第9話 いじめ加害者の「俺たちは悪いことはしていない」の正体。
いじめ事件発覚後、大人たちはいじめ加害者の「いじめなんて、悪いことはしてない」という発言に騙されます。
なぜ多くの大人たちがいじめ加害者の発言に騙されるかというと、いじめ加害者は嘘をついていないからです。
本心から、自分たちは「悪いことをしていない」と思っているのです。これは、被害者が死んでも、変わりません。
「いじめ=悪いこと」ということは、当然知っています。
ですが、「自分たちの行っていることは、悪いことではない」ので、いじめでない。だから、いじめ事件発覚後の調査で、本気で、嘘をつくことなく「いじめなんて、悪いことはしていない」と言ってしまえるのです。
そして多くの大人は、この加害者の発言を、噓をついていないという理由だけで、信じてしまうのです。
では、なぜ被害者が死んでも、悪いことをしていないと断言できるのか。
被害者に対するいじめで、加害者の心が一切傷ついていないからです。心が傷ついていないため、被害者に対する罪悪感もゼロなのです。
だから、悪いことをしている実感が持てないのです。たとえ、被害者が死んでも。
いじめ加害者が被害者が死んでも、被害者を指をさして笑えるのは、このためです。いじめ加害者の心の中には、被害者は存在していなので、被害者に何があっても、心は傷つかない。心が傷つかないから、罪悪感は生まれない。
そして自分たちの行っていることは、学校で教わる「いじめ=悪いこと」という定義から外れるので、自分たちは「いじめなんて悪いことはやっていない」と、本心から断言できる。
心が傷つかず、罪悪感もない、自分たちの行動は、「悪いことではないので、いじめではない」という図式です。
これは、罪悪感なく虫を殺す子供や、罪悪感なく猟奇殺人を行う犯罪者と同じものです。被害者について、何も感じていないのです。心が傷つかない、架空のものを相手にしている感覚しか、ありません。
すべての「いじめ」は、「殺人」です。 武宮 史樹 @takeshiro
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