第4話 登校準備
「そういえばお前が言ってた学園ってのはどこにあるんだ?」
「ダンジョンよ、ここから転移で行けるの」
「見取り図とかはあるのか?」
「ダンジョン学の最後のページよ」
かなりの大きさがあるようで地図は何ページにも渡って書かれていた。
やるからには本気でダンジョンを作りたいし、そのためにも学園で色々と情報を集めないとな。
成り行きでマスターになってダンジョンを作ってはいるが異世界でなんのサポートもない俺にとってダンジョンマスターというのはかなりいい立ち位置なのだ。
それに俺だって健全な高校生でこんな金髪美少女が不遇な目にあってるなら助けたいというのが本音だったりする。
「さっきから何してるんだ?」
「学園に行かなくて良くなる方法を考えるの」
「そんなに動き回ったって俺が連れて行ってもらわないと困るから学園には行くからな」
「に、人間のあんたが行ったら危ないかもしれないわ!」
「俺は人間だがお前のダンジョンマスターだろ? いずれは通る道だ」
「ほ、ほらまだここに来てそんなに時間も経ってないしもう少しゆっくりしていったらどう? わ、私に出来る精一杯のおもてなしをするわよ?」
シーナはどうしても学園に行きたくないらしく、真剣な眼差しでどうにか俺をここに留まらせたいようだ。
学園に行きたくない何かがあるのだろう。
大方ランキング下位だから虐められてるとか恥ずかしいとかそういった理由だろうと予想はつくが実際に見てみない限りは判断しようがないので学園に行くのは確定だな。
「うぅ、どうしても?」
「ダメだ、行くぞ」
「意地悪、変態、バカ、あほ、ぼけ」
「おぉ、暴言のレパートリーが小学生、拗ねても変わらないからな?」
「じゃ、じゃあ約束して? 今後もあなたは私のマスターでいること」
「ん? まあ別に今更辞める気なんてないから良いぞ」
今後ともダンジョンマスターという肩書きには存分にお世話になる気しかないので全然構わない。
むしろこんな簡単なことで学園に連れていってくれるなら喜んで承諾する。
◇初登校
「この魔法陣から行くのか?」
「そうよ、しっかり掴まっててね」
「分かった」
シーナから差し出された手を握ると女の子らしい柔らかさと何故かするいい匂いに驚く。
「ついたわよ、何ぼーっとしてるの?」
「思ったより早くてな」
「転移なんて一瞬よ」
シーナの声が小さく細くなっており表情もげんなりしていて全身から行きたくないですオーラを醸し出している。
「授業とかはあるのか?」
「こっちよ」
シーナの後ろをついて大きな建物に入るとそこはモンスターの巣窟だった。
兎や犬ならまだ可愛い方で石像から小さいドラゴンや大きな蛇、色んなモンスターが建物内を彷徨いてしかも言葉を発している。
「おい、シーナ、もしかしてここに居るのって全員ダンジョンコアか?」
「? そうだけど、どうかしたの?」
「お前と姿形が全く違うじゃないか」
「私みたいな人型は珍しいのよ、ダンジョンコアでも少数派よ」
「そうだったのか」
キョトンとした顔で衝撃の事実を告げられた、これは慣れるのにだいぶと時間がかかりそうだ。
できるだけ不自然にならないようシーナの後ろをついて行きながら辺りを見渡す。
作り自体はかなり凝っていてThe異世界といった感じの豪華な作りの建物で色んなものがかなり大きく作られている。
「おいおい、久しぶりだなぁ0417〜」
「おっと、相変わらずちいせぇなぁ0417」
「死んじまったんじゃないかって心配してたんだぜぇ?0417〜」
「0124と1258と3652じゃない……わ、私に何か用?」
左からでけぇナメクジとでけぇ蛇にでけぇカエルと異色のメンツがシーナに喋りかけてきた。
蛇とカエルはともかくナメクジは気持ち悪すぎてシンプル今すぐこの場から逃げたい。
「なんだよ、久しぶりに見たから声をかけてやったのにさぁ? で? 隣の人間はペットか何かか?」
「こ、この人は私のマスターよ」
「おいおいおい、冗談キツイぜ? コアがへっぽこだとマスターまでヘッポコになるのか?」
「う、煩いわね!」
だ、ダメだ、ナメクジくんよ、せめてせめて君が前に出て喋らないでおくれ気持ち悪くて吐きそうなんだ……うっぷ
「シーナ、行くぞ」
「え、え? ど、どこに?」
「後で話すよ、とりあえず行こうか」
「お前ら見ろよw あれがダンジョンコアとマスターなんだぜw」
「「ダンジョンのエサになる人間にしか見えねぇw」」
ゲラゲラと笑い声が聞こえるが無視だ無視、ともかくあのナメクジくんから離れたい、気持ち悪くて限界だ。
「シーナが学園に行きたくない理由が今ので少し分かったよ……うっぷ」
「ほ、ほんと? じゃあ帰ろうよ!」
「お目当ての場所に行けたら今日は帰ろうか」
俺が行きたい場所、それは図書館だ。
行き道さえ分かれば後は1人でまた来ればいいのでとりあえず場所の確認だ。
「凄いな」
「私も初めて来たわ」
「お前は結構この学園にいるのになんで来たことがないんだよ……」
「そ、そんなのどうだっていいでしょ! は、早く帰ろうよ」
「分かった分かった今日は帰るか」
言動がまるっきり学校に行けない不登校児そのものでシーナが学園に自ら行く日は来るのだろうか?
とりあえず、あの三人をランキングで抜かすことが俺の目標だな、少しずつ成り上がって行こうじゃないか。
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異世界ファンタジー書くの難しい気がする
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