第26話 エロス26パーセント! ナンパ野郎に鉄拳制裁

22話~25話128PV記念爆速更新!

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 しばらくしてから俺が缶ジュースを手に見せの前に戻ると、二人は知らない男たちに声をかけられている。


 どうやらナンパらしい。

 萌花を背中に隠し、心愛が男たちを見上げている。


「あの、妹が嫌がっているのでやめてもらっていいですか?」


 妹の為に一生懸命断る心愛に、だけど男たちは下卑た声を上げるばかりだった。


「姉ちゃんも可愛いじゃん。おっぱいマジでけぇし」

「姉妹そろって爆乳爆尻とかたまんねぇよな」

「お前も一緒に来いよ」


 心愛がどれだけ勇気を振り絞っても、オオカミ共からすればエサが増えたに過ぎなかったらしい。

 男は遠慮なく、心愛に手を伸ばした。


「いや!」


 汚い手が触れようとした時、心愛は萌花を守るように抱きしめた。

 その華奢な肩を、強引に、力づくで、無理やり抱き寄せた。俺の胸に。


「テメェら俺の女に何か用か? あん?」


 俺はあえてドスを利かせた声で、男たちにメンチを切った。

 すると、男たちは一瞬怯むも、すぐに拳を作ってきた。


「一人でイキがってんじゃねぇ、よ!」


 大ぶりな拳を、俺は一瞬でつかみとめると、そのままリンゴが潰れるぐらいの握力をかけやった。


「ぎゃぁあああ!」


 男は想像以上に無様な悲鳴を上げて、拳を引き抜いた。


 それでもまだ逃げず、次の手を考えていそうだったので、俺は左手に水弾を作って見せた。


 すると、男たちは途端に顔色を変えた。


「やべぇ、こいつ能力者だ!」

「殺されるぞ!」


 魔術、霊術、超能力、異能力、種類がなんであれ、俺ら能力者と一般人の戦闘力は天地以上も違う。

 心愛だって、その気になれば不良が1000人がかりでも倒せるだろう。


「だいじょうぶか心愛。ごめんな二人だけにしちまった」

「ううん、気にしないで。それよりもありがとう、あさとし」


 心愛はちょっと目元を濡らしながら、そっと俺に体重を預けてくれた。


 普段はモンスター相手にも果敢に魔術で戦う戦士なのに、人間の男性相手に迫られると怖くなってしまう。


 こんなことを言うと失礼かもしれないけど、なんていうか、本当に女の子を感じさせてくれる子だった。


 そして、そんな子が、俺には怯えるどころかその身を預けてくれる。

 それが、彼女からの信頼と親しみの証に思えて、嬉しかった。


「あ……」


 その時、俺らの前を一匹の春ゼミが通り過ぎて、近くの看板に留まった。


「なんだか、つきしろたちが初めて会った日のことを思い出しちゃった」

「初めて? あ~、あの俺がセミの抜け殻で毒島を慰めてあげた日だな」

「毒島くんがメイン!?」


 萌花がびしりとツッコんできた。

 たふん、とおっぱいが揺れて、俺の脇腹を甘く刺激してきて幸せだった。


  ◆


 それから三人で街を歩くと、前から聞き覚えのある声が走ってきた。


「おや、これはアサトシ様。姫様をほうっておいて仲良くおデートでございますか?」


 トゲのある言い方で迫ってきたのは、リリカの護衛のメイカさんだった。

 今日も黒スーツが似合っている。


「まぁちょっと買い物にですね。そちらは?」

「無論、姫様と大和の街を散策しておりました。流石は魔法少女先進国。そこら中に魔法少女グッズが溢れていますね」


 ちょっと遅れてやってきたリリカを手で指して、メイカさんはキビキビと答えた。


「うん、いい街だよね♪ ここなら他の魔法少女たちもきっと楽しく暮らせると思うよ♪」


 おない年とは思えない幼い笑みに、俺はほっこりした。


「ところでアサトシ、ちょっと聞こえたんだけど、セミの抜け殻で慰めるって、どういうこと?」


 こてん、と首をかしげるリリカに、俺は拳をかざして力説した。


「大和の少年にとっては宝物なんだぞ」

「へぇ」


   ◆


 同じ頃。

 かつて心愛をいじめていた少年、毒島は街中を独り寂しく放浪していた。


 幼稚園時代の彼は、紛れもなくカースト上位のガキ大将だった。


 けれど、朝俊にセミの抜け殻を渡されて以降、彼のカーストは徐々に下がり、初学校ではがき大将の子分。


 次学校では不良グループの使い走り。

 そして高学校の現在は、カースト最下位の落ちこぼれと化していた。

 友達は無く、女子たちからはキモがられ、ババ色の人生を送り続けていた。


「くそっ、くそっ、みんなイチャコラ楽しくしやがって。オレは青春真っ盛りの高学生なんだぞ! なのになんで、次学時代に続いて、高学の3年間もオレはゴミみてぇな人生を送るのか……」


 子供の頃から学園漫画で憧れ続けた高学生。

 だが、彼にはラブもコメもなかった。

 一生に一度の青春が、このままではゲロ塗れだ。


「げっ!?」


 そこに、一匹の野良猫が靴におしっこをかけてきた。

 猫まで自分をバカにするのかと、毒島は猫を追いかけて路地裏に入った。


 動物虐待なんて知るものかと、あの猫をズタズタに殺して憂さ晴らしをしてやると、毒島は息せき切って走った。体力が無い。


「くそがっ! あのゴミ猫どこ行きやがった!」


 倒れたゴミ箱から生ごみが散乱し、それを漁っていたネズミとカラスが逃げていく。


 ゴーゴーとうるさい排気口から流れる生暖かい風を浴びて、毒島はせき込んだ。

 すると、力強い女性の声が聞こえてきた。


「フンッ、荒れているな地球人!」


 路地裏のさらに奥から姿をあらわしたのは、時代錯誤な軍服姿の大女だった。

 でかい。背も、手も、そして胸も。


 男の毒島が見上げる彼女の胸は、大玉スイカを二つ横に並べたようなサイズであり、軍服が今にも張り裂けそうなほどだった。


 どうせ知らない他人だと、毒島は猫のことなどすっかり忘れて、その超乳をねめつけるように凝視した。


 ――くぅっ、なんつうデカさだ。デカイなんてもんじゃねぇぞ。外人系爆乳AV女優でも見たことねぇ! もはや超乳だな。あのデカパイを思う存分むしゃぶりつけたら、いや、オレのフルバベルを挟み飲み込ませたら、どれだけ気持ちいいんだ!?


 卑猥な妄想に取りつかれる毒島に、だが女は気にせず、ゆっさゆっさと超乳を揺らしながら、歩み寄った。


 超乳の揺れに合わせて、前かがみの毒島の首も上下した。

 そして、女はギラリと黒く光る宝石を手に、毒島の腹を殴り破った。


「げびゅぼぁぁ!」


 あまりの要撃に内臓が破裂しかけ、両目が半分飛び出した。


「ダークジェムを受け取るがいい。そのルサンチマン。貴様はいい怪人になる!」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

アニメ【じいさんばあさん若返る】7話にお風呂イベント水着イベントがあって良いです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る