第7話 他人の立場になれるという、奇跡。
自分の外側にあるものを、自分の一部や自分自身と感じるのは、奇跡です。
この奇跡があるからこそ、人間は、他人の立場に立ったり、他人の気持ちがわかったりするのです。
大人になった人が、子供の時になぜあんな残酷なことをしていたのか分からない、と発言することがあります。
これは、子供の時に失っても心が傷つかなかった精神(心)が、成長していろいろなものを自分の中に取り込むことによって、自分の外側にあるものを自分の一部や自分自身と感じられるようになったからです。
意味なく虫を殺していた子供から、殺される立場の虫の気持ちがわかる大人へと成長していったということです。
自分の外側にあるものを、自分の一部と感じ、心が傷つくのを体感し、他人の立場になれる人は、周りにあるものを際限なく壊し続ける子供から成長し、大人になります。
この成長は、フィクションを通してでも行われます。
ゲーム、漫画、アニメ、小説、映画を通しての体験でも構わないのです。
自分の一部(自分の大切なもの)を失い、心が傷つく体験を、人間の脳は現実や非現実に関係なく、感動として受け取ってしまうので。
日本にある多数のゲームや漫画、アニメ、小説以外の現実での体験で、心を傷つけ、心を成長させるのは、成人の儀式並みに大変なことになります。
ただ、この大変なことを、実際に行っているところがあります。
命の授業という、自分たちで育てた豚を最終的には、自分たちで食べるというものです。
自分で育てたものを失うことによって、心が傷ついた人は、何を傷つけても心が傷つかない子供から、他人の気持ちが分かったり、他人の立場になって考えることができる人へと、成長します。
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