スイートガール

@rata-two

第1話 フワフワした女の子

「ねえ~これ受けようよ~」

ボードに張ってあった紙から一つを手に取る。


「こっちを受けてからのほうが効率がいいんだぞ?」

そう言って、別の紙を取るアホ。


「フワンはそれやりたくないもーん」

ママみたいに口うるさいデカブツ、ビビはこれも受けたいんだって。



でもね?

せっかくフワンはこのクエストが受けたい気分なのに、こっちのクエスト受けたせいでこのクエストを受けたくなくなっちゃったらどうするの?


むうううう。怒ったもんね。


「ていうか、オーガとか受けるの時間の無駄じゃん!悪魔ちゃちゃっと倒して報酬もらうほうがいいっっっ、って!」


イライラしてきて、ビビを胸を叩く。

「いっつ!もう分かった分かった。悪魔な。」


やっと分かってくれたか。でも、叩くのはちょっと…やり過ぎ?

クエスト受理してもらった瞬間にワープで悪魔の森に転移して、光速で目的の悪魔を探す。「アギャーーーーーあfcjb」


死んだかな?


悪魔ごとマジックバッグにつめこんだ。

「…ねえ。」




「…なんだ。」




「…ここまでで何秒?」




「20秒だな。」



…困ったな~。最近クエストを解決するのが早すぎて、何秒で終わらせてくるか、ギルドで賭けが行われるようになった。

あ、そうだ!

「ビビいつものとこ行くよ!」

そういってとある場所に転移した。


そんな賭けぶっ壊してやるという訳で!



「すみませーん!いちごパイといちごパフェといちごミルクくださーい!」


スイーツ屋さんに来ました~。

ここで甘いものたくさん食べて、気分よくして、ビビに叩いちゃったことを謝ろーっと。

「ねえ、ビビ。さっき叩いたの痛かった?」


「そりゃお前…いてーよ。」

うんうん。そうだよね。

「そっか…ごめんね?あ、それとさ、さっきの話で思ったんだけど、オーガとビビって似てるよね~!アハハッ、ハハ…」

やばい、怒ったっぽい。

なんか目光ってない?ほんとにオーガだったとか?え、ていうことはさっき、同族を殺そうとしたってこと?


こういうのって何ていうんだっけ、とも…共…共倒しっ、

「ブハハハハ!そんな訳あるかーいっ。何いってんのーっ。」


「…なんて心無いやつなんだお前は。」


ビビは虚ろな目で、ボソボソなんか言ってた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


性格の悪いやつ。

今でこそそういうふうに巷でも思われているが、出会った当初は違ったんだ。

雰囲気の良いカフェ。

うまくて、人が少なくて、俺はいつの間にか常連になった。


いつものように店に行くと、小さい子供がいた。甘そうな料理ばっか食べていて、なんで一人で来ていたのか不思議に思った。それよりも一番不思議に思ったのは、店主が子供に敬語で話していたことだ。


店主に理由を聞くと、子供とは思えないほどに大人びていて、強いやつだ。といった。俺を知っている、店主がここまで言うようなやつならすごいんだろうと思った。


次の日店に行くとあの子供がいた、店主の言っていた言葉が気になって、子供のことを見ていると、不意に子供と目があった。



「なにか御用ですか。」


そういう子供の目はすべてを見透かされているように感じるほど、澄んだ瞳をしていた。

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