端役の剣河〜現実崩壊の今世〜終わらぬ地獄の輪廻

@naminami025

第1話

私の前世は勇者です。

と、五千万年に一度のイケメン、俳優兼、小説家兼、外科医兼、剣道オリンピック金メダリスト所持者の、鏡坂炎垂(かがみざかえんすい)という名の男は、そう月曜深夜のバラエティ番組で話した。

それを見ながら、オンライン対戦の格ゲーをしていた、青年は。相手に切断され、ブチギレて、壁を思い切り殴った。

青年「クソがよお…二十連勝中だったんだぞ、くそ・あ、やべ・あぁ、また壁を台パンしちゃった・・・やべ、隣の人に怒られるかも・・・」

ごめんなさい…。

と、決して隣には聞こえない声量で、そう呟くと。

落ち着け、こんな時は夜風にあたるんだ。

素数を数えて心を落ち着かせよう…・・1、3、5、7、9、1....。

それは奇数である。

青年は、窓を開け、心の中で独り言をぶつぶつ言い始め

る。

なんか、オンライン、重いんだよなぁ、有線にしようかな…でも、いちいち、調べるのもめんどくせえ・・ああ、脳みそ熱くなってきた、もう考えるのやめよう。

俺は親が不動産を経営してて、ニートなのにアパート暮らしだ。

俺が住んでるアパートは親が経営してるから、まぁ、実質タダ・。いや、タダじゃねぇな、何言ってんだ..。

俺は剣河(けんが)という、名前を付けられた哀れで可哀想な18の無職。東京生まれ、東京育ち、東京住み。

高校を卒業して、四ヶ月が経つ。

俺は何の能力もない・凡人以下だ・・・この世界では、その現実は残酷過ぎた。

この世界は前世の能力がそのまま、現世の魂に引き継がれる。

つまり、前世で、チートみたいな力を持ってたら、現世でもその力を使える。

そんな感じで、みんな輪廻転生を繰り返す。

だけど、俺の前世は中世ヨーロッパの片田舎に産まれた、ただの凡人で、そこそこの金持ち商人が住んでる屋敷の使用人をしていた。使用人の中でも下っ端な方、給料もカスだった。

それで、現世では給料すらない、今の所は。

ああ、友達も恋人もいない・。

まぁ、環境には恵まれてる、何不自由なく過ごせてるから、それに、人生で一度も、特別、嫌な思いをした事はない。

ああ、でもなんか、幼馴染の同級生で学生の頃、いっつもからかってくる女いたな、あいつ、何してんだろうな。

今まで生きてきた、人生の中で一番嫌だったのは、俺の好きだったアニメのヒロインが男の娘だった事かな…。

なんか、Snsでもいいから、友達欲しいな…・。

目標は一応ある、ゲーム実況をしてみたい、面白いネタとかも一応考えて、スマホのメモ帳にネタを書き溜めて

る。

オンライン対戦で神みたいなプレイをして、それを最初に流すだろ?それで、え?俺って、このゲームの申し子…・?ってテロップ出して、その後、俺がゲームでボコボコにやられて死ぬ瞬間を、連続して、バババっと流す。

ぶほぉっw絶対おもろいやんw..。

待てよ、編集のカットとかってどうやってやるんだろうな。

と、気分を高揚させながら、スマホで調べようとする

時。

母から電話が来た。

その着信を、無視してやり過ごそうかと迷ったが、窓を閉めて。

電話に出た。

剣河「うい…・・」

母「あんた、昨日、バイトの面接行ったの?」剣河「いや、まぁ、電話はしたんだけど・・・」母「はあ?電話はって何よ、じゃあ、行ってないの?もう、もう、養いきれないからね、不動産経営してるからって、金が湯水のように出てくるわけじゃないのよ?

今、経営が傾いてちょっとピンチなんだから、なんで、いつもあんたそうなの?途中でなんでもやめる、やめる、やめる、俺には出来ないって、いっつもそうじゃないのよ」

剣河「いや、その・・・なんか・・・やっぱ、向いてないかなって、向いてない事したって、やっぱり、長続きしないと言うか、やっぱ、向いてる仕事をした方がいいじゃん、やりがいもあるだろうし、その方が母さんもいいだ

ろ?」

母「あんたねぇ、そんな事言う前にまず働きなさいよ、それから、考えなさい、人生経験積んで・あんた、ちゃんと朝散歩とかしてるの?日光に浴びて、きちんとした生活を送らないとだめしょ?」

剣河「いや、朝散歩はしてるよ、決めつけないでよ、なんでそうやって、いつも決めつけるの?僕の事を知らないのに、当たり障りのない事言って、それで、解決すると思う?一緒に探してよ、働け働けの一辺倒じゃん、僕は社会の事何も知らないんだから、協力してよ、それなのに、母さんは母さんで忙しいからって、放置したまま

じゃないか」

母「・・あんたに自立して欲しいのよ、独り立ちして欲し

いの」

剣河「だから、それを手伝ってよ、確かに、独り立ちは僕もしたいけど、誰か協力してくれる人がいないと、前に進めないよ、母さんは自分の主張を押し付けて、まるで話し合いにならない、いつも」母「あんただって、ママの気持ち考えずにズケズケ言ってるじゃないの」

剣河「じゃあ、母さんに似たのかもね」

母「…」

剣河「…・・」

母「…・あんた、何かしたい事ないの?」

剣河「いや、まあ・・・その・••・・・・・・ゲーム実況とか?

YouTuboとかで」

母「それで?」

剣河「それで、色々機材必要なんだよ…・・」

母「…・いくらよ」

剣河「まぁ、そんな高くないよ、二十万くらい」母「馬鹿じゃないの!!!!!?」

剣河「怒鳴らんでよ、鼓膜破れるじゃん…・」母「あんたねぇ、そういうのは、自分で働いて買いなさいよ、もう・・・れた…・・」

剣河「別に、母さんに、出してなんて言ってないじゃん、ほら、また決めつける」

母「…」

剣河「安い機材だと画質とか悪いから、厳しいYouTubo

の世界じゃ食えないの」

母「........・分かった、じゃあ、二十万、あげるから」

剣河「え?いいの?」

母「ほら、やっぱり、親の金で機材買おうとしてるじゃないの」

剣河「母さんが、自分であげるって言ったんじゃん、僕は頼んでないのに、意味わからん」

母「とにかく、なんでもいいから、やってみなさい、・・・

はあ…・」

とその態度に再度呆れた様子で、母は電話を切る。

剣河はいっきに、現実に戻された気分になった。

本当は二十万ではなく、二十七万円であった。欲しかった機材諸々の値段は。

そして、また、窓を開けて、夜風に当たる。

もう・いやだ・でもなぁ・・いつまでも、ニートやってる

訳にも・

俺も、空を飛べたり、雷を手から打てるような力があれ

ばな…。

と、空を飛んで、会社から帰る社会人達を頬杖つきながら見ていた。

それぞれの家に往々に、帰宅して、みな、行きたい方向にバラバラに飛んでいた。

翼を広げて飛んでいる人や、空中歩行している者もいた。

剣河「いいなぁ…・・」

剣河は感情のこもってない声でそう呟いた。

この世界には他にもドラゴンや、妖怪なんかもいる、子供の頃はその事実にワクワクしていた、アニメや漫画の主人公に自分を投影し、妄想をしては公園で友達とチャンバラや相撲、おにごっこをしていた、しかし大人になっていくにつれ、ただただ現実に圧倒され、卑屈になっていくばかりであった。

すると、ピンポーーン。とベルが鳴った。夜十一時に、しかも二回も。

チッ、誰だよ、こんな夜に・・・常識ってのがねぇのか。

遠慮なしに、二回押したから、母さんか父さんかな。

剣河「鍵開いてるから、入っていいよ」とドア越しでも聞こえるような声量で言うと。

ドアが開く音が聞こえた。

まぁ、一応、出迎えてやるか。と、窓を閉め、玄関に行くと。

そこには、見知らぬ女が立っていた。

見た目は若い、剣河とそれほど歳は変わらないのではないだろうか、剣河は一瞬にして、混乱しながらも、中の上だな。と無意識にその女の美しさのランクを付けた。

見知らぬ女「先日隣に引っ越してきた者なんですが」

剣河「・・・・・・」息が詰まりそうだった。

剣河「…・・あの・・・」

見知らぬ女「先日、隣に引っ越してきた、203号室の非無始と言います、非無始というのは苗字です」淡々と挨

拶する女。

203号室って、さっき俺が壁を台パンした・。

剣河「いや、あの、すみませんでした、ほんと、その、わざとじゃないんですよ…。ちょっと、転んで、肩を壁にぶつけたって言うか」

ガチャ、カチ。

と、その女は、剣の部屋の鍵を閉め、扉のチェーンをはめた、思わず、口が止まった。

すると、一瞬時が止まったかのように、静寂が流れた。

剣河(なんだ、今の業者のような、早さは…手慣れてやがる•・・・・・え?いや、俺、何言ってんだ?)

美女「あの、部屋に上がらせてもらってもよろしいですか?少しお話しがあるので、これ、つまらないものですが、よかったら)

と、少し高級そうな菓子折りを差し出された。

剣河は彼女いない歴=年齢だった事もあり、表情には出ていなかったが、心臓が人生で一番鳴っていた。恐らく、恐怖していた部分もあった、それに、非現実的すぎる出来事が起きているので、不安もあったのだろう。自身の手が震えてる事にさえ、気づいていない、なんとも言い表わせない感情が脳内を支配していた。

剣河(待て、落ち着け、俺・・・今のこの状況を整理しよう・・・まず、初めに…・いや、無理だ、そんな冷静でいられるか!落ち着け、心の中で深呼吸だ..

•・・・・・・・・・・まず、他人

を家にあげない、うん、断ろう)

剣河「あ、あのおw…はは、いや、ちょっと…・・」そう発した後、沈黙する。

すると、数秒、非無始という美女と目が合ってしまい。

結局部屋にあげてしまった。

剣河(俺の馬鹿野郎!なんで、理性で動けないんだ!もし、殺されでもしたら・・・・・・まあ、もういいか・・・殺されても…・・)

剣河とその非無始と名乗る女は、リビングにある、少し、小さいちゃぶ台越しに対面して座っていた。

剣河はもちろん、粗茶も出さない。

剣河「それで、なんですか?詐欺の押し売りですか?」すると、頬を赤らめ、美女は突然もじもじしだす。

前世であなたに助けられたのです。と言う女。

剣(やっぱ、詐欺かよ…・・ていうか、詐欺師の常套語じゃん、それ、適当に聞いて、帰そ)

剣河はすかしていたが、実は美女と話せて少し嬉しかった。

非無始「前世では、あなたは見習いの使用人、私は飢えに苦しんでいた、哀れな美しい女でした。

剣河「自分で言うのか、それ」

非無始「私は、あなたが仕えている家主の屋敷にある食料を、だめだと分かっていながらも盗もうと考えたのです」

剣河「うんうん」

非無始「しかし、あなた以外の他の使用人に見つかってしまい、その使用人は、私に罵声を浴びせ、私の命を奪おうと考えたのです」

剣河「ほお、ほお」

非無始「なんとか、命からがら逃げたのですが、私はまだ屋敷の中、お腹も空いて、頭も回らず、疲弊しきって、怯えながら、隠れていた時。

あなたが、私に食料をくれたのです、その食料のおかげで、空腹をしのぎ、なんとか、その屋敷を脱出」非無始「私は、ずっと、あなたと、結ばれたかった・・・」

剣河「いや、待て待て、俺も実は前世の記憶があるんだけど」

非無始「え!ほんとですか!?もう、運命じゃないですか、結婚しましょう」

剣河「いや、その、俺、そんな出来事記憶にない」

え…。

非無始「覚えていないんですか?」

剣河「てか、デタラメだる、そんなの、だって、屋敷に泥棒は入ってきた事あったけど、全部おっさんとかだった、それに、そんな濃ゆい体験だったら、忘れるはず

ねえもん」

非無始「いや、本当ですって!」剣河は怪訝で呆れた顔を見せた。わざと。

非無始「なるほど、私に魅力を感じないので、さっさと、追い出そうと、しらを切るつもりですね」

・・。

非無始「いいでしょう、命の恩人であるあなたの事がどれだけ好きか、お伝えします、まず、私のスペックをお聞き下さい、そして、その能力であなたに尽くします」

剣河(なんなんだよ、プレゼンが始まろうとしてるよ…・・そこまでして、俺を騙したいのか)

非無始「ちなみに、私は、1Q300以上あります、空も飛べます、放射線にも耐えれます、新幹線と同じ速さで走れて、後、頭がなくても、一週間は生きていられます」剣河「最後の能力怖すぎだろ!」非無始「それと、生涯で、500人ほど、子供を作れま

す」

剣河「枯れ果てるわ」

非無始「野球チーム作れますね、球団クラスの」剣河「狂ってるよ、あんた」

剣河はある事に気づく。

剣河「?いや、待て、その能力ってお前、あれじゃん!

あれか!」

剣河「前世ゴキブリなのか!?」非無始「え?なんで分かったんですか!?」

剣河「いや、まあ、何の能力も持ってないからこそ、そう言うの色々調べちゃう・ってのは今はどうでもい

い:」

剣河「え!じゃあ!お前!尚更、分かんねぇよ!なんなんだお前は!」

剣河の脳みそで、たったの一生では、一日中考えても、非無始の言っている事の真を確かめるというのは、不可能なので、ここで、事細かく種を明かすと、非無始の前世がゴキブリである事は正解である。

しかし、実際、前世の剣河(屋敷の見習い使用人)のおかげで助かったというのも、本当である。

事実はこのような感じだ。

剣河(前世)「えぇ!?ゴキブリ退治を手伝えって!?」使用人リーダー「しっ!声がでかい!」と40代ほどの渋く端正な顔立ちをしている男が剣河(前世)の口を塞ぎ、辺りを見渡す。

剣河(前世)「なんで、ゴッキーが出たくらいで、大事なんですか?」

使用人リーダー「いいかい、君はまだ新人だから知らないだろうが、上流階級の屋敷というのは、汚くあってはならないんだ」

剣河(前世)「あぁ…・・」

使用人リーダー「って君も上流階級側の人間だったね、君のお父様、十年前に、石油を掘り当てたんだって?」剣河(前世)「そうっすね、社会を学んで来いと、無理やり、使用人なんてやらされてますけど・・・」とあくびをす

る。

使用人リーダー「とにかく、ゴキブリを退治できたら、そのゴキブリ持って帰っていいから」

剣河(前世)「え!マジすか!やった!」使用人リーダー「だから、声がでかいって!」とまたロ

を塞ぐ。

剣河(前世)は、意表を突かれ、顔をキョトンとして、首を小さく縦に二回振る。

その時代、ゴキブリは漢方薬として、ほんのちょっとだけ偉く重宝されていたそうな。

ゴキブリは一匹五百円で売れた。

一方その頃、屋敷の主人の部屋に、ゴキブリは隠れていた。

部屋には、屋敷の主人がパイプタバコをふかしていた。

ゴキブリはあえて、この部屋を選んだ、なぜなら、まず、使用人達は、主人に一番、ゴキブリの侵入を許してしまった事を知られたくないはずだからである。

そのため、この部屋を仮に詮索するとして、私(ゴキブリ)を探すのなら、主人が部屋を出た後。

きっと、後回しにするはず。

主人の前で私を見つけるのは、あちら側も大損だ。

できれば、こっそり見つけたい。と思っているはずだ。

すると、扉が勢いよく開いた!

失礼します!

屋敷の主人「おお、クター君(前世の剣河の名前)今日も元気がいいね」

ゴキブリ(ええ!なんで!?あの格好・使用人!?)

と、ゴキブリは、タンスの下の隙間に隠れていたのだが、頭を少し出して、クター(前世の剣)を見た。

使用人と確認するや否や、さっと、体を壁のはじまでカサカサと、走って、寄せた。

そして、じっと息をひそめる。

ゴキブリ(なんで!?主人にバレたら?クビが飛ぶのかもしれないのよ!?バカなの?」

※バカです。

屋敷の主人「それにしても、何の用かね?」

ゴキブリ(ほおら、もう詰みね、あなたは・さあ、どう、答えるつもり!?)

剣河(前世)「いや、主人、あの!近くに、メソボタミア文明を発達させたと言われている、宇宙人が!いるらしいっすよ!」

ゴキブリ(いや、そんな嘘で騙されるやつなんて・)

屋敷の主人「まじで!!!!見に行ってくる

わッツツツツ!!!」

ゴキブリ(いたよ、なんでだよ!!!)

そして、屋敷の主人は家を飛び出した。

ゴキブリ(なんで、そうなるのよ…・・もう、ここまでなのかしら…・・もしかして、私の考えを読んでいたの?この

男⋯!)

ただ、単に、何も考えずに、この部屋を探す事を最初に選んだのである、因みにこの部屋にターゲットがいる事にも気づいていない。

剣河(前世)「ふぁ〜よし!ゴキちゃん!」ゴキブリ(ふうえ!?いきなり、あだ名!?)

剣河(前世)「お前をもらうぜ!」

ゴキブリ(わ、私を!もらう!?もしかして…)

ゴキブリ(お嫁にって事!?)

※言ってない。

ゴキブリは吊り橋効果で、剣河(前世)を好きになってしまった。

数分後。

もう、やめた。と、剣河(前世)は、床に寝っ転がった。

ゴキブリ(諦め、早!どんだけ根性ないのよ!)

剣河(前世)は鼻をほじる。

すると、過去に類を見ないほどの大物(鼻くそ)を掘り当てた。

剣河(前世)「おお!すげぇ!これはほぼ現代アートみたいなものだろ!床に飾ったとこ」と、床に鼻くそをべちゃあ。と飛ばした。

そして、立ち上がると、大きな背伸びをした。

剣河(前世)「よし、見つからなかったとリーダーに伝え

にいく…・・か・」

と、なにやら、カサカサと床の方から音がする。

その方向を向くために、斜め下を見ると。

ゴキブリが先ほどの鼻くそをもりもり美味しそうに食べていた。

剣河(前世)「フギイいいのはまるいぼらう

ほいいいいい!!!!!!!!!」と人間の声とは似ても似つかわしくないような、奇声を発した。

その声は、屋敷中に響いた。

すると、婦人部屋にいた、主人の妻は「何、今の悲鳴!?もしかして!ついに、この屋敷で殺人が起きたの!?」

メイド「シャーロックホームズの見過ぎですよ、奥様…」

一方その頃、パニック状態の剣(前世)は、屋敷の主人の部屋から脱出しようと、近くにある、窓を開けた。

剣河(前世)「ちょっと待って!よく考えれば、ドアから出ればいいじゃねえか!」

と、剣河(前世)は、ドアから勢いよく飛び出た。

ゴキブリはそのドアから、屋敷を飛んで出た。

剣河(前世)「しまった!逃げられた!!!」

剣河(前世)(まぁ、いいか・・・五百円くらい)

と、言うのが、剣河と非無始の出会いである。

非無始は恥ずかしがって、鼻くその事を食糧などと言ったりして、この話を美化していた。

剣河「なんだよ、前世コンプレックス持ってんのか?贅沢な悩みだな、ていうか、ほんとかよ、新幹線と同じ速さで動けるって本当なら見せて欲しいわ」と、瞬きすると、非無始は目の前から消えていた。

剣河「え?」どこ言った?

これでいいですか?と真横で、あの女の声が聞こえた。

剣河「うげやえいおぉどああああ!!!!」思わず、びっくりして、声と呼べないような奇声で、叫んでしまう。

非無始「かわいい・・・確か、前世で私を見つけた時も同じ、叫びを上げていましたよね・・」剣河「可愛いって言うな!」く、屈辱・・。

非無始「どうですか?分かってもらえましたか?」剣河「はいはい、マウント取れて良かったね」

非無始「かわいい・・・」

剣河「この野郎・・・」

非無始「あの、このまま押し倒してもいいですか?」

剣河「ごめんなさい」

剣河(落ち着け、こんなイカれた能力持ってる奴に勝てる訳ない、それに最近の研究で発見された事だが、ゴキブリは、性的共食いをすると言われている、そう、この前世の力を現世でも使えるってのは、一見すると、めちゃ、羨ましいが、倫理観や、思考、考え方が、前世に引っ張られて、前世が動物や昆虫の奴らは犯罪率がめっちゃ高い傾向にある、ここは、不本意だが、下手に出て、あまり、相手を刺激しないようにしょう…・)

非無視「しかも、私、お腹の中に、卵五十個あるんですよ、すごくないですか?無精卵なんですけど」

剣河「え?卵?あぁ、妊娠してるって事?じゃあ、その相手は?」

非無視「それ以上詮索しないでくれます?不快なんです

けど」

剣河(いや、あんたから、その話持ち出したんだろ!?)

非無視「まあ、今は私、フリーなんで、妊娠してるのに、フリーの私って可哀想じゃないですか、なので、付き合ってる下さい!」

剣河「え、あの、そういうのは、まず段階を踏んでから

で」

非無始「え?じゃあ、段階踏んだら、いいんですか!?」

剣河「え、ええ・・・まあ、はい・・・W」非無始「よし、では、分かってもらえたので私は帰りま

す」

と、音速で帰って行った。

剣河「どうしよう・・・察に通報・・・いや、して、何て言うんだ?それに、仮にあいつが襲ってきて、その時、響察を味方につけていたとしても、海外ドラマとか映画みた

いに、モブ察官があの非無始って女に能力で、殺戮される予測しかつかないんだけど・・・まぁ、とりあえず、どうでもいいか…・」

剣河は不思議と冷静だった。色んな感情が渦巻くような奇妙な体験をした時、人は案外冷静になれるものなんだと。剣河は思って、その日は寝てしまった。

続く…。

自己肯定感が高い。というのは、自信に満ち溢れている。という意味ではない。

弱い自分でも、それでもいいか。と認められる。ダメな自分で別にいいか、と自分を認める。ものの事を言うのである。

剣河は、最近、その事を本やらネットを見て、学んだ。

しかし、現状維持で何も行動を起こさない、知識ばかり増えていく。

そして、剣河と非無始が出会って、三ヶ月が経った。

剣河は相変わらず、無職である。今日も今日とて、部屋に引きこもりゲームをしていた。

ゲーム実況者になろうという案は、すでに頭から消えていた。なぜなら、ゲーム実況について色々調べるにあたり、ゲーム実況者として、生活するのは、楽ではなく辛い道のりだと言う、現実を思い知ったからである。

剣河「というか、ip300あったら、もっと、なんか

さあ…・」と。

非無始「私の賢さは普段は、普通ですが、命の危機に陥ると、途端にipが300まで跳ね上がるんですよ」

剣河「いや…まあ、普通ではないと思うよ…・普通だったら、俺とゲームして、負けて、人(剣河)の机をぶっ壊さないと思うよ…・・」

と、言いながら、こなごなに壊れた机を2人で片付けていた。剣河の部屋のリビングで。

非無始「いや、わぎとではないんです、かっとなってつ

い…」

剣河「気持ちは分かるけど、もう、やめてね・・・」

非無始「気持ち分かるんですか!?怖いっ!」

剣河「あんたが怖いよ!時速300kmで台パンを真横でされるこっちの身にもなってくれよ!

知ってるか!?ショショの奇妙な冒険のグレイシーダイヤモンドも時速300kmで殴るんだぜ!?怖いに決まってんだろ!」

非無始「でも、あなただって、壁を殴ってましたよね。

しかも、肩がぶつかったなんてバレバレな嘘を」剣河「…・・!そ、それは…・・!」

非無始「なんですか?非力なら、正当化出来るんですか?」

剣河「それはごめん、謝る、でもさ、君だって、僕の机を破壊した訳じゃん、確かに僕も悪かったかもしれない、だけど、悪い事をされたからって、悪い事をしていい、理由にはならないでしょ?しかも、君の方が、酷い事してるじゃないか、器物破損、僕は別にあなたの物を壊したりした訳じゃない、人は誰しも失敗するだろ?人生で数えきれないほど、でも、間違ったら、謝る事が大事でそこから正す事が大事じゃないの?僕は謝ったよ、でも君は全く反省の色が見えないよね、ほら、謝って

よ」

非無始「・・あんたね、なんで、そんな上から目線なのよ、ニートのくせに」

剣河「今、僕がニートな事は関係ないよね、そうやって、他人が言われたら嫌な事言うのやめた方がいいよ」非無始(何こいつ、めっちゃ腹立つんだけど…・・!)

非無始の心が少し揺らいだ、ミセンチほど。

その後、なんやかんや喧嘩したが、二人とも、ゲームを楽しんだ。

剣河は、深夜コンビニに帰る途中、夜食が入っている、レジ袋を片手に持ったまま、深いため息を吐いた。

剣河は、人生を半分以上諦め、自殺願望もあったため、非無始を拒絶するのではなく、受け入れていた、まあ、美人だからというのもある。

友達も恋人もおらず、家族とも疎遠気味で、部屋でいつもたった独り、孤独感で押しつぶされそうになっていた、剣河にとって、非無始との出会いは、なんとも言えない感情をくすぐる。

剣河「はぁ、今日も今日とて、無職か」剣河は環境に恵まれている。

衣食住に困っている事もなく、親に支えられているから

だ。

まさにおんぶに抱っことはこの事である。

だが、なぜこんなにも、ひねくれダメ人間になってしまったかと言うと。

実は剣河は、前世の記憶を五つ持っていた。

世界人口の十人に1人が前世の記憶を五つ以上持ってい

る。

世界人口は七十億人なので、十億人が、前世の記憶を五つ以上持っているのである。

つまり、あまり、稀な事ではない。

左利きがいる割合が、十人に1人なので、そのような風に捉えてもらえればよい。

しかし、記憶がたくさんあるのは不便である。

その前世の記憶だけで、脳のメモリーを三分の一使っており、日々消耗している。

剣河は、前世では必死に頑張っていた。しかし、凡人以下がいくら頑張ろうとも凡人にすらなれない。

底辺の人生から救ってくれる救世主も現れない。

そして、五つも記憶を持っている、剣河が出した充実した人生を送る方法の答えは現状維持であった。

そう、確かに、現状維持は日々、小さな不幸で苦しむ事になる。

だが、意味もなく、成長してみようだとか行動して、傷つくよりも、何倍もマシだったのだ。

剣河(俺の目標は無職のまま死ぬ事、寿命なんていらない…寿命はクソ・・・・・早く死にたいのに、仮に自殺するか、自殺幇助(じさつほうじょ)してもらうとして、下半身付随とか、全身付随とか、大きな後遺症が残ったまま、結局若くして死ねずに、老衰して、一生を終えるんじゃないかとか考えると、死ぬ勇気が出ない、かと言って、働くのも怖い・・・もう、マチムリ、リスカショ・・・)

そう、思いながら、帰路にある、横断歩道の赤信号を待っていた。

隣には、こんな遅くに10歳ほどの子供が。

何やら、眠たげだった。おそらく、少年も剣河と同じ袋を持っている事から、コンビニ帰りなのだろう。

剣河(こんな遅くに、同業者がいたとは、多分、不登校なんだろうな)

剣河は待っている間、スマホをいじり、ワイヤレスイヤフォンを耳にはめた。

YouTuboで、楽な死に方。と検索した。

すると、完全燃焼した練炭を車の中に入れ、そこにじっとしていると、楽に死ねる。という動画を見た。

剣河(練炭自殺か・・・・・・••・)と、剣河はその動画のコメント欄を読んでいた。

すると、剣河と同じように死にたいと思う人達で溢れかえっていた。

剣河(あぁ…・・味方がいる…・)

と、心の中でつぶやくと、少し、涙目になる。

剣河(ああ、なんで、俺はメンヘラなんだ!この前この動画見ただろ、それで、練炭が完全燃焼するまで、10時間経つって聞くから、めんどくさくて、結局やらなかったんだよ!もう!今の俺のポエム気持ち悪ッシッツッツ!)

と、スマホを切って、ポケットに戻した。

だが、この動画を見ると、不思議と気持ちが軽くなる。

なぜだろう。

スマホならば、この動画をいつでもどこでも見れるので、ネット依存症の剣河は、外出する度、スマホをポケットにしまっていた。

すると、隣にいた、少年はウトウトして、目を擦りながら、横断歩道を歩く。

剣河「え?」(いや、お前、まだ赤・・・)

すると、そこに、時速40kmを出している軽トラが、走ってくる。

軽トラの運転手は運転席の窓を全開にして、そこに、肘をつき、大あくびをかましていた。

剣河「やべぇ!!!」

その大声に軽トラの運転手は、緩んだ気が元に戻る。

剣河は、車の前に出て、子供の盾となった。

スマホは飛び出した拍子にポケットから、出る。

しかし、車は急ブレーキをかけて、事故は起きず、2人は無事だった。

だが、ほんと、後数秒、軽トラの運転手がブレーキを踏むのが遅れていたら、剣河にはぶつかっていただろう、そのくらい、すれすれで、思わず、剣河は、へたぁ、と腰が抜けて、座り込んで、涙目になる。

そして、剣河は、立ちあがるうとすると、足がありえないほど震えていて、やっとのこさ立ち上がったが、つまづいて、こけて、ひざを擦りむいた。

子供は泣くこともなく、ただ驚いていて、瞳孔がガンと開いていた。

その一部始終を少し遠くから見ていたおっさんが、駆け寄る。

おっさん「す、すごい・・・勇気だ・普通とっさに動けない

よ」

剣河はこの成功体験のせいで、安い自信がつき、自分に疑心を持ちながらも、自己評価が高くなるにつれ、自分のひざから血が出ているのを見て、弱い自分を認められない事により、自己肯定感が下がった。

自己評価が肥大化していくと、理想の自分と、現実の自分の差が激しくなり、葛藤に駆られた。

一方その頃、鏡坂は、同じ極戦隊の仲間の一人、九郎という男と共に、南米のとある村にいた。

助けを求められていたのだ。

害獣駆除を手伝って欲しいと、その害獣は、村を踏み潰して、破壊し、確認できるだけでも、1506人は噛み殺している。と、そのうちの半分は快楽(遊び)の為に殺し回っている。

散弾銃や、ライフル、戦車の砲弾を受けても無傷らし

く。

その戦車をなんと咀嚼して、喰ったらしい。

その害獣とは、前世が八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の全長およそ1000m、体重170t以上、時速238km移動する人

喰い超巨大ワニであった。

想像したまえ、フランスのエッフェル塔が324m、東京スカイツリーが634mである。

東京スカイツリーの三倍以上の巨大が、新幹線並みのスピードで、移動する。もはやそれは神話の幻獣のような美しさがあった。

そのワニの被害にあった、村まで行くと、そこは惨たらしく損傷した村が。まるで大嵐が過ぎ去った後のような喪失感を感じさせる。

鏡坂「九郎、村の人達に精神回復魔法と、肉体回復魔法をかけてくれ、俺はワニを仕留めてくる」九郎「言われなくても、やるよ」と、村全体に九郎は回復魔法をかけた。

鏡坂は目を閉じ、五感を研ぎ澄ませた。

近い・・・下か・・。

と、ワニはなんと地面に潜んでおり、地面を破壊しながら、現れ、鏡坂を喰おうとする。

ワニが村の地面を壊し、激しく動いてしまったため、地響きが起き、さらに建物に傷がつく。

その超巨大ワニを鏡坂は素手で一撃で仕留めた。

村人達は、鏡坂達に感謝するわけでもなく、ほとんどが刺すような視線を送った。

村人の女「なんで、もっと早く来てくれなかったのです

か?」

九郎「あんたらだけが、困ってると思うな、他にも命の危険に晒されている人がいるんだ、忙しいんだよ、別に暇してた訳じゃねえ」

村人の男「冷たいんだな、お前達が来るまで、俺らはワニを食い止めてたんだ、労いの言葉もなしかい、さすが

は極戦隊」

九郎「労いの言葉もなしだと!?それはこっちのセリフだ!俺たち極戦隊はいつも命を賭けて戦っているんだ!」

村の長老「それは当然じゃろう、お主ら極戦隊は、わしらが納めている税金で飯を食っているのだ、命を賭けて戦うのは当たり前じゃ」

九郎「なんだと、じじい・・!」鏡坂「やめる、九郎、もう行くぞ」

九郎は何か言いたげであったが、その言葉をのんで、舌打ちをする。

鏡坂は九郎と帰っている途中。命を賭けて戦うのは当たり前。という言葉を思い出していた。

鏡坂(そう・なのか?)

すると、九郎は鏡坂に精神回復魔法をかけた。

九郎「もう、気にすんな、一々深く考え込むのは体に毒だ、なんか美味いもの食べて、寝て忘れようぜ」

鏡坂「そうだな」

と、南米にある銭湯で体を癒し。

日本に帰宅すると。

九郎の家にその日は泊まり、二人で楽しくテレビゲームをしながら、Uberでラーメンやカツ丼を頼み、それを食べた後、ぐっすり寝た。

一人の男がいたその男の前世はスパルタ軍の王レオニダ

スー世である。

スパルタは、現在のペロポネソス半島南部スパルティにあった古代ギリシア時代のドーリス人による都市国家である。

スパルタ軍は300人で、20万人の敵軍を返り討ちにしたという。

そして現世でも、その戦闘狂いぶりは激しく。

相手が100人だろうが、1000人だろうが、一人で戦いを挑んでは、血まみれになって帰還する。

名は、老出連寺(ろうだれんじ)。

戦士であれば、誰もが知り、尊敬し、恐怖する男であった。

その男の目的は天下無双、その願いが叶うのであれば、どんな屈辱であろうとも、構わなかった。

しかし、その男は純粋であるが故に善悪などはどうでも良く、ただひたすらに強さを求めていた。

悪人だろうが、善人だろうが容赦なく叩き斬る。

弱者には興味がなく、常に強者と戦う事が幸福であった。

因みに、メロンソーダが好きである。

そして、街中で、帯している鏡坂を発見すと、勝負を挑んだ。

鏡坂は戦いを拒絶したが、お構いなしに。

男は先手必勝で、最速の抜刀術で斬りかかる。

鏡坂はスレスレで避けると、その斬撃は、ビル群を真っ二つにした。

男は、地震や津波よりもはるかに驚異的である。

鏡坂は激怒すると同時に剣を抜いた。

激しい読み合い、剣が衝突するごとに地響きが起こる。

強者である老出連寺の計算では、後、三十手で勝負は決まると予想しており、もちろん、勝者は老出自身。

しかし。

なぜか、計算外の攻撃が老出に当たる。

老出(なぜだ!?確かに、今の攻撃は防げたはず・・・!この男、鏡坂は今、何をした・・・!)

鏡坂には特殊な能力があった。

その能力というのは、身体能力を0.98倍上げるというも

の。

いや、弱くなってるじゃねぇか!

ふざけてんのか!ぶち殺すぞ!

とお思いだろう。

しかし。

鏡坂はほんの一瞬、能力を使い、身体能力を0.98倍、下げ、瞬間的に元に戻す。

強者は、相手の動きを予測しながら、常に戦闘してい

る。

そのため、一瞬、相手の身体能力が変化すると、タイミングがずれ、攻撃が当たってしまうのだ。

野球で、ピッチャーが、あえてスローボールを投げ、バッターのタイミングを外し、ストライクを取るように、鏡坂は、この戦法で今まで勝ってきた。

そして、予想外の攻撃が、致命打となり、老出は追い詰められ。

鏡坂の正体不明のその力にだんだんと精神を削られる。

剣河は相手の斬撃を空中でかわすと、そのまま男の剣を必殺の奥義で粉々にし、男に裏拳を顎にクリーンヒットさせた。

男の脳はぎゅるんぎゆるんと揺れ、脳震盪を起こすとそのままを吹いて気絶した。

剣河は綺麗に着地すると、荒い息を整えるため、肩が上がるほどの深呼吸をする。

鏡坂(かなり、手強かったな・)

鏡坂は生まれてこのかた敵なしで、少しテングになりかけていたので、このような接戦は初めてであったため、自分はまだまだなんだと、自己評価が下がった。

しかし、鏡坂は自分を認める事ができる。

鏡坂「よし、帰ったらさらに修行を積もう、自分が弱い事を知れて今日はいい日だ、反省点が三つも見つけられ

た」

その反省点を活かす事で、更に強くなり、接戦だった剣豪の男と同じレベルの敵が数日後に現れたが、善戦して、勝利を収める事で。

自己肯定感が上がった。

性格診断「あなたはどれ?やる気のある有能orやる気のない有能orやる気のある無能orやる気のない無能」

剣河は、スマホのGoogleを使い、性格診断を見ていた。

しかし、その活字を見た瞬間、スマホをすっと閉じた。

なんだよ、やる気のない有能って、やる気がない時点で、無能だろ。

と、寝転んだ。

しかし、剣河は人一人を救った。

人を救ったと言っても、日本全体の規模で見ればちんけな出来事であり、語り継がれる事もないだろう、もしかすると、剣河が子供の盾にならなくても、車の事故は起きなかったのかもしれない。

しかし、剣河は少しばかりの自信がつき、浮ついた虚勢のような、ふわふわした気分であったが。

剣河は、【自分に見合った仕事をする】という目標を立てた。

再起をはかるため、手始めになんの職業に就くか、アパートの部屋で一人、考えていた。

剣河「…・まず、好きな事を仕事にしろってよく聞くよ

な…やっぱ・ゲームと寝る事くらいしかないな…・・」剣河

「まぁ、目標を達成するには、ちゃんと物事を考えて行動した方がいい・・・うん」

剣河「そうだな・・何でもある、YouTuber。清掃員、漫画家、イラストレーター、学校の先生、コンビニのバイト、医者、弁護士、介護士、そして」

剣河「極戦隊…・!」

極戦隊とは、超越的な前世の力を悪用する者を退治する職業である。

極戦隊は、前世特異能力者(超越的な前世の力を持っている者達の事)のみが住む事が可能な国の王が、五十年前に作った、軍隊である。

鏡坂はまさにこの職業に就いており、誰よりも適任だからだ。

ちなみに、非無始も極戦隊の一員である。

最近、試験を受けて、合格した、一発で。

しかも試験の成績ではダントツー位であった。

極戦隊の数は、146万人いる。

その中でも剣河が一番好きなのは、アレックス・レイボンという極戦隊である。

老け顔のおっさんで、泥臭く戦い最後には勝利する。

彼は元々落ちぶれた、ホームレスであり、力も前世特異能力者の中では弱かった。

だが、努力に努力を重ね、ついに、極戦隊の試験に合格して、今では極戦隊の即戦力となっている。

彼は子供の頃、雨の日、階段から滑り落ちてしまい、その後遺症が今でも残っているため、前世の記憶は覚えていない。

この人を見ていると勇気が湧いてくる。と弱者の剣河はYouTuboでレイボンの戦闘を見ていた。

剣河は何の能力もない凡人以下であったが、レイボンに感情移入してしまい、いつも、レイボンが敵に吹っ飛ばされ、倒れるが、フラフラになって、立ち上がる所を見て泣いてしまう。

剣河「俺の好きな事あった!俺はレイボンのような、極戦隊になる!」

剣河「よし!まず!腹筋百回しよう!」と、体を仰向けにして、膝を曲げ、思いっきり、上体を上げようとするが。

剣河「ぐっぎついゆあッツ!」

と、結局上げられなかった。

すると、ばんっ!と勢いよく、玄関のドアが開いた。

リビングのドアも開いた。

非無始「今!めちゃくちゃ、情けない声が聞こえてきて!あの!好きだ!食べていいですか!?」ヨダレジュルリ剣河「もう、俺を食料としか見てないだろ」

剣河(今は弱くても、絶対強くなりたい、絶対!極戦隊になるんだ!)

鏡坂には、妖怪の友達がいる。

日本(大和大国)と妖怪は、千年以上も、戦争を繰り返しており、現在は冷戦状態である。

その友達の妖怪は、人間と妖怪の間に生まれた子供、いわば半であり、その半の人間の部分が妖怪世界を精神的に拒絶し、逃げるように、人間世界に不法入国したらしい。

妖怪世界には差別や偏見がない代わりに治安がとても悪かった、無法地帯と言ってもいい、法が機能しているのではなく、そもそも、法がないのだから。

弱肉強食、殺し、共食い、近親相姦が当たり前の世界。

馬骨は父の病死をきっかけに、精神が不安定になり、妖怪世界を出ていった。

馬骨には、馬骨が幼い頃、行方不明となった人間の母親に、会う。という夢があった。

妖怪の血は流れているが、その見た目は人間であった。

その半妖の名は、馬骨。 名で、赤葉春と名乗ってい

る。

端正な顔立ちで若々しい。妖の平均寿命は千年。

瞳に光がなく、目の下に深いクマがあるが、それは過去に辛い事があった事を表しているのだと、鏡坂はそう、感じた。

馬骨は常にニコニコしており、幸せそうで何よりだと、鏡坂は思った。

事情を聞いた鏡坂は彼を匿おうと思い、半妖の友達は鏡坂の家に居候している。

鏡坂は、四階建ての二階にあるアパート暮らしで、半妖の友達は、度々どこかへ、外出しており、二人で暮らしていた。

鏡坂「今日は焼き魚とおにぎりと味噌汁にしようかな」と、鏡坂は帰宅すると、キッチンに向かった。

馬骨「まじで!やった!」鏡坂は料理の準備を終える。

二人で、夕食を食べながら、どうやったら、妖怪と人間の戦争はなくなるか、話し合ってしていた。

この議論をいつも、2時間ほどしていた。

悪党や、助けてもらえるのが当たり前だと思っている世間のクソ共の負のエネルギーを毎日くらっている、鏡坂にとって、この時間が最高の癒しであった。

その頃、夜、公園でなにやら、二人の男女が睨み合い、ファイティングポーズを取り合っていた。

それを、OLが、怪訝な顔をしながら、通り過ぎようとした。

その男女は、剣と非無始であった。

剣河「よし!出てごいやぁ!」非無始「じゃあ、行くわよ」

柔道黒帯、非無始の、大外刈りからの寝技!

グギギギ。と剣河の体がきしむ!

剣河「ギブギブギブギブ!」

剣河を倒した!

非無始「テレレレッテッテッテー、非無始は経験値1を獲得した」

剣河「くそおおおお!なんで経験値1なんだよ!舐めやがって!もう一回じゃ:」

通りすがりのOL(なんだ、カップルが、いちゃついてるだけか・・というか、その実力差なら、経験値1は妥当だと思うよ、彼氏君)

剣河は様子を伺っている!

非無始は寝技に持ち込む!

剣河は必死に、寝技から抜け出そうともがく!

ミス!抜け出せなかった!

非無始「はあ…・はあ…・剣河君、いい匂いするねえ、非力で、かわいい、美味そう」

通りすがりのOL(うわぁ・・・リア充のイチャイチャとか見るんじゃなかった…死ねツツツツツ!!!!!!)

非無始は、剣河の首筋の汗を舐めた!

剣河の全身がゾゾゾと震える。

剣河「うぎやっ!おま!きしょ!バカ!垂れ乳が!ブラ剣河の罵倒が非無始の心に効果抜群だ!

非無始「もういっぺん言ってみて・・・?」

非無始を怒った!

非無始は、力を少し強める!

剣河「いぎやあ!!!まいった!すみませんでした!」

剣河を倒した!

剣河は、体育座りして、非無始に背を向けて、しゅん・と、落ち込んだ。

非無始「いや、才能の差だから、仕方ないよ、落ち込むことないと思うよ…・・?」純粋な励まし。

通りすがりのOL(それ、励ましてるようで、さらに心抉ってない?とどめ刺してない!?)

すみません、この人をご存知ですか?

と、剣河は、街を歩いていると、突然、見知らぬ男に若い女性の写真を見せられ、訊かれた。

その男というのは馬骨であった。

馬骨は、ある女性の写真を手に持ち、街で、この女性を知らないか。と街行く人に鏡坂と共に、聞き回っていた。

その写真の女性は、笑みを浮かべ、口を上品に手で隠して、薬指の結婚指輪を、煌めかせていた。

馬骨「この人は僕の母親なんです」

剣河「いやあ、知らないっすね、すいません」

剣河(え、ていうか、隣にいる人、鏡坂じゃね?)

剣河「あの、もしかして、鏡坂さんですか?」今度は、剣河が鏡坂に質問した。

鏡坂「はい、そうですよ」

剣河「まじっすか、俺、めっちゃ、ファンなんですよ!

握手して下さい!」

鏡坂「はい」と張り付けた営業スマイルで握手した。

剣河「あと、もし、よかったら、サインもいいです

か!」

と、剣河はこんな事もあるのでないかと、いつも、色紙を持っていた。

剣河が住んでいたのは東京の中央区でありテレビ局も近くにあるので、有名人を時々見かけるのだ。

そして、鏡坂は、サインした。

剣河「すげえ!家宝の宝にします!.............」

剣河(・・これ、転売して売ったら、高値で・・・・・・いやいや、だめだだめだ、俺は本当に家宝にするんだ!)

鏡坂(今、こいつ、絶対、転売して売ろうと思ったよな、まあいいか…・・)

剣河(やべぇ、色々、質問とか話したいけど、オフだから、失礼だよな…・・いやでも・・・)

鏡坂「俺、ちょっと、トイレしてくるから、待ってて」と、近くにあった、公園の公衆便所まで歩いて行った馬骨と、剣河は二人きりになった。

一瞬、静まり返って、お互い、ちらっと目が合ったが、二人とも、だんまりだった。

え、気まず…・。

剣河「鏡坂さんとは、知り合いなんですか?」と馬骨に聞く。

馬骨「知り合いって言うか、親友です、あいつだけが、僕を分かってくれる・・・ふふ・・・」

剣河「へえ・・・・」

馬骨「・・・」

剣河「・・・・・」

剣河「…じゃあ、自分、予定あるんで、失礼…」と、その時、ドラゴンの雄叫びが真上から聞こえる。

その暴れドラゴンに非無始が乗っていた。

剣河「非無始!何やってんだ!」非無始「何って、仕事よ!仕事!もう!落ち着けって

ば!」

すると、剣河と馬骨に向けて、ドラゴンが、炎の爆風を

放つ。

非無始「やべ!危ない!」

しかし、馬骨が、思い切り息を吸い、突風を吐く。

すると、炎の爆風が相殺され、消えた。

剣河「すっげえ、強・・・」

馬骨「女の人!ドラゴンを叩いてはダメだ!そいつは、ただ混乱してるだけ!落ち着かせ、なだめるんだ!」非無始「はあ!?そんなちんたらしてたら、被害が拡大するだろうがッッツツ!」

と、非無始はドラゴンを思い切り、素手でぶっ叩いた。

すると、ドラゴンは情けない悲鳴をあげ、落ち着いた。

非無始「ふう、一仕事終わり」

馬骨「なんて事を…・」

非無始「別に殺した訳じゃないんだからいいだろ、それに、森に返す時に回復薬与えるし」非無始は抱えて、森の方に向かう。

非無始「剣くん、頑張ったごを美にプリンれよ!」

剣河「なんでだよ…・・まあいいけど」

剣河にとって、これが日常であった。

非無始とドラゴンはその場を後にした。

剣河「ていうか、すごいっすね、今の力!前世は何?」

と、剣河は馬骨に聞く。

馬骨「ふふふ、僕は、秘密主義者なんだ」ニコニコ。

ニコニコ、笑顔を振りまいているが、どこかイライラしている様子で、貧乏ゆすりをし、目の奥を濁らせ、不気味に笑う。

馬骨「ふふふ…・正義を盾にして、暴力を振るうのはさぞ、心地良いだろうよ・・人間めぇ・・・クリ」

剣河(うわぁ…・こいつ、絶対、人間、裏切るやん・人間

めえって言ってんじゃん…・・)

剣(裏切り要素てんこ盛りやんけ、いや、それは漫画だとしたらの話で・・・・・・この気持ちは心に閉まっとこ…・)

鏡坂「ごめん、ちょっと、トイレ中に寝ちゃってたわ」

剣河(トイレ中に寝てたの!?だいぶ疲れてんだな…)

馬骨「うんうん、全然待ってないよ、探しに行こうか、僕の母さんを・・・」

鏡坂「そうだな」

と、鏡と馬骨は去って行った。

剣河「…・」

そして、数ヶ月経ち。

今度は剣河が、非無始の家にお邪魔していた。

非無始の電話はプルルルルル。と鳴っており、非無始はテレビでNetflixを見ていた。

剣河「非無ちゃん!俺、五十メートル走!8秒切ったよ!後、休憩なし、連続で腕立て伏せと上体起こし百回、懸垂七回、出来た!俺も、極戦隊に入れる!?」非無始「後、二億倍強くなったら、入れるかもね」剣河「うそぉ~ん、ていうか、さっきから、電話なりっばだけど、出なくていいの?」非無始「あぁ、いいの、いいの」???「よくねぇよ!」と非無始のドアを蹴破ってきた謎の男。

しかし、剣河はその男と友達であった。

剣河「お、うっす」

???「よお、剣河」

その男というのは、極戦隊NO.6の男、前世はアスクレピオスである。

アスクレピオスは、ギリシャ神話に登場する医術の神。

アポロンの子。死者の蘇生を行ったためゼウスに雷で殺されて星となった。

その男の名は、法李港。

能力は一度だけ、死んだ命を復活させる事ができる。

そして、生まれ育った場所が、劣悪な環境上、8歳から、極戦隊にいるため。

非無始より、年下だが、戦隊歴は、七年上であり、先輩である。

そのため、毎回、仕事をサボる、非無始を呼び出しにきていた。

しかし、剣河と同い年である。

初対面の際の出会いも、仕事をサボっていた非無始と剣河が外にいた時。

(回想 二ヶ月前)

港「君、非無始の友達か?年は、いくつ?」

剣河「18」

港「まじで、俺も俺も」え!?俺と同い年なのかよッ!

と、港と剣河は同時に心の中で叫んだ。

港(童顔ってのもあるが、中学生くらいに見えたぜ・・・)

剣河(ほんとに18かよ、貫禄すごいって言うか、昭和の俳優みたいなオーラあるから、26くらいだと思って

た…・)

そして、現在。

港「非無始、ゴラァ!仕事の連絡無視しやがって!」非無始「この前、仕事したでしょ、後一年は休むわい」

港「アホかア!」

非無始はその後、説得を受け続け、渋々、仕事現場に向かった。

その夕方、剣と港は港の仕事も片付いたので、公園のベンチでサッカーしていた。

剣河の苗字馬武田である。

剣河「俺、苗字が武田だからさ、もしかしたら、前世の前世の前世のそのまためっちゃ、飛んでの前世は、武田、玄だったかもしれなんいんだぜ!

それで、覚醒したら、武田信玄の能力を獲得するか

も!」

港「ああ、だからなんだ」

剣河「話を一刀両断すんなよ、もっと弾ませようぜ・・・会

話を」

剣河「もう、日が暮れそうだし、帰ろうぜ」

港「そうだな」

剣河と港は、公園のベンチで、あつあつの缶コーヒーを飲んでいた。

剣河は、自分がどれだけ極戦隊に入りたいのかを熱く語っていた。

剣河「今は無理だけど、やっぱり、絶対、諦めたくないんだよね、二億倍強くならないといけないなら、二億倍

練習するわ!」

港はそれを黙って聞いていた。自分の持っている缶コーヒーを見つけながら。

すると、港は口を開く。

港「......・・・お前、それ、ただ現実逃避したいだけなんじゃないのか?」

剣河はその言葉に、なぜかは分からなかったが、何も言い返せなかった。


その頃、前世特異能力者のみが、永住できる国、マーラフェにある、極戦隊本部基地はざわついていた。

本部司令官「まずい・・ぬらりひょんが復活する・」

本部司令官はすぐさま、鏡坂に招集命令を無線でかけた。

本部司令官「鏡坂、すぐ、本部基地に来てくれ」鏡坂「なぜですか?」

本部司令官「ぬらりひょんが復活するかもしれん?」

鏡坂「はい!?」

馬骨は不安な目を鏡坂に向けていた。

と、鏡坂は、目の前に馬骨がいるので、急いで、屋上に、ベランダからベランダにジャンプして、移動した。

鏡坂なりの気遣いだ。

鏡坂「どういう事です?」

本部司令官「ぬらりひょんが、封印されている事は知ってるいるね?」

鏡坂「もちろん」

本部司令官「だが、その封印のは、妖怪の国にある、太古の昔、日本と妖怪の戦、日本は劣勢だったが、なんとか、妖怪大将ぬらりひょんの封印に成功、そのおかげもあってか、妖怪達はみな、怯えるように、敗走した、だが、日本兵達は、みな身体を消耗しており、封印の壺は妖怪に奪われ、今、冷戦状態に至る」本部司令官「だが、奴の妖気が今爆発的に、変化した、恐らく、復活の前触れだろう、私は妖気を感じられる能力があるので、それが分かるのだ」鏡坂「しかし、封印のは、専用の鍵がないと開けられないんですよね」

本部司令官「いや、あいつなら、自力で開けられる、化け物中の化け物だ」

鏡坂「分かりました、では、今すぐ向かいます」そして、無線を切った。

鏡坂「よし、僕がやらなきゃ!」

と、日本から、約1000km離れた所にあるマーラフェを海を走って五分でついた。

本部基地に入ると、中には、極戦隊が、ぞろぞろといた。

その中には、ロビーのソファでいびきをかいて爆睡して

いる、非無始もいた。

夜泣きする赤子をあやすシングルファザー、NO.5の、極戦隊の、アレックス・レイボンもいた。

鏡坂(コーラ飲みてぇ)

すると、鏡坂の極戦隊の親友、九郎が、鏡坂に話しかけてくる。

九郎は、戦闘能力こそ、そこまで高くないが、回復能力は人類の中で随一であり、鏡坂の右腕として、日々戦っている。

九郎「よお、極戦隊no.1、鏡坂様」

鏡坂「極戦隊、四天王は俺以外来てねぇのか?」

九郎「それが、そうなんだよ、というか、最近、四天王のうち、お前以外見てないな、あの三人どこ行ったんだろうな」

九郎「ここじゃ、人多いし、どっかで、だべろうぜ、司令塔のやつらは、作戦会議で、時間かかるらしいし、屋上行こうぜ」

と、屋上も混んでいた。

九郎「給水室で、コーヒーでも飲むか」と、給水室も混んでた。

九郎「招集しすぎだろ!」

と、結局、外にある、見張り台に登って、そこで、コーラを互いに飲んで、話していた。

九郎「俺も早く、出世したいぜ、戦争がどうとか、ぶっちゃけ、どうでもいい」

すると、九郎はポケットからライターとタバコを取り出し、吸い始める。

鏡坂に一本くれ、と言われると、九郎はタバコを一本やり、ライターも貸した。

実は鏡坂は18の未成年ながら、毎日五本はタバコを吸う。

幼い頃、父から、タバコは精神的に良いと教わったか

ら。

もちろん、母には秘密にしている、友達から秘密にしておいた方がいいと言われたから。

鏡坂には、自分の気持ちがあまりない。

鏡坂「俺はさ…・もう、戦わない」

九郎「は?」

鏡坂「俺に友達がいるんだ、そいつと話してわかった、暴力で解決しない、平和になんてならない、もし、戦争で勝っても、また戦争は起きる」

九郎「そんなもんだろ」

鏡坂「だから、話し合いで解決する道を選んだ、これか

ら」

九郎「それはそのお友達の意見じゃないのか?」

鏡坂「え?」

九郎「お前とは幼馴染だから、なんとなく分かる、お前は他人の意見で行動してる、なんでも」鏡坂「どういう事?」

九郎「…・なんでもない、忘れてくれ・・・その友達、かなり個性的な思想の持ち主だな、大丈夫なのか?」

鏡坂「あぁ…あいつはちょっと、病んでる所はあるけど、普通にいい奴だよ、悪い奴じゃない」九郎「そっか、なら、いいけど」鏡坂は少し眉を顰めた。

九郎「…・じゃあ、お前、極戦隊やめるの?」鏡坂「あぁ、それは決めてないけど」

九郎「なんじゃそれ、俺は、話し合いなんて無謀だと思うけどな、人間も妖怪もちょっと頭がいい動物ってだけで、本能に勝てるやつなんかいないだろ」すると、三十キロ先の森から、でかい爆音が響いて、火事が起きており、木々がメラメラ燃えていた。

九郎「なんだ・・・?」

すると、極戦隊の先輩が、基地の窓から、二人とも!基地に戻れ!。と血相じみた顔で呼ばれた。

そして、司令室に、極戦隊全員が呼ばれ、入った。

非無視以外は、隊員の一人が、非無視に起きるよう促したが、全く起きない、いくら起こそうとしても、全く、呆れて、非無始を置いていった。

司令室、めっちゃ、ぎゅうぎゅう。

本部司令官「やっぱり、司令班と、鏡坂、レイボンのみ、入ってくれ…」

と、鏡坂とレイボン以外の極戦隊達は、みな司令室から出た。

レイボンは、赤子を抱いていた。

本部司令官「さっそく、本題に入るが、諜報部員によれば、妖怪軍がこちらに進行中とのこと」レイボン「敵の数は?」本部司令官「五万・・・」

司令班新人の女「私・・・ここで、死ぬんだわ・・・・」と、泣くが、先輩の司令班の美女に、寄り添ってもらう。

本部司令官「こちらの、兵力は百万・・・」

鏡坂「俺がいるじゃないですか」

本部司令官「そう、なので、鏡坂君と、レイボンさんで、その五万の軍勢を食い止めて欲しい、我々はこの基地を守らねばならん、この基地には、ぬらりひょんの心臓がある」

鏡「心臓?ぬらりひょんの封印されている壺は、妖怪の国にあるのでは?」

本部司令官「あぁ、だが、心臓は別だ、やつは太古の戦で、腹を貫いて、心臓を奪っても、ぴんぴんしておった、人間の理屈は通用せん」

レイボン「心臓がなくても、生きていられる生物って事か?」

本部司令官「その通り」

本部司令官「しかし、心臓があるとないとでは、強さが違ってくる、妖怪側は、ぬらりひょんを完全復活させるつもりだ、それだけは阻止せねば」

極戦隊NO.1鏡坂と、NO.5レイボンは、三十キロ先の妖怪軍の所まで、五秒で、到着した。

極戦隊に入るような人間は、民衆から化け物と呼ばれるほどに強い。が、その極戦隊の中で、TOP10に君臨するほどの強者は、人間ではなく、神のような存在だと言われるほど強かった。

1km、遠くから正面で、妖怪軍と対峙した。

鏡坂「ってなんで!赤子まで連れてきたんですか!レイボンさん!」

レイボン「いや、それが、私から、離れると、すごいストレスで泣くんです、そうすると、自爆する恐れがあるんですよ」

鏡坂「自爆?お子さんの前世はダイナマイトか何かで?」

レイボン」ええ、まあ、前世がツァーリ・ボンバという核兵器なもんで」

ツアーリボンバ。

「爆弾の皇帝」または「爆弾の帝王」と呼ばれ、冷戦下のソビエト連邦が開発した爆発規模が最大の水素爆弾である。

鏡坂「妖怪軍に告ぐ!お前ら!退け!!!」しかし、妖怪軍は、進行をやめない。

そうすると、赤子は、泣き喚く。

レイボン「あぁ、よしよし、あんよが上手」

鏡坂「戦いからは何も生まれない!お前らにも!家族!

友達!恋人がいるだろ!俺たち人間だってそうだ!お互い傷つけあって何になると言うのだ!」すると、赤子はギャン泣きして、突然、口から、小さい、火のエネルギーを妖怪軍に向かって、音速を超えるスピードで、放った。

すると、五万の妖怪軍がいた、辺り一帯は、火の海となり、悪魔の轟音のような、地響き、震度8強越えの揺れ、地面は、地面と呼べるものではなくなり、爆炎が、島全体を覆った。

赤子は、能力を使うと、鼻風船を作って、すやすやと寝てしまい。

鏡坂は、思わぬ出来事すぎて、思考が追いつかず、全く動けなかった。そして、その威力にドン引きしてしまい、レイボンも、子が初めて能力を使った所を見たので、普通感動する所だが、威力が桁違いすぎて、ドン引きしてしまった。

二人は、驚きのあまり、目を合わせ、レイボンは苦笑いを見せ、鏡坂は、襟足を2回掻いた。

しかし、妖怪達は、みな無傷であった。

五万の妖怪兵は不敵の笑みを浮かべていた。

一方その頃、本部基地では、死人が出ていた。

妖怪が一匹、本部基地を荒らし、極戦隊達を殺し回っていたからだ。

その妖怪と言うのは、馬骨であった。

馬骨は、金棒と己の拳を用いた戦闘スタイル。

馬骨は殺す際、無表情且つ、無情で冷徹な眼をしていた。

淡々と殺していく様を見せられている極戦隊達はみな怯えていた。

九郎「この野郎!舐めんじゃねえ!」と馬骨に帯力していた刀で、馬骨に斬りかかるが。

呆気なく、情のかけらも感じない拳撃で、体を貫かれた。

九郎は倒れ、時間が経つと共に徐々に血みどろの死体になっていく。

九郎「か、がみ…・・ざか・・・」馬骨「なに…・・?」

困惑の表情を見せたその一瞬の隙。それを狙った極戦隊

no.8の男が大剣で、馬骨に一撃喰らわせた。

渾身の一撃だったが、かすり傷を負わせる程度のダメージであった。

周りの極戦隊員は、更に恐怖が倍増した。

馬骨は、戦意喪失したno.8の男を腹パンで泡を吹かせた。

no.8「くそ・やはり、人間と妖怪とじゃ、ここまで差があるのか、呆れてくるぜ・・・人間はやはり平和ボケした世界にいる下等生物なのか…・・!」

馬骨「うるせえな…さっきから、うだうだと…・・遺伝や環境のせいにしてんじゃねえぜ!勝つのは己を言じる者だけだッツ!!それだけの事だッ!!!」と、その後も、隊員の包囲網をくぐり抜けるため、次々と虐殺していった。

馬骨の目的は、ぬらりひょんの心臓を取り戻すプラス、相手の戦力を削ぐ事である。

あえて、むごたらしく殺す事で、精神的ダメージも狙っていた。

近々、妖怪の国が日本に戦をしかけるからだ。

因みに、馬骨は兵士であり、上司から心臓を持ち帰る事のみを命令されていて、相手の戦力を削ぐというのは、個人的目標である。

一方その頃、鏡坂はさきほどの攻撃、非礼を詫びたい。

と心を痛めていた。

鏡坂「詫びとして、俺があなた方の攻撃を一発受けよう、これで、言い合いっこなしだ」レイボン「はあ!?何を言ってるんだ!鏡坂君!」

鏡坂「俺は話し合おうと言ったのに、相手は攻撃を受けた、まあ、俺が攻撃した訳ではないが、無知なる赤子の暴走を止められなかった、責任を負う。きっと相手は無傷とは言え、怒っているだろう。俺が攻撃を受ければ、怒りも鎮まるはずだ。それなら、また話し合いに持ち込める、レイボンさんは赤子をつれて、離れていて下さ

い」

妖怪たちは不敵の笑みを浮かべる。

妖怪兵少佐「非礼をありがとう、では、こちらも攻撃をさせて頂く」と一匹の妖怪兵が、片腕を上げ、49999の兵に一斉に攻撃の合図を送った。

五万の妖怪兵が、隕石のような大きいエネルギーを纏った力を溜める。

先ほどの赤子が放ったエネルギーよりも、かなり威力が高い力だ。

レイボン「あんなものを喰らったら、ひとたまりもない、ただの肉片になるだけだ!」と、レイボンは赤子を抱えたまま、鏡坂から離れた。

五キロほど。

鏡坂「よし、ダメージを受けれるように、力を千分の一にしてと」

と、鏡坂は、身体の構造を操り、筋骨隆々だった体が萎んで、細くなった。

わざと、自分を弱体化させたのだ。

妖怪兵a「なに!舐め腐りやがって!我々は高潔なる妖の一族!!確かに相手は強い!だが!引き下がら

ぬ!!!」

と、五万の妖怪兵は、溜めた力を放つ。

その力は炎球、太陽のような形をしており、ゆっくり、鏡坂に近づく。

ーキロ離れているのに、サウナに入っているような感覚を味わうほどの暑さだ。

鏡坂はぴたりともその場から動かず、まともに喰らった。

レイボンは驚愕した。

レイボン「だめだ、勝てる訳がない・・・・」しかし、鏡坂にはほとんど効いてなかった。

かすり傷がついている程度。

鏡坂「いってえ、久々にダメージ受けたわ」

鏡坂(子供の頃、保健だよりの紙で、指を切った時くらい

痛い…・)

妖怪兵b「な、なに・・化け物か、あの男・・」

妖怪兵C「あいつめ、わざと攻撃を喰らって、侮辱しているに違いない!」

妖怪兵少佐「容赦するな!今度は、最大火力だ!妖族は最強!誰もが!羨む、真の強者なのだ!!!!」レイボン「いや、怒りが増してるじゃないか!」

と、離れていたレイボンが、赤子と共に、鏡坂の元に駆け寄った。

鏡坂「ええ・そんなはずは…」

レイボン「鏡坂君!ここは一旦撤退しよう!負ける勝負はしてはいけない!先輩からの忠告だ!」

鏡坂「いえ、勝ち負けではなく、僕はただ話し合いをしに来たんです」

レイボン「いや、だから・・・そういう事じゃなくて、確かに、君も本気ではないだろうが、相手もそうだ、今の敵の攻撃、相手は全く全力を出してない、見る、敵兵は全員、息も切らしておらず、汗ひとつ掻いてないだろ?あの威力の攻撃を繰り出したのにだ!分かるか?ここは一旦引いた方がいい!勇敢と無謀を履き違えてはいけな

い:」

鏡坂「レイボンさん、僕は平和を願っています、だから、勝ち負けとかこだわる必要ないんです、僕は話し合いがしたい」

レイボン(なんで、話が噛み合わないんだ!だめだ、バカだこいつ!同じ事を二回繰り返して言う奴は大抵バカなんだ!)

そして、妖怪兵は最大火力のエネルギーを放った。しかも音速でエネルギーは移動していた。

太陽の形をしている炎球だが、先ほどのものよりもでか

い!

レイボン「俺は撤退する!鏡坂君!」しかし、鏡坂は真っ直ぐな目で、攻撃を見ていた。

レイボン「…・好きにしろ!」と、レイボンは赤子を抱えたまま、逃げた。

だが、鏡坂は、その巨大な炎球を人差し指で受け止め、上にそのまま流すようにして投げた。

すると、大気圏上で爆発した。

妖怪兵達の表情は徐々に曇る。だが、闘志はさらに上が

る。

レイボンは、それを見て、呆気に取られ、思わず足が止まった。

五万の妖怪軍は今度はさらに巨大な巨大な炎球、最大火力を超えた、120%の最終奥義を放った。

しかし、あっけなく、鏡坂に片手で受け止められ、またもや、上に投げられた。

鏡坂「攻撃をやめてくれ!戦いに意味などない!」

妖怪達はみんな、血の気が引いて、怯え、疲弊による汗と恐怖による冷や汗を撒き散らしながら、引き下がり、全力で鏡坂から逃げた。

妖怪兵少佐「撤退!撤退だ!!!時には逃げる勇気も大事なのだ!」

鏡坂「よかった、俺の言った事を理解してくれたのか…・・」

レイボン「いや、あんたが強すぎて、びびって逃げただけだと思うよ…・」

五万の妖怪軍と鏡坂が、対峙していた同時刻。

馬骨は、極戦隊員達を次々と、一撃で、仕留めていた。

その場はもはや、軍の基地と呼べるものではなく、そこら一帯血で汚れ、死骸の匂いが充満した施設と化しており、正体不明の化け物から、勝てるはずもなく、逃げる事もほぼ不可能で。

地獄と言うものが存在するのなら、正にこのような場所なのだろう。とその場にいる誰もが思った。

そんな中、この一連の騒動の間、ずっと呑気に寝ている

非無始。

極戦隊員達は、恐怖し、冷静さを欠いていたため、非無始が寝ている事に気づかず。

寝ていた非無始に、馬骨は金棒で殴りかかるが。

が、殺気を感じて、目が覚める。

非無始は、その攻撃をいなして、カウンターの右フッ

ク。

馬骨に、それがヒットすると、脳が揺れ、少したじる

ぐ。

すると、非無視は懐に忍ばせていた、斬撃を放てる特殊な扇子を装備する。

馬骨は、手のひらを上に向け、親指以外の四本指をくいくい。と前後に少し、動かし、かかってこい。とジェスチャーする。

馬骨と非無始の攻撃の撃ち合いが数秒間に千回繰り広げられた。

そして、馬骨は、少し間合いを取る。

馬骨(こいつ、できる・・・)

極戦隊に囲まれた。

馬骨(武が悪いな・俺は人間をすごいと思っている、だからこそ敬意を持って、認め、ここは逃げる・・・!)

すると、馬骨は、その場から消えた、一瞬にして。

極戦隊は、非無始も含めて呆気に取られた。

いや、消えたのではない。

馬骨は、気配を無にする技を持っていた。

これにより、誰にも認識されなくなる。

そして、十分後、事態を知った鏡坂達は遅れて、基地に入ったが、その場は悲惨な光景が。

避難していた非戦闘員の司令班達はまだかすかに生きている者達に、手慣れてない手つきで焼石に水という言葉がよく似合う治療の最中であった。

レイボン「なんてこった…・」

鏡坂は、転がっている無数の死体から、鏡坂の死体を発見した。

・嘘だ…。

すぐに九郎に駆け寄り、冷たい首から、脈を測った。

わずかだが、脈があった。

九郎「救急車を呼んでくれ!」

司令班新人の女「もう、呼んでる!後、五分だって!」鏡坂「それじゃ、間に合わない!AED持ってこい!」

司令班新人の女「敵に全部壊されたわ!極戦隊の回復班(ヒーラー)も非戦闘員の医療班も全部殺された!」は…・・?

九郎「か、鏡坂・・」鏡坂「なんだ・・・!?」

九郎「お、俺に・・妹がいる・・・ブランシュってやつさ…・」

鏡坂「喋るな!傷口が・・」

九郎「聞いてくれ…」

鏡坂「…・」

九郎「あいつは…前世で酷い目にあった・・・幸せになれなかったんだ・・・」

すると、九郎は力尽き、死んだ。

鏡坂は、殺気立ち、怒りを眼光に宿した。

本部司令官「鏡坂君、五万の軍勢はどうなった?」鏡坂「司令官・・・・・・」低い声を出す。

本部司令官「安心しろ、九郎君は生き返るよ」鏡坂「え…?どうやって?」

本部司令官「おかしいと思わんかね、こんな、まるで、フィクションのような世界で経済が正常に機能している

事に」

鏡坂「どう言う事です?」

本部司令官「人を生き返らせる能力を持つ者を呼んである、後、三分で着くそうだ」港「もう、着きましたよ」と、忽然と本部司令官の真横に現れた。

本部司令官「うわぁ!」

鏡坂「あ、あぁ、そうか、法李がいたじゃん!なぁ、ほんとのほんとに復活させられるのか!?」法李「一度だけ、復活させる事が出来る、そういう能力なので、一度死んでいる者は生き返れない」法は、少しやつれており、目に深いクマがあった。

法李は先ほどまで、世界の治安維持のため、悪党と戦っていた。極戦隊員達は、世界規模で普段活動しているが、今日は、本部基地がある一国に、極戦隊員達が集中していたので、その穴埋めとして世界を飛び回り、奮闘していた。

鏡坂「それなら、今すぐ、九郎を・・・みんなを生き返らせてくれ!」

法李「それはあなたの意思だ、違うか?」

鏡坂「...・・・そう・・ですけど・・」

法「俺は、生き返らさせない方がいいと思う」は!?

法李「それが死者のためだ」

鏡坂「何言ってんだ!」

法李「このまま死んだ方が幸せかもしれない」

鏡坂「死んだ方が幸せなんて事、ある訳ないだろ!」法李「確かに、体は治るかもしれないが、心は治らな

い」

鏡坂「え・・?」

法李「死で傷ついた兵士っていうのは、兵士をやめた後が悲惨なんだよ、例え、生き返ったとしても、死を経験した事で、心の病にかかり、生き地獄を味わう奴もいる、せっかく復活させたのに、精神疾患に耐えきれず、自殺したやつを俺は何人も見てきた」

鏡坂「そんな事・・・」

法李「確かに、生き返った後、なんともない者もいるが、その者達が異常なだけだ、魂を操るってのはそんな簡単にしてはいけない」

鏡坂「…・・」

法李「それでも、復活させるか?」

鏡坂「...・・・・・確かに、その方がいいかもしれない・僕にはそういう能力がないから、魂の扱いに慣れてる君がそう言うなら、そうなのかもな…・」と鏡坂は走り出す。

本部司令官「どこへいく!」

鏡坂「俺の親友を殺した奴を殺しに行くんだ!」

本部司令官「・・」

鏡坂は基地から出て、凄まじい速さで、移動した。

鏡坂は五感を研ぎ澄ませ、十キロ離れている、返り血の匂い、妖の足音を捉えた。

馬骨は気配を絶つ技を使用し、移動していたが、鏡坂には通用しなかった。

そして、極戦隊基地から、遠く離れると、技を解除した。

馬骨「はあ…・・はあ…・・やはり、この技は、体力を異常に喰うな…温存しといて、よかった・すごいぞ、俺・・」と、五メートルはある、巨大な岩に座り込んだ。

しかし、少し遠く下の背後から、鏡坂の怒鳴り声が聞こえた。

鏡坂「お前!」なっ…・・!

馬骨「なぜ、俺の居場所が分かった!」鏡坂「その声は・・・馬骨か・・・?」

馬骨は振り返る。

鏡坂の顔が徐々に曇っていき、目に光が消えていく。

鏡坂「そんな・俺に・嘘をついていのか・・・」

馬骨「·・・」

鏡坂「なんで!こんな事を!」

馬骨「俺は妖怪国のスパイだ」

鏡坂「…・・は?」

馬骨「任務のため、長期間、日本に潜伏する必要があっ

た」

・・・・・・。

鏡坂「俺に嘘をついてたのか?」

・。

馬骨「ぬらりひょん様は近々、世界に戦争を仕掛ける・・・我々が勝つ、勝者はこの俺だッ!!なぜななら、俺は俺をじているからだッ!!!うおおおおおおおおおお!!!!!!」

・・・・・・嘘だ・。

…。

馬骨は無言のまま何も言わず、逃げる。

鏡坂は、動揺、憎悪、困惑、焦り、プライドの崩壊、怒り、後悔、様々な感情が脳内で埋まり、動けなかった。

法李は結局、死んだ者達を、遺族の願いで復活させた。

が、法李の予想通り、生き返った者達のほとんどは精神疾患を患い、廃人のようになった、九郎もその一人。

鏡坂は九郎の妹から責められた。

九郎の妹は、鏡坂と馬骨が友達という事を知っているか

ら。

擁護する者も、もちろんいたが。

翌日、鏡坂は、極戦隊をやめた。

その三日後、剣河は8月中旬のくっそ暑い運動公園を走っていた。

非無始が少し遠くのベンチからスマホをいじっていた。

遠くをぼーっと見ると、陽炎で、景色がぐわんぐわん揺れる。

剣河(なんでだ・・俺は人一人教った事ある、俺はすごいんだ…・!なんで、こんなくそみたいな人生歩まなきゃならないんだ・・・!)

すると、視界がどんどん徐々に黒くなっていき、目がか

すむ。

すると、突然辺りが真っ白になり、気を失った。

気がつくと、見知っている天井が目の前に。

どうやら、寝ていたようだ、落ち着く、匂い、ふかふかの布団。

剣河はいつのまにか、実家の自分の部屋で寝ていた。

剣河「え、どゆこと?」母「起きたのね、はい、水」

と、母が部屋から、500mlのペットボトルの水を持ってきて、それを渡してくれた。

剣河「お、せんきゅー」

母「あんたの、彼女?非無始さんって言うの?その子が、ここまで運んで来てくれたのよ」剣河(え?非無ちゃん、なんで、俺の実家知ってん

母「あんたを、あの子がお姫様抱っこで訪ねてきた時は驚いたわ」

母「それで、あんたの事、色々、聞いたわ、今度は、極戦隊になりたいんだってね」

剣河「あぁ、うん、だから、走ったり、運動してたんだ」

母「まぁ、運動する事はいいんだけど、夏バテで倒れてたみたいよ、あんた、気をつけなさい」

剣河「うん」

剣河はその日、両親と三人で実家で、夕食を食べた。

父の頬には、痛々しい傷跡がある、しかし、父は自分の過去を語らず、寡黙な性格なので、剣河もめっちゃ気になるが、聞けなかった。

剣河は気まずそうに母の手料理を食べる、父に目配りしながら。

沈黙していた父は口を開く。

剣河「そういえば、さえは帰ってないの?」さえというのは、剣河の妹である。

母「今日、友達とご飯食べてから帰るってメールで言ってたわ」

剣河「へえ~…・」

そして、また沈黙が食卓で流れる。

すると、父が無言をやめ、声を発する。

父「いいか、人には向き不向き、適材適所というものがあるのだ、無謀な挑戦は勇気とは言わない、とお前がちっちゃい頃から、口酸っぱくいってきただろ」父の声を聞いたのは久々な気がする。

剣河「もう、なんで実家帰って、早々、説教くらわなきゃ、ならんの・・・」

父「お前が心配だからに決まってだろうが」

剣河「それに、無謀じゃないもん、俺は子供の命を助けた事あるもん」

父「母さんから聞いたよ、立派じゃないか、それは立派な事だが、極戦隊というのも、大変な仕事なんだよ、俺の知人にも極戦隊の奴がいたが、とても夢のある仕事とは言えない」

剣河「…・子供にはのびのびとやらせる事が大事だって、テレビで言ってたよ」

父「それは、お前の口から言う言葉じゃないだろ・・・」

剣河「しかも、別に無謀なんて、根拠どこにもないじゃん、なんで、そう父さんは否定から入るのさ」父「そんな大口叩くのは、働いてからにしろ」

剣河「いやだから・・・」

その後も、口論は続き、料理は美味かったが、なぜか美味しく感じられない剣河であった。

鏡坂は、極戦隊を辞め、無職になっていた、住んでいたアパートも解約し、金も捨て、人が誰もいない、森に勝手に住み、何も食べず、飲まず、浮浪者のように、過ごしていた。

森の中で、ずっと寝たきり、自責の念に駆られては、叫んで唸り、啜り泣いていた。

馬骨の存在を誰かに相談していたら、もしかしたら、こんな事になっていなかったんじゃないのか?とそればかりを考えていた。

間接的ではあるが、自分は人を殺したも同然ではないか、毎日、馬骨に安全な住処を提供していたのだから。

あいつが憎い・・。

なぜ、自分は罰せられないんだ。

その頃、剣河は鏡坂を探していた。というのも、数時間

前。

剣河は、非無始のってで、極戦隊の本部司令官と電話し、自分を雑用でもなんでもいいから、極戦隊に入らせてくれ。と頼み込んでいた。

自分がどれだけ、極戦隊になりたいかを熱く語っていた。

本部司令官「・・・そんなに、極戦隊に入りたいのか?」

剣河「はい!」

本部司令官「じゃあ、いいよ、入れたげる」剣河「ほんとですか!?」

本部司令官「では、君に任務を与えよう、鏡坂君を探し出してくれ、彼は、ここ何日か行方知らずなんだ、管察も動いているが、今だ手がかりが掴めない」そして、現在に至る。現在の時刻は午前10時36分。

剣河(やった、やった、俺は極戦隊だ、なんか、探偵みたいじゃね?俺)

と胸を躍らせ、ワクワクしていた。

本部司令は電話を切ると、はぁ…・・鏡坂君を探す人材が増えて助かったよ。と疲れ気味の声を発し、そばに置いていた、バックをのチャックを開けると、妻が作ってくれた紅茶が水筒に入っていたので、その水筒をバックから取り出し、蓋を開けると一口飲んだ。

剣河「そうだな、まずは、事情聴取だな、手がかりを見つけるには、やっぱり、鏡坂さんの親族に話を伺うのが一番、本部司令官に鏡坂さんの情報をいくらかもらったんだ、確か、住所はここか」と、鏡坂の実家に訪問した。

インターホンを押す。

すると、やさぐれた一回り年上の男が、出た。

年上の男「はい、どちら?誰?」

剣河「ええと、ですね、鏡坂さんいらっしゃいます

か?」

年上の男「俺が、鏡坂だけど」剣河「ああ、そういう事じゃなくて」年上の男「君は弟の友達かい?」

剣河「弟?」

年上の男「俺は鏡坂炎垂の兄だ」

剣河「あぁ…・・なるほど・・・まあ、友達っていうか、同じ仕事仲間というか」

年上の男「ふうん、いいねえ、エリート君な訳か」

剣河「…・」

年上の男「まあ、立ち話もなんだから、上がりなよ」剣河は、鏡坂の実家のリビングに座った。どうやら、家には兄しかおらず、鏡坂炎垂のは母親と二人暮らしらしいが、母は今、買い物で出掛けているらしい。

炎垂の兄と名乗る男は、お菓子食う?と、棚を漁りながら、剣河に聞いた。

剣河「いえ、いいです」年上の男「あ、そう」

剣河「失礼ですが、ご職業は?」

年上の男「俺は、出来のいい弟と違って無職のことおじだよ、ま、あいつが、いれば、俺は一生遊んで暮らせる

けどな(笑)」

剣河「へえ…・・それで本題に入るんですけど、実は弟さんは今、行方不明で」年上の男「知ってるよ」

剣河「え!それなら、話が早い、一緒に炎垂さんを探しましょう!」

年上の男「嫌だよ」

剣河「え?なんで?心配じゃないんですか?」年上の男「いや、俺と違って、あいつ強いし、大丈夫だる、俺が君に加勢した所で、焼石に水もいい所だ」と、ポテトチップスをバリバリ食べながら、淡々とそう言う。

剣河は結局何も手がかりをつかめず帰った。

剣河「なんか、冷たい人だったな…・・」

と、ふらっと帰宅していると。

一人の三十代中盤ほどの女が後ろから。声をかけられた。

あら、あなた今、私の家から出てきたけど、もしかして、私の息子の友達かしら。

剣(?多分この人、鏡坂さんの母親かな)

剣河「もしかして、鏡坂さんのお母様ですか?」

鏡坂母「いや、私も鏡坂なんだけど」

剣河(デジャブかな?)と、話していると。

突如、どでかい魔物が地面を突き破って、現れる。

剣河は唖然とし、動けず、その魔物は剣河に襲いかか

る。

すると、剣河の体は切り裂かれ、血飛沫が上がる。

しかし、その数秒後、剣河は、無傷であった。

え?

その直後、突如、どでかい魔物が地面を突き破って、現れる。

剣河は唖然とし、動けず、その魔物は剣河に襲いかか

る。

すると。鏡坂兄と、鏡坂母の合体技を繰り出す。

それは打撃技である。

鏡坂流奥義残害撃ノ嵐!

すると一瞬でその魔物は木っ端微塵になり、倒された。

鏡坂母「あんた、また、時間逆光(タイムスリップ)の能力を使ったの?」と、鏡坂兄に呆れた口調で問う。

鏡坂兄「俺もこの力は危なかっしいから、使いたくなかったんだけど・・・しょうがないだろ」

剣河(は?なんの話してるんだ?いや、それよりも、すげえな…・非無視と互角・いや、それ以上に強いじゃん、二人とも…。

剣河「あの、お兄さん、なんで、そんな強いのに、そんな卑屈なんですか?」

鏡坂兄「あんた、兄弟いるか?」ああ、妹が一人います。

鏡坂兄「その妹に聞いてみる、自分の事をどう思うか、俺はな、優秀な弟を持ったせいで、自分を見てくれない、誰もな、なぜなら、どこに行っても、比べられるからだ!」

その言葉を聞きながら、横で母は死んだ魚の目をしながら、たばこを吸っていた。

鏡坂兄「お前には分からんだろうな、底辺じゃないお前には!」

次の日、妹に電話する剣河。

剣河「なあ、妹、俺のことどう思う?」妹「え?親のスネしゃぶり男。」

剣河「だろうな・・・」

その頃、妖の国では、見事、馬骨が、帰還していた。

そして、馬骨は、馬骨の顔マスクを脱ぎ、変装を解いた。

そう、極戦隊基地をめちゃくちゃにした妖は実は馬骨ではない、偽物であった。

偽物が馬骨と名乗り、基地を襲撃したのだ。

馬骨(物)「いやぁ、今回の任務は骨が折れたぜえ」

馬骨(物)の真の正体は、妖怪化け狸、妖怪軍幹部

no.7。あらゆるものに化け、人々をたぶらかし、惑わせ

る妖怪。

更には化けた者の能力をコピー出来るという能力も持っている。

化け狸は妖の国の諜報員でもあり、人間界潜伏し、色々な人や動物に化け、人間社会を学習した、果ては、政府機関などに忍び込むなどを行い、どうすれば人間世界に大打撃を与えられるか、十数年考えた末、半妖である馬骨に化け、人を殺した。

その頃、本当の馬骨は、電気も水道に止められた解約されたアパートにまだ住んでおり、なぜ、鏡坂が帰ってこないか、と心配していた。

すると、部屋のインターホンが鳴った。

馬骨「ふふふ…・・鏡坂が帰ってきたんだ!」と、キャッキャしながら、開けると。

殺気立った極戦隊員達がぞろぞろといた。

そのほぼ同時刻、鏡坂は森を彷徨っていると、一軒の家がぽつんとあった。

薄暗い、昔ながらの一軒家と言った所で。

鏡坂はその家から不思議な温もりを感じた、すると、強張っていた体が緩み、四日、空気しか口にしていなかったからか、そのまま、ぶっ倒れてしまった。

鏡坂馬目覚めると、見知らぬ天井が見えた。

おそらく、あの一軒家の中。だと察した。

しかし、何も気力が湧かなかった。

もうどうにでもなれ。と言った感じで。

二度寝しようと目を閉じた。

すると、目が覚めたかい?と老婆の温かい優しい声が聞こえた。

味噌汁のいい匂いがする。

白髪の老婆は、鏡坂の前に和食を置いた。そして、鏡坂に哀れみの目を向けた。

鏡坂は少し警戒したが、これに毒が入っていようがいまいがどっちでもいい。と一口食べた。

すると、涙が出るほど美味かった。

素朴な味だ、しかし、今まで食べたどの料理よりも美味しかった。

おにぎりを食べ、咀嚼したおにぎりを味噌汁で流し込み、焼き鮭を手づかみで、むしゃむしゃ食べ、ホカホカの海鮮丼をがっついてむさぼり、キンキンに冷えたお茶を一気に飲み干した。

無論、毒など入っていなかった。

白髪の老婆は優しく微笑んだ。

馬骨は街中で、極戦隊員達と戦闘していた。

馬骨VS極戦隊。

馬骨は、愛武器、金棒を召喚させ、ほぼ防をし、人を傷つけないように攻撃を受け流していた。

極戦隊a(戦う意思がない?前とはまるで別人・・・)

極戦隊b「うん…本当に彼は、人間と妖怪のハーフなのかね、姿は人間だが」

極戦隊c「ええ、調べによりますと、それに本人もそう、主張しています」

極戦隊d「本当に、半など、存在するのか?聞いた事がない」

極戦隊d「ただの精神異常者では?」馬骨は険しい顔をする。

馬骨(くそ、ここで、戦えば被害が・)馬骨は荒野に移動するため、走った。

逃げるつもりだ!追え!戦友達の仇を我々の手で討つの

だ!

荒野で、極戦隊達は、遠距離攻撃の毒の弓矢、炎、氷撃、鋼鉄も切り裂く風撃を操る者が、数十名、近距離攻

撃の、剣撃、打撃、槍、ハンマーが数名、回復役(ヒーラー)が数名、防御役(タンク)が、数名。

と、勢いに任せず、一定の距離を馬骨と保ちながら、じわじわと追い詰めていった。

馬骨はまず、回復役(ヒーラー)を狙うが、防役(タンク)にバリアなどで阻止され、その隙に、遠距離攻撃を喰らう、その怯んだ馬骨を近距離攻撃役が、一斉に畳み掛け

る。

深追いはせず、攻撃が当たると、近距離役は、離れ、また、遠距離役が、攻撃を放つ。

今の馬骨には失望の言葉が傷ついた皮膚によく沁みるほど似合っていた。

極戦隊員e「何か、奴は手を抜いている・・・?奴の攻撃から殺気を感じません」

極戦隊員g「気にするな、攻撃の手を緩めず、最速で仕留めるぞ」

妖怪の国には差別がない代わりに、法がなく、殺し合いが日常として、当たり前に起きていた。

それに嫌気がさし、馬骨は、人間世界に来たのだが、ここでもまた殺し合いをしている。

人間も妖怪も大して変わらないのだと、実感した。

そのため、自分は絶対殺しなどしない。という信念がより一層鋭く高まる。

激闘の末、本物の馬骨は勝った。

しかし、極戦隊員達はみな、最小限のダメージで、気絶させられただけで死者は出なかった。

だが、馬骨は重傷を負った。

馬骨は、苦しみ雄叫びを上げながら、第二形態になり、右腕以外の手足は野太い骨のみとなり、眼球は抜け落ち、目は空洞と化し、馬のたてがみのようなサラサラの毛が、まだらに、全身に生え、鬼の姿へと変身した。

馬骨「あぁ…・だめだだめだ、ストレスでつい第二形態に変身してしまう、わざとじゃないのに・・」馬骨は、自分の意思とは関係なく、ストレスが溜まると、第二形態に変身してしまう事にコンプレックスを感じていた。そして、その姿は右腕だけ人間部分が残る。

そして、その後、変身が解ける事はなかった。

変身を解く術は、ストレスから解放される事のみであ

り。

変身能力は、自分でコントロールできないのだ。

このままでは、化け物扱いされるので。

倒した極戦隊の男の上着を奪い。

その上着(オーバーパーカー)を織り、フードをかぶって、移動する。

しかし、馬骨は母と出会う夢をまだ諦めてなかった。

馬骨の母は、人間であり、父は妖怪閻魔大王である。

馬骨が生まれたのは今から、百年も前。

百年前。

母のお梅は、閻魔堂という寺の縁日でこんにゃくでんがくを食べていた。

お梅は、絶世の美女でその麗しさには同性をも虜にした。

その美しいさを際立たせるのはなにより、穢れのない艶のある長い黒髪。

だが、お梅は先天性の病気で、生まれつき目が見えず、最強の剣士を目指す、名の通った剣豪でもあり。

大衆から好意を向けられると同時に、盲目の女剣士として、人や妖怪からも、恐れられるほどに強かった。

後に、閻魔の妻となる。

閻魔は独身であった。

閻魔堂からは人間界と妖怪世界の出入り口があり、閻魔とその出入り口の門番のみが唯一、そこを行き来でき

る。

閻魔によれば、少し気が強い彼女が二人きりの時は甘えてくるのだ、そこに惹かれた、らしい。

二人は、閻魔堂で出会った。

だが、初めから、仲睦まじい訳でもなく、お梅は、地獄を司る魔大王に真剣勝負を申し込んだのだ。

だが、勝負は閻魔の勝ち。

お梅はそこで初めて敗北を味わう、負けた事よりも、命を見逃してもらった事が何より悔しかった。

その後も、閻魔堂に来ては、勝負しる!と騒ぎ立てる、

お梅。

門番「閻魔様、またお梅とかいう人間がヒステリック起こしてますよ…・・人間の女って、みんな、ああなんでしょうか」

閻魔「はぁ、しょうがねえなぁ…・・」と、お梅は何百回と勝負したが、ことごとく敗北。

だが、お梅は自分より強い男を知らなかったので、徐々に閻魔に惹かれていった。

その後、一年があっという間に過ぎ、閻魔堂の縁日が来た時。

お梅はまだ魔に合わせる!と騒ぎ立てる。

閻魔「なんだ、また勝負か?梅ちゃん」お梅「梅ちゃんって呼ぶな!今日は違う、そこに座れ」

閻魔「なんだ、気味が悪い」と言うが、寺の階段に座

る。

閻魔に気があるお梅はこんにゃくでんがくを前に出す。

お梅「ほれ、あーん」

閻魔「は?」

お梅「いや、これをすれば、男はイチコロなんだろ?私の知人から聞いたのだ」

すると、風がひゅーっとなり、いっときの静寂が。

閻魔は困惑し、固まる。

すると、お梅は、恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にして、顔を隠した。

閻魔(つ、ツンデレだと・・・!)グルツ(吐血)

閻魔はドキドキで脈が異常に早くなる事によって、心臓に負担がかかり、血を吐いた。

今までで一番の大ダメージであった。

その後、徐々に仲睦まじく、果ては交わう。

盲目の女剣士、お梅よ、そなたの目を治してやろう。私は君が好きだ。

私は生まれつき目が見えない、だから、人間も妖怪の姿もどんなものか分からぬ、それゆえに、心でその者を判断できる。

もし、目が見えたのなら、私はきっと、変わってしまうだろう。私は私のままでいたい、目が見えない事が悪い事などとは一度も思った事はない。

だから、治してもらわなくて結構。

閻魔よ、私の男になれ。

その数ヶ月後、結婚し、その数週間後に妊娠、その280日目に出産。

そして、お梅と閻魔は、妖怪世界で暮らしていた。

だが、お梅が、自分の子を拝みたいと。

閻魔に願う。

閻魔はお梅が寝ている間に、自分の右目をお梅に移し、お梅の目は治った。

お梅は景色に感動した。

治してもらわなく結構、と、哀れみの目を向けられるのが嫌で、半分強がりでもあったためか。

涙を流した。

お梅は自分の夫によく似た息子をまじまじと一日中見ていた。

だが、お梅は幼い馬骨を妖の国に置いて、日本に帰った。一ヶ月経った頃であった。

ある出来事がきっかけだった。

お梅の義理の姪と甥が、殺し合って、共食いしていたの

だ。

お梅は悲鳴をあげる。

そして、助けを呼びに行く。

しかし、誰も止めなかった。

なぜか、と聞くと、逆に困惑された。

絶句してしまい、その場で嘔吐し、震えが止まらなかった。

すると、みなが、それに心配する。

だが、妖怪達はなぜ、怖がっているのか理解できなかった。

さきほどまで、姪と甥は仲良く遊んでいたのに。

そして、姪が、殺し合いに勝ち、甥の体を引きちぎって、分解し、おもちゃ箱に入れた。

お梅はその一件以降、髪の毛が一日で、真っ白な白髪になり。

その一ヶ月後、視覚を得た事で、だんだんと、妖の世界の現実を知る事になる。

この世界は人間界とは違う、異質なもの。

知能が上位の妖怪以外は人間の常識が通じないのだ。

お梅は我が子を抱いている時、もしかして、この子も私を殺して食べるのでは?いや、それよりも、妖怪達にとって、これは日常なのだと恐怖で。

誰にも言わずに、妖怪世界から逃げ、人間世界に戻った。

そして、現在。

剣河「え!?ほんとですか!?」

剣河は相変わらず、鏡坂を見つけてはいなかった。

鏡坂を探し始めて、5日が経っていた。

しかし、おそらく、5日で合計三十キロ歩き、聞き込みをひたすら行うと、鏡坂を見た。というおばさんを見つけた。

剣河「で、その、鏡坂さんはどこ行ったんですか!?」おばさん「いや、それが、あそこの森なのよ」と少し遠くある木々が生い茂った森を指差した。

剣河「じゃあ、行ってきます、ありがとう、おばちゃ

ん」

おばさん「でもねえ、行かない方がいいわよ」剣河「え?なんで?」

おばさん「あそこ、自殺の名所なのよ、私のお父さんはねえ、あの森の保有者だから、困ってるのよ」

剣河「はあ…・」

おばさん「私の祖父はあそこで、森の木にロープひっかけて、首吊って死んだ人を見たんだって、それもそこには遺体が三っつあって、なんでも一家心中らしくて

ねえ」

剣河「・・・・・そんな、おばちゃん、怖がらせないでよ…・・」おばさん「まぁ、行ってもいいけど、危ないわよ、告したからね」

剣河は少し躊躇したが、ニキロ歩いてその森の前まで来た。

剣河「よおし、入るぞお」

とその時、その森の遠くから、男の発狂した声が聞こえた。

剣河「やっぱ無理、すいませんでした!!!!!」と、剣河はダッシュで帰った。

その声の主は鏡坂であった。

鏡坂はストレスに耐えきれなくなり、叫んで、森で転げ回っていた。

それを白髪の老婆は心配そうに見ていた。

鏡坂は森で寝転んで、啜り泣いていた。

老婆「鏡坂くん、何か、アイスでも買ってこようか?」

鏡坂「いや、大丈夫です、ありがとうございます、中々立ち直れなくて…・・」

老婆「あなたの活躍をテレビで見ていたけど、あなたは勇敢だよ、今まで見た中で誰よりも強い、もっと自分はすごいって自身持ちなさい」

鏡坂「僕はすごくないです…・・みんな、僕に頼って、神だとか色々言うけど、違う・・・みんなみたいに、泣くし、萎縮もする…・・今だってそうだ・」

おーい!

と、突然少し遠くから、男の声が聞こえた。

それは剣河であった。

剣河は駆け寄る。

鏡坂「確か、あいつは・」剣河「よかったー、いたのか・・・・はあ、はあ」と息が上がっていた。

剣河はすぐ、電話で、本部司令官に連絡した。

剣河「本部司令官、見つけました」本部司令官「そうか、ありがとう、なら、非無始に十万渡すから、非無始づてにその報酬をもらってくれ、じゃあ、契約解除という事で」剣河「え?契約解除?」

鏡坂はその言葉に耳がぴくついた。

本部司令官「あぁ、君は日雇いとして雇ったから、君のガッツと根性、見事だった、ぜひ試験を受けて、正式に極戦隊に入ってくれ、期待してるよ、では」と、電話を切られた。

剣河「・・・・」

剣河はうつむく。

鏡坂「あの・・・」

剣河「やった!十万もらった!いえい!いえい!しかも、めっちゃ、められたよ!すごくない!?ガッツあるって!」

鏡坂は少し困惑しながら、苦笑いを見せた。

鏡坂「あのさ、俺はもう極戦隊には、入らない・・・もう戦いたくないんだ・・・」

剣河「あ、そうなんだ、別にいいんじゃない?」

鏡坂「え?」

剣河「俺は探してって言われただけだから、それよりさ、俺、働いて十万ももらったよ、しかも期待されたしさ!」

鏡坂「ああ、よかったね・・」

剣河「じゃあ、鏡坂くんも無職なんだ」

鏡坂「まあ、うん・」

剣河「俺も無職!」サムズアップ

鏡坂(切り替え早いなこの人・)

その後、鏡坂は白髪の老婆に礼を言って。

すっかり、夕方になっていた。

剣河は、コンビニで、焼き鳥、水、ポテチにLチキを買い、鏡坂とともに公園のベンチに座っていた。

剣河は水を一気飲みした。

剣河「くう・・・キンキンに冷えてやがる!焼き鳥に…ポテ

手!最高!」

と、焼き鳥を食べポテチを貪る。

鏡坂はすっと、その隣に座っていた。

剣河「あ、鏡坂くんもほら、Lチキ」

鏡坂「いや、僕はいいよ、揚げ物は体に悪いって、マ・・・母さんに言われてるから」

剣河「えー、じゃあ、一回も食った事ないの?」

鏡坂「うん」

剣河「体に悪いものほど美味いんだって」

剣河はLチキの袋紙を半分開ける。

すると、チキンのいい匂いが。

鏡坂の腹が鳴る。

鏡坂(そういえば、今日、昼から何も食べてないな・・」

鏡坂はLチキを一口小さく食べた。

鏡坂(え?めっちゃ、おいしい)

鏡坂はあっという間に完食した。

鏡坂(今まで食べた食べ物の中で一番美味しかった・・・!)

剣河「え、じゃあさ、じゃあさ、コーラとかハンバーガーとかピザみたいなジャンクフードも食べたことない

の?」

鏡坂「うん」

剣河「えーーーー!!!」鏡坂「そんな、驚く?」

剣河「いや、だって、めっちゃうまいよ!」鏡坂は美味さを想像した。

Lチキ、280円でこの美味さなら、他の食べ物はどれくらい美味しいのか。

鏡坂「食べてみたいかも」

剣河「じゃあ、食べようぜ、全部!Uberで頼んで!俺の

奢りで!」

剣河「あ、その前に、母さんに連絡していい!?俺、働いたよって!」

鏡坂「どうぞ」

剣河の母は盛大に喜んだ。

すると、剣河の父と妹からも、おめでとう!メールが来た。

その連絡を知った妹が非無始に連絡して。

非無始からもお祝いメールが来た。

剣河の妹と非無始は、剣河にはこっそり、仲良しになっていて、二人で買い物したりしていた。

剣河は嬉しそうに鏡坂にそれを伝えた。

剣河「5日で十万もらって稼ぐって、俺すごくね!?すごくね!?」

鏡坂は数年前の自分の家族のやり取りを思い出した。

鏡坂は極戦隊にいた頃、年収六千万稼いでいた。

実家に帰り。自慢気に今まで稼いできた額を伝える。褒めて欲しかったから。

しかし、母と弟の反応は薄かった。

母「あら、そう、良かったわね」と抑揚のない声でビールを片手に息子の顔もみずに答えた。

母はテーブルに座っていた。

弟「まぁ、お前は恵まれてるから、然だる、あーあ、俺もお前くらい父さんの遺伝子、強かったらなぁ」鏡坂「…・母さん、そろそろ、働いた方がいいじゃない?

ずっと家に引きこもってるのも・・・」

母「あのね、私は十年前、夫を亡くしてるのよ…・・どれだけ、辛いか・・・あんたに遺族の気持ちなんて分からないの

よ!」台パン!

鏡坂(いや、俺もその遺族なんですけど・・・)

鏡坂は、たまに喧嘩する事もあるが、なんの不自由もない平和な家庭で育ったが、一度も家族から愛情をもらった事がない。

鏡坂の曽祖父が大富豪であり、一生遊んで暮らせる程の金がある。

両親は育児を放棄し、鏡坂兄弟は召使達に育ててもらっていた。

曽祖父は妖怪総大将ぬらりひょんの先祖、神に想像された最初の妖怪、無駄武(むだぶ)という妖怪と互角に戦うほど強かったが、今はすでに故人である。

そして、現在。

鏡坂と剣河は、3日後に剣河河借りているアパートで、Uberでジャンクフード、揚げ物、ジュース、お菓子、スイーツなど出前をたくさん頼み、プチパーティーをしていた。

鏡坂は未体験の味に心を躍らせていた。

剣河(さすがに頼みすぎたかと思ったけど、鏡坂くん、すごい食欲…・・)

食べ終わった後、寝室のベットで寝転びながら、剣河は漫画を見ていた。その隣で、鏡坂はただ床に座っていた。

鏡坂はふと、寝室にある机に目を向けた。

そこには鏡坂のサインが飾ってあった。

鏡坂(あ、ちゃんと、飾ってくれてるんだ)

剣河「もしかしてさ、鏡坂くん、漫画とかアニメも見た事ない?」

鏡坂「うん、母さんが脳に悪いからって、でも、ディスニーとピクサーだけは見ていいって」

剣河「じゃあさ、じゃあさ、エロ本とかも見た事ない

の?」

鏡坂「え・まあ・・だって、未成年だから」

剣河「えー、いやいや、みんなこっそり見てるんだっ

て」

鏡坂「え!いや、だめだよ、脳が腐るって」

剣河「な訳ないじゃんw」

と、剣河は寝室にあるテレビを点けて、リアルタイムで放送されている深夜のエロアニメを流した。

剣河「これ、めっちゃ、エロくね?w」

鏡坂はテレビから目線を離したが、チラチラっとみる。

すると、過激なシーンになり。

鏡坂は釘付けになると、顔を真っ赤にして、鼻血をたらした。

鏡坂「いや、もう、いいって!」

剣河「ああ、ごめん、ごめん」とテレビをリモコンで消した。

剣河「エロさは俺の方が上だったな、やった!鏡坂に勝った!あはははは」

鏡坂(全然、誇らしい事じゃねぇよ…)

3日後、剣河が働いたという事で、剣河家で、パーティが開かれた。

剣河の家族と、鏡坂、非無始、法李、それと、剣河の中学の女友達で焼肉を食う事になった。

剣河の中学の友達は、剣河の妹と仲が良く、今でも妹とは親交があり、妹が呼んだのだ。中学の女友達の名前は、凛花である。

剣河父は黙々とご飯を食べていた。

鏡坂「あの、よかったんでしょうか、僕たちまでお呼ばれして頂いて」

剣河母「いいのよ、多い方が楽しいでしょ?鏡坂君こそ、大丈夫?最近、辛い目にあったのに」

鏡坂「はい、僕は・」

剣河「おい、非無始てめえ!牛タンばっか食うな!安い

肉も食え!」

非無始「早いもん勝ちですぅ」

凛花「剣河も変わってないね」

剣河「え?誰だ、おめえ」

凛花「はぁ、覚えてないの!?」

剣河「うそうそ、覚えてるよ、スズカちゃんだろ?」

凛花「覚えてねぇじゃねえか!」

凛花「私の名前、覚えるまで、スマブラで勝負じゃい」

剣河妹「あ、私もやる!」

と、三人でリビングにあるテレビの大画面で、スマブラをやり始めた。

法李「お前ら、自由過ぎんだろ」

剣河母「はあ、でも、剣河が、明るくなってよかった…・・」

剣河はスマブラのキャラ、ガノンを選択し。

すると、凛花が、スマブラのキャラ、リンクを選んだ。

すると、剣河の昔の記憶が蘇る。

剣河「あぁ、思い出した、お前、凛花だろ」

凛花「え?思い出した?」

剣河「昔、何回か、うちに遊びにきたよな」

凛花「そうそう」

剣河「ああ、あれも思い出したわ、お前さあ、俺、剣河(けんが)って名前だから・・・」

中学の頃の回想。

凛花(中学生)「え?名前、けんがなの?テンガに似て

るうW」

剣河(中学)「テンガ?テンガってなに?」すると、凛花(中学生)は剣河(中学生)に耳打ちした。

剣河(中学生)「お、お前!ど変態!」それから、凛花(中学生)は、剣にテンちゃんというあだ名を付けて呼んでいた。

そして、凛花(中学生)は、剣河(中学生)の誕生日の日に、あるプレゼントした。

誕生パーティーなので、みな、そのプレゼントに注目した。

母「開けてみて?」

剣河(中学生)は少し、嫌な予感がしたので、自分だけが中身を見れるように、そっと少し開けてみると、案の定テンガが入っていた。

剣河(中学生)は、バッ!とすぐさま、箱を閉じた。

母「え?どうしたの?」

凛花(中学生)「テンちゃん、毎日、使ってもいいよ?私

を想ってさ、くっひひ…・・」

剣河父(なんだ?中身は恋文か?)

そして、現在。

剣河「お前、あのいじり、結構きつかったんだぞ!」

凛花「ごめんって、いや、ちょっと、私もやりすぎたかなあって、今では思うけど」

剣河妹「ていうか、お兄ちゃん、お兄ちゃん、非無始さんと絶対結婚しないさいよ」ヒソヒソ

剣河「は?なんで」とスマブラのコントローラーを必死に押しながら、答えた。

剣河妹「非無始さん、上玉よ、逃す手はないわ」ヒリヒリ剣河「お前、なんちゅう、がめつい奴なんだ・」

凛花「え?結婚って、あの、非無視さんって人と、剣河、付き合ってんの・・・」剣河「うーん、まあ、そんな感じ?」

凛花のコントローラーの手が止まる。

剣と、剣河妹は少し困惑する。

凛花「ごめん、私トイレ」とトイレまで駆け寄った。

剣河「なんだ、うんこ我慢してただけか」剣河妹「お兄ちゃん!」

剣河「すみません」

凛花は、トイレの中で、声を出さずに啜り泣いていた。

剣河(そうだ、俺がけんがなんて名前じゃなければ、もっと、女に積極的にアプローチできる人間になってたん

だ…・くそお…)

その後、スマブラをやめ、みなで、焼肉を食べていた。

非無視と凛花の両隣りに挟まれ剣河は座っていた。

母「あら、剣河、両手に薔薇ね、うふふふ」

剣河「どっちも、猛毒だけどね」

非無視と凛花は同時に肘で、剣河をどついた。

剣河「ゔっ!」

その後、しばらく、みなで、談笑したのち。

凛花はふと、剣河の方に目線をやると。

剣河と、非無視が台の下で手を繋いでいた。

凛花は中学の頃を思い出す。

凛花(中学生)は肌寒い真冬の平日、14の誕生日の日、剣河と二人で、下校していた。その日は6時間目が体操服なので、二人とも、その時、冬用の体操着だった。

凛花(中学生)「あのさ、今日、私、誕生日なんだよね、なんかちょうだい」

剣河(中学生)「はあ?お前、俺に・まぁいいか、何が欲しいの?」

凛花(中学生)「それは、自分で決めてよ…・・・・・・は、はっくちゅん!」

と、可愛く、くしゃみをした。

剣河(中学生)は少し考えると、自分の中学鞄の中から、長袖(体操着)を取り出した。

剣河(中学生)「寒いなら、これ着とけ、これ洗ってあるやつだから、いつも、念の為に2枚持ってんだ」

凛花(中学生)「あ、ありがとう・・・」

剣河(中学生)「いや、だったら、捨てていいからなwじゃあな!」と照れる。

すると、その時、剣河の携帯にメールの着信音が鳴る。

そのメールを見ると。はあ、またこいつか。とれたため息を吐いた。

剣河(中学生)「こいつの事、ブロックしたのに、サブア力作って、また俺にメールしてきやがった…」

凛花(中学生)「どうしたの?」

剣河(中学生)「いや、なんかストーカーみたいな事する女いるんだよ、すっげえ気持ち悪い、まぁ美人なんだけ

どさW」

凛花(中学生)「え?その人の事、ちょっといいなとか思ってんの?」と言うと、凛花は少し、かかとに力を入れる、するとアスファルトの地面に少しひびが入った。

剣河(中学生)「え・・・いや、なんでそうなるの?笑」

凛花(中学生)「だって、美人って今めたじゃん」

剣河(中学生)「あぁ…・・いや、まぁ実際美人だから・・・う

ん…」

凛花(中学生)「そういう人と関わらない方がいいよ、ほんとに警察とかに相談したら?」

剣河(中学生)「ええ、そんな、大事にはしたくないんだよねえ」と、剣河(中学生)が、ふと凛花から目線を外すと、電柱の影でそのストーカー美人女がこちらを見ていた。

思わずゾワっと鳥肌が立つ。

剣河(中学生)「ねえ、早く、帰ろうよ」

凛花(中学生)「え?なんで?私といたくないって事?」

剣河(中学生)「いやだって、あそこにいるんだもん、あの人」とそのストーカー美人女を指差す。

凛花(中学生)はその方向を振り向く。

と、そのストーカー美人女はゆっくりこちらに歩んでく

る。

ストーカー美人女は、長身で、180cmあり、バンケットハットを被り、白いワンピース姿が似合っていた。

凛花(中学生)「何の用ですか?驚察呼びますよ?」ストーカー美人女「ただ、道を聞きたいだけよ、剣河くんのお家はどこ?」

凛花(中学生)は察呼んで。と剣河(中学生)に指示を出した。

剣河(中学生)は長身の美人の少しやつれた目を見て、怯えていた。

ストーカー美人女「剣くん可愛い・・・尊すぎて拷問したくなる…・・」と、ストーカー美人女は、だんだんと首が伸び、それから、体全身がスー。と伸びていった。

すると、240cmほどまでに、身長が伸びると、右腕が、鋭い刃に変化した。

に、人間じゃない…・。と、剣河(中学生)は、尻もちをついてしまい、怯え、腰が抜けて動けなくなった。

ストーカー美人女の正体は八尺様。という妖怪であった。

八尺様とは。身長が8尺(約2.4メートル)もある白いワンピースを着た女性の姿をしており、「ぽぽぽぽ」という声を出しながら子供たちを連れ去ってしまう。

ぽ。というと、八尺様は、凛花(中学生)に斬りかかった。

速い・・・!と思わずその剣を避けてしまう。

すると、八尺様は、剣河を金縛りで動きを封じたのちに、熱いキスをする。

それを目撃した凛花(中学生)の中で何かがブチっとキレ、その勢いで発狂した途端にパワーが増した。

凛花の前世。嫉妬の女神メガイラ。

能力。【嫉妬】の感情を身体能力に変換できる。

メガイラとは。ギリシア神話に登場する女神。

復讐の3女神・エリーニュスの1柱である。「嫉妬する者」の意。主に悪事を働く者を罰するために現れた。

ガイアの娘で、彼女の姉妹はアレークトーとティーシボネーである。ローマ神話ではフリアエの1柱として登場する。

おそらく、その瞬間、全中学生女子の中で最強になったかもしれない。

凛花(中学生)は八尺様に向けて拳をふるい、その衝撃波一撃で、八尺様の胴体に風穴を開けて倒した。

そして、現在。

焼肉パーティーが終わり、各々、帰った。

剣と非無視は剣河のアパートの部屋で、キスをしていた。

凛花は自分の家に帰ると、大学のレポートを1時間で、終わらせ、自分のベットに横たわり、あの時の長袖を嗅いで、その長袖を抱いまま寝た。そしてその長袖を素手で引きちぎった。

次の日、剣河と鏡坂は、二人で、散歩をしていた。

剣河「昨日、楽しかったな」

鏡坂「うん」

鏡坂は少し、前向きになっている、顔が明るい。

その時。

鏡坂(そういえば俺、なんで、極戦隊入ったんだっけ…)

河川敷の河で溺れている子供を見つける。

鏡坂はその溺れている子供のしかめて歪ませた顔を見ると、あの時の惨劇を思い出し、動けなかった。

しかし、剣河は、河に飛び込んだ。

鏡坂「なっ・・・!」しかし、剣河も溺れた。

鏡坂「何やってんだ!もう!」と、鏡坂は服の上と靴を脱ぎ、飛び込んだ。

結局は鏡坂が二人とも助け出し。

子供と剣河は横に並んで体育座りして、すごい落ち込んでいた。

鏡坂「なんで、そう、君は無鉄砲なんだ、助ける方法は考えればいくらでもあっただろ!?」

剣河「まあ、最悪、俺がこの子の浮き輪代わりになって、この子だけでも助けられれば良かったかなって」

鏡坂「…」

その後、三人で、公園のベンチに座り、ジュースを飲んでいた。

子供もだいぶ落ち着いたようだ。

鏡坂はほっと、胸を撫で下ろす。

すると子供は「鏡坂さん・なんで、やめちゃったの?極

戦隊・・鏡坂さんすごいのに…」

鏡坂「え?」

子供「パパが、言ってたよ、力ある人は人を助ける責任があるから、力を持って生まれたって…・・」

鏡坂(ああ、またか・・なんで、みな出来て当たり前だと思う…・・?)

鏡坂は自分がなぜ、極戦隊に入ったのか分かった。

誰かに愛して欲しかったんだ。愛してもらった事がない自分を救って欲しかった。

鏡坂にとって、愛=救いだった。

だが、現実は違う、いくら人を助けたとしても、誰も愛してはくれなかった。

怒りや不満、哀れみを向けられるばかり。

非情な現実にストレスが溜まる・・・。

誰も愛してくれないなら、最強の戦士になってやる。

もう、自分を救ってくれる人が来てくれるなんて、期待はしない。俺は孤独に生きる。

誰の助けもいらないくらい、強くなってやる・・・!

鏡坂の眼はメラっと一瞬燃えた。

鏡坂はたばこを辞めた。

朝日が昇ると、鏡坂は走っていた。

まだ、ほぼどこも店が開店していない、商店街を走る。

その時、八百屋の主人が。おい。と声をかけ。応援がこもったりんご一つを鏡坂に投げた。それを鏡坂はキャッチし、その主人に会釈代わりに、手を少し挙げる仕草を見せた。

その後、朝日を浴びながら、片手腕立て伏せ、素振り、実家の弊に囲まれた庭で、懸垂バーに宙返りになり、そのまま上体起こしを行った。

鏡坂兄「よくやるねえ」とアイコスを吸いながら見ていた。

そして、山を走り、頂点まで行くと。

ガッツポーズ。

その生活を四ヶ月続け。

鏡坂は師匠の元に向かい、山の奥地にある、師匠の家を訪ねた。

鏡坂「師匠!是非!私に秘伝の書を下さい!」

師匠は鏡坂のやつれた顔を見る。

師匠「お主、少し、疲れておるな」

鏡坂「ええ、まあ」

師匠「また、無茶な修行をしているのか?」

鏡坂「いえ、ちゃんと、自分の容量は把握してるつもりです」

師匠「そうか」

師匠「それで、話を戻すが、なぜじゃ、あの秘伝の書に書いてある技は、命を落とすかもしれぬ、危険な技だと言っておろう」

鏡坂「覚悟の上です!」師匠は少し考える顔をした。

師匠「…・ついてこい」と、師匠は歩き出した。

鏡坂はその後をついていく。

すると、三千里ほど歩くと、万里の長城まできた。

そうか、この万里の長城のてっぺんに、秘伝書が・・・!よし。

と、師匠の後を追う。

そして、てっぺんまできた!

鏡坂「師匠、ここに、伝書があるのですね!」師匠「え?いやないよ?」

鏡坂「は?」

鏡坂「じゃあ、なんのために、ここに?」師匠「いや、普通に観光」

鏡坂「観光かよ!」

鏡坂「今、そんな事してる場合じゃないですよ!」師匠「いやあ、息抜きになるかなって」鏡坂「なるかァ!切羽詰まってんだよ!」そして、普通に、師匠の家の棚に秘伝書はあったので。

鏡坂はずっこけた。

しかし、鏡坂はその秘伝書に書いてある技を会得するため、更に修行を重ねる事を決意する。

師匠「鏡坂、またわしが稽古をつけよう、独学で会得するのは難しい」

鏡坂「いえ、結構です、師匠もかなりのお歳ですし、無理をさせるのは、心痛ましいと言いますか・・・」師匠「...そうか、そうじゃな、ワシは膝も壊しているし、医者からも過度な運動を止められてるから、その方がいいだろう」

鏡坂「師匠、色々、ありがとうございました」鏡坂は師匠の家を去っていった。

強くなったな…・・一番弟子…・・。

鏡坂は森の中を秘伝書を読みながら、歩いていた。

鏡坂「俺は強くなる、絶対・・」ん?なんだ、この技。

秘めたる力を覚醒する技?

技名「ええと、技名「キャピキャピメールナンデらめえ

♥」

技名、気色悪・・・!

その力を覚醒させる方法。

1ある程度強くなる。あ、でも強くなりすぎたらだめだ

よ♥

2大切な人の死を目の前で見る。

3思い切り叫ぶ。

4覚醒★

…これ、本当に本物の秘伝書なんだろうなぁ…・。

これは、いいや。

ええと…・。とページをペラペラめくる。

お、この技いいな。

技名「覚醒の波動」

放った後の反動はあるが、その分、絶大な威力を発揮す

る。

よし、これ使えるようになるう。

鏡坂は覚醒の波動を会得するため、必死に修行した。

その頃、妖の国、妖怪総大将ぬらりひょんの城で。

封印されたぬらりひょんが自力で封印のツボをぶっ壊した。

周りにいたぬらりひよんの部下達はどよめく。

そのそばにいたぬらりひょんの父。闇山本五郎左衛門は、腕を組んで、澄ました顔をしていた。

闇山本五郎左衛門は、元妖怪総大将であり、生物、概念、あらゆるものの頂点に立つ最強の生物である。だが、高齢であり、年は六億歳を超えている、180cmと長身だが、その姿はおいぼれており、腰も曲がり、長い白髭を蓄え、白髪の長髪、杖をついていた。

間山本五郎左衛門「ついに、目覚めたか、我が息子よ、待ちびていたぞ」

ぬらりひょんは白亜紀から生きているが、見た目は、30代前半、筋肉質で、童顔で、端正な顔立ちをしており、身長は290cm。

ぬらりひょんの新人部下a(これが、ぬらりひょん様か、初めて見た…・でも、大将っていう風貌って感じじゃない

な…)

ぬらりひょん「くっそー、いやあ、参った参った、大和大国に一回負けたのは悔しいなぁ、よお、親父、元気にしてたか?」

闇山本五郎左衛門「まぁな」

ぬらりひょん「そういえば、海坊主は元気してるか?」

妖怪軍幹部no.2「あぁ、あいつなら、死にました」

ぬらりひょん「まじか、あんな強かったのにな」ぬらりひょんの新人部下b(す、すごい・・・・伝説の妖怪の総大将が今目の前にいる・・・!)

あ、あの、質問いいですか?と新人部下bが恐る恐る口を開く。

ぬらりひょん「なんだ?」

新人部下b「人間で、一番強かったと思う奴は誰でしたか?」

ぬらりひょん「あぁ…・・ううん・・・・・・あ、あいつ強かったわ、宮本武蔵、将棋で負けたのは、あいつが初めてだった…・」

新人部下b(いや、そういうことじゃなくて…)

ぬらりひょん「あやつめ、こすい手ばかり使いやがる・・・あぁ、もう一回勝負してえ」

ぬらりひょん「なあ、親父、俺の復活を待ちびていたって事は、もう一度人間に戦を仕掛けるんだろ?」間山本五郎左衛門「ああ、そうだ」

ぬらりひょん「その前に、腹ごしらえだ、チーズハンバーガー食べてえな」

新人部下b「は、はあ…・」と気の抜けた返事をする。

新人部下a(ほんとに強いのか、この妖・・・)

ぬらりひょん「それと、そうだな、明日、敵国(日本)の潜伏調査を始める」

と、ニヤリと不敵な笑みを見せた。

そして、次の日、新人部下二人を連れて、化けの能力で、人間の姿に化け、妖怪三匹は京都を潜伏調査していた。

食べ歩きしながら。

ぬらりひょんは京都グッズをいっぱい買った、お土産として。

ぬらりひょん「うお、金閣寺まだ残ってたのか」と言いながら、金粉入り抹茶アイスを食べた。

新人部下a(潜伏調査ってより、これ観光じゃね・・・?)

その頃、剣河と非無視は東京の街を歩いていた。

しかし、東京の外には全く人がいなかった、人っ子1人も。

剣河「いつも人口密度、やばいのに、なんでだ?」非無視「知らないの?最近、妖怪総大将が、復活したってニュースとかTwitterで大盛り上がりよ」

剣河「最近、ネットデトックスしてスマホ触ってなかったから、知らんかった、テレビはネトフリか、バラエティ番組しか見らんし」

剣河「ちょっと、待てよ、東京で、こんなに人がいないって事は、京都も全くいないんじゃない?」

非無視「え?」

剣河「俺、一回行ってみたかったんだよねぇ、京都!うざったい人ゴミも全然いないし!今がストレスフリーで観光できるんじゃね!?」非無視「確かにそうかも!」

よっしゃあ!行くぞ!と2人はめちゃくちゃ平和ボケしていた。

鏡坂は、修行を終え、家に帰ろうとしていた途中、剣河と非無視を見かけた。

声をかけようと思ったが、やめた。

鏡坂(これ以上仲良くなったら、死んだ時、また辛くな

る…・)

と、引き返して、また修行に戻った。

剣河は非無視を乗せ、高速道路をATの車で走っていた。

剣河「おー!めっちゃ、スイスイ!いつも混んでるのに!最高!」

メーターは振り切っている。

非無視「ちょっと、あんまり、飛ばし過ぎじゃない?」剣河「大丈夫だって、車いねぇし」???「車はいないが、俺はいるぜ」と、頭上から声が聞こえ、車の上からドン!と何がか落ちた音がした。

剣河「え!なになに!?」と。

???「俺の前世はコウモリ!空を飛び、700Hz以上の超音波を発する!意味が分かるか?最低で700Hzだ!俺は訓練を重ね、500dbまで出力を上げる事ができる!

さあ、鼓膜を破られたくなかったら、有り金全部よこ

せ!」

世界最強の軍隊と呼ばれる極戦隊が大敗した事で、世界の秩序は少しずつ瓦解しており、そのため、必然的に治安も悪くなっていた。

コウモリ男「ぐあぁぁぁぁあ!!!!!」非無視は音速で動き、コウモリ男をぶん殴って、遥か彼方まで飛ばした。

そして、助手席に戻る非無視「さあ、行きましょう」

剣河「は、はい・・・」

剣河はスピードを百キロまで下げた。

剣河と非無視は京都に着くと、観光ぶらり旅をする。

人は外には全くいないが、店は営業していた。

数時間程、京都を遊ぶと。

非無始が遊び疲れて眠たくなり、なんかガム持ってな

い?と剣河に訊く。

剣河(確か、財布に入れてた・・)と、財布を手に取る隙に。

1人の男に財布をひったくられた。

その男の前世は、新幹線N700スモールA。

N700A(スモールA)✕32編成は、浜松工場へ廃車回送

2024年3月27日に、大阪交番検査車両所所属のN700A(スモールA)✕32編成は、大井車両基地→東京→

浜松工場の経路で廃車回送された。

非無視「あ!ひったくりよ!」

剣河「え!?今、ひったくられたの?」新幹線男「へへへ、俺のスピードについてこれるかな!」

剣河「非無視!ひったくりに、アイアンテイル!」

非無視「私はポケモンじゃねえ・・・」すると、そのひったくりを通りがかったぬらりひよんが、デコピンで気絶させた。

ぬらりひょんのそばにいた新人部下2人は驚愕した。

新人部下b「ぬらりひょん様!なぜ、人間を助けるのですか・・・・!?」ヒリヒリ

ぬらりひょん「RPG系ゲームだったら、この場合、村人からなんかもらえるんだよ」ヒリヒリ

新人部下b「これは現実ですよ…・」

ひったくりを撃退してくれたぬらりひよんに剣河は。

ありがとうございました。優しいお方、なんとお礼したらよいか、もしよかったら、これで美味しいものでも食べて下さい。

と、ぬらりひょんに十円を手渡した。

ぬらりひょん一行(十円…?)

ぬらりひょんは、ふるさと、妖の国に帰国し、お土産の包みをベリベリと開け、箱に入っている、菓子折りをもぐもぐ食べていた。

ぬらりひょん「親父い、このお土産、中々いける、味付けだぜ」モグモグ

部下a(いや、お土産、旅行した奴が一番乗りで食べたら、だめだろ・・・完食してるし…・・)

闇山本五郎左衛門「ほっほっほ、しっかり噛んで食わないと、喉に詰まるぞ、息子よ…・・」部下a(だめだ!妖怪総大将とその父親の貫禄が全くねぇ!頭痛くなってくるわ!)

鏡坂は、覚醒の波動を会得するため、秘伝書を熟読していた。

ええと、覚醒の波動は、技の反動があるが。

10%、50%、100%。と威力を調節できる技なのか。

鏡坂は二ヶ月の厳しい特訓にて、覚醒の波動を会得したそして、夜の森で寝て陽の光で目が覚める。

鏡坂は達成感により、満足気な顔をした。

そして、晴天の降り注ぐ朝に照らされながら、歩き。そらを見上げる。

鏡坂は死んだ父の事を思い浮かべていた。

父さん…・・元気にしていますか?色々あったけど、僕は今

元気にやってます、そっちでも父さんが元気にやってるのを願ってるよ、天国で見守っててね。

鏡坂父「おお、炎垂じゃねえか」

と、鏡坂と鏡坂父は(然バッタリあった。

え?

鏡坂「え、ええ、ええ!?お、お父さん、生きてたの?

て言うか・・・」

鏡坂父「おお、生きてたぞ、悪りいな、連絡よこさなくてさ…・・へへ・・・」一瞬その場が、静まり返る。

鏡坂父「俺さ、さっき離婚届、出してきたんだ」は…・・・・?

よく見ると、鏡坂父の隣に若い知らない女がいる。

鏡坂「ちょ、ちょっと、待って、その隣にいる人だ

れ?」

鏡坂父「あぁ、これは俺の再婚相手」再婚相手「みゆでーす、二十歳でーす★」

鏡坂「勝負しろ!親父いツツッツツ!!!!」

その頃、妖怪の国では。

間山本五郎左衛門は、王の座にて、頬杖をつき、不敵な笑みをニヤリと浮かべ、鋭い眼をしていた。

闇山本五郎左衛門「兵力は揃った、全世界を恐怖と闇に陥れ、支配してくれるわ・・・我が野望を叶える時が来たの

だ・・クククッ・。

ぬらりひょん「野望になんのひねりもないな、親父・・・」

闇山本五郎左衛門「では、全世界に宣戦布告だ、戦は二ヶ月後・」と妖の国の広報部に知らせた。

広報部長「はっ!」

すると、数時間後、全世界に紅い空中船が、宙に浮いており、そこから、宣戦布告の赤い紙が大量に落ちてきた。

その紙には、四か月後、妖怪の国が全世界に戦争を仕掛ける。という内容の手紙だ。

それを人間がみな、拾う。

全世界の王達が、緊急会議を開く。

そして、全世界の兵力を集め、最強の軍が結成された。

その軍の名は世界防衛軍。

一方その頃。

鏡坂は父に止まらぬ攻撃を繰り出していた。

鏡坂父「お、落ち着けって」鏡坂父はその攻撃をいなし、受け流す。

鏡坂の攻撃は全くたらない。

鏡坂父には余裕があり、防御するばかりで攻撃はせず。

鏡坂と父親の実力は天と地ほどの差がある。

父親は遥か上の存在であった。

鏡坂は疲れ、ばてる。

鏡坂父「炎垂、ちょっと落ち着け!あとで話し合おう!」

と、再婚相手のみゆをお姫様抱っこで抱え逃げた。

鏡坂「逃すか!カス親父!」と、追いかけるが。すぐ見失った。

鏡坂「はぁ・・・はあ・・・あの野郎…逃げ足の速さも一級か

よ…・」

すると、鏡坂のポケットに装着していた、無線から連絡がきた。

本部司令官「鏡坂君、世界軍事施設の司令室に来てくれ、作戦会議だ、妖怪の国が全世界に戦争を仕掛けてきた、会議は5時間後だ」

鏡坂はとりあえず、コーラで自販機を買い、そのコーラを振って炭酸を抜き、炭酸抜きのコーラを一気飲みすると、決意を目に宿すと。

装備を整え、売り払った、愛用の剣をなんとか入手し、戦闘服、剣を装着した。

本部司令官が作戦の指揮を務める事になった。

本部司令官の前世は黒田官兵衛。

黒田官兵衛とは、播磨国の姫路生まれで戦国時代から江戸時代初期にかけての武将・軍師。キリシタン大名でもあった。戦国の三英傑に重用され、筑前国福岡藩祖とな

る。諱は初め祐隆、隆、のち高といったが、通称をとった黒田官兵衛、あるいは剃髪後の号をとった黒田

如水としても広く知られる。

いわゆる、凄い人であり、本部司令官は前世特異能力者である。

むさ苦しい兵士たちが密集した部屋で作戦会議が始ま

る。

そこには鏡坂もいた。

本部司令官「まず、初めに、言っておくが、普通に戦っていれば負ける、これは断言できる」相手は妖怪だ。

本部司令官「だが、妖怪に妖怪をぶつける」そこにいた兵たちは驚きざわつく。

どう言うことですか?とモブ兵が問う。

本部司令官「君たちには、この薬を飲んで、妖怪に変身してもらう」

と、ポケットに忍ばせておいた、小さな箱をあけ、中にある薬を机の上に置いた。

黒田官兵衛「人間の力に妖怪の力を掛け合わせる事で、妖怪一般兵よりも強力な兵士になれる」モブ兵「あの、この薬、何が入ってるんですか?」本部司令官「主な成分は、妖怪の血液と、ポリフェノールだ、実験に実験を重ねた結果、この薬を完成させた、この薬を飲めば、自我を失い、人間にもどることも不可能だ、お薬飲めたねゼリーに混ぜて、飲むと、飲みやすいだろう、ちなみに、この薬は前世特異能力者が飲んでも効果がない、どうやら、前世能力者は特殊な抗体があるようで、無理だった。私情でそのようにしたのではないので、責めないでくれ」兵たちは動揺を隠せない様子である。

本部司令官「だが、必ず、妖から人間に治す薬を作ってみせる、約束しよう」

モブ兵士(ふん、偉い奴が、約束を守った事なんて、これまで一度もねぇ・・・)

本部司令官「以上の作戦ならば、敵を一網打尽にできま

す」

誰か、異論はないか?

ある。と手を挙げた。鏡坂が。

本部司令官「どうぞ、鏡坂さん」本部司令官は、焦ると敬語になる癖がある。

鏡坂「その作戦では、たくさんの兵が犠牲になりますよ

ね」

本部司令官「はい、そうですが」

鏡坂「他に作戦は…・」

本部司令官「他の作戦を何千通り、何万通りと、考えたよ、だが、やはり、人間だけの力では、妖怪に勝つのは不可能だ。あなたや、私などの前世特異能力を持っている者達は太刀打ちできるだろうが、前世特異能力を持っている者は希少で数が少ない、一般兵プラス極戦隊を総動員して、も、絶対に勝てない。断言できる、さらに言えば、人間の中で、妖怪側についた、薄情なやつらもいるら私は妖怪の名将ぬらりひょんを知っている、人間よりも、知能は遥かに上。化け物中の化け物だった、日本…・・いや、大和大国と妖怪は古来より、戦をしているが、何度もやっても、大和大国は負ける、だが、やっと、勝ち筋を手に入れたのだ、それを否定しようと言うのですか?」

鏡坂 「......そんな作戦、認められない、兵士だって、人間です、戦争の道具じゃない!本部司令官だって、家族がいるでしょ?」

本部司令官「戦争には多少の犠牲は必要です、それに、この案だと、犠牲は少なく、効率よく且つ、迅速に、敵を全滅させられます。これが最適解だ」

鏡坂「あなたは人の心がないのか!この作戦は残酷すぎる、俺は全員を助けたい、誰にも犠牲になって欲しくないんだ」

本部司令官「なんだ、頭は私よりもノロマみたいだ、兵土は道具ですよ、感情論で戦えば負けます」すると、鏡坂は胸ぐらを掴んだ。

本部司令官「人に倫理観を問う割には、暴力を振るうおつもりですか?みな、兵士になったのは、命を懸ける覚悟があっての事・ただ給料が高いからって理由で、兵士になった訳ではないと思いますよ、まさか、戦争なんて起きる訳がないと思ってる程、平和ボケしてる訳じゃないでしょう」

この会議室にいる、数十人のモブ兵士達は、皆、ぐさっとその言葉が心に刺さった。

そして、本部司令官と鏡坂が意見の食い違いで、対立し

ている時・・・。剣河と非無始は。

めちゃくちゃ平和ボケしていた。

作戦会議の席を外していた港と非無視は電話していた。

非無視「なぁ!私にできることない?会議してんでしょ!?」

港「そうだな、じゃあ、お前バカだから、休養してくれ、戦に備えて」

非無視「へえーい」

剣河と、穴場の山登りや、キャンプ、海に行った。人々が家にこもり、誰も絶景スポットにいないから。

まずは山登り。

剣河「ここ、やっぱり、いいな、最高、最適だな」非無視「そうでしょ!?いいでしょ、ここ:」

剣河「最適だ、身投げに・・・」

次に海に行く。

剣河「ここの海にぷかぷか浮かんだら、気持ちよさそ

う」

非無視「今、シーズンじゃないからね、冬だから、夏だったら、気持ちよさそう」

剣河「入水自殺した後、死後硬直で、浮いてたら、気持ちよさそう…・・天に召されて」

•・'。

最後にキャンプ。

剣河「こんな静かな所で、練炭自殺もありだな・・・」非無視「気が滅入るわ!やめろ!」非無視「あんた、もしかして、まだ川で溺れた事気にしてんの!?」

剣河「だって、やっぱり・ああ、嫌な事があると、芋づる式に過去の嫌な体験がフラッシュバックするう!」

非無視「元気出せよ!肉食え!肉!」

と、バーベキューで焼いた、肉を剣河の紙皿に置いた。

と、まあ、なんやかんや言ったが、普通に海もキャンプも、山登りも楽しんだ、二人共。

そして、帰り道は剣河の運転で帰っていた。

剣河が、ある昔の歌をスマホに車のBluetoothを繋げて、流した。

すると、イントロが流れる。

非無始「お、これカントリロード』の歌?」

剣河「違うよ、吉田拓郎の「結婚しようよ」だよ。確かに、ちょっと、イントロ似てるけどッ!知らない?吉田

拓郎?」

非無視「え?剣ちゃん…・・」

剣河「いやいや、違うって、俺、この歌好きってだけだから!結婚とかじゃ・・・」

非無視「え?好き?私も剣ちゃん、好きよ♥」

剣河「違う!違う!」

次の日、港と非無視は電話していた。

非無視は自分のアパートの部屋にいた。

港「非無始、ちゃんと、休養できたか?」非無視「遊びすぎて、逆に疲れた…・」

港「うかれすぎだわ!戦争始まろうとしてのに・・・」非無視の横にいたあくびしながら、テレビを見ている剣河「そうだ、はしゃぐな、バカぁ」ポテチボリボリ。

非無視「てめえにバカって言われたくねぇんだよ、剣河てめえ…・・!」

と柔道の締め技を剣河にかける。

剣河「いででで・・・ギブギブギブ・・・」

非無視「あ、そうだ!私さ、次は動物園行きたいな、次の仕事までまだ四か月あるし、来週の金曜日、行かない?私予定空いてるし、剣ちゃんも動物に癒されて、心を浄化させようよ」

剣河「動物園かあ、まぁ久々行くか」その時、剣河の携帯から、メールの着信音が鳴り、そのメールを見ると、凛花からであった。

凛花からのメールは。あのさ。来週の金曜日暇?。という内容であり。

剣河は、ああ。と気の抜けた声をあげると。ごめん、彼女とデートだから。というメールを送った。

そのメールに即座に既読がつくが。返事はなかった。

凛花は、そのメールを見た途端に、目が血走り、スマホをそのまま、砕いてしまった。

その頃、妖怪の国では、闇山本五郎左衛門がたばこを吸いながら、豚の死体に刃を通していた。

ぬらりひょん「親父、葉タバコじゃなくて、アイコスに変えたんだな・・・」

闇山本五郎左衛門「ああ、最近、料理にハマっていてな、葉タバコだと手先にヤニがついてしまうであろう?

クックック、よし、下処理は完璧だ・・・」と闇山本五郎左衛門は自宅の調理場で豚肉がメインの料理をしていた。

闇山本五郎左衛門「貴様に、絶品の豚肉炒飯を喰らわせ

てやる…・」

ぬらりひょん「お、おぉ…」

ぬらりひょんは、リビングのテーブルでミステリー小説を読んでいた。

間山本五郎左衛門「ところで、息子よ、貴様は我の野望にケチをつけておったな」

ぬらりひょん「あぁ、ひねりがないだとかの発言の事?

あれは半分冗談・・・」

間山本五郎左衛門「では、逆に聞く、お主には夢や野望などないのか?」

ぬらりひょん「俺に、そんなものはない、目標や夢、未来の事を考えることよりも、今を楽しんだ方がいい、現状維持こそが最高なんだよ、何も考えなくていい、これ以上幸せな事があるか?」そうか・・よし、出来たぞ・。

闇山本五郎左衛門は出来た炒飯を息子に振る舞った。

ぬらりひょん「うん、普通に美味いわ」

闇山本五郎左衛門「そうか、そうか・・・クックック、笑いが止まらぬわ・・・フフフ・アハハハハ!!!!」

その気の狂ったような高笑いは妖怪の国の地獄中に響く。

けです。

※父親が息子にチャーハンを食べさせて、喜んでいるだけです。

鏡坂父は、自分の父親つまり、鏡坂炎垂の祖父に当たる人物の墓参りに行っていた。

その日の天気は曇り雨で、ポタポタと小粒の雨が降っている。

鏡坂父「父さん、私はどうすればいいのでしょうか、今日、息子に命を奪われそうになりました、あの子は血相

掻いた目で私を睨んでいました」

鏡坂祖父は幽霊となって、魂だけ、現世に舞い戻り、鏡坂父の前に現れた。そして、真剣な眼差しで、息子の声を聞いていた。

鏡坂祖父(幽霊)「どうした?何があった?と言っても、お前の耳には届かないか…・・」

鏡坂父「私はただ、十三年間、家を留守にした後、不倫して、離婚して、その次の日に再婚しただけなのに・・・」

鏡坂祖父(幽霊)「そりゃ怒るだろ!何言ってんの、こいつ!?」

鏡坂父「いや、だって!男は不倫するものでしょ!?一人の女を愛し続けるなんて、フィクションだ!」

鏡坂祖父「言い訳は見苦しいぞ、お前がアホなだけだ、というか不倫のカミングアウトの前にとんでもない爆弾発言してるよな…・?」

ポタポタの小粒だった雨が一気に大雨となり、鏡坂父は顔を歪め、涙を流し、地べたに膝と手のひらをつけ、顔を下げる。

鏡坂父「俺の何が、悪かったんだろう・・・育児放棄したのが悪かったのか…・」

鏡坂祖父(幽霊)「うん、原因分かってんのに、なんで悲劇の主人公みたいな顔できんの?」

鏡坂父「私は・俺は…どうすればいいんだ父さん…」

鏡坂祖父(幽霊)「死ねばいいと思うよ…」

そして、一週間が過ぎた頃。

鏡坂はある疑念を持っていた。

あの時、あの時の馬骨の匂いと、走っている時の足音、歩幅が、あれは馬骨のではなかった。気がする。だが、姿も声も馬骨そっくり。しかし、これは憶測でしかないが、ただ体の匂いを変える能力を持っているってだけではないのか?いや、そんな能力を持っていたとしても、なぜ変える必要が…うーん、もしかしてあいつは・馬骨じゃなかった?

そして、鏡坂は白髪の老婆の家を訪ねた。

鏡坂「先日はお礼も言わず、帰ってしまい、すみません」

白髪の老婆「いいのよ、元気そうで良かった」鏡坂「…・おばあちゃん、俺、戦うよ」白髪の老婆「え?」

鏡坂「戦うのが、正しいか分からないけど、もう自分を否定しません」

白髪の老婆「そう・・・」と、優しみ感じるが、どこか哀愁漂う笑みを見せた。

老婆「あなたはすごいね、私は怖がって逃げた、自分の子から…もう一度、あの子に会って、抱きしめたい・・・」と、涙を流す。

その涙を手で拭きとる時。

その老婆の薬指にはめてある指輪が目に写った。

その指輪・もしかして、よく見れば、あの馬骨が持ってた、若い女の指輪と同じじゃないか?面影もどこかあ

る…・。

鏡坂「その、あなたの子供ってもしかして…」

剣河と鏡坂はその1時間後、公園のベンチに座っていた。

鏡坂「あれで良かったのかな・・・」

剣河「?どうした?」

鏡坂「いや、なんでもない、よし、だめだ切り替えないと、近々戦争があって戦わないと行けないから」

剣河「え?!戦争行くの!?行かなくていいよ!鏡坂、まだ若いし!俺も行きたくないもん!呼ばれてないけ

ど」

鏡坂(いや、お前、軍人(極戦隊)目指してるんだろ?矛盾してね?)

剣河「いや、ほんとにまじで行かなくていいと思う、別に誰かにやれなんて言われた訳じゃないんだろ?」鏡坂「剣河、俺はもう決めたんだ、俺は勝つ」鏡坂はまっすぐな目で、剣河を見た。

剣河は悲し気な表情をする。

鏡坂「剣河、一つお願い、いいか?」剣河「おお、いいぞ」

鏡坂「俺の親友に九郎ってやつがいてな、そいつの事が心配なんだ、だから、もし、もし仮に俺が戦死したら、九郎の事を気にかけてやってくれないか?」剣河「ああ、もちろん」すると、鏡坂は安堵の表情を見せた。

剣河「なぁ鏡坂、戦争って死ぬかもしれないんだよな…もちろんだけど・・・」うん…・・。と鏡坂は眉を下げる。

剣河「そしたら、もう2度と会えなくなるかもしれない…・だから、ゲームしたりして遊ばないか?確か、戦争始まるまで、あと一ヶ月くらいあるんだろ?」

鏡坂「...・・・ごめん、戦争に備えて体を鍛えないとならないから…・・」

剣河「・・・そうだよな、そんな暇ないよな、ごめんな」鏡坂は挨拶もなしにその場を去った。

その夜、新しく借りた自分の部屋のアパートでテーブル席の電気のみを点け、一人ご飯を食べていた。

鏡坂(母さんと兄さんにも挨拶するか、一応・・・)

鏡坂は実家に帰り、久しぶりに母に会った。

母は缶ビールを片手にリビングに座っていた。

鏡坂「母さん、久しぶり」

鏡坂母「うん・・」

少し気まずい空気が流れる。

鏡坂母「あんた、ベランダにある観葉植物に、水やってくれない?小鉢に一本植えてるだけだから」

鏡坂「分かった」

と、ベランダに行き、ベランダにあった、水が溜まったジョウロから観葉植物に水を注いだ。

太陽がギラギラで、今日の気温は夏が皆を焼くような暑さだった。

鏡坂母はやはり、次男(鏡坂炎垂)と話したくてベランダに行く、外の空気もたまには吸いたくなった。

すると、鏡坂は観葉植物にかなりの量の水を与えていた。

鏡坂母「あぁ、だめだめ、水やりすぎよ」

鏡坂「え?なんで?ガブガブ飲ませた方が良くない?夏

だし」

鏡坂母「与え過ぎると逆に枯れるのよ」

鏡坂「そっか、今度から気をつけるよ」

その頃、剣河と非無視は動物園に行くために車を走らせていた。非無視は軍の無線をアパートの部屋に置き忘れにしていた。

剣河達の家族はショッピングモールにいた。

剣河の家族だけではない、みな戦争が起こる事に備えて、出来るだけの備蓄を蓄えるべく、食糧や水などを買い込んでいた。

そして、父はショッピングモール内の本屋にいた。

その頃、軍の本部司令室では。

戦争は予定より、早く仕掛けられた。と部下河本部司令官に知らせた。

部下「アメリカはもう!妖怪の軍によって蹂躙されています!」

何!?卑怯なマネを…・。

民衆に伝えますか?

あぁ、もちろんだ、それと、各軍にも知らせる、迅速な対応を、な。

妖怪軍は日本に侵攻を始めていた。

ぬらりひょん「さて、そろそろ大和大国に、開戦の狼煙をあげるか」

と、ぬらりひょんは、地球の地面から、太陽に向けて掌から、0.5%の力で念力を放つ、それにより、太陽を容易に破壊した。

闇山本五郎左衛門「ぬらりひょんよ、あまり派手に暴れるなよ、この太陽系惑星は綺麗な星だ、我々の目的は支配する事のみ」

ぬらりひょん「そうだな、親父」と不敵な笑みを見せ

る。

すると、それを世界防衛軍基地の屋上から太陽が壊れる

瞬間を見た法李港は。

港「まずい・・太陽が・皆が凍死し、他の惑星もバラバラに散る…・・!」

と、港は全ての力を使い果たし、太陽を生き返らせた。

だが、力を使った反動で港は死んだ。

空、全面が一瞬暗くなる。

しかし、闇山本五郎左衛門が、指の先から、小さい球体のようなものを放出し、太陽のあった位置、大気圏外の宇宙まで飛び、その小さな球体は、太陽のようなエネルギーの塊となり、その場に留まり、太陽に似た輝きを放った。

空を見上げる人々は太陽が二つ出来たと錯覚していた。

その頃、鏡坂は。森で修行をしており、先ほどまで明るい空が暗くなった事と太陽が二つある事に疑問を持っている時。

軍の無線で要請をもらう。

本部司令部「港が死んだ、事態は一刻を要される」わかりました。

と向かっている道中。

極戦隊四天王の三人が現れた。

鏡坂は極戦隊四天王no.1である。

鏡坂「おお、三人共無事だったか!最近見ないから心配してたよ、助けに来てくれたのか?」

極戦隊no.2の男「我らは、ぬらりひよん様の、忠実なる僕!」

元極戦隊四天王no.2剛気京!前世、小碓命(おうすのみ

こと)

元極戦隊四天王no.3乱坂旭!前世、素戔嗚尊【すさのおのみこと】

元極戦隊四天王no.4酒賀夜詠!前世、出雲建(いずもた

ける)

さぁ、勝負してもらおうか!鏡坂炎垂!我々の目的は貴様を倒す事だ!

四天王のうち、NO.2、4は、男であり。人気俳優のような、端正な顔立ちであり、白い歯が輝いていた。

NO.3は女の子で、アイドルのように、美麗で麗しく、成功者の顔をしていた。

三人は、不敵な笑みをし、構える。

三人とも、剣術を使う。

鏡坂は、拳をグッと握りしめた。

戦争が起こった事をまだ知らない民衆達はちょいとばかりのんきしていた。

剣河の母娘は、ダンベル屋にいた。

母「ダンベル専門店なんてあるんだ」

店員「はい、ここは、ダンベルのみを扱っており、選りすぐりのダンベルをご用意してあります」

妹「お兄ちゃん、筋トレ頑張ってるし、なんか、買ってあげよ、ダンベル」

店員「それは、素晴らしい!きっとお兄さんも喜びますよ!」

すると、三メートルはある大男妖怪が店に飾ってあるダ

ンベルを雑ぎ倒した。

すると、店員はすぐさま逃げた。

大男妖怪は不敵な笑みを見せる。

大男妖怪「筋肉こそ、最強!」母「え?なんか、私たちの方に来てない」妹「胃の中に入れる気だわ・・・うわあああ!来んな!!!!」

と目の前のダンベルを投げ、顔に当てたが。

全くひるまない。

しかし、妹と母は顔に重点的に投げ続けた。

くっそ!!!!

しかし、全くひるまず、素敵な笑みを浮かべる。

すると、突然、一瞬ひるんだ。

え?効いてる…。

娘よ!投げ続ける!

と、うぉおおおお!!!

と、二人はものを大男の顔に投げ続ける。

すると、なんと倒してしまった。

大男の顔はパンパンに腫れていた。

それもそのはずで、その大男は妖怪世界の兵士でもなんでもなく、最下級妖怪であり、一般人とあまり、戦闘能力は変わらない。

結構、弱かったわね。

最初、ものにたった時、痩せ我慢してたんだと思

う…。

すると、銃声が聞こえた。

え?今度はなに!?

すると、父が駆け寄ってきた。

父「二人とも、逃げるぞ!」と、三人は全力で走った。

このショッピングモールは戦争に乗じて、兵士ではない、一般妖怪達が、襲撃していた。

父は避難しながら、妖怪に銃で狙撃して倒す。

父は元日本軍人の傭兵である。

そして、銃専門店の店を見つけると、持てるだけ持った。

父「お前らも持てるだけ、持て」と、渡した。

妹「父さん、いいの?」父「どうした!?」

妹「私、銃の許可証持ってないから、銃刀法違反!」父「こんな時に言ってる場合か!」よし、行くぞ!

父「俺から三メートルの距離を保ちながら、移動し

ろ:」

なんで?

父「俺は敵を攻撃するから、敵の的になりやすい」そして、妖怪が六メートルほどの距離から、父に向かって、火炎放射器には劣るほどの火を吹くが。

右斜に前転して避け、受け身を取った直後、銃で火を吹く妖怪の脳天を撃ち抜いた。

パパ、すげー…・。

しかし、ズボンの袖が、少し焦げた。

そして、次に少し遠くの背後にいる妖怪が爆弾型の妖術を父に向かって後ろから投げるが、それを父はキャッチして、ブンッ!と振りかぶって、投げ返すと、妖怪は自分の術で爆死した。

その後、マシンガンで妖怪を一網打尽にしていく。

しかし、一匹だけ、銃が効かない下級妖怪がいた。

そいつは日本刀を持っていた。

父「くそ…・!効かないやつもいるのか」父はまず、その下級妖怪の目に向かって打ち続けるが、全て避けられる。

そいつが襲いかかってくるが。

スーツを被せ。

下級妖怪の視界を一時的に奪った。

そして、そのスーツをビリビリに破くと。剣河達の家族はいなかった。

そう、近くの服屋の試着室に隠れたのだ。

そして、試着室の外から、人の痛々しい悲鳴とうめき声が聞こえる。

助けて!やめて!痛い!子供は殺さないで!などの悲痛

な叫びも。

妹(お兄ちゃん…・)

父(相手が油断していたから、危機を回避できた・・・くそ・・・これだけの惨事になっているのに、なぜ応援が来ない・・・)

いや、軍と警察はとっくに動いているのだが、ショッピングモールの外はここよりも悲惨であった。

日本軍、ヤクザ、日本組織が協力して、妖怪軍に挑むがまったく歯が立たず、戦っているというよりも、害虫駆除作業にしか見えなかった。

妖怪兵達は、屈強な人間を淡々と殺す様を楽しむわけでもなく、明日の用事などを考えながら、虐殺していった。

だが、一匹の妖怪女の兵は、ゲーム感覚で人を殺していた。

その妖怪女は、和服の着物姿で戦場を駆け、高層ビルを、底から、ぐいっ。と少し持ち上げ。

よいしよ!

と、高層ビルを横に倒した。

すると、ビルの中にいた者、そして、ビルに踏み潰された者達と、たくさん死者がでた。

おー!これおもしれー!

と、次々と、高層ビルを倒していった。

それを避難所の屋上かは、遠目で眺めていた、サラリーマンは。

あぁ、会社が潰れて、ラッキー、へへ…・。と崩壊してい

<淀んだ景色を見て、死んだ目をして渇き笑いを見せ

る。

その妖怪女は、戦い慣れてるようで、笑う事はあまりなく、上手く敵を殺した時のみ、よし…・。と小さく声を発し、口角を上げる。

それで、紛争地帯に巻き込まれた、一般人にその妖怪女は問われる。

こんな事して…なぜ、平気な顔ができる・・・・あんた、心が痛まないのか・・・?

そうね…・子供がアリを殺すのと同じ気持ちよ。

俺たちは蟻じゃない!

理解できないわ、人間の法では、なぜ、虫を殺しても罪には問われないのに、殺人は有罪なのかしら、同じ命でしょ?命は平等であるべきだと、あなたたちこそ、なぜ分からないの?

…・平等なら、なぜ殺す!

平等に殺してるじゃないの。

ふざけるな!

やっぱり、種が違うと、話が食い違うわ、でも、新鮮な意見を聞けて今日はいい日ね。

と、その一般人を殺した。

でも、動物は、可愛いから、殺さないわ。

その妖怪女は、妖怪軍幹部no.5お岩さん。という名であ

る。

猫ちゃんとか、ワンちゃんとか、パンダ見に行こうかしら、動物園グッズのうさちゃんがプリントされた皿も好

き♥

妖怪兵少佐「おい、お岩さん、まだ仕事中だ、勝手な行動は謹んでくれたまえ」

お岩さん「だって、つまらないんですもの、どうせ、今回も勝つでしょ?今日はもう早退したい気分」

妖怪兵少佐「まぁ、そうだな君は実績もあるし、普段頑張っているから、まぁいい、早退したまえ」

お岩さん「わかりましたまえ〜」

妖怪兵少佐「いじるな!腹立つ!」お岩さん「くっふふ、ごめんごめん」とこの会話をしている間に、二匹は日本側の兵器で撃たれていたが、びくともすんともせず。

お岩さんは動物園に向かった。偶然にも非無視と剣河が今いる動物園に。

鏡坂の母と兄は戦闘能力は高いが、自宅に鏡坂式超強力な結界を張って、まったり家の中で過ごしていた。

人間は、強者として戦う者、弱者として逃げる者、裏切る者、強者ではあるが戦争に興味がなく、戦わない者、そして、弱者として戦う者に、分けられた。

イギリス出身のレイボンは。

三十万の軍勢で一人で立ち向かう準備をしていた。

イギリス兵はみな、尻尾を巻いて逃げた。

しかし、レイボンは、国を破壊されたくないので、一人で立ち向かった。

レイボンは離婚した妻の家にいた。

そして、妻に赤子を預けた。

レイボン「君がいれば、この子は混乱せず、自爆する事もない」

妻「あなた…・・」

・。

レイボン「還ったら、また、結婚を申し込んでいいか?」

妻「ええ…」

と、妻子は車で避難した。

と、レイボンは上着を脱ぎ、戦場に向かい、三十万の軍に一人で立ち向かう。

その頃、イギリス大統領は周りにボディガードをつけ、イギリス軍基地を歩いていた。

しかし、尿意に襲われ、トイレに向かう。

ボディガード達は、トイレの入り口の近くで待つように命令され、目を鋭かせ、見張っていた。

しかし、化け狸は他者が、自分を認識出来なくなる技を使い、すんなりとトイレに入る。

トイレの個室の鍵を閉め忘れていたので、普通に開け、大便をしていたイギリスの大統領を手で、気絶させ。

その大統領に化けた。

大統領が所持している銃を奪うと。

大統領はトイレの個室の上にあるダクトの中に押し入れてやった。

そして、大統領に化けた、化け狸はトイレの外のそばで、待機していた。ボディガードと共に行動する。

そして、イギリス軍の司令室に向かう。

それで、軍の司令班に、ロシアに核兵器を放て。と化け準は大統領の声を真似て、命令する。

え?しかし、なんのために。

と司令班はいった。

すると、その司令班を化け狸は銃で撃った。

この大統領の言う事が聞けんと言うのか。

わ、わかりました。

と、急いで、司令長が核兵器のボタンを押して。

ロシアに核兵器が投入され、次々人が死んだ。

その、2時間後。

世界防衛軍本部司令室では。

本部司令官!と世界防衛軍司令班の一人が血相掻いて、司令室に入った。

本部司令官「どうした」

各国の大統領が、なぜか、次々と、核兵器を使い、他の国々に攻撃しております!

なんだと!なんのために!?

分かりません!

・・・・おそらく、妖怪の仕業だろう、大統領達になんらかの妖術を使い、核兵器をその妖怪が人間に使わせている。

多分な。

その通りであり、ほぼ間違っていない、化け狸は、各国の大統領に化けては、核兵器を使えと人間に命令してい

る。

人類側の戦力は削ぎ、さらには人間をみな、疑心暗鬼にさせるために。

だが、その大統領達の行動に疑念を持っていた馬骨は、大きなフードを被り、間違いなく化け狸のせいだと確信していた。

馬骨は以前、妖の国に住んでいた頃、妖怪軍の奴らにしつこく勧誘されており、断り続けていた。その勧誘を熱烈にしてきたのが化け狸であり、なんと化け狸は七年も軍に入らないかと勧誘してきていた。

そのため、仲は良くないが、付き合いが長いため、あぁ、あいつなんだろうな。と心の中で独り言を呟いた。

馬骨は、化けを止めるべく、あいつの妖気を心で探った。あの化け狸を止められるのは、自分くらいだと思ったからだ。

なぜなら、第二形態になると、他にも、「ほぼ全ての特殊能力無効」などの能力も発動出来る。

そして、化け狸の妖の気配を捉える。と音速で向かった。


化け狸は、そこらの人間に化け、避難している民衆の集団の中にいた。

馬骨は、その人混みに紛れている化け狸を見つけると。

「悪消しの歌」を歌う。

「悪消しの歌」は、悪の心を消す半のみが使える技。その歌は難聴だったとしても不思議と聞こえる歌である。

悪の心が消えれば悪事を働く事もなくなる。

だが、「悪消しの歌」は一日に一回しか使えないほど、喉に負担がかかる。

すると、それを聞いた人々は、心が軽くなり、戦争で汚れた心が浄化され、穏やかな顔つきになった。

化け狸はこの技を聞くと、頭を抑える。

歌い終わった後。苦虫を嚙み潰したような顔を見せ、苦しい咳払いをする。

大きなオーバーパーカーを被り、正体を隠している馬骨は、人混みの中心に降りる。

馬骨も民衆の中に混じり、歩いている化け狸の前に立った。

化け狸、無駄だ、俺には分かる。

馬骨は自分の力に絶対的自信を持っており、化け狸に哀れみの目を向けた。

馬骨「なんでこんな事するんだ、化け狸、大人しく投降してくれ、痛い思いはさせたくない」化け狸「馬骨、お前は倫理観を持ち合わせた人間の優しい部分と、妖怪の圧倒的パワーを兼ね備えた優秀な生物だと俺は思う...」

馬骨(俺の歌が効いてる....)

化け狸「だから、こそ、お前とバディを組みたかったが、残念だ」

馬骨「...そうか」

化け狸「ふふふ、お前の歌は無駄だ..戦争でどれほどの悪の心が増えたと思ってる」

馬骨「え...?」

と、化け狸は、手に隠し持っていた小石を馬骨の両目に当てる。

馬骨はひるみ、目をぐっと思わず閉じてしまう。

化け狸は変身を解くと、空中に素早く思い切り、ジャンプし、闇の巨大炎を手のひらに溜めた。

化け狸「つまり、お前はこれを避けられないッツ!!!!!」

と、民衆に混じっている馬骨に向けて、放った。

馬骨は、その、一瞬の行動に呆気に取られる。

その頃、元極戦隊四天王の三人は、鏡坂に一人ずつ、腹パンされ、一撃でダウンしていた。

鏡坂「ごめんなさいは?」

三人「ごめんなさい…・・」(三ヶ月見ない内に、ここまで、強くなってたのか、こいつ…・・)

三人はまた日本側の味方に。

極戦隊四天王復活!

一方で、馬骨は空中で、空を飛び、踏ん張りながら、民衆に化け狸の攻撃がたらぬように、巨大な炎を食い止めていた。

だが、その隙に、化け狸は、ハエに変身し、馬骨の背後に飛んで回ると、変身を解き、馬骨の背中ナックルを決めた。

すると、巨大な炎にもろに馬骨は激突し、闇の巨大炎はその衝撃で消滅したが、馬骨はかなりのダメージを受け、倒れる。

オーバーフードは焼き焦げ、馬骨の妖怪の姿が、民衆に知られる。

民衆は、馬骨が闇の巨大炎を抑えているうちに、その場から離れ逃げていた。

化け狸は「悪吸い」という技を使った。その技は、悪の心を吸い取る技。その「悪吸い」で、戦争により、悪の心が芽生えてしまった世界中の人々から悪の心を吸い取った。

「悪消しの歌」が聞こえる範囲はせいぜい半径1km。

化け狸「ふう、戦争がなけりゃ吸える悪の心の量も少なくて、負けてたかもな、はあ、任務は終わったから、この集団に紛れて、安全に妖怪の国から帰ろうとしていたのに....全員殺さなきゃならなくなったぜ」と、逃げている人々に目をやる」

馬骨の心臓は止まる。

だが、その隙を馬骨は見逃さず、一瞬で、一本背負を決め、地面に叩きつけ、その場にある大地をぶっ壊した。

だが、化け狸も力任せに、馬骨の腕を掴み思い切り、地面に叩き返した。

さらに、大地が壊れる。

二人はほぼ同時に起き上がり、間合いを取る。

馬骨はまるで閻魔大王のような荒々しい表情で睨む。

化け狸(なに..確かに心臓は止まっていた..)

化け狸はポケットに忍ばせておいた妖力を高める手袋をはめる。

化け狸(ふっ面白くなってきた...)

そこから、戦闘は更に激しくなる。

お互い、全力をぶつけられる相手と久しく出会い、体が温まってきた。

民衆達はなんとか、その戦いの場から、逃れ全員助かるが。

民衆はさらに二匹から逃げようと全力で走るが、人間の走るスピードよりも、妖怪同士の千手、上回る戦闘の方が早く。

遠くからも伝わる圧気により、本能が逃げても無駄だと言う。民衆はみな本能に従い、その場にへたり込んでしまった。

馬骨の戦闘スタイルは基本防御カウンター型だが、この日は、インファイター型である。

様々な感情が混ざり合っての事だろう。

お互い、インファイトをし、防の事など一切考えておらず、読み合い、避ける、殴る。を繰り返していた。

すると、馬骨の右腕がついに吹っ飛ぶ。

よし!勝った!

と、化けがトドメの一撃を、決めようと左ストレートで、みぞを狙うが。

馬骨は、そのぶっ飛んだ右腕を左腕で掴み、化け狸の顔にぶつけ、目眩しに使った。

化け狸の左ストレートはジュッと音を立てにかするが

然、致命打にはならず。

それが、決め手となり、カウンター右フックで、脳震盪を起こさせ、化けを気絶させた。

しかし、またもや、命を奪わず、気を失わせただけであ

る。

馬骨は今の戦いでかなり衰弱し、瀕死寸前であったがなんとか歩けるほどの力は残っていた。

馬骨の力がほぼない事は民衆達でも分かるほど弱まり

きっている。

すると、ゾロゾロと馬骨の方に民衆が歩いてくる。

馬骨「みなさん、もう安心・・・」と、守っていた人間達から、銃で撃たれた。

馬骨「いでえっ・・・!」出ていけ、化け物!

人間世界で争い合うな!

こっちははた迷惑だ!

妖怪同士の喧嘩ならよそでやりやがれ!

みんなやっちまおうぜ!どうせ、人間は負ける!だったら!最後まで足掻いて、一矢報いてやるぞ!

と、民衆はその声に呼応するように、みな雄叫びをあげ、唸る。その行動は自殺行動にも近い。民衆は報復される不安などどうでもよく放棄した、非現実的な出来事に長く苦しめられる続け、頭が誤作動を起こし、冷静な判断ができず、人間の歪んで醜く弱い心が解放された。

馬骨「待ってくれ!僕はあなた達の味方だ!」じゃあ、なぜとどめを刺さない!

それは…。

また、起き上がるかもしれんのだぞ!

とどめを刺せ!

俺達の味方なら、殺せよ!そいつを!

騙されんぞ!

俺たちを騙して、喰う気だろ!獲物を横取りされたくないから、そいつとやり合ったんだろ!?

子供「待ってよ、あの人、僕たちを守ったんじゃ・・・」はあ?何言ってんだ、あれのどこか人なんだ!化け物じゃねぇか!

待てよ…・・お前も妖怪側の味方なのか?

おい、こいつ、妖怪かもしれんぞ。

人間に化けてるだけかも。

刃物を持った男「なら、死ねぇ!」と、男が子供を短刀で刺そうとするので。

最後の力を振り絞り、短刀で刺されながらも子供を庇い、盾となり、その子供を抱き抱え、馬骨は逃げた。

あぁ!あの子が!!!誰か止めて!とその子供の母親が叫ぶ。

その頃、引退した元極戦隊no.8は、一人の一般人の男五人を妖怪軍に人質として、取られ、手が出せず、防戦一方であった。

くそ、軍を抜けたってのに、戦わなきゃ、ならんの

か…・。

この敵の数だけでも、きついのに。

人質を取られちゃ、話になんねぇ・・。

妖怪軍第二部隊隊長「勝つためなら、手段をぼわない!

その勝ちへの執着が!己を強くするのだ!さぁ!そのまま、沈める!」と部下に、no.8に対しての攻撃の手を緩めるな。と命令する。

妖怪軍第二部隊隊長の隣にいたモブ妖怪兵「ですが、隊長、老人やか弱い女子供を人質に取った方がより効果的では?」

妖怪軍第二部隊隊長「バカ者!そんなゲスいな事、妖怪

の名が廃るわ!」

モブ妖怪兵「矛盾してませんか.・・・?」no.8(このまま、殴られて死ぬだけか…・)

その時。前、剣河の財布をひったくった新幹線男が、一般人の男達を人質にとっていた妖怪一匹をぶん殴って、吹っ飛ばす。

そして、空からコウモリ男が現れる。

よおし、俺の500dbの超音波で、一網打尽じゃ!

と叫んだ。

no.8「ま、まて!一般市民が!!!」だが、コウモリ男は聞く耳持たず、超音波で、一般市民事、のその場の妖怪軍達を、吹っ飛ばし、土煙が舞う。

no.8「な、なんてことを!市民を助ける方法はいくらでもあったはずだ!」

コウモリ男「は?勘違いすんな、俺らは、別に誰の味方でもねえ」

新幹線男「よし!むかつく妖怪ともをぶっ飛ばすぜ!」そして、土煙が晴れる。

だが、その場にいた妖怪兵達はみな、対してダメージを受けていなかった。

コウモリ男「なにい!!!」新幹線男「そ、そんなバカな・・」no.8「チッ構える!お前ら!」

コウモリ男「俺たちに指図するな・・・」と、三人は構える。

凛花は、出かける前、メイクに3時間かけていた。

ブラウンのカラコンもし、口臭ケアもかかさず、身だしなみを整えていた、服選びに1時間かけた。

外で戦争が起こり、それが分かっているにも関わらず。

服を選んでいる途中、外から、大きな岩がガラスを突き破ったが、気にせず、服選びに没頭した。

ハイヒールの音をカツカツ鳴らしながら、動物園に向かうため、玄関を開ける。すると、家の中で曇った轟音が、外に出ると、鮮明に聞こえた。

すると、気配を察知した妖怪軍達が、瞬時に殺しにかか

る。

凛花「どけ、お前ら、私は動物園に行くんだよ」と、凛花は自分の身長の八割はあるほどの大きな金棒で、その場の妖怪軍達を一瞬で全滅させた、跡形もな

く。

剣河と両思いになりたい。

死んでも手に入れたい、絶対・。

と目を散らばらせる。

その後、動物園まで行く道のりにいる、妖怪軍たちにある程度苦戦し、息を切らしながらも、凛花は進んで行った。

本部司令官は司令室で頭を抱えていた。

本部司令官(くそっ、なぜ来ない、鏡坂くん・・・!無線で連絡も繋がらない・・・!)

モブ司令班「本部司令官!例の作戦を始めましょう!」本部司令官「しかし、まだ十分な兵力が・・・」モブ司令班「言ってる場合ですか!?人類の二割がもう死滅しているのですよ!」

本部司令官「くそ・・やむおえん…・・!妖怪に変身する薬を用意しる、それを兵士に持たせるのだ」モブ司令班は、はっ!と返事をした。

ぬらりひょん率いる妖怪兵の軍勢は北海道を更地にすると、そこを妖怪軍の拠点とした。

ぬらりひょうと本部司令官はお互いの陣地で玉座に座る。隣には、元妖怪総大将間山本五郎左衛門が立っていた。

本線は今にでも始まろうとしている。

予告しようか、君たちは全滅するが、我々の軍は全員無傷で帰還する。とぬらりひよんは頬杖をつきながら、不適な笑みを浮かべる。

本部司令官の側近「?なんか、口を動かしてこちらに向かって、喋ってます」

本部司令官「いや、こんな遠く離れてるのに、聞こえるか、では、仕掛けに入る・・・」

全速全身!かかれ!と言うと、本部司令官が命じると、雄叫びを上げながら、人間兵達は走る。

出撃…・。とぬらりひょんが静かに声を発する。

すると、妖怪歩兵達はのそのそと前進する。

そして、妖怪軍第一隊隊長が、構え、打て。と、部下達に命じると、遠距離型の妖怪兵達は、みな、妖術を放

つ。

日本兵達は、その妖術をくらい、悲痛な声を上げる。

しかし、人間兵達は、ダメージを受けると、妖怪に変身する。傷も完全に再生した。

すると、妖怪に変身した人間兵達は、攻撃されて、怒(いかりったのか。

理性を失い、敵軍に全力ダッシュする。

そしてなかなか善戦、人間側に軍配が上がっている、今の所は。

しかし…。

本部司令官(・・・やはり、理性がないので、仲間同士で、殺し合いもしているか…・だが、中々順調だ、押している、だが、油断はならん、まずは小さい駒を動かして様子見だ、あちら側もそのつもりらしい)

と、ぬらりひよんも玉座から、戦況を見ていた、山本五郎左衛門と、一緒に。

だが、ぬらりひょんは動く。

ぬらりひょん「ほう、中々やるではないか、敵ながら見事だ、では、その強さに敬意の念として、少し本気になるか」

すると、突然、どんどん、形勢逆転されていく。

まるで、妖怪兵達が、人間兵達の動きを読んでいるかのような。

本部司令官「どうやってここまで強くした・・・」

ぬらりひょん「「別に、特別強くしたわけではない」」と、本部司令官の脳に直接ぬらりひょんの声が入る。

本部司令官「な、なんだこれ・・」

ぬらりひょん「「訓練はさせていたが、我々、妖怪には、体の構造上、声を発したりできない者もいてね、その代わり、脳を通して直接、会話する事ができる、「能通し直接会話」という能力があるのだ」」

本部司令官「名前、そのまんまじゃねえか」

(ようはテレパシーってやつか…・)

ぬらりひょん「「その能力で兵、全員に、的確な指示を寸分狂わず、毎秒休む暇もなく、送ってるだけの事だ、私、1人がな」」

…・!

本部司令官は不意に懐に忍ばせていた、たばこを吸うと、十数秒考える。

鏡坂君はまだなのか!?

今、着きました!と極戦隊四天王、三人をを引き連れて、鏡坂は現れた。

すみません、来る道中、人を助けていたら、遅れてしまって、人助けに必死で連絡を怠りました。

それで、鏡坂は、空中に飛んで、戦況を把握した。戦況は人間側がかなり不利。

鏡坂「…・仕方いない、行くぞ!合体技!」

極戦隊四天王三人「おう!」

と、合体技【極戦隊四天王斬り】で、モブ妖怪兵達を一網打尽にした。

鏡坂(くっ、俺はやはり、まだ、誰かの力を借りないとだめなのか…・・)

よし、戦力が揃った、私も前に出る時だ!

と、本部司令官は妖刀を帯し、ぬらりひょんを討ち取るため、大将自らが、最前に立つ。

極戦隊NO.2「ぬらりひょん!勝負しろ!悪の権め!」極戦隊NO.3「俺たちは、悪を絶対許さないッ!」極戦隊NO.4「悪いことして、恥ずかしくないのか!?妖怪共!」

鏡坂「お前らそれ、ガチで言ってるならぶん殴るぞ」

ぬらりひょんは、青筋を立て、戦の最前にゆらりと移動し、

鏡坂達の前に立つ。

極戦隊四天王と本部司令官で、ぬらりひょんに挑もうしていた。

本部司令官は、昨日の深夜まで、徹夜で妖怪に変身した人間を元に戻す薬を部下の科学者と共に研究していた。

部下の科学者は、少し休んだ方がいいと、気にかける。

本部司令官は働き詰め、で本部司令官という地位に就いてから、一度も休んだ事がない。

誰よりも頑張っている。しかし、それを人に言わない。

なぜ?その事を他の部下たちに言わないのですか?私はあなたが、冷徹な人だと思われているのが悔しい・・。と科学者の部下は質問する。

誰かにめられたいから、やってる訳じゃない。

平和のためだ。

本部司令官は苦悩していた、実験で失敗して殺してしまった、虫、動物、極悪の犯罪者ではあるが、人間達までも実験材料にしていた。

その十字架を背負って生きていたからだ。

だから、誰かに好かれようだなんて、考えてはいけない。と自分を戒めていた。

ぬらりひょんが構えると、瞬間、ぬらりひょんが前から消えた。

鏡坂が困惑していたら。

本部司令官のうめき声が聞こえ。

振り向くと、本部司令官は、ぬらりひょんにみぞをなぐられ、二百メートル程吹っ飛び、本部司令官は息が出来ず、激痛でもがき苦しんでいた。

鏡坂は、喉が詰まる。恐怖心をかき消すため、はらわたの奥底から、雄叫びを上げ、斬りかかるが、ぬらりひょんに、刃をいとも簡単に素手でキャッチされ、そのまま、ぬらりひょんの人智を超えた拳速に視認する事も出来ず、肋に左ストレートの一撃をくらい。

鏡坂は血を吐いて、いとも簡単に倒された。

残った極戦隊四天王三人は、冷や汗をかくが、歯を食いしばり、ぬらりひょんに一斉に斬りかかり、戦いの意思を見せた。

しかし、ぬらりひょんは、その攻撃をいなし、避け、加減して、反撃した。

ぬらりひょん「俺は裏切りが嫌いだ、お前ら三人は殺してくれと命乞いするまでいたぶってやる」

申し訳ありませんでした。と三人は。即座に土下座した。

また、仲間になるので、どうか、許してください。

哀れだな…・。とぬらりひょんは呆れすぎて、力を思わず緩めた。

よし!今だ!!!!!!!とその隙を狙い。

三人は合体技【極戦隊三天王斬り】を使い、その斬撃を放ち、ぬらりひょんにぶつける。

すると、爆発が起き、爆炎が舞い、震度七の地震が起きるほど大地が揺れる。

NO.2「これを至近距離で喰らったんだ・・倒せずとも・気絶くらいは…・・」

しかし、ぬらりひょんは、素手でその斬撃を受け止めた。

ぬらりひょんは当然のように無傷であった。

少し、おいたがすぎるな…・・お前ら…。

ぬらりひょんは、それから、極戦隊三人をいたぶり続けた。

ボコボコにしたあげく、瀕死の状態で、腕や脚を掴み、地面に何度も叩きて、殺した。

そして、死体を粉微塵にした後、骨と化した三人に唾を吐きかけた。

本線が始まってから、約1時間の出来事だった。

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