第14話 魔力切れ

 ◇シーナ目線


「えっ」


 目の前であいつが倒れた。

 刻印とかいうスキルを使って木の板を砕いた瞬間、フラフラと揺れながら地面に倒れ込んだ。

 呼びかけても返事はなく呼吸はあるがどうしていいのか分からない。


「ど、どうしよう」


 孤独感が私を焦らせる。

 ずっとひとりぼっちだった私の隣が最近は賑やかでどう接していいかなんて分からなかったけど嬉しかった。


「また、ひとりぼっちなんてやだよぉ……」


 慣れたはずの孤独に光を見せたあいつが悪いのだ、だからだから


「早く起きて……」


 このままずっと起きなかったら……私に出来ることは?

 何も思いつかない、何も私には出来ない


「図書館……あいつが司書さんって言ってる人なら……」


 私が今、唯一頼れそうな人物だ。

 こいつのことを知っていて私たちに手を差し伸べてくれた人。


「学園……」


 あの3人に会ったら……先生に見つかったら連れ戻されるかな……


 そんな事を考えながらも足は転移陣を踏んでいて、学園の廊下を短い足で走る。

 図書室の場所なら最近いったばかりで鮮明に覚えてる。


「おい、0417〜そんなに急いでどこに行くんだ‪‪‪w‪」

「邪魔!」

「は? え?」


 やっとの思いで駆け込んだ図書室には誰も居なかった。

 司書さんとやらが居そうなカウンターには誰もおらずこの広大な図書館をくまなく探すとなれば何日かかるのかも分からない。


「ふふ、ばぁ!」

「ひゃぁぁぁ!!」


 冷たい空気が首筋に当たりすべすべで冷たいものが頬を覆う。

 突然の恐怖に身体がすくみ力が抜ける。


「あら、ごめんなさい、そ、そんなに驚くと思っていなくて……」

「ユウキを助けて!!」

「落ち着いて話を聞かせて?」


 刻印魔法を使ってあいつが倒れるまでの経緯を話した。

 背中をさすりながらずっと聞いてくれたこの人はやはり司書さんと呼ばれていた人らしい。

 結果はただの魔力の使いすぎだそうで、柔らかい枕で風邪をひかない様に暖かくして寝かせておけばいいと教えてくれた。


「ありがとうございました」

「ふふ、また来なさい楽しみに待ってるわ」



 ◇リズ(司書さん)視点


 誰も来ない図書館に誰かが慌てて入ってきたの感じた。

 あの子かしらとメニューから覗いて見たけど見知らぬ女の子だったわ。

 人型のコアなんて珍しいからちょっとイタズラしてみたくなったわ。


 イタズラは大成功だったわ、今までにないくらい驚いてくれてとても可愛かったの。

 要件はあの子が魔力の使いすぎて倒れたって話だったわ。

 刻印魔法は魔力の調整が上手くできないとまともなものが完成しないし多分最初の方をちらっと読んで試したんでしょうね。


 シーナちゃんに魔力操作基礎の本を持たせて膝枕をして暖かくしておけば治るわと吹き込んでおいたわ。

 きっとシーナちゃんが帰ったらきっと恥ずかしがりながらもしっかりやるんでしょうね、あれがツンデレって奴なのかしら。


 後であの子からなにをお礼に貰おうかしら。



 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 膝枕こそ至高だと思うんです。

 え、太ももって良くないですか?


 ハート、星、フォローで作者のやる気をバフしてください……

 あ、ついでに太ももフェチの人もフォローしていってください。





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