//SE　ヒグラシの声

//SE　隣を歩く音

「やー、今日も一日、楽しかったな。けっこー寝ちゃったのは誤算だったけどさ」

「明日は何すっか……って、にーちゃんは明日の朝にはもう帰るんだったな、そういや」

「バスに乗って、船着場まで。忘れてたぜ」

「まあ、バス停までは見送りには行ってやるよ。起きてたら、だけどな。昼寝でぐっすり寝たから、今日の夜は眠れるかわかんねーけどさ」

//おずおずと

「……なー、あともうちょっと、ここにいることってさ……できない？」

//意気消沈した感じで

「だよな、仕事とか、あるもんな」

//わざとらしく明るく

「や、遊ぶのが楽しくて、つい変なこと言っちまったな。忘れてくれよ」

「それに、夏は黙ってても毎年来るもんだしな。そんときに来てくれればいいか」

「いや、急に島に休みに行きたくなるのは、ちょっとどうかと思うけどさ。でも、いい場所だろ？」

「ただ次に来る時があるなら、もうちょっと元気になってから来いよ？」

「そんときはさ、今日よりももっと連れ回してやるから、覚悟しろよ～？」

「……じゃ、そういうことで。宿もすぐだし、ここで解散、だな」

（お兄さん、「少し早いけど、おやすみ」という）

//どこか名残惜しそうに

「……うん、おやすみ」

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい