第3話 急ピッチで仕上げる!

「ダンジョンで絶対にしちゃいけないこととかあるのか?」

「コアを破壊されると私もあなたも死ぬわ」

「コアっていうのは?」

「ダンジョンの奥にある石があるでしょ?」

「この丸い綺麗な石か?」

「そ、そ、そ、そんな、きゅ、急に/// ほ、褒めても何も出ないわよ!」


 どうやらコアを褒められるのは自分を褒められるのと同じ気分になるらしい今後絶対こんな事は言ってやらんと心に決めつつ作戦を練る。


「調査隊はどうしてコアを破壊しないんだ?」

「メリットがないからよ、ダンジョンはある程度の資源を生み出すし私たちコアが成長すればするほど産まれる資源が多くなったりお宝を置いたりするから余程人間達に敵対しない限りは安全よ」


 守りに徹しなくて良いのは朗報だな。

 次の調査隊が来るまでにそこそこの資源を確保出来るようにダンジョンを作り変えることが出来れば人が来るようになるだろう。


「次の調査隊が来るまでどれくらいとか分かるか?」

「決まった周期で送られてくるわね、確かそろそろ来るはずよ?」

「時間は無さそうだし急いで仕上げないとな」


 ダンジョン学の本を開いてダンジョンの作り方の項目を読んでいく。

 ダンジョンで召喚できるモンスターは本人の知識に依存するらしく俺のメニューには日本の妖怪や挙句の果てには銃までダンジョンポイントで交換することが出来るらしい。


「これは当分日本要素はお預けだな……」


 1番安い妖怪で地縛霊2000DP


 とてもじゃないが単体にかけれるポイント数では無い。

 お菓子や飲み物ならかなり安いDPで出せるようなので完成したら余ったDPを使って食べようかな。

 他にもメニューを流し読みしていくと異世界のものも交換出来るようなのでこいつと俺の知識にあるものを交換できるようだ。


「あ〜、えっと、お前ってなんて呼べばいいんだ?」

「私の型番は6の0417よ」

「呼びずらいな、0417だろ? シーナ、これからお前のことはシーナって呼ぶからそのつもりでよろしく」

「わ、分かったわ、人間って直ぐに名前を付けたがるわよね、あなたの名前は?」

「夏目祐希だよ」

「ナツメユウキ? 長いわね」

「ナツメが苗字でユウキが名前だよ」

「ユウキね、分かったわ」

「よし、シーナも召喚したら人が呼び込めそうなやつを探してくれ」


 相方の名前も分かったところで再びメニューに視線を落とす。


 ホーンラビットの召喚陣100DP 兎に角が生えてるやつ


 ホロロクルル の召喚陣120DP 可食部位が多そうな鳥


 ゼリーの召喚陣50DP ダンジョン内を這いずってゴミを食べるらしい(シーナ調べ)


 階層変化(草原)100DP 動物系を召喚するなら階層を草原にした方が草食動物が長生きするらしい(シーナ調べ)


「お、これ!」

「何かいいのがあったの?」


 冒険者ギルドの初心者ガイドライン100DP


「これがどうしたのよ」

「これに沿ったダンジョンを作ればここは初心者向けダンジョンとしての地位を確立できるんだよ!」


 さっそく交換して目を通す。

 ふむふむ、薬草の採取、魔草の採取、ゴブリン討伐、ホーンラビットの討伐の討伐などなど、初心者に最初に何を勧めるかが書かれていた。


「できたぁぁぁぁ!!」

「うぅ、身体中を弄ばれた気分よ」

「言いがかりだ!」

「それにしても色々作ったわね、私がコツコツ貯めた貯金もすっからかんよ」

「それはこれから返していくよ」

「期待していいのよね?」

「もちろん」



 ◇ダンジョン紹介


「ダンジョン紹介のコーナー♪」

「なにこれ」

「こういうのはノリだよ、ノリ」

「い、いぇーい?」

「そうそう、それじゃあまずは1階層から!」



 今回のダンジョン改装では1階層で洞窟型だったダンジョンを大幅に改変!


 第1層を草原に変更、初心者用の薬草や魔草のスポーンを設置

 ゴブリン、ホーンラビット、グレーウルフなど初心者を招き入れる準備は整っている。


 ゆくゆくはこのダンジョンをもっと稼げるダンジョンにするための基盤となる第1層の完成を祝して余ったDPからシーナに許可を貰っていくつか日本の食べ物を出して打ち上げをする。


「これ! 美味しいわ!」

「それは堅〇げポテトじゃないか、いいセンスだ」



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 私はポテチ派と戦う気はないんです! 和平を求めます!


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