第10話 15万の行く末

「早速取り掛かるとするか」


 今の俺たちの残りDPは15万と少しだ。

 そして兼ねてから考えていた作戦とダンジョンの新層追加を行う。

 シーナも珍しく隣で座っており今回は手伝ってくれるのだろうか?


「とりあえず新しい階層を作るから案はないか?」

「食べれるモンスターを多くするのはどう? 前から気になってたのよね」

「それだ! 早速食えそうなモンスターを探そうか」


 正直、5層くらいまでは人間媚び媚びゾーンとして作る気しかないので薬草的なやつ時たら次は食べ物だろう、その次は鉱脈を大量に設置するのもありかもしれない。

 人間が生活するのに金属は必要だろう。


「ここら辺じゃないかしら、なんか食べれそうな気がするわ」

「ふむふむ、確かに食えそう」


 異世界仕様の牛や鳥、豚っぽい変なやつ。

 全員肉が手に入りそうな見た目をしているのでお手柄では無いだろうか。

 やはりシーナ食い意地が張ってる分食べるものを見つけるのも上手いらしい。


「なぁ、シーナ5万DPでその2層をお前に任せてみてもいいか? 一応最後に一緒に見るから」

「え……い、良いわよ何とかしてみるわ」

「そうか、ありがとう」


 俺は俺の準備を始めるまず新しいスキルを1つ購入する。

 人間に媚びるためにも本人達に必要なものを聞くのが手っ取り早いのだ。

 狙うは近くの街にいるはずの領主だ、そいつと交渉して確実な安全を築いて安定したDPを獲得する。


 しかし、俺本体が出向けば怪しまれて殺されたり拘束される可能性があるので安全に会話を試みたい。

 そこで俺が目をつけたのが3万DPの憑依である。


 憑依

 対象にとりつき意識を奪い体を乗っ取ることが出来る。対象の魔力や自我が強いと抵抗される可能性がある。


 抵抗されることがあるらしいが今回は抵抗されなさそうなモンスターを見つけたのでこの部分も解決だ。

 5000DPのドールというやつを召喚する。


 見た目は木でできた人形で関節のようなものまであるが魔力がないので地面に横たわっている。

 早速憑依してみて動くかどうか確認してみよう。


「憑依」


 すると失敗したのか俺は地面に横たわって居た。

 体を起こすと目を瞑って座った俺がいて、遠くにはシーナが見える。


『成功だ!』


 声が出ない、そういえば人形に発声器官なんてあるわけないのだ。

 どうにか喋れるようにしないと5000DPが無駄になってしまう。


「ふぅ、一応戻るのは口に出さなくても大丈夫なのか」

「出来たわよ、ってこれ何?」

「俺が憑依する用の人形だよ、どうやって声を出させるのか迷い中」

「ネームドにして強化するのじゃダメなの?」

「なんだそれ」


 シーナに説明して貰おうと思ったがうろ覚えらしいので一緒に教科書を開いて探して見ると、ネームドにすることによって管理という項目からモンスターを強化することが出来るようだ。


「よし、お前の名前はリリアだ」


 するとメニューからリリアの強化が出来るようになったらしい。

 強化項目にはスキルを付与したり単純な力や魔力や体力をあげる項目もある。

 特殊オプションの欄にやっとの思いで発声器官という項目を見つけた。


「あったぁぁぁ! 流石シーナ最高だよ!」

「よ、良かったわね」




 ◇ダンジョン紹介のコーナ


「これがシーナの作ったダンジョンか」

「草原で食べれそうな動物系モンスターを5種類選んで出したわ、階層にも少しお金を使って草原を広くすることでより多くの種類を置けるようにしたの」


 ランキング下位でいるようなやつとは思えないプレゼンを俺にするシーナに驚きつつもやる気はあるし根が真面目で腐ってないのを知れて嬉しかった。

 これならランキングを駆け上がっていけそうだ。


「こんなものでどうかしら」

「めっちゃいいと思うよ、最高」

「そ、そう、良かったわ」



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