第2話 スイートガール?
「なにか御用ですか。」
まさか話しかけられるとは。
「いや何も…」
それだけ俺が言うと、子供は何事も無かったかのように外を見だした。
見た目はまるで子供なのに、目が合った瞬間、自分よりはるかにでかいヤツと対峙したみたいな気分になった。
席に座って、コーヒーを飲む。が、スッキリしない。
あの子供の振る舞いや雰囲気を見るに、店主の言っていた強いやつという言葉が本当なのは分かった。
…戦う姿を見てみたいと思った。
「なあ」
気になった。
こんな目をしている理由が。
だから俺は子供の元に近づきこういった。
「俺と一緒に冒険しないか。」
子供もチラッとこっちに目を向けて、ニヤッと笑った。そのまま、さっきの寡黙そうな雰囲気が一転して、わざとらしくっ、
「別にいいけど?」
と言った。
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スイーツ屋さんからギルドへ帰ってきました。
入ってきたのが私たちだとわかると、賭けてた野郎共が悔しがってました。…いい気味ね!
ちゃちゃとクエスト完了して今日やることは達成したので、今からは自由時間!
いつもはビビと一緒に行動するけど、今日はちょっと一人で遊びたい気分なんだよね。
「じゃあ、今日は別々で!」
「は?おま、ちょ」
ギルドを出た瞬間にそう言って転移した。ビビは口うるさいからね。
今日はちょっとしたいことがあるんだよね。
私にはビビにも言ってない秘密がある。私が私であるために欠かせないものなの。
そんな大それたものじゃないけどね。
今日はそれをするの。
私は誰も知らない自分の基地に帰る。
ビビといる時は旅館に泊まるんだけど、私にはここが一番居心地がいい。
あ!そうだ、次いつ来るかわかんないし、今あるスイーツ全部食べちゃお!
スイーツには賞味期限というものがあるので、食べれる時に食べるというのをモットーに食べます!
ーそして夜になりました。
私は隠している羽を出して、空を飛んだ。
町は明かりがチラチラ付いていて、とても綺麗だった。夜、バレないようにひっそり、町を観察する。
はは…こんな姿見られたら私はすぐに指名手配だね。冒険者としてただただ活動している、そんな冒険者だったら不憫に感じるかもしれないけど、私はそうじゃないから。
ちゃんと悪魔として悪事を働く悪いヤツなんだもん。
自分の正体を知っている人は殺してきたし、邪魔な人は力でねじ伏せてきた。
人間でもない、最悪な冒険者だよ。
こんな事実、ビビも知らないし、誰も知らない。
明日の昼にはまたビビと会うから、私の怯える日常が始まるね。久しぶりにこの姿になったから、気持ちのブレが大きい。
…あーダメダメ。
こういう時は、…っ甘いものを食べて元気出さなきゃね☆
スイートガール @rata-two
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