第8話 エロス8パーセント! 金髪碧眼ヒロインからの援護射撃

★1記念爆速更新!

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「待ちなさい! アサトシ!」

「身体能力、10倍!」


 神速のスピードで地面を駆け抜け、俺は渾身の右ストレートをドレイタスの横っ面に叩きこんだ。


 ひなたぼっこでもするように頭を地面にもたれていたドレイタスの眼光が、ゆっくりと俺を見下ろした。


「へぇ、これで効かないんだな」

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!」


 五十音では表現できない獣の咆哮を上げ、ドレイタスは四肢で立ち上がった。

 小島のように巨大な甲羅が地面から離れて、土砂が滝のように落ちていく。


「こいつは俺が地面に引き付ける! 上から援護射撃頼んだぞ!」

「そんな勝手に、もうどうなっても知らないわよ!」


 文句を言いながら、アメリナは空へ飛びあがった。

 幸い、盆地に木は生えておらず空は開けている。

 上空からの援護射撃に障害はない。


「喰らいなさい!」


 アメリナのオービットとライフルから、レールガンによる物理弾とプラズマガンによる光弾の五月雨撃ちが放たれる。


 プラズマ弾の高熱で空気が膨張し雷鳴のような音が鳴り、電磁加速されたレールガンの弾が重低音の打撃音を響かせる。


 だが、ドレイタスに効果はなかった。


 アメリナは地上に降りてきて、背後から俺に呼びかける。


「ダメだわ! 上からの攻撃は全部甲羅に防がれるし、首も上側のほうがうろこが厚いわ! 空母以上の装甲って評判は嘘じゃないわね!」


「なら地上から援護頼む。頭の気は俺が引くから!」


「■■■■■■■■■■!」


 ドレイタスの頭が俺に噛みかかってきた。


 サイドステップで避けても、空気越しに烈風と震動が頬を叩き、ドレイタスの超質量を感じられた。


 同時に、カウンターの右ストレートを見舞う。

 眼球には当たらないも、目の近くには当たった。

 これはわずらわしいだろう。


「■■■■!」


 小癪な羽虫に怒りをぶつけるようにして、ドレイタスは吠えた。

 首を真横を振り、俺を薙ぎ払おうとするも、真上に跳躍して避けた。


 すぐ真下をドラゴンの頭が通り抜ける。

 あまりのスリルに心臓が高鳴った。


「はっ、こりゃ年齢制限かけないとな!」


 アメリナの銃撃がドレイタスの首の付け根に集中した。

 けたたましい鋼の咆哮を、ドレイタスは竜の咆哮でかき消した。


「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!」

「テメェの相手はこっちだぜ!」


 ドレイタスの意識がアメリナに向いた直後、俺は巨大な下あごに飛び蹴りをかました。


 すると、殺意は俺に向き直る。


「よしよし。おいアメリナ、お前の武双の中で一番火力があるのってなんだ?」

「荷電粒子砲よ! けど、チャージに20秒かかるわ!」


「早くていいな! カップ麺が9個も作れるぜ! じゃあ20秒、耐えればいいんだな!? 30倍、身体強化!」


「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!」


 ドレイタスは牙を鳴らすと、大きく前進しながら前脚を踏み下ろしてくる。

 体重を乗せた巨獣の踏みつけ、ゾウが殺意を以って人間を殺すときの方法だ。


「どらぁっ!」


 対する俺はまたも見切りで避け、カウンターの右ストレートを足首にブチ込んだ。

 さっきまでとは違い、ドレイタスが低く唸った。


 そうして、俺はドレイタスの巨躯に肉薄。

 前足の攻撃を避けては殴り、殴っては避ける。


 そうしてそろそろ20秒立つ頃、不意に頭上から影が落ちてきた。

 ロングソードばりの牙がズラリと並んだ赤黒い口内が迫る。


 前足にだけ意識を持たせておいてからの不意な噛みつき攻撃。

 狙っていたのだとしたら頭が利く。


「■■■■■■■■■!」

「おぉっ!?」


 殺意を以って閉じられる上下の牙を両手で受け止めた。


 30倍の身体能力では到底太刀打ちできない。


 ゆっくりと閉まる牙は、数秒後に俺を殺すだろう。


「アメリナ撃て!」

「でもアサトシ! アナタがまだ!」

「いいから俺事撃て! お前ここで撃たなかったら敗者だぞ!」

「ッ、誰が敗者よ!」


 聞いたことのない音質の砲音、そして光が俺の視界を染め上げた。


「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!」


 俺の眼前、喉の奥からドレイタスの苦痛の叫び声が轟音となり吐き出されて、鼓膜が破れたように頭が痛い。


 直撃ではないが、熱波が俺の全身を焼き焦がし、目をつぶっていても眼球が沸騰しそうだった。


 やがて、ドレイタスの牙が止まり、力が緩み、巨獣の頭はぐらりと横に傾き、俺の前に落ちた。


「ふぅ、すげぇ威力だな」


 首を回せば、ドレイタスの首の付け根が抉れ、黒く炭化しながら白い煙を上げていた。


「アサトシ!」


 不安げな声に呼びかけられて振り向くと、アメリナがらしくない、弱気な表情で駆けてくるところだった。


「おう、よかったなアメリナ。これでお前の優勝間違いなしだぞ」

「それは……」


 彼女はなんだか気後れしたような表情で、言葉に迷っている様子だった。

そんな彼女に代わり、イカロスがシステム音声を流した。


『過負荷を検知、安全のため武装をスリープモードに移行します』


 そのアナウンスと共に、アメリナの抱えていた巨大な荷電粒子砲は各部のパーツが開いた。


 圧縮空気の抜ける音と蒸気が噴き上がる。


「流石に連射できるほど都合よくないか。20秒おきにアメリナが撃ってくれたらすげぇ心強いんだけどな」


「何を笑っているの! そんなことよりもそのケガ!」

「あぁ、これなら平気だぞ」


 言って、俺は全身の皮膚にチカラを伝えた。

 すると、俺の傷が白い光で満たされ、治癒していく。


「俺の力は回復魔術じゃなくて命そのもの。生命を安定させることで回復魔術じゃ治せないアレルギー反応や神経過敏症も治せるけど、もちろん普通の傷も治せるんだ。さっきリーガルウルフを治してみせたろ?」


「それはそうだけど、治るからケガしていいってことには……」

「へぇ、心配してくれるなんてお前優しいのな」

「なっ、アナタねぇ!」


 アメリナが弱みを誤魔化すように語気を荒らげると、不意に彼女の顔が驚愕の色に固まった。


 直後、背後からの異常な熱量を感じ、俺は警戒しながら振り返った。


「マジかよ……」


 ドレイタスが口を開け、俺らを狙っていた。

 喉の奥に見える魔法陣。


 忘れてはいけない。

 魔力を以って魔術を行使。

 だからこその魔獣であり、ドラゴンはその中でも最強種と呼ばれていることを。


「伏せろ!」

「■■■■■■■■■■■■■■■■!」


 雷鳴が聴覚を、雷光が視覚、雷熱が触覚を奪い、俺の意識はブラックアウトした。

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●主人公専用ヒロイン

リコリス・ブライド

身長:165センチ 

体重:47キロ(おっぱいとお尻の重さのぞく)

B94U66W59H96 Hカップ 一人称:ボク

紫陽花色ロングヘア紅瞳

女勇者 神秘的な外見の美少女。

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