第39話 エロス39パーセント!

フォロワー140記念爆速更新!

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 その間で、萌花がしびれを切らしたように心愛へすり寄った。


「ほらお姉ちゃん、いつまでそんな態度しているの? アサトシが知らずについて行ったのはわかっているでしょ?」


「それは、そうだけど……」


 納得いかない風に心愛が声を濁しながら、肩越しに視線をこちらに向けてくる。その眼差しが痛かった。


「それにほら、アサトシがエッチなほうが、お姉ちゃん的にも助かる部分あるんじゃない?」

「ッッ!?」


 ぎっくーん、と心愛は背筋を伸ばして、肩をいからせた。


 お前はなんてことを吹き込むんだと俺が抗議しようとすると、萌花は悪い顔でさらにひとつふたつと心愛に耳打ちを続けた。


 すると、萌花は今度は素早く俺に耳打ち。


「いーいアサトシ、女の子は嘘をつかれるのが大嫌いなの。どんなに恥ずかしくても、正直に言ってね」

「え、あ、おう」


 ようやく、ぎこちない動きで俺のほうを向いてくれた心愛が、俺を上目遣いに一言。


「あさとしは、さ……ああいう大きな胸とお尻が好きなの?」


 爆弾を投下された気分だった。

 なにこれ。

 幼馴染に性癖暴露しろってこと?


 ここで俺が爆乳爆尻が大好きであることを告げれば、生涯えっちマンの汚名を着るのは明白だ。


 なによりも、心愛自身がかなりの巨乳爆尻なわけで、むしろ爆乳半球かもだし、それって俺はお前を性的な目で見ています宣言ではないだろうか?


 ここは優しいウソで別にどうでもいいと言うべきだろう。

 そう、俺が決めた途端、萌花の視線が鋭さを増して、温度が下がった。


 正直に、という萌花の言葉が脳内でリフレインして、俺は萌花に全名誉をベッドした。

 崖から飛び降りる気持ちで、俺は全羞恥心と勇気を絞り出すように、


「好き、です、ごめんなさい」


 と、敬語で謝った。

 途端に、心愛の顔が奇妙なことになった。


 絶対に違うとは思うのだけれど、なんというか、喜びと驚きと恥じらいが混じりあった、複雑極まりない表情だった。

 彼女の感情がわからない。


「ほんとう?」

「え?」


 心愛は桜色の顔で、はにかんだ顔を噛み殺すように頬を硬くして、上目遣いに確認してくる。


「ほんとうに、あさとしは大きな胸とお尻好きなの?」

「ん、まぁ……」

「……~~」


 青い目が大きく見開かれて、桜色のくちびるは横に結ばれた。

 彼女の手が、日葵姉よろしく虚空をなぞると、録音アプリが起動した。


「もう一回ッ」


 表情は遠慮がちに、だけど何故か声は強気に、体は前のめりに迫って来る心愛。

 なんだか今日の心愛はおかしい。


 そして萌花は、長年見守ってきた弱小選手が意外な活躍を見せた時のスポーツ観戦者のような顔で目を見張り、握り拳を震わせていた。


「あの、心愛さん?」

「いいから、もう一回ッ、あさとしは、大きな胸とお尻が好きなのっ?」

「ぅ、ぉぅ……」


 奇妙な迫力に圧され、俺は逃げられない雰囲気を悟った。

 そうして、周囲の人通りが減ってきたことを確認すると俺は罪の告白をするように頭を下げた。


「俺は、大きなお尻とおっぱいが大好きです、えっちマンですいません……」

「…………うん」


 こくりん、と頷いて、心愛は録音アプリを一時停止した。しっかり保存ボタンをタップしてからアプリを終了。

 心愛は何故かどこか満足気だった。


「じゃ、帰ろ」


 くるんと振り向く心愛。その背中には、もう不機嫌の色はない。

 一体なにが彼女をここまで駆り立てたのだろうか?


 果てしない喪失感に苦しみながら、俺が心愛と仲直りできたのか気にしていると、萌花が一言。


「じゃあアサトシってワタシやお姉ちゃんのお尻とおっぱいが今よりおっきくなっても気持ち悪いとかデブだなとか思わないの?」


 心愛が電光石火の速度で振り返った。

 スカートと亜麻色のワンサイドアップヘアがひるがえり、一拍、遅れて彼女のGカップバストがブルンと本体についてくる。


「思うわけないだろ。俺がお前らを気持ち悪がるとかありえねぇし」

「ッッ~~」


 心愛の顔に弾けるような笑顔が咲いた。そして俺に袖をつまんできた。


「帰ろ♪」

「え、おう?」


 無意味にご機嫌な彼女に引かれ、俺が一歩踏み出すと、背後から誰かに呼び止められた。


「ちょっといいかい?」


 振り返ると、そこには萌花よりもおっぱいの大きな白衣の女性がこちらに走って来るところだった。


 ――デカッ!?


 でかい。

 萌花どころかアメリナよりももっと、バスティ・ヒップラードさん級の特盛爆乳を激震させ、白衣を跳ね上げ続けていた。


 確か、パイロットたちの先頭を歩いていた女性で、テレビにも出演している有名人だ。


 鏡銀子(かがみぎんこ)。

 アンドロギュノスとイカロスの発明者である。



※鏡銀子

 父親はライトノベル作家で日夜発禁仮面と戦っているらしい。母親は不明。



   ◆


 俺らの前を歩くのは、大和国内では珍しい緑色の髪をサイドテールにまとめ、大きな眼鏡の奥からこちらを見つめる眠そうな目が印象的な理科系の女性だった。


 白衣の袖が長くてちょっとあまり気味なのが、彼氏のだぼだぼワイシャツを着ているみたいでちょっとエロかわいい。


 半面、背はやや高めで、ワイシャツどころか白衣すら大きく押し上げる特大の爆乳がとにかく目立つ。

 さらに後ろから見て気づいたのだが、お尻も大きい。


 黒のミニスカートがハチ切れそうなヒップラインが、白衣のうしろをこれまた大きく膨らせている。


 白衣越しでもわかるお尻ってどんなだよ。

 ちなみに、半開きの眠そうな目が何かを企んでいそうで、悪の科学者、という気がしなくもない容姿だ。


「ほら、着いたよ。ここが僕の遊び場さ」


 銀さん(本人推奨呼び)に連れてこられたのは、地下のアンドロギュノス実験場だった。

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漫画 異世界建国記 68話にお風呂シーンあり!

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