第43話
★20記念爆速更新!
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と、頷いてから前を向いた心愛がもにょもにょと独り言を始めた。
「もしも、あさとしとパイロットになったら毎日こんな狭い部屋でふたりっきりに……うわぁ、うわぁ……それにこんな、え、えっちな格好で……うぅ、あさとし3年の間に背ぇのびて、かたはばもできて、だめだめ、こんなこと考えていたら、へんたいさんだよ……」
――やっぱり、俺らにパイロットは無理だな。
昔から、心愛は恥ずかしがり屋だった。
特に恋愛方面の話になると、他人事でも赤面してしまう。
そんな女の子に、いくら幼馴染でもスーツ姿で男子と密室空間、というのは嫌だろう。
幼馴染どころか父親にすら抵抗感を覚える、それが思春期女子というものだ。
「ほぉ、シンクロ率15パーセント。妹の萌花君とそん色のない成果だ」
「やったねお姉ちゃん♪ 相性バッチリ!」
「相性ばっちりって、恥ずかしいよ萌花、えへへ♪」
心愛の横顔はめもとがゆるゆるしていてとても可愛かった。
「まぁ俺らほとんど三兄姉妹みたいにして育ったしな」
姉さんのほうが高いのは、きっとパイロット適性そのものの差だろう。
「お姉ちゃんが高いならワタシも高いのかな? そういえば銀さん、シンクロ率が低すぎるどうなるんですか?」
「まったく動かないってわけじゃないんだけど……見せたほうが早いかな。恋夏君、心愛君と変わってくれたまえ」
「はいはーい、恋夏さん出まーす♪」
ノリ良くテンポ良く、舞花双子姉妹の妹、恋夏がピンク色のウエーブヘア―を揺らしながら、コックピットに入ってきた。
そうして慣れた腰つきで心愛の代わりに前部座席に座ると、銀さんに呼びかける。
「よいしょぉ♪ はい銀さん、シンクロ率をどどんと発表♪」
「うん、10パーセント。恋夏君のパイロット適性でこれしか出ないなんて、やはりサブパイロットとの相性が悪いと数字が出ない……ん? はぁ!?」
銀さんらしくもない、素っ頓狂な声にみんなの視線が集まった。
「シンクロ率20パーセント!? 23パーセント、26パーセント、まだ上がる!? おいおい嘘だろなんだいこの数字は!? 30を超えて……よ、48パーセント!?」
「うっそー!?」
俺の前で、恋夏が目をまんまるにしながら両手を口に当て、どひゃー、と驚いた。
「それって高いのか?」
「知らないのあさとしくん!? 高いなんてもんじゃないよ。こんなの超エリート級だよ! コナツさん、恋春お姉ちゃんとだって37パーセントなのに!」
「アサトシ君、君、何かしたかい?」
銀さんからの鋭い質問に、俺は答えた。
「はい。俺と日葵姉とか、性格が全然違うのに動くってことは、精神波長=性格じゃないんですよね?」
「君の言う通りだ」
「だから、俺の命属性で生命パターンを合わせてみたんです」
銀さんは探偵が推理をするように口元をなでた。
「生命パターン……シンクロ率が何で決まるのか、未だ不明な部分が多いし、君の言う生命パターンが何を示しているのかわからないが、だが、目の前の事実は受け入れるべきだ。東雲朝俊、どうやら君は誰とでも最高のシンクロ率を発揮できる稀有な人材のようだ。是非ともギュノスのサブパイロットに!」
興奮気味に誘ってくる銀さんに、だけど俺は首を横に振った。
「いやいや、俺には俺の生活がありますから。パイロット訓練を追加するのはきついですね」
「しかし!」
ばん、と机を叩き、前のめりになる銀さんからの圧力。くわえて俺自身、役に立つなら都市防衛のため、選択肢は多いほうがいいとも思った。
「わかりました。じゃあ普段の訓練は最低限。本当に緊急用の予備パイロットってことなら」
「それで充分さ! ふふふ、これはいいサンプルが取れそうだぞぉ」
銀さんの隣で、心愛たちも笑顔で驚いてくれた。
「ふわぁ、あさとしってそんなこともできちゃうんだ。すごーい」
「この3年の間に、ちょっとハイスペックになりすぎだよね」
「流石お姉ちゃんの弟君♪ お姉ちゃんも鼻が高いよ♪」
美少女たちがきゃいきゃいと喜ぶ様はなんとも見ごたえがあって、ちょっと照れた。
一方で、少し離れた場所に佇む恋春だけは、どこか落ち込んだ、そして同時に安堵したような表情で視線を落としていた。
その唇がわずかに動いてから、彼女はその場から離れてしまった。
「あさとし君が恋夏ちゃんとシンクロできるなら、わたしいらないよね……」
◆
恋春のことが心配になり、俺はすぐに彼女のあとを追った。
実験室のドアを抜けて、曲がりくねった廊下に彼女のを姿を求めるも、見失ってしまう。
我ながら余計なお世話だとは思う。
だけど、あの思いつめた表情が、どうしても放っておけなかった。
わずかな物音に気付いたのは、俺がとある部屋を覗き込んだ時だった。
部屋の奥、密閉式のドアの向こう側から、人の気配がした。
「恋春?」
がぱりとドアを開くと、そこには桜色のウエーブヘアーを肩から前に垂らすことであらわになった白くなまめかしい背中、それに、大きなお尻のでっぱりに引っかかった、脱ぎ掛けのスーツ……。
「あ……」
「へ……?」
ありていに言えば、着替え中の恋春だった。
まぶたが大きく持ち上がり、落ち込んでいた覇気のない眼差しが丸く開かれた。
そのまま、彼女の白い顔はかぁぁっと赤く染まり、桜色の唇がぷるぷると震えた。
「いやぁぁっん! みないでぇ!」
「わわ、ごめん!」
俺に背中を向けていた恋春は、慌てて両腕でおっぱいを抱き隠した。
心愛たち同様、わきの下から見えるサイドおっぱいがむにゅりと隠れた。
俺も、すぐにその場を立ち去ろうと踵を返した。
が、視界が方向転換される直前、彼女の豊満過ぎるお尻に引っかかっていたパイロトスーツが、ずるりん、と脱げ落ちた。
どぶるんっ!
「ぶはっ!?」
でかい。
前に見た、萌花の爆尻とそん色のない量感溢れる尻肉が、美しくもセクシーな曲線を引いて、みずみずしくふるえた。
おそらくは生まれて一度も日の下に出たことがないであろう肌は驚くほど白く、きめ細かで、その魅力に俺の視線は動かせなくなってしまう。
「だめぇえええ!」
心愛ならここでお尻を隠すために振り返り、おっぱいをさらすのだろうが、流石に恋春は違った。
その場でしゃがみこみ、お尻をぺたんと床につけた。
「ごご、ごめん!」
俺は遅れて謝罪、そしていまさら気づいたシャワールームから出た。
「ぁぅぅ、お尻、見られちゃった、男の子に、わたしのぉ……」
当然だが、かなりショックを受けているらしい。
俺は痴漢の容疑で逮捕される覚悟を決めながら、償う方法を模索した。
「本当にすいません! お詫びにどんなことでもします! 望むなら今すぐ警察を呼んでください!」
「いや、警察は呼ばないよ、そんなことしたら、あさとし君困っちゃうでしょ?」
声には動揺が残っているものの、俺を気遣う優しさに脱帽した。
――10対0で俺が悪いのに、なんていい子だろう。
「それよりも、な、なんであさとし君が、ここにいるの……?」
「それは、恋春が心配で」
「わたしが?」
彼女の声に、少し落ち着きが戻る。
「ああ。だってあんな辛そうな顔でどこか行かれたら、不安になるだろ?」
「…………」
真意の気になる長い沈黙。
俺が、この場から離れたほうがいいかと尋ねようとすると、先に彼女が重たい口を開いてくれた。
「わたし……本当はパイロット、やりたくなかったの」
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コミックワーカーで読める王国へ続く道、という戦記漫画がエロくていいです。
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