コラム:お地蔵さま

「お地蔵じぞうさま」


 正式せいしきには地蔵菩薩じぞうぼさつ

 庶民しょみん身近みぢか信仰しんこう対象たいしょうとしては、やはりしたしみをこめ「お地蔵さま」とぶのがふさわしい。


 平安末期へいあんまっきからすでに地蔵信仰はひろ民衆みんしゅうれられていた。同時どうじに、慣用句かんようくにも「地蔵と閻魔えんまいつ」とあり、日本にほんでもふるくから閻魔大王だいおうも地蔵菩薩もとも阿弥陀仏あみだぶつ分身ぶんしんとみられていたことがかる。閻魔には故人こじんさばきにたいする弁護べんごとして、地蔵菩薩には地獄じごくでの最後さいご救済きゅうさいとして、お地蔵さまはおがまれていたのだろう。


 後述こうじゅつする道祖神どうそじんともむすびつき、おおくの場所ばしょにその石仏せきぶつかれるようになったことも広くしたしまれた理由りゆうである。すぐそばにいるこころりどころとされたものだろう。


「道祖神」


 さえふさぐ、ふせぐ)のかみ、あるいはさえ境界きょうかい)の神とも。


 むかし村々むらむら点在てんざいしていたため、村のそとすぐはいわば魑魅魍魎ちみもうりょう跋扈ばっこする異界いかいであった。その異界からはいってくる疫神えきじん病気びょうき)や、魔物まもの盗賊とうぞく山賊さんぞく)を防いでくれるよう、道祖神はかれていたものである。


 それはすなわち、道祖神よりも外が異界を、うち人間にんげん世界せかいしめす、境界線きょうかいせん役割やくわりになっていたともいえる。村境むらざかいだけでなく、四辻よつつじはしのたもと、あるいは峠道とおげみちにも置かれていたのも、そこが異界との接点せってんであるとしんじられていたためである。


 夫婦和合ふうふわごうを願い、一対いっつい石像せきぞうであることが多い。また子宝こだからを願い、陰陽石いんようせきであることも。自然石しぜんせきであったり、それのかたちせてつくられていたり。


葬式饅頭そうしきまんじゅう


 最近さいきんはあまりない?

 葬儀そうぎ形式けいしき時代じだいによってわるので。


 歴史れきし紐解ひもとけば三国志さんごくし時代じだい逸話いつわにまで、その由来ゆらいはさかのぼれるという。


 お通夜つややお葬式そうしきでの返礼品へんれいひんとして弔問客ちょうもんきゃくわたされていたもの。地域ちいきによってそのかたちおおきさ、あじ中身なかみわたすときのかす様々さまざまである。

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