第10話 エロス10パーセント! 爆乳姉妹に興奮するメイド!
★4記念爆速更新!
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まだ東雲朝俊が幼い、初学生だった頃。
夏祭りの縁日で、激辛大食い大会が行われていた。
上位入賞者から順に好きな商品を持っていく形式で、子供たちの狙いは人気ソシャゲのレアアイテムシリアルコードだ。
「おい朝俊、テメェもどうせシリアルコード狙いだろが、あれはオレのものだぜ」
クラスメイトの男子である毒島が、仲間たちと一緒に下卑た表情で絡んできた。
けれど朝俊は意に介さず、テーブルに着いた。
大会が始まると、激辛カレーのあまりの辛さに、毒島たちを含む多くの参加者たちが水を飲みながらのたうち回る惨状が広がった。
その中でただ一人、水も飲まずに一心不乱に激辛カレーをやせ我慢して平らげる少年の姿があった。
ようするに朝俊で、大人たちを差し置いてまさかの優勝。
だけど、朝俊が手にしたのはシリアルコードではなかった。
水で何度も口を洗ってから彼が選んだのは、女の子向けの青いリボンだった。
誰もが不思議がる中、朝俊は客席から声援を送ってくれた幼馴染の女の子にリボンを差し出した。
「ほら心愛、これ欲しかったんだろ?」
「え、そんな悪いよ? いまからでもシリアルコードにしてもらったほうが」
心愛は遠慮がちに手を横に振るも、朝俊はその手にリボンのプラスチックケースを握らせた。
「俺がシリアルコード取ったら毒島に恨まれるだろ? あいつに恨まれずに心愛が喜ぶならいいことづくめだろ?」
唇を赤くした朝俊の笑顔に、心愛は頬を桜色に染めてはにかんだ笑みを浮かべた。
「じゃあ結んで」
心愛がリボンを差し出すと、朝俊は表情を硬くした。
「ごめん、やり方わからねぇや」
「もうアサトシってば、こうするんだよ」
よこから心愛の実の妹である萌花がにゅっと手を伸ばして、朝俊にリボンの結び方を教えた。
萌花に教わりながら、朝俊は心愛の亜麻色の髪をワンサイドアップに結んだ。
すると、心愛は朝俊と鏡のように向き合い、おくゆかしく尋ねた。
「似合っている?」
「似合っているよ。心愛は可愛いぞ」
「ッッ……ふゃぁ……」
心愛はキュンと肩を硬くしてから、頬をゆるゆると弛緩させた。
◆
樹海での魔獣狩りが終わり、昼休みを挟んだ午後。
俺とアメリナは、講堂のステージに立っていた。
「では、今年のMVPは1年2組、アメリナ・ハリソンさんと東雲朝俊君のペアです! 学生の身分でありながらドレイタスを討伐した功績は大きく、軍に報告したところ、二人に勲章を授与したいと連絡がありました。では二人の前途を祝して拍手!」
学年主任の先生の言葉に合わせて、一年生のみんなが拍手をしてくれた。
俺は軽くVサインを作りながらイエーイとおどけてみせた。
でも、アメリナはせっかくの一等賞なのになんだか納得がいかない様子だった。
入学式の時に見せた強気はどこにもなく、ずいぶんとおとなしい。
◆
ステージから降りたアメリナの心境は複雑だった。
一位で嬉しくないわけではない。
自分一人では、ろくにドレイタスにダメージを与えられなかった。
朝俊が時間を稼ぎ、朝俊の力で能力を強化して、朝俊が敵を引き付けてくれたおかげだ。
最初からペア競技。
卑怯ではない。
むしろ、うまく連携した立ち回りと言えた。
それでも、アメリナはあくまでもペア競技でありなら自分一人の圧倒的な力で優勝するつもりだったのだ。
そして、朝俊に格の違いを見せつける。
それが現実はどうだ。
他人の、よりにもよって自分の入学制代表挨拶を汚した、そして、この世で最も価値がある秘宝である自身の裸体を、ファーストヌードを奪った男の手を借りての優勝。
その喪失感と恥辱は計り知れないものがあった。
いや、それだけではない。
朝俊に能力を強化してもらい、彼女のイカロスは第三フェーズに入った。
あれから何度も試してみたが、自力で使えるのは第二フェーズまで。
忘れられない。
第三フェーズが持つあの性能を、全能感を、憎むべき相手に、この人とならもっと高みに上れるという、頼る気持ちを抱いてしまう。
それが情けなくて、許せなくて、アメリナは己を責めると同時に、朝俊への対抗心をより募らせた。
◆
放課後。
どうにもアメリナの様子が気になってしまい、俺は帰りのホームルームが終わると、彼女の席に向かった。
「どうしたんだよアメリナ、浮かない顔して」
「アサトシ……」
顔を上げた彼女は俺と目が合うなり、不機嫌そうに視線を逸らした。
「高学部初日に一等賞。しかも軍からの勲章付きだぜ? もっと喜べよ」
「……ワタクシの力じゃないもの」
彼女が言っているのは、俺による能力強化のことだろう。
ちゃんと俺との約束を守り、詳しくは触れないのが嬉しかった。
「そうか? 俺はサポートでドレイタスにダメージ与えたのってほとんどお前じゃん? もっと胸を張れよ」
「バカにしているの?」
ガタンと椅子を鳴らして、彼女は勢いよく立ち上がった。
その目には、明確な怒気がこめられている。
「次の実技実習は一週間後。好きな相手と3人一組になって授業よ。だけど、ワタクシはもうアナタと組まないわ。アナタ以外と組んで一位になることで、アナタなんていなくても一位であることを証明してみせるわ!」
まるで果たし状でも叩きつけるような勢いに、俺はうへぇっと辟易とした息を吐いた。
俺としては気遣ったつもりでドレイタスに挑んだけど、逆に彼女のプライドを傷つけてしまったらしい。
女の子って難しいなぁと俺が疲れていると、萌花の明るい声が割り込んできた。
「じゃあアサトシ、次はツキシロたちと組も♪ ね、お姉ちゃん」
「え、う、うん」
心愛が慌てて頷いた。
「おぉいいぞ。また昔みたいに三人でつるもうぜ」
「お待ちください」
ちょっと強めの声音と共に、メイカさんの顔がにゅっと視界に割り込んできた。
「恐れながらアサトシ様は姫様と、そしてワタクシと組むべきです。そして授業が終わったと、姫様に命のヒールを!」
「待ってメイカ、そんなことしたらアサトシに悪いでしょ?」
メイカさんを止めたのは、主である合法ロリ幼女、リリカだった。
「アサトシがもうココアやモカと組むんだから、見ていたでしょ?」
「はぁ、ですが姫様」
「ですがじゃないのっ」
付き人の暴走に、リリカは可愛い顔でたしなめた。
プラチナブロンドのロングツーサイドアップ美幼女に叱られる大人の女性。
なんてレアな光景だろう。
そしてリリカに叱られるメイカさんがちょっと興奮気味なのは気のせいであってほしい。
「ごめんねアサトシ。だけどメイカも悪気はないんだよ。なんていうか、ちょっと過保護で」
「いや、付き人なら当然だよ。俺はメイカさん、凄くいい人だぞ思うぞ。付き人に選ばれたのもわかるよ」
リリカはマジカレイド王国の姫様だ。
それが遠く離れた大和に留学するとなれば、付き人は大役だろう。
それこそ実力、忠誠心、共に最高の人でなければならないに違いない。
「ふふふ、流石はアサトシ様お目が高い。ワタクシこそは100人いる付き人候補の中から姫様検定100問連続政界を叩き出し狭き門を潜り抜けた姫様ガチ勢。まさに推しプロなのです!」
キリっとした顔で、メイカさんは豊かな胸をぐぐっと張った。
姫様検定の内容が気になる。
「あ、でもアサトシ、また次の機会があったら、その時は一緒に組もうね。予約だよ?」
リリカは内緒話でもするように口に手を当てかわいくウィンク。
約束ではなく、予約、という言葉選びがなんだか愛らしかった。
――控えめでいい子だなぁ。
「じゃあとりあえず、来週はツキシロたちと一緒だね♪」
萌花が俺の腕に抱き着くと、不意にメイカさんが目の色を変えた。
「ぬなっ!? 前髪爆乳アルビノ美少女!? なんとレアな!」
メイカさんは捕食者の眼差しで鼻息を荒くした。
「そういえば前回もちらりとお見掛けしましたね。アナタ、お名前は!? 連絡先を交換しましょう!」
「ふゅっ!?」
ずずいずいずいと迫るメイカさん。
一方で、萌花は普段の明るさ、アクティブさはどこへやら、びくーんと固まると、小動物のように俺の後ろに隠れてしまった。
小柄なだけあり、その姿は猫から身を隠すハムスターのように可愛かった。
普段は明るく大胆に見える萌花だけれど、その正体は家族としかまともに喋れない重度の人見知り体質なのだ。
幼馴染のいつまでも変わらない内弁慶ぶりに、ちょっと呆れてしまう。
――相変わらず俺と心愛にだけ強気なんだなぁ。
萌花は緊張のあまり、俺の背中にぎゅっと抱き着いたまま、無言で体を硬くする。
「おやおやアサトシ様のうしろに隠れてどうしたのですか? 大丈夫ですよ、誰も撮って食べたりしませんから。ワタクシは観測者タイプですので」
――なんのタイプだ?
と、俺が聞きたいのを我慢していると、心愛がバリケードのように前に進み出た。
「あっと、ごめんなさい、うちの妹は恥ずかしがり屋なんです。それに萌花は姉であるわたしのなので」
芝居がかった口調でまくしたててから、心愛はメイカさんの視線から隠すように、萌花を抱きしめ頭をいいこいいことなで回した。
すると、俺の背中を握る萌花の手が、ちょっとゆるんだ。
――心愛のやつ、相変わらずお姉ちゃんしているなぁ。
「代わりにわたしじゃだめですか? 写真撮ります?」
言って、心愛はらしくもなく前かがみで胸を強調しながらパチリとウィンク。
すると、メイカさんが鼻息を噴いた。
「うぉぅ、こっちにも可愛い子が! なんと綺麗な亜麻色の髪! エリジオンはレベルが高いですねぇ!」
テンションを上げながら、メイカさんはデバイスのMRカメラで心愛の写真を撮り始めた。
メイカさんの興味はすっかり心愛に移ったようだ。
普段は引っ込み思案なのに、妹のためには恥ずかしいのを我慢して矢面に立つ。その姿勢が尊かった。
そして、萌花はぴょっこりと、俺の背中から顔を出す。
どうやら、かなり落ち着いたらしい。
姉の心愛と幼馴染の俺には普段、あれだけ強気に出るクセに、他人には緊張のあまりポンコツになる内弁慶ぶりには呆れてしまう。
一方で、それだけ俺に気を許してくれている証拠と考えれば、素直に嬉しかった。
「そんな凡民と組むなんて、勝負を捨てているのかしら?」
嫌味な声の主は、アメリナだった。
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前回のアメリナパージネタは楽しんでいただけましたでしょうか。
関係ありませんが【シドニアの騎士】でもヒロインのスーツがパージされるシーンがありまして、あれは素晴らしかったです。
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