◆14 お面と黒フード
「おやおや、どこへ向かわれるおつもりですか? 【
自分が
「もしかして、もうゴールだと思いましたか? でも残念でしたね。ボスキャラというのは、ゴールの近くにいるものでしょう?」
背の高い【
「さすが急ごしらえとはいえ、ネルの神を名乗る者が作ったお守りの力ですね。あちらに居た者たちはしばらくまともに動けそうもありません」
高い男の声にも、低い女の声にも聞こえる声だ。やわらかくて
「こ、これでもくらえ!」
こわい気持ちをぐっとガマンし、大きな声を出しながら大輝が手のひらをかざす。するとバチバチバチバチッ! という音があちこちでして、あたりにもくもくと
「これは……ハナビ、ですぞ?」
「ああ、少し前にやったからイメージしやすかったんだ」
「それならボクもきっとできますぞ!」
「よし、
あおばと啓斗も加わると、花火の数はどんどん増え、真っ白な
「あおば、この中でも道はわかるか?」
大輝が小声で聞くと、あおばは力強くうなずく。煙の中にうかび上がっているみたいに、道しるべの草は
「いち、に、さん、で走りますぞ。いち、に――さん!」
三人とも足に力をこめ、地面を
どんっと体が強くゆれ、
「生ぬるい……
そのとなりに立った【使徒】は笑いながら、大輝たちを
「せっかく作るなら、
その間に、大きな体の【使徒】に
「
それから【使徒】のボスはポケットから小さな
「あのロープを持ってきなさい」
するとどこからか、黒いフードの集団が現れた。みんな
「やめろ! こっちくんな!」
「あっちへ行け!」
「行って、ほしいですぞ……」
強い風を
「あの人たち……この前、うちに来てた人たちだ」
大きなぬいぐるみみたいなゾウを
「か――」
別の人を見て、大輝の口も開いたまま止まる。
「母ちゃん……?」
「えっ!?」
「ダイキくん、ほんとですぞ?」
そのつぶやきを聞いて、啓斗とあおばがおどろきの声をあげた。でも、まちがいない。ロープを持ち、ぼんやりとした目でやってくるのは、大輝の母だった。大輝はショックで動けなくなる。もしかしたらネルのどこかには、かっちゃんや、
「ダイキくん!」
あおばに呼ばれ、ぼんやりしていた大輝ははっと顔を上げる。大輝の知っている母とは別人みたいな女の人の顔が、すぐ近くにあった。
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