第29話 エロス29パーセント! 全世界にバナナを晒す快感!
1~3話1000PV記念爆速更新!
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「今だリリカ!」
「うん!」
「まだだぁ!」
爆音が響き、毒島を覆う氷が内側から粉砕。自由自在に飛び回った。
「なんでだ!? 羽は凍らせたはずだろ!?」
「何も知らないおバカなアサトシちゃんに教えてやるよ! セミの鳴き声はスズムシみてぇに羽をこすり合わせた音じゃなくて、腹の中の器官で鳴らしているんだよ!」
「くそっ」
舌打ちをする俺の視界で、毒島は腰を回転させてバカにしてきた。
が、その姿を見て俺は閃くものがあった。
「そういえばあいつ、リア貧すぎてコンプレックスこじらせて闇落ちしたんだよな……じゃあ。リリカ」
俺はリリカへ振り返ると、彼女に耳打ちした。
「え? そんなことでミンミンマンの動きが止まるの?」
純真無垢の権化であるリリカは、眼を点にして、きょとりん、と小首をかしげた。長いツーサイドアップの髪が垂れて可愛い。
「えーっと、じゃあ。あのー、ミンミンマンさーん」
「なんだー!」
口元に手を添え、リリカは叫んだ。
「なんでそんなにオチン●●小さいんですかー?」
「はぽっ!?」
毒島は空中で制止。
ぎちぎちと表情を歪めていく。
「な、何を言っているんだ? オレ様自慢の巨塔に向かって……」
そこへ、目を光らせたメイカさんが水を得た魚のような機敏さで飛び込んできた。
「うっわ! なんて小さいポークビッツでしょう! 主人公さんの半分もないんじゃないですか!?(見たことないけど) ネットのコメントもちっちゃい弾幕大量投下でコメント欄が滝のように流れていますよ! さっきからキングバベルだのジャイアントバベルだのキャノン砲だのミサイルバベルだのと妙にサイズを誇示していますけどそれってコンプレックスの裏返しではぁ~?」
真顔のまま、メイカさんは煽り倒すねんちゃ櫛津の声音で毒島を挑発しまくった。
「ばば、バカを言うな、オレ様のバベルは小さくなんてないんだぞ! どんなに過小評価しても、平均ぐらいだ!」
その時、心愛が顔を上げた。
「え、あれってちっちゃいの?」
心愛の反応に、毒島は目を輝かせた。
「ほら見ろ! これが民意だ! こうして心愛はちゃんとオレのサイズを認めているじゃないか!」
「つきしろ、あさとしのしか知らないけど、あれ、【5歳】の時に見たあさとしのと同じぐらいの大きさじゃない?」
「ぎゅぴゅぷぉおおおおお!?」
毒島は発狂し、下半身丸出しで地面に墜落した。
その隙を見逃さず、リリカはマジカルステッキを構えた。
「いまだ! マジカレイドォー! ストラーッシュ!」
リリカがステッキを縦に振るうと、ピンク色の巨大な斬撃が放たれた。
狙い通り、斬撃は毒島が着地と同時に被弾した。
そう、腰をアスファルトに打ち付けて、両膝を左右に開いた瞬間に。
「あっ」
俺の視線の先で、マジカレイドストラッシュは毒島の外骨格装甲に守られることのない、剥き出しの部分に直撃した。
「ぎゃああああああああああああああああああ!」
毒島の断末魔の叫び声が、帝都の空に木霊した。
「ふん、いかにこじらせていようと、15年物程度では駄目か」
不意の声に振り返ると、黒い軍服姿の女性が背後に立っていた。
だが、彼女が軍服の裾を翻すの、その長身は一瞬で虚空にかき消えた。
「いまのは……?」
俺の疑問に答えるように、メイカさんは緊迫した声を漏らした。
「ダークジェネラル。エンシェンディア四天王の一人で、人類の敵です」
「そうか、あれが……ん、あいつ今、15年ものって……」
そこでふと、俺は嫌なことに気づいた。
「あの、メイカさん。エンシェンディアって最強の魔法使い集団らしいですけど、それってもしかして」
「? はい、こじらせ童貞のことですけど?」
――そういう意味かよ。
俺は肩を落とした。
一方で、人間に戻り、全裸で倒れる毒島にリリカは優しく歩み寄った。
「いままで辛かったよね。その上、エンシェンディアに利用されて、かわいそう」
聖母のように優しい幼女の言葉に、毒島は涙を流し震えた。
そしてリリカは、あれだけのことをしでかした毒島の手を取り、何かを握らせた。
「私にはこんなことしかできないけど、受け取って。さっき見つけたの」
毒島の手には、春ゼミの抜け殻が握られていた。
「アサトシから聞いたよ。大和の男の子は好きなんだよね?」
毒島は発狂した。
逆に、心愛は安堵の息を吐いてその場にへたり込んだ。
「ふぅ、たすかったぁ」
「今回は大ピンチだったよねぇ」
自身のおっぱいを抱き隠しながら、萌花も大きなため息を吐いた。
二人とも、あやうく街中で全裸にされるところだったのだ。
安堵もひとしおだろう。
「ほんとだよな。でも災難だったな、あんな汚いもの見せられて、いやごめん、この話は封印しよう」
「そ、そうだね……」
「うぅ、今夜夢に出てきたらどうしよう」
心愛と萌花は青ざめながら顔を見合わせた。
「じゃあ気分転換に何か――」
俺がそう言いかけた時、突然、俺の腰で何かが裂ける感覚があった。そして。
ぼぬろろろぉん! ぶららん! ぶららん! ぶららん!
「あばぁっっっっっ!?」
「あぶぅっっっっっ!?」
心愛と萌花の顔が紅蓮以上に赤黒く染まり、目を剥き口を開けて固まった。
「ん? ふたりともどうしたんだ!?」
「ぬぉおおおおおおおおおおおおおお! なんというバハムート級戦艦ですか!? 噓から出た実とはまさにこのこと! この世にあんな、エロ漫画みたいなサイズの逸品があるだなんてぇえええええ! 赤道直下でのみ産出される世界最大品種ベヒモスバナーナと同じサイズではないですかぁ!」
「はわわわわぁっ!? え!? あれ!? 嘘!? 全然、ちがっ!?」
ぼろぶらりらん!
「ど、どうしたんですかメイカさん!? それにリリカも!? ん?」
みんなの視線が妙に低いことに気が付いて、俺は彼女たちの視線の先を目で追ってみた。
すると、そこには俺の、生まれたままの下半身がつまびらかにまろびでていた。
どうやら、最初に避けたはずの音撃がかすっていたらしい。
「■■ッ!?」
両手で股間を隠しながら、俺は無限の喪失感と羞恥心に奥歯を噛んだ。
――神よ、いますぐ俺を殺してくれ!
心愛と萌花も、こんな気分だったのだろうか。
「はぅぅ……あさとしのおにんにん……おおきくて、しゅごい……」
心愛の一言に、俺は恥ずか死んだ。
この日、学園内のとあるデバイス内から、ネットショッピングで、ベヒモスバナーナがポチられた。
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ぼくは異世界で付与魔法と召喚魔法を天秤にかける、が全体的にセクシーです。
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