第25話 なにで判断?
「俺が、ゆきを誘って2人で食事に行くって言ったら、どう思う?」
「えっ? 絶対!イヤです!!」
「だよね~。
それと一緒なんだけどな。
ゆきが、その誘いを受けて、キミに内緒で長野まで出て来て、俺と2人で酒飲んで、やっちゃうって」
「は!?」
「やだよね~。
でも、キミがしたことは、そうゆうこと」
「ってゆうか、ヤッては いないと思います」
「やった、やってないは、なにで判断すんの?
挿れたか?出したか?中で?外で?
もう、ハダカで抱き合って寝てる時点で、アウトじゃん?」
「……そうだと、思います……」
柚希は、俺を、許しは しない……
そう思う。
だいぶ酒を飲んで、とにかく うまくやれよ!!と、陽気にポンポン肩を叩かれ、駅で矢沢と別れた。
それからの何日か、スマホは ほぼほぼ電源を切っている。
特に、家では絶対にスマホは いじれない。
柚希が近くにいる時に、国元から電話がかかってきたりしたら最悪だから。
家で夕飯を食べながら、
「今週、土日 両方とも、道場行こうと思ってるけど、とおるは どうする?」
と、柚希に聞かれた。
そう言えばだけど、先週も先々週も、俺は道場に行っていないな。
家から川崎の道場まで車で、4、50分。
俺が行かない時は、柚希が運転して子どもも連れて行っている。
「土曜日は15時あがりだし、日曜日は休みだから、両方とも一緒に行けるよ」
「そうなんだ。じゃ、行くってことで。
秋の段級審査受けたいと思ってるからさ!
奏と、私も」
「あ、そうなんだ!!
柚希は、2段受けるんだね?」
「うん、そう」
「奏は、今 何級だっけ?」
「去年5級とれたよ」
「そっか、じゃ4級うけるんだね」
「うん。奏 がんばってるからね!剣道」
川崎の道場に通い始めて、もう1年になるのか。
頑張ってるな、奏も柚希も。
柚希の剣道は、昔も今もキレイな剣道だ。
俺の剣道は、ガチャガチャしている、と、よく親父に言われた。
良く言えば、手数が多い積極的な攻めの剣道。
悪く言えば、無駄な動きが多いのだと。
奏は、やんちゃな性格で、じっとしているのがニガテなタイプ。
だから、剣道も俺みたいにガチャガチャしているのだろうな、と思っていた。
始めたばかりの頃は、確かにそうだったけど。
最近は、柚希の剣道に似てきた気がする。
3週間ぶりに見たら、奏の成長が見れるかもしれないな。
ちょっと楽しみだな。
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