第20話 不同意性交

 仕事が終わり、電車に乗った。

駅を出て、家に向かって歩いている時、スマホがなっているのに気づいた。


この番号……

国元からか……

 

とりあえず、出た。


「もしもし」


「あ、とおる君 お仕事お疲れさま~!!」


「あのさ、電話かけてくんなよ!!」


「え~~なんで~~?とおる君の声が聞きたくって~」


「なんか、勘違いさせたなら悪いんだけど、俺さ、国元とよりを戻したいとか全く考えてないから。

昨日会ったのだって、なんか困りごとか相談でもあるのかな?って、昔のよしみで手助けできることでもあるかな?って思って会っただけだから。

俺、結婚してて、子どももいるからさ、そうゆう相談とかじゃないんなら、もう連絡とらないでくれよ」


ちょっと言い方きついかな?

でも、はっきり言わないとわかんないよな?


「奥さんいて、子どももいて、って、離婚しちゃえばいいんじゃない?

ちょうどいい きっかけじゃん?」


「は?」


なんなんだ?

全く伝わんねーな!!


「ってかさ!!なんなん?国元と別れてから、

もう23年とか経つんだけど、なんで今ごろになって、そんなこと言ってんだよ?」


「今ごろ?

今ごろじゃないよ。ずっと、とおる君のこと好きだったよ。

好きだったけど、好き過ぎるから、考えないようにしてただけ。

それがさ、3年前かな~、友だちと焼き肉食べに行ったらさ~、とおる君を発見して、すぐわかった、全然変わってなかったから!

声をかけようかと思ったら、とおる君のご両親と子ども2人と、奥さんがいた。

とおる君が結婚してるってことは、風の噂に聞いていたけど、その相手が、まさか ゆき先輩だとは思ってもなかったから、すごくびっくりした。

びっくりして、声をかけることもできなかった。

うちに帰ってから、段々と腹立たしくなってきたの。

なんで?

なんで、そうなるのかな?って。

矢沢弘人と別れて、それで?なんで とおる君ってなるの?

なんか、納得いかなくて!!

相手があの人じゃなきゃ、そんなに気にならなかったかもだけど、どうしても、どうしても、気にいらなくて!!」


俺を好きってより、柚希に対する嫉妬心みたいなものか。

危険だな。

 

「あのさ、なんでそんなに ゆきのことが気にいらないのかわかんないんだけど。

とにかくさ、高校の時に、国元の方から別れを切り出されて別れたんじゃん?

もう、その時に終わったわけだろ?

少なくとも俺の中では、そうゆう認識なんだ。

国元のことは、元カノって思ってる。

今は、昔の同級生として、友だちになら、なれるとは思うけど」


「ともだち?

ともだちとはセックスしないからな~

ともだちとは違うんじゃない?

とおる君、私とやっちゃってるわけだから~」

 

「は~……

ってかさ、やってないだろ?

なぁ!俺、警察官だって知ってんの?」


「知ってるよ~。神奈川県警の白バイだよね~!!かっこよ!!

あっ!何年前だっけ?箱根駅伝テレビで観たよ!!

白バイ隊員って、紹介されてたよね~!!

って、なに?警察官だからって、脅してるの?

逆に、警察官が不同意性交したって方が問題になるんじゃないの~?」


不同意性交……


は?


俺の方が、不同意でフェラとかされた被害者なんだけどな!!

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