隙間

 カサカサ、カサカサ……


 うわあ、やつだぁ……。


 夜中よなかめてみずもうとしたら、いやおと暗闇くらやみからこえた。

 背中せなかいずられているような気持きもわすさをおぼえる。

 しずかなよる。かすかなその足音あしおとだけで眠気ねむけんだ。


 姿すがたえないが、見えたところでたたくのもいやだ。


 そうだ! わながある!


 がしてはいけないとちいさなかりだけをけ、どこにこうかとかんがえた。なるべくなら奴のすぐちかくに……。


 カサカサ……


 音は冷蔵庫れいぞうこ隙間すきまから。


 おそるおそるのぞいた。


「うわあ!」


 ひとはいれるはずのない隙間すきまかおがあり、血走ちばしったが合った。


「な、なに、あれ……」


 生唾なまつばみ、もう一度いちどのぞいた。


「ぎゃあ!」


 奴にびかかられ、ひっくりかえった。

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