行く

 部活ぶかつわった。

 あかるさはぼんやりのこるが、はもうしずんでいた。


「おい、あいつ、なにやってるんだ?」


 だれかが気付きづいた。


 屋上おくじょうに、フェンスをえてひとっている。


「あいつ、○○じゃないか?」


 そうだ。

 今日きょう風邪かぜとかでやすんでいた、あいつだ。


「何やってる! おい、あぶないぞ!」


 みんな、口々くちぐちさけんだ。


 こっちに気付くと、にっこりあいつはわらった。


 いま、そっちくから。


 ぼそっとしたこえなのに、はっきりみみとどいた。

 そのだれもがいた。


 瞬間しゅんかん


 ちた。


「た、たいへんだ!」


 ところが、落ちたはずのところにはだれもいなかった。


 翌日よくじつ、あいつはきゅう病気びょうきいきったとらされた。


 最期さいご「そっち行くから」そういって笑ったそうだ。

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