第27話 エロス27パーセント! 魔法少女ってなんですか?
2話256PV記念爆速更新!
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「そういえばなんですけど、魔法少女と魔術師ってどう違うんですか?」
俺は、心愛とリリカを見比べながらメイカさんに尋ねた。
漫画やアニメだと、その辺りの描写が曖昧だ。
時々、テレビのクイズ番組で【和尚と住職】の違いを答えよ、とか【ベランダとバルコニー】の違いを答えよ、みたいなノリで出題されるけど、使わない知識なのですぐに忘れてしまう。
「そうですね、まず、はっ!?」
メイカさんは犯人が分かった探偵のように鋭い顔をして、リリカを見下ろした。
「姫様、ここは親睦を深めるためにも今世紀最高のプリティキューティー魔法少女として姫様御自らこの男にご教授してあげてはいかがでしょうか?」
作為しか感じない仕草のメイカさんに、リリカは無邪気な笑みで答えた。
「うんいいよ♪ えっとね、まず名前の通りなんだけど、魔術を使うのが魔術師。魔法を使うのが魔法少女なの。どっちも魔力を使うけど、魔術は大系化された技術で適性があれば誰でも練習次第で使えるの。でも、魔法はその人固有の能力で、効果も凄く大きいんだよ」
「上位互換ってわけじゃないのか?」
「うん♪」
ぽきゅっと頷いて、リリカは明るく説明を続けた。
「例えば私のお姉ちゃんは生き物でも建物でも、壊れたものをなんでも直せちゃうんだけど、炎や風を操ったりはできないみたい」
「なんだか異能者の異能みたいだけど、魔力が燃料って点では違うな」
そこでメイカさんが口を挟んできた。
「はい。それに基本、魔法少女は全員超高性能。ハズレはありません。仮に炎を操る魔法少女がいたとすれば、その火力は一流の火炎魔術使いを遥かに凌駕するでしょう。また、皆さん変身すると身体能力が数十倍に跳ね上がり空を飛べます」
「そりゃ強いな」
「ええ。それはもう!」
メイカさんは鼻息を荒く、腰に手を当て大きな胸をばるんと揺らしながら突き出してきた。
「もっとも、あらゆる魔法少女の中でもっとも強くて可憐な魔法少女の中の魔法少女、魔術大国マジカレイドの姫であり原初の魔法少女の末裔であるリリカ姫殿下様とそこらの木っ端魔法少女では比較になりませんが!」
「メイカ、そんなこと言わないの。魔法少女はみんなお友達なんだから。比較しちゃだめ」
「あう、姫様に叱られた」
何故か、メイカさんは甘くしびれるような表情をした。上級者だな。
「確か魔法少女って、勇者みたいに選ばれたごく一部の女の子だけがなれるエリート集団なんですよね? その魔法少女たち全員で長年戦っているのに勝てないエンシェンディアって、何者なんですか? 歴史の授業でも正体不明としか習わないんですけど?」
「残念ですが我々も詳しいことは分かりません。ただ、あらゆる異世界を旅する最強の【魔法使い】集団であり科学集団とされています。その力は他の組織に比べてずば抜けている半面、どこか愉快犯のような部分もあり、目的がわかりません。たとえば彼らの作る怪人一つとっても、何故毎回一人二人なのか、怪人を100人も用意してから帝都を襲えば我らに勝ち目はないと言うのに……」
「あー、あれってアニメだけじゃなくて、本当に一体ずつなんですね」
わけがわからないよ、とばかりに俺が頭を悩ませると、スクランブル交差点の方角から悲鳴が聞こえてきた。
俺、心愛、萌花、リリカ、メイカさんの視線は一斉に同じ方向を捉え、走り出した。
普段は可愛い女の子でも、そこはエリジオン学園の生徒だ。
人類の敵と戦う彼女たちは、有事の際の対処方法を叩きこまれている。
「うっ」
スクランブル交差点は車が渋滞し、酷い有様だった。
一瞬、玉突き事故でも起きたのかと思うも、クラッシュ音はしていない。
どうやら、運転手は自主的に停まっているようだ。
そして、その原因はスクランブル交差点上空を飛ぶ、人型のセミモンスターだろう。
「聞けぇ! 愚かな人類よ! 我が名は春ゼミ怪人ミンミンマン! 今日は春だからと浮かれのぼせる貴様ら人類の天誅を下しにきたぁあああ!」
どうやら、モンスターではなくエンシェンディアの作り出した怪人らしい。
話で聞く限り、怪人の戦力は上位ドラゴンや、魔王軍上級幹部クラスらしい。
以前、アメリナと協力して倒したドレイタスの同格と見るべきだろう。
なのに、ふざけた名前のせいでいまひとつ緊張感に欠けた。
――同じ昆虫型でも、ヤルゴットとはえらい違いだな。
飛行機の中で倒した魔王軍幹部のことを思い出していると、突如ミンミンマンはお腹を突き出した。
「喰らえ! スプリングシンフォニー!」
刹那、爆音と衝撃が、帝都を駆け抜けた。
大気が歪んで見える程の爆音に俺は脊髄反射で両手を耳に当てるも、焼け石に水だった。
鼓膜の激痛に耐えながら目を開けると、周囲の窓ガラスが片っ端から破砕し、歩道にガラスのシャワーを降らせていた。
幸い、怪人が出た時点で多くの人が逃げていたので、怪我人はいなさそうだ。
それでも、なんて危険なことをするんだと危機感を覚える。
――どうやら、名前に惑わされている場合じゃなさそうだな。
「姫様!」
「うん、変身だよ!」
メイカさんの呼びかけに応じてリリカが腕を振ると、その手には先端にピンク色のハートがついた、でポップなステッキが握られていた。
「マジカル・リリカ・メイクアップ!」
リリカの掛け声と同時に、ステッキが虹色の光、耀きはリリカの全身に広がっていった。
するとリリカの服は光の粒子となって消滅。
男の保護欲を刺激するリリカの幼いロリボディと、それに不釣り合いな巨乳とセクシーなヒップラインが丸見えになるも、その肌はボディペイントをしているように七色に隠され、肝心なモノは何も見えなかった。
この状況でも逃げることなく、建物の一階部分や車の中にいた男たちが、「惜しい」とか「見えそうで見えない」とか悔しがっている。
「だけどボディラインが丸見えでエッチだよな」
「おう、これだから魔法少女の戦いは見逃せないぜ」
一部喜んでいる野郎もいた。
――お前ら、これ狙いで逃げなかったなのかよ……。
浅ましいスケベ根性に、俺は呆れてものも言えなかった。
「皆さん! 写真撮影はNGですよ! ネットに投稿されたら法的手段に出ます!」
メイカさんが謎のスタッフと化していた。
やがて光の粒子が魔法少女の衣装を再構成。
リリカは白とピンクを基調とした、魔法少女の姿に変身した。
彼女が空中に制止し、同じ目線になると、ミンミンマンは苛立たし気に叫んだ。
「出たな魔法少女! ロリのくせにメロンみたいなデカチチしやがって! 男共のオカズになっちまいなぁ!」
ミンミンマンが再び腹を突き出すと、爆音が鳴り響いた。
「マジカルシールド!」
リリカがステッキを前に突き出すと、ハート型の半透明の盾が展開した。
けれど相手は音。
一方向に盾を張っても意味は無いし、ハートの盾はみるみるひび割れていく。
「うぉおおお! 魔法少女姫リリカたんのパンツが見えないぃいいい!」
「ミニスカで飛んでいるのに中身はアンダースコートじゃないかぁ!」
「いや、でもそれでいい、それがいい!」
「メイカさん、あいつら殴っていいですか?」
「耐えてください!」
と、言いながら、メイカさんはMRカメラ画面の操作に大忙しだった。
俺はメイカさんの存在意義に一抹以上の疑問を感じた。
――それよりも……。
「なぁ心愛、萌花、あいつの声、どこかで聞き覚えないか?」
「言われてみれば……」
「どこかで……」
俺が首をかしげる間に、ミンミンマンは痛快そうに高笑った。
「ふははははは! 音は防御不能の最強攻撃! 誰もオレには勝てないのだ! 最高の気分だ。もう昨日までの無力なオレじゃない。そして怪人だから正体もバレない。ぐふふふふ、今まで不幸だった分、今日から悪の限りを尽くしてやる!」
MR画面を開き、LIVE配信を始めながら、ミンミンマンは鋭く叫んだ。
「見ているか大和中の愚民ども! 見ているか画面越しのクソ共! これからこの最強怪人ミンミンマン様がテメェらの支配者だ! まず手始めに大和中のアイドルとグラビアモデルを全裸にして全世界生中継で公開無限エクロスだ! 泣いて喚いて嫌がる美女美少女たちのカラダで気持ち良くなりながらナカにたっぷりとオレ様の遺伝子を注ぎ込んでやる!」
空中で腰をひわいにくねらせながら、ミンミンマンは気持ち悪く笑い放つ。
「それが終わったら素人女共だ! まず大和中の女を美人だけを選別、そこからさらに巨乳以上の女だけを選別して飽きるまで毎日24時間オレの相手をさせてやる! 男は全員オレの奴隷。毎日いたぶり楽しんでやる! 大和中の、いや、全世界の女がオレのバベルに快楽を与えるためだけの肉奴隷にしてくれる! ふは! ふは! ふはははははは! 見えてきたぞこのオレ様のドリームロードがぁ!」
「あ、思い出した! お前毒島島太郎(ぶすじま・しまたろう)じゃね? ●●初学校の時一緒だった。今は●●高学校に通っているんだっけ?」
ミンミンマン、もとい毒島の笑い声が止まった。
そして、ミンミンマンはMR画面に目で食らいつくようにすると、絶叫した。
「お、オレの個人情報がぁああああああああああああああああああああああああああああああああああ! ちちちち、違うんだみんな! オレは、このミンミンマン様の正体は毒島島太郎なんかじゃない! オレは悪の秘密結社エンシェンディアで作られた怪人! そもそも大和国民じゃ、やめろ、ばか、俺の写真をネットに晒すな! ちょっ、やめっ、あ、特定班! 馬鹿! 頼む、オレの最後の希望が、なけなしの名誉が、いまならまだ、あ、あ、あ、あ、あぁあああああああああああああああああ!」
MR画面を閉じてから、毒島は奈落の底へ転落するような悲鳴をあげて、地面に落ちた。
そして、死んだセミのようにぴくぴくと痙攣した。
「あれ? これ倒した?」
「いや、流石に……」
「死んでたまるかぁ!」
跳ね起きた毒島は、俺と心愛のことを指さした。
「よくもやってくれたな! 幼稚園時代テメェら二人のせいでオレがどんな人生を送っていると思っているんだ!」
「俺らのせいって、お前が心愛にフラられた話か?」
「いや、あさとし、それはちがっ」
「ふむ、どうやらその心の闇に付け込まれたようですね」
メイカさんが探偵のように鋭い顔をした。
「怪人は、心の闇を糧とする魔法アイテム、ダークジェムを人体に埋め込み作られます。彼のような灰色の人生を送る人は、まさに格好の材料でしょう」
「なるほど、お前にフラれたショックで怪人化するなんて、心愛、お前けっこう罪作りな女だな」
「いや、だからねあさとし……」
心愛はへの字口で肩を落とした。
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ネタキャラ仮プレイのつもりが異世界召喚 という作品がハーレムエロ豊富でいい感じです。
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