第11話 国元に電話
CDケースを開けて、メモ紙を取り出し、スマホに番号を打った。
5回コール音、もうこれ留守電に代わっちゃうのかな?ってタイミングで国元が出た。
「はい、もしもし?」
まぁ、知らない番号だし、警戒するよな。
「もしもし、倉田です」
ちょっとした沈黙のあと
「とおる君? なの?」
「あぁ、倉田亨。 国元、久しぶり」
「えーーーー!!なんでーーーー?
ちょっと、びっくりした!!
今、お風呂あがりで!!
ごめん!ちょっと、ほんと、ちょっとだけこのまま待っててもらっていい?
ほんと、すぐだから!!」
そう言うと、俺の返事も聞かずに、スマホをテーブルに置いたのか、ガタンと音がした。
風呂上がりって、マッパかよ?
なんか、ハァハァ言いながら、国元が電話口に出た。
「ごめん!お待たせ!!とおる君?」
「あ、いや、大丈夫。ってか、国元は今 大丈夫なの?」
「うん、大丈夫だよ!!
とおる君から電話なんて、すごく驚いた!!
なんで?」
「あ、先週 室堂と飲んで、あ、剣道部の飲み会あったんだ。
で、室堂から国元の連絡先渡されたから。
俺と、連絡取りたがってる? って?
なんか、困ってるのかな?って思ってさ」
俺がそう言うと、国元は
「あ~~~~室堂か~~~~」
と、言って無言になった。
「えっと、どうした?」
「室堂、なんか言ってた?」
「なんかって?」
「私が、とおる君のこと、どうのこうのって言ってなかった?」
私が とおる君のこと どうの こうの??
って、なんだ?
「いや、連絡先渡されて、連絡取りたがってるからって言われただけ」
「そうなんだ……、じゃ……さ、会いたいんだけど、会ってくれない?」
来週の土曜日の夜に会う約束をした。
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