第7話 エロス7パーセント! 爆乳バディバレット!

32フォロワー記念爆速更新!

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「三位と二位の差はひとつでも、二位と一位には天地の開きがあるわ」


 樹海の遥か奥、日の光も届かない深海を思わせるほど空気の重たい世界で、アメリナは悠然と歩みを進めていた。


 周囲に浮かぶ四基のオービットと両手に握る二丁、合わせて六丁のライフルは、それぞれ独立した意志を持っているように周囲から襲い来る魔獣たちを次々射殺していく。


 正確無比な銃口は、まるで姫に付き従う六人の騎士のようだった。


 これだけの魔獣を屠っておきながら、彼女自身には一滴の返り血も触れていない。

まさに、それが何か神秘的な力に守られているようで、樹海の中にあって、一種の神々しささえ感じられた。


「二位以下は頂点ではないという点で一位に屈した敗者。妥協に甘んじた負け組でしかないわ。プライドの無い凡民ならそれで納得するのでしょう。けれど、それは所詮の負け犬が事故を正当化するための戯言。真のプライドを持つ強者にとって、頂点以外は屈辱の極みでしかないの」


 地響きと同時に一本の大樹が浮かび上がり、背後に倒れていく。


 土中からは節の一つ一つが自動車並みのサイズを誇るムカデが這い出してくる。


 だが、おそらくは全身の半分も見せないうちに、アメリナのレールガンが脳天を撃ち抜いた。


 オオムカデ、海外風に言うならジャイアントセンチピードは背中側に鎌首をもたげて動かなくなった。


 並みの生徒なら50人がかりでも勝てないような大物を歯牙にもかけず、アメリナはさらに樹海の奥へと進んで、不意に足を止めた。


「なのにアナタはなんなの? 最強なんてどうでもいい? そんなプライドの欠片もないザコが、このワタクシと同格扱い?」


 背中越しに俺へ語り掛けるアメリナが語気を強めると、彼女の周囲に数枚のMR画面が展開した。


 そこには、ネット上の書き込み、記事、投稿動画が表示されていた。


 どれも、俺の活躍とアメリナの評判を比較したものだ。


 王者交代。

 アメリナは所詮実戦経験のない養殖魚。


 魔王軍幹部を討伐した期待のワンパンヒーロー爆誕。

 そんなタイトルは、けれどどうせ対立構造を煽りたいだけの馬鹿が仕掛けた戯言だろう。


 しかし、アメリナにはそれが許せないらしい。


「無論、アナタがワタクシのライバルに相応しい強者ならば、好敵手と認めるのもやぶさかではありません。ですらアナタ、ヒーラーなのでしょう? 非戦闘員のサポーターと同列に扱われる何て侮辱の極みだわ!」


 アメリナが振り返ったタイミングで、一頭の巨大狼が俺に噛みかかってきた。


 音も無く忍び寄る高速の殺し屋。

 人里に現れれば軍隊が出動する森の王者リーガルウルフだ。


 その頭蓋骨に、俺の右こぶしがめり込んでいた。

 牛を超える巨体が地面に沈み、俺の足元にひれ伏している。


 その光景に、アメリナは瞳孔を開いて視線を固めていた。


「俺の能力は四つ。生命力のストック。命の安定。そして再生だ」


 拳を開いて動かなくなったリーガルウルフの頭蓋骨に触れた。

 すると、陥没した頭蓋骨が膨らみ、元の形を取り戻した。


 息を吹き返したリーガルウルフが立ち上がると、俺は命を、精神状態を安定させてやりながら語り掛けた。


「次からは喧嘩売る相手を選びな。俺の気が変わらないうちに帰れ」

「……」


 呼吸を整えて俺への害意を治め、リーガルウルフは森の奥へ駆けて行った。


「ちなみに、ストックした体力を10倍速で消費する代わりに身体能力も10倍にできる。俺は自分をヒーラーだと思ったことは一度もねぇよ」


 俺が一歩進むと、アメリナは体を硬くした。


「けど安心しろよ。たぶんお前のほうが強ぇよ。俺は殴る蹴るしかできねぇし、遠距離攻撃できるお前には勝てねぇからよ」

「ッ……ん? 待ちなさい。アナタ今、能力は四つと言ったわよね? 生命力のストックと命の安定、それに再生と、あとは何よ?」


 口を滑らせたことに気づいた俺は、気まずくなって言い淀んだ。


「あー、それは……」


 すると助け舟と呼んでいいのか、森の奥から地鳴りのような轟音が響いてきた。


 それから、無音とは程遠いやかましい足音をまきちらしながら、さっきのリーガルウルフが死に物狂いで走ってきた。


「あいつまた」

「待てアメリナ」


 銃口を向ける彼女に呼びかけ制止させる。


 案の定、リーガルウルフは俺らの横を通り過ぎていった。まるで、捕食者から逃げる鹿のように。


「何が……ッ」


 アメリナは背中の飛行ユニットを起動させると、森の奥へ加速した。

 その背中を追って、俺も脚力を強化して駆けた。


   ◆


 アメリナの背中に追いついて俺が足を止めると、そこは小さな崖だった。


 崖の深さはせいぜい6メートル。

 広いくぼ地が広がっている。


 けれど、問題はその中央に鎮座する魔獣だ。


 全長10メートルを超える、恐竜サイズの亀。


 だが、その甲羅から伸びる長い頭は、ドラゴンのそれだった。


 最強を自負してやまないアメリナが、額に汗を流して固唾をのみ込んだ。


「ドレイタス……魔獣の中でも最強種と呼ばれる竜種の一角ですわ。どうしてあんなものがここに?」


 声を硬くするアメリナの疑問に答えるように、俺は呟いた。


「ドレイタスは数十年スパンの冬眠をするからな。昔からいたのに気づかなかったんだろうな」

「第一級討伐対象。すぐ学園に連絡して軍隊の出動を要請しましょう」


 緊迫した面持ちでMR画面を展開するアメリナに、俺はまばたきおした。


「戦わないのか?」

「アナタはバカ?」


 アメリナは押し殺した声で怒鳴った。


「ドレイタスなんて学園の教師が束になっても勝てるかわからない上位竜なのよ! 勝てるわけがないでしょう! 確かにワタクシは頂点を自負していますが、それは人間の中の個人戦の話。自然災害に喧嘩を売る蛮勇は持ち合わせていなくってよ!」


「そうかなぁ」

「え?」

「お前、一番になりたいんだろ。だったらあれ、俺らで仕留めようぜ」


 言って、俺は崖から飛び降りた。

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●主人公専用ヒロイン

月城心愛つきしろここあ

身長:155 

体重:45キロ(おっぱいとお尻の重さのぞく) 

B91U65W58H93 Gカップ 一人称:つきしろ

亜麻色髪ワンサイドアップ

幼馴染姉妹の姉。同い年。

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