第22話 スマホに着信

 普段仕事の時に、自分のスマホをいじることはない。

だいたい署のロッカーか、デスクの引き出しに入れていることが多い。


署に戻ってスマホを確認すると、着信35件、留守電もマックスの20件のメッセージが入っていた。


「とおるくーん、お仕事中かな~?

お仕事終わったら電話してね~。

待ってるね~」

 

そんな内容のメッセージが20件。

全部消去した。


次の日も、そんな感じ。


いい加減にしろよ!!


これは、無視してる方がいいだろう。

電話番号しか知らない訳だから、下手に刺激をしないように無視してやり過ごそう。


そう思っていた。


そんな日が数日続き、仕事終わりでスマホの電源を入れた。

スマホが起動するかしないかってタイミングで、バイブが着信を知らせている。


この番号って……


国元じゃない番号。


あっ!!これって!!

慌てて出た。


「はい!倉田です!!」


「おっ!やっと繋がったじゃん!

久しぶり~!矢沢です」


矢沢弘人


「なんで?どうして、このタイミングなんですか?」


「タイミング?キミの仕事のシフトってゆうか、勤務時間とかがわからないから、電話するタイミング ムズいわ~!!あははっ!

まだ、家じゃないよね~?

俺、一昨日から展示会で東京来てんだけど、飲みに行かない?」


「あっ!はい!俺もあなたと話したかった!!」


「は?なんだよ?

ま、会ってからでいっか。

渋谷で待ち合わせでいい?」


1時間後に渋谷で待ち合わせることにした。



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