第55話

フォロワー160記念爆速更新!

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 どうやら、もう手品は通じないと悟ったらしい。


「これで、トドメぇ!」


 恋春が力強くブレードを突き出す。

 だが、直前にアサシンから紺碧の空間が膨れ上がり、灼熱の剣尖を押しとどめた。


「エネルギーフィールド!?」


 紺碧の空間が音速で伸びて、ギュノスのボディを突き飛ばしてきた。


「ぐっ!」

「キャァッ!!」

「ッッ負けない!」


 恋春は強固な意志力で歯を食いしばり、再び紺碧のエネルギーフィールドに切りかかった。


 だが、灼熱の高周波ブレードはドーム状の空間に阻まれ、アサシンに近づくこともできなかった。


 そこへ、銀さんの声が響いた。


『一度退きたまえ、その防御フィールドを突破するには、僕の計算上、今の三倍の出力が必要だ』

「そんなっ……」


 己の無力を痛感するように、恋春はハンドルを握りしめた。

 妹を傷つけた奴を許せない。

 その焦げ付くような熱い想いに、俺は覚悟を決めた。


「銀さん、ギュノスの出力って、シンクロ率に比例するんですよね?」


『む、そうだが?』


「わかりました……」

俺は銀さんとの、ひいては指令室との通信を切断すると、二人に語り掛けた。


「二人とも、これから、俺がお前らを勝たせてやる」

「「え?」」

「その代わり、ここから先はオフレコだ」


 言って、俺は二人の肩に触れると力を注ぎ込んだ。

 すると、二人の目が覚醒したようにまぶたを上げ、背筋を伸ばした。


「え? えっ!? なにこれ!? すごい!?」

「わかる、恋夏ちゃんの感覚が、それにギュノスの五感が、地面に、自分で立っているみたい!」

「お姉ちゃん! シンクロ率が78パーセントになってる! それにギュノスが!」


 俺らのギュノスは、全身の装甲を削り落とされ半壊状態だった。

 だが、桜色のエネルギーフィールドが全身を包むように発生。

 失った装甲を補うようにして、ギュノスを守った。


「これが俺の、命属性の真骨頂。相手の魂のチカラを一段階引き上げる。ただしバレると便利君扱いされるから、みんなには内緒な」


 二人の顔に、満開の笑顔が咲いた。


「「うん♪」」


 ギュノスは腰のブースターを噴かし、大きくバックジャンプ。

 距離を取ってから、背中と腰のブースターに力が集約されていく。


「じゃあ、いっくよー!」


 まるで恋夏のように、明るく、力強く、恋春は闘志を燃やした。


「うん、行こうよ! お姉ちゃん!」


 双子の姉妹は心を一つに重ねるように、頷きあい、そして、ギュノスのブースターが爆発的に火を噴いた。


「「いっけぇええええええええええええええええええええ!!」」


 ギュノスの巨体が、音速を超えた超音速のさらに向こう側へと加速。

 紅蓮に赫くブレードを前に突き出すと先端から金色の煌めきをまとい、ふたりは流星のようにアサシンへ向かった。


 世界が引き延ばされるような感覚と同時に、金色の先端が紺碧の壁に激突。

 防御フィールドを切り裂き、かきわけ、そして漆黒の装甲へと迫った。


「■■ッ!?」


 無言の驚愕を感じながら、俺らの視界は紺碧の世界を貫通。

 振り向けば、そこには粉々に砕け、霧のように消え去るアサシンの影があった。

 空へ撃ち上がるポッドの軌跡が、パイロットの逃亡を語っていた。


「やった、やったよ恋夏ちゃん♪」

「お姉ちゃん♪」


 恋春は振り返り、サドルから立ち上がると、恋夏も席を立って二人は抱き合った。


「ごめんね恋夏ちゃん、お姉ちゃん、もう迷わないよ。わたしはこれからも、ずっとずっと恋夏ちゃんの傍にいる。もう離れない。周りなんて関係ない。恋夏ちゃんが帝都を守るなら、恋夏ちゃんのことはお姉ちゃんが守ってあげるからね♪」

「うん♪ お姉ちゃん大好き♪」


 そう言って、二人はキスをした。


 双子姉妹のそれが、恋愛感情ではないのはわかっているけれど、美人姉妹のキスシーンには、なんだかイケナイ気分にさせられてしまう。


「それに、あさとしくんにも、振り回しちゃってごめんね」


 恋夏から離れて、恋春は俺の前に前に立って見つめてくる。


 美少女が潤んだ瞳の笑顔で謝ってくる姿の破壊力は底なしで、俺は責める気なんてまったく起きなかった。


「気にするなよ。むしろこれでお役御免、元の鞘に戻れる」

「でもわたし、あさとしくんに負担かけてばかりだし、何かお詫びをしたいんだけど……」


 恋春はいつもの、もうしわけなさそうな顔で、もじもじといじらしく体をゆすった。


 そうして体を揺らされると、たださえ素晴らし過ぎる絶景が、寄せては返して、余計に際立ってしまう。


「いや、お詫びはもう貰っているというか、むしろ貰い過ぎているというか、俺のほうがどうお詫びすればいいか……」

「? どういうこと? それにあさとしくん、なんだか視線が低くない? 男の子のあさとしくんとは身長差あるけど、わたし、そんなに小さくないよ?」


 自分の恰好を忘れている恋春が不思議そうに首をかしげると、いつもの小悪魔フェイスに戻った恋夏がぬるりん、と視界の端に入ってきた。


「そうだよねぇ♪ お姉ちゃんは小さくないよね、むしろ大きいよね。たわわでぇ、むっちむちのたぷんたぷん♪」

「へ、変な言い方しないでよ。それに、恋夏ちゃんも同じでしょ。わたしたち双子なんだから」


 恋春はぽっと頬を染めて身を引いた。


「そんな照れることないでしょぉ? そんなだいたんな格好をみせつけておきながらぁん♪」

「へ? え? ッッ!?」


 恋夏に指摘されて、恋春はゆっくりと視線を自分の体に落とし、爆発的に赤面した。


「あ、あ、あぁ、あぁあ……」


 ピンク色の、それも細かい刺繍が施された刺激たっぷりのセクシーランジェリーに包まれたダイナマイトミートボディに、恋春のくちびるは、はわはわと震える。


「ふふ、それ、前にわたしが選んであげた下着だよね。つけてくれたんだ。うれし♪」

「いやぁあああんっ!」


 恋春は両手で爆乳を包むブラジャーを抱き隠しながら、前かがみに体を折った。


 それから俺に隠すつもりで背中を向けているんだろうけど、必然的に巨大なお尻を突き出す形となりエロかった。


「ちち、違うのあさとしくん! これは、たまたまで! 恋夏ちゃんと一緒じゃないのが寂しくて、つい恋夏ちゃんを感じられる下着をつけていただけなの! いつもは白の綿パンの、おとなしいのしか持っていないんだから! これは、わたしの趣味じゃないのぉ! みないで! みないでぇ!」


 自分のカラダを抱き隠しながら体をゆする恋春。

 一緒に彼女の爆尻だ雄大に左右にゆっさゆっさと揺れて絶景の二乗だった。


 ――すっっげ……。


 いやんいやんと体をゆすって嫌がる姉に、恋夏はむしろテンションを上げた。


「そっかぁ♪ 下着、見られるの恥ずかしいんだぁ♪ じゃあ、はい!」


 パチン しゅるん どたぷにゅん!


「へ!?」


 恋夏は電光石火の早業でブラのホックを外すと、ブラを引き抜き、自分の後ろに隠した。


「ブラジャーはわたしが隠したから、これでもう見られないよね♪」

「はわわわわわわわわわわっ!」


 恋春はさっきまでの感動の涙をすべて羞恥の涙に変え、ぼろぼろと頬を濡らしながら両腕でおっぱいを押しつぶし隠した。


「だめぇ! あさとしくんの前で、手ブラなんて、えっちすぎるよぉ! お願い恋夏ちゃん、ブラジャー返してぇ!」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

●今日の雑学 

 実はブラのカップと胸の大きさはあまり関係性が無い。

 そのため、女性が思う男性への不思議で、なんでカップ数を気にするの?(カップ聞いても胸の大きさはわからないよね?)というのがある。

 が、アニメ、漫画、ラノベ、ゲームなどでは【わかりやすい】ので、ヒロインのキャラデータでカップ数=大きさランクとして使われる。

 とはいえ、流石に巨乳に見えるAカップや貧乳に見えるHカップはないと思われるので、ある程度の参考、指標になるのは確か。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る