙を流す。
剣河は頭が真っ白になっていた。座り込んだまま、動けなかった。
いや、動かなかったと言うべきか。
ただ、呼吸をして、心臓を動かしているだけの木偶の坊だった。いや、おそらく今までずっとそうだったのだろう。
人は窮地に追いやられると、本性が浮き彫りになる。
お岩さん「あら、あなたよく見ると可愛い顔してるんね、私の愛人にならない?」
非無視は血相を掻いて、背後から反撃しようとするが、一撃で頭をはねられた。
お岩さん「待てが出来ないのかしら、悪いね」その時、お岩さんは腹に違和感を感じる。
え、何この・・・ムカムカする・・・と、お腹を抑えた。
頭だけの非無視は勝ちを確して、喋り続ける。
あんたが、油断して、流暢に喋ってたり、舐めプして私をじわじわと苦しめながら倒そうとするもんだから、あんたの体に私の卵を植え付ける事に成功したのよ…・。
お岩さん「なんですって?」
非無視「ちなみに私の前世はゴキブリ・・・」すると、お岩さんはうっ…。と口を抑えるが。
お岩さんの腹の中から、大量の非無視にそっくりの10歳くらいの子供が出てきて、お岩さんの腹を突き破って倒した。
ゴキブリは、メスのみで無精卵を産んで子孫を残すことが出来、それを単為生殖(たんいせいしょく)と言い、オスなしで、自分そっくりの子供を作る事可能なのだ。
剣河「え!?こ、この子達は…・・!?だって俺たちはまだキスくらいしかしてないのに…・」
非無視「安心して、別に浮気した訳じゃないの・・・あれは十歳の時、前世がゴキブリの女友達がいてね、前世が同じって事で、仲良かったの、その女の子と悪ふざけでいちゃついてたら、無精卵が出来ちゃって、その卵を10年温めてたの、こう言う時の非常事態に役立つから・・・あの女の子と話し合わなくちゃね・・・」と言うと、眠るように目を閉じる。
非無視は今にでも力尽きそうだった。
剣河「ああ、神様・・・」誰か、この俺に力をくれよ…・。
すると、非無視が光り輝いていた。
非無視はみるみる傷が治っていく。
剣河(もしかして、これは俺のちか・・・いや、そんなはずないか…・)
そう、この力は鏡坂の力であった。
鏡坂は、自身の力を相手に与える事により、与えた相手の細胞が一つでも残っていれば、超回復で体を元に戻す事ができる、その技はまさしく、死者蘇生に近い、神のような力であった。
よし、全員を助ける方法はまず、回復する人を限定する事だ、そうだな、まず酷い怪我をしている人のみに力を与え、回復させる。
軽症や無傷の人は、与えなくても、生き残れるだろう。
鏡坂は叫ぶと、その場でとどまりながら、全世界に向けてエネルギーを放出し。
全人類を助ける作戦を開始した。
すると、まず、本部司令官が目を覚ました。壊死していない細胞がわずかにも残っていたからだ。
そして、鏡坂の技を見ると、目を見開き驚愕する。
本部司令官(あの子は、本当に人間なのか…・・?)
本部司令官「やめろ!鏡坂!それ以上!力を使うな!暴走する恐れがある!神をも凌駕する力だ!少し休め!」
鏡坂「そんな事言ってる間に、助かるはずの命がなくなる!嫌だ!」
本部司令官「鏡坂!人間には、限界がある!不可能を可能に変えるのは無理だ!現実を受け入れる!お前一人で、人間全員を助けるなんて無理だ!」
鏡坂「そんな事あるわけがない!人間はどんな壁だって越えられる!俺は・俺はまた・・友達や家族と・楽しく過ごしたい…・!」
残酷な現実なんてぶっ壊してやる!
鏡坂は酷い怪我をしている人類に力を与え、治療していった、しかし、その反動で自分は血反吐を吐いた。
が、そんな事はお構いなしにみなに力を与え、回復させ続けた。
鏡坂は本来ならば死ぬはずのエネルギーを消耗するほどの反動を負ったが、構わず続けた。
非無視の体はに戻り、目を見開き、ぼやけた視界で剣
河を見る。
剣河は、その時気付いた。
ああ…・俺は自分に何を期待してたんだ・・俺は無職で、病んでるだけのそこら辺にいるどこにでもいるような、ただの18のクソガキなのに…。
剣河は、いつのまにか忘れていた、一番欲しかった力を思い出した、その力は喉から手が出る程欲しいものであった、その力を手に入れるため、決心した。
人類対妖怪の戦争は終わった。
人類は勝利した。妖怪兵の九割は鏡坂不拶に倒され。鏡坂親子に壊滅させられたのだ。
だが、戦争の傷跡はすぐに癒えるものではなかった、恐らく、俺が老衰する程の時間が経とうとも、その傷跡は深いものであろう。
そして、八割の人類を殺してしまった鏡坂は、世界中からバッシングを受け、職を失い、後悔により、自殺してしまった。
鏡坂は酷い怪我をしいてる人類に力を与え、回復させようとしたが逆に、鏡坂の力が超強力故、鏡坂に力を与えられた人類は必要なエネルギー以上の過剰摂取により、五割の人類が死滅した。なぜ、強力すぎたのかと言うと、鏡坂は「力を与え回復させる能力」を使っている際、100%の力を出しているつもりが、300%、限界以上の力を出していた。能力を使った反動で、意識が朦朧としており、自らも瀕死であったため、自分が実力以上の力を出している事に気づかなかったのだ。そのため、必要以上のエネルギーが、人類を逆に苦しめてしまったのである。
だが、重傷を負っていた前世能力者には、与えたエネルギーは過剰ではなかったようで、強靭な肉体もあってか、生き残り、有能な人類の損失は免れた。
それに、「酷い怪我をしている人類を回復する」ために、能力を使ったので、負傷していない、剣河は力を与えられず、助かった。
鏡坂は悪人なのだろうか、善人なのだろうか。
戦後直後の経済は酷いものだが、みなで力を合わせ、なんとか、立て直している。
そして、戦後、瓦礫に埋まっている人を救助するため、剣河は動いていた。
剣河君、ここの岩を動かすの手伝ってくれ。
はい!
そして、せーのでいくよ、せーの。
よっ!と三人で、岩をどかした。
そして、数時間かけて、一人救助した。
すると、レスキュー隊員達は、担架で運ぶ。
すまないね、君は一般人なのに、人員がなんせ足りなくて。
いえ、僕も役に立てるなら嬉しいです。
すると、無線でまた、救難信号が。
剣河は筋トレや走り込みをしていた成果が今発揮されていた。
それを非無始が遠くから、懸命に作業している剣河を見ていた。
非無始は右腕の骨にわずかなひびが入っており、包帯を巻いていた。
非無始さん、病院を抜け出さないでください。
いや、私も手伝おうかなって。
だめじゃないですか、安静にしておかないと。
骨折してるんだから。
剣河の懸命な姿を見て、非無始は、澄んだ眼差しを向けていた、食欲など、湧かなかった。
戦後という事もあり、非無始は退院すると、実家に帰っ
た。
その後も剣河と非無視は電話で時々、やりとりしていた。
剣河「俺、今、働いてるんだ、清掃のバイトでさ、結構時給高くて、汚れ仕事だけど、一人で黙々とやる仕事が俺に合ってて、一年は続いてる、こんな世界になっちゃって、仕事なんて見つかりっこないって思ってたけど、なんとか職につけた」
非無視「そう・変わったのね、剣河君・・・」
…うん。
非無視「私もあなたみたいに変わろうと思ったの・・・私・・・力があって慢心してた、でも、戦後、頑張ろうと努力してる、剣河君を見て、私、自分勝手な所があるって気づいた、私も変わるわ、ありがとう」うん…・。
剣河「あのさ、非無視さんの子供たちは元気?良かったら、俺、何か力になるよ」
非無視「いいよ、元カノとも話をつけたし、逆に剣河君は何も関係ないのに、迷惑かけたくないから」そっか…・。と少し寂しげな声を発した。
互いにに自分の旨を伝えると、沈黙が続く。
非無視「ねえ、明日も電話かけていい?」
剣河「うん、もちろん、非無始さんも頑張って」
非無視「うん」
その電話の後、何度か、電話越しで、話をしたが、お互い、忙しい事もあって、自然と疎遠になった。
そして数年の時が経つ。
九郎は鏡坂の墓に回復能力を毎日かけ続けていた。だが死体には効かないので無意味だったが。
三年間もまともに飯を食わず、風呂にも入らず、朝から夜まで能力の無駄な消費をし続けている。
その風貌馬まるで浮浪者のようで。
もう九郎のその奇行を止める者が誰もいなくなった。剣
河以外は。
剣河はその日も九郎の元に会いに行き、話を聞いてあげた。
最初はその奇行をやめるようにと説得したのだが、上手くいかず、心理学や精神論などの本を読み漁り、強制するのは、逆効果であり、話を聞いてあげる事が何より重要なのだと気づいた。
剣河は三年間、親身に寄り添い、九郎の話を九郎の気分が落ち着くまで、聞いてあげた。
すると、ついに、その日、九郎はその行動をやめ、ちゃんとした食事を食べ、風呂に入った。
剣河はその帰り際、家から帰る道中、公園の近くで、枯れて、捨てられていた観葉植物を見つけた。
それを拾い、自分の部屋に帰ると、まず、計量器の中に、洗剤水を作り、その洗剤水に5分ほど、その観葉植物を浸す。
その後、洗剤水を捨て、計量器をしっかり洗った後、計量器の中にぬるま湯を入れ、その中に観葉植物を、浸し、計量器を揺らし、観葉植物についた、泡を落とす。
その観葉植物にあった小鉢に有機質の葉土である軽石を肥料とし、その小鉢に肥料を半分いれ、その上に観葉植物を置き、その隙間に肥料を入れ、植える事に成功した。
その後、日光がたる窓にその観葉植物を置き。
適量の水を与えた。
最近独りで寂しいので、園芸をやろうと考えていたので、趣味の範囲の園芸道具一式を揃えていたのだ。
剣河は、清掃の正社員になっていた。
深夜、店長しかいない、事務室に入ると、タイムカードを切り。
異臭のする公衆便所を一人で麗にして帰宅する。
うんこがびちゃびちゃに飛び散っていたので、それを片付け。
精子が、ベッタリとついている、小便器も綺麗にして、無数に散らばっているコンドームも、片付ける。
落書きも消した。
ゲロも片付けた。
その後。ピカピカになると、満足して。
また、タイムカードを切る。と帰宅した。
剣河は無職から、なんと、社会人に転生した。
いや、転生じゃねぇな、転職だな。
だめだ、ふざけるの、やめよう、無理に明るくしようとすると、また辛くなる。
今は親が経営しているアパートには住んでいない、自分で家賃や光熱費を払って、別のアパートに住んでいる。
十年前の自分の気持ちを思い出していた。
俺は別に、雷が放てる力とか空を飛べる力が欲しかった訳じゃなかったんだ、俺は「社会に適応できる力が欲しかった」
自分が凡人なのが、認められず、ずっとその気持ちを無視して、いつしか忘れていた。
自分がニートで、何も出来ない無気力で、無力なあの時の現状に多分酔ってたんだと思う。心酔してたんだ。
もしかしたら、自分は落ちこぼれたけど、漫画やアニメみたいに実は隠された能力があるかもと、隠れた才能があるかもって。
自分に期待しすぎていたのかもしれない。だから、辛かったんだと思う。
今は、仕事しながら、趣味でゲーム実況とかやってる、そこそこ反響があったりして、人生がやり直せている気がする。
それで、また、タイムカードを切る。
(給料日まで、あと、三ヶ月・・うーん、今日は何、作ろうかな…奮発して、ちょっと、高いお肉、ネットで買おうかな)
お疲れです。と剣河は帰ろうとすると。
ああ、待って。と店長に引き止められた。
はい?と剣河は振り向く。
ほい、これ、ボーナス。
と、3万円を渡された。
え?いいんですか?
いい、いい、俺さ、この前、競馬で結構当たったんだよね、しかも、剣河君、誕生日近いでしょ?
そうっすね。
(誕生日、半年後なんだけど・・・まぁ、いいか)
それに、いつも真面目に働いてくれてるから。
ありがとうございます!
(やった、なんかもらちった、焼肉、Amazonで注文しようかな…それにしても、ギャンブルか、俺もパチンコにちょっと興味あるんだよなぁ、パチンコの解説動画見たりするの好きだし、一回だけやってみようかな・・)
すると、その日、パチンコで六万勝った。
隣の台で打ってたババア「え!あんた、それ新演出じゃない」
剣河「ええ、まぁ、今日初めてパチ打ったんですよね、はは…・こんな簡単に勝つもんなんですか?」
隣の台で打ってたババア「いやいや、六万勝つってすごいよ!?」
え、俺、すごい…・・?もしかして、ギャンブラーの才能が・・はっいかんいかん!多分、偶然、俺はすごくないんだから、でも、それでもいいんだ。
その後、剣河がギャンブルをする事はなかった。
3日後に住んでいるアパートの部屋にAmazonで、頼んだ少し高めの焼き肉が届き、一人焼肉を楽しんだ。
(ビール!うんまッ!牛タン最高!!)
剣河は二年前に、貯めに貯めた貯金をはたいて、YouTubeに必要な機材を買った。
そして、悪戦苦闘しながら、動画を上がたが、半年で、視聴総回数はたったの百回。
だが、こんなものだな。と落ち込む事はなかった。
最初の頃は全く伸びなかったが、短所だと思っていた、五つもある前世の記憶の話をしながら、ゲーム実況をするというスタイルで、急激に伸び、今はYouTubeの副業で月に三万稼いでいた。
五つの前世の記憶は毎日のように、脳内で流れているので、話のネタは尽きなかった。
しかし、YouTubeで、非無始の話をする事はなかった、なぜなら、非無始との思い出は、大切だから。
非無視さんを助けようとしなかった俺は最低だ、だから、非無視さんとはもう会う資格もない。
そう、1人ポエムを心の中で、呟きながら、仕事から帰っている途中、スーパーのレジ袋を持って、歩いている非無視が二十メートル先にいた。非無視はこちらに気づいていないようだった。
非無始は仕事(極戦隊)の任務でこの街に来ていた。
戦後で人材も足りず、世界中を飛び回っており、以前この街に住んでいたので、自ら希望した。
剣河は思わず、驚いて足が止まる。
非無視は遠ざかっていく、今の自分とは全く関係のない方角へ。
少し、話しかけようか、軽めの挨拶くらいしようかと、迷ったが、やはりやめて、また歩き始めた。
剣河河拾った観葉植物はその後、一ヶ月で復活し、綺麗に咲いていた。
馬骨は未だに、第二形態の妖怪のままの姿でおり、廃墟で暮らしていた。
馬骨は母の写真を見ていると。
馬骨が助けた子供の事を思い出していた。
戦争が終わった後、その子の母親を見つける事に成功し、その子は母親と再会できた。
馬骨は腹を空かせながら、スマホを手に取る。一週間ぶりにスマホを起動させた。馬骨は基本、孤独に強いタイプなのだが、ストレスが限界に達し、寂しいと感じた時は、スマホを触るのだ。
今、ハマっているアプリゲームをやろうと。
すると、馬骨の電話に、一週間前に、一本の留守電が入っていた。
それを恐る恐る聞くと。
馬骨の母と名乗る者からであった。
聞けば、「あなたの親友から、あなたの連絡先を聞いた」そうで、電話してきたようだ。
その馬骨の母親と名乗る者は、自分の住所を教えた馬骨は極戦隊の罠かもしれないと思ったが、半分諦めて、その場所に向かった。そこはある自殺の名所である森だった。
すると、そこには古い、一軒家があり。
戸を叩くが、返事がない。
だが、その一軒家の中から、自分と同じ血の匂いを感じ
る。
恐る恐る、中に入ると。
白髪の老婆がいて。床に布団をしいて寝ていた。
妖の本能で母と分かった。妖の血が母だと、言うのだ。
馬骨は安堵すると、第二形態の姿が解かれ、元の人間の姿に戻った。
だが、その老婆は、すでに息を引き取り、死んでいたの
だ。
だが、不思議と悲しくもなく、涙も出なかった。
馬骨は、その森の土を掘り、白髪の老婆の墓を作ると、また人間社会に戻って行った。
端役の剣河〜現実崩壊の今世〜終わらぬ地獄の輪廻 @naminami025
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