太川るい氏の作品には、気高い静謐さがあり、物語の語り手としての冷静さがある。無駄を削ぎ落とた、抑制の効いた文体がその作品世界の魅力を高めている。「蝸牛」「樽回し」「虎狩」優れた短編を読みたいのなら、絶対におすすめする。卓越した筆力で構築された作品世界を味わえる。