第3話 川崎の道場

 毎週土曜日の夕方5時からと、日曜日の朝8時からやっていて、どちらかに行ってもいいし、両方でもいいし。

俺も仕事がない時は、柚希と奏と一緒に行って稽古させてもらったりした。


松井田先輩に、行く時教えてと言われていたから今度の日曜日の朝 行きます、と連絡した。


日曜日

やらないけど、お留守番させてんのもなんだから、長男の峻も連れて家族で道場に行った。


礼をして一歩道場に入った途端、


「倉田ーーーー!!」

ってデカい声で呼ばれて見ると、佐知香だった。

で、女の子が2人バタバタと走ってきて、俺に抱きついた。

松井田先輩、佐知香と子どもも連れて来てんだ。


「梨央ちゃん、美桜ちゃん、おはよう。

佐知香、ご無沙汰」


この子たちは、なんでいつも俺に抱きつくのかな?

マジで、俺が親なら心配になるけどな。

女の子がおっさんに抱きついてんだからな。

ま、フレンドリーなのは、ママ譲りか。


「え!!佐知香ちゃん?」


「わっ!!柚希先輩!!」


俺のうしろから柚希が歩いてきて、佐知香に気づいた。

「柚希先輩、お久しぶりです!!」

梨央ちゃん、美桜ちゃんは俺から離れると、今度は柚希に抱きついた。


なに?

抱きつくの、あいさつ的な感じ?


「え~かわいい!!

佐知香ちゃんの子ども?女の子2人なの?いいな~!名前教えて?」

 

いいな~、か……


柚希は、女の子を欲しがってたよな……


2人で話に盛り上がってる。

そこへ松井田先輩が来た。


「中野!久しぶり」


「あっ!松井田!!ひさびさだね!ここ紹介していただいてありがとうございました」


「いや、全然いいよ。久しぶりに中野と手合わせしたいな」


「はい、こちらこそ。よろしくお願いします」


え~~~~!!

松井田先輩とやるのかよ?

ケガしないでくれよ~!!





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