第4話 エロス4パーセント! 幼馴染姉妹がエロ可愛い!
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入学式が終わると、生徒たちは三々五々散って、それぞれ教室へ移動し始めた。
途中、なんだか空気がおかしかった。
みんなで俺に視線を向けながらひそひそ話をしてきて、だけど誰も話かけてこない。
――まっ、入学早々遅刻したら目立つよな。
そこへ、明るい声がかかった。
「アサトシ久しぶりぃ♪ 元気だったー? なんてLIMEで知っているはずなのについ言っちゃうよねぇ」
競技場を出たところで首を回して目に入ったのは、個性満載の女の子だった。
アルビノ特有の純白の髪を左右でしばったミディアムツーサイドアップ。声は明るいのに前髪は引っ込み思案さんよろしく、顔を隠すように長い。
けれど、深紅の瞳は白い前髪越しでも確認できるぐらい鮮やかで綺麗だった。
「直接会うのは三年ぶりだろ? それにしても萌花は変わらないな。だからこそ見間違わずに済むんだけど」
彼女は月城萌花(つきしろ・もか)。俺の幼馴染だ。
昔と変わらず小柄で童顔、というのは初学生なら当然だけど、三年間で少しも変わっていないところを見るに、どうやら天性の童顔らしい。
「むむっ、ツキシロだって成長してるもんっ」
と言って、萌花は頬をふくらませつつ、恨めし気に両腕を胸の下で組んで持ち上げた。
制服のブレザーがしまらないほどに大きな爆乳がむちむちっとサイズアップして、周囲の男子が息を呑む音がした。
「お前、せっかく人が触れずにいてやったことを。恥を知れ」
「うっ、そりゃ、ツキシロだってこんな胸恥ずかしいよ。でもアサトシだし、まったく触れられないとそれはそれで……お母さんがお母さんだから仕方ないけどさ、なんでこんなおっきくなっちゃったんだろ」
頬を赤らめながらチュッとくちびるを尖らせ、萌花はここにいない製造者への文句を口にした。
「まぁ、お前がどうなろうと、その綺麗な髪と目があれば見間違わねぇよ」
俺が萌花の前髪越しに彼女の瞳を覗き込むと、彼女の目がゆるんだ。
「えへへー♪」
両手をお腹の辺りで重ねて、ツーサイドアップの房が猫の尻尾のように揺れた。
――こいつ本当にかわいいな。
正直、一日中でもかまっていたくなる。
マジで妹にしたい。こいつの姉ちゃんがうらやましい。
「と、そういえばお前の姉ちゃん、心愛(ここあ)は?」
「もぉ、何言っているのアサトシ? お姉ちゃんならここに……いない!?」
姉の不在に、萌花がガビンと固まった。
彼女の眼には、姉の輪郭上の点線が見えていることだろう。
「あ、いた」
きょろきょろぐるぐると周囲をせわしなく見回した萌花が視線を止めた先。
競技場入り口前に植えられた桜の木の下では、亜麻色の房がぷるぷると震えていた。
「まったくお姉ちゃんてば恥ずかしがっちゃって。アサトシ、GO」
萌花に指をさされるがまま、俺は木の裏に顔を出した。
見下ろせば、木の根元に、萌花と瓜二つな女の子がしゃがんでいた。
「ふゃぁ、最初になんて言えばいいんだろぅ……あさとし、背ぇ伸びてあんなにカッコよくなっているの反則だよぉ……いやあさとしはもとからかっこよかったけどそれがますますっていうか」
両手を赤面に当てたまま、悩んだりにやけたり不安げになったり言い訳をしたり、ころころと表情を変えながら、彼女は独り言を続けていた。
このまま、いつまで続くのか鑑賞させてもらう。
「昨日いっぱい練習したけどやっぱり不安だよぉ。『元気だった?』は普通だし『これからまた一緒だね』は恥ずかしいし、朝ちゃんと二回もシャワー浴びたし匂いはだいじょうぶだよね? 髪もちゃんとセットしたし変なところはどこも……」
ポケットから取り出した手鏡に映った彼女と目があった。
鏡の中で、心愛は目を丸く広げて、顔が二倍も赤くなった。
「ふゃんっ!?」
「よっす。三年ぶりだな」
猫に見つかったハムスターみたいに飛び上がった心愛に、俺は軽く手を挙げた。
「あああああ、あさとし!? ヘリコプターがいい天気だね!」
テンパっておかしな言葉を口にする幼馴染俺は噴き出した。
「そうだな、晴れ時々東雲朝俊で空から俺が降って来るぞ」
「ぁぅ……」
心愛は恥ずかしさでいっぱいの赤面をうつむかせながら、視線を横に逸らした。
その姿が可愛くて眺めていると、彼女のワンサイドアップを結ぶ青いリボンに目が留まった。
「そのリボン、まだ持っていてくれたんだな」
心愛の顔が明るく上がった。
「うん♪ だって主人公がつきしろのために縁日で取ってくれたリボンだもんっ」
心愛は大きな胸の前でちっちゃなグーを作って笑顔を見せてくれた。
「そこだけ聞くとかっこいいけどただの大食い大会だろ」
「それでもだよ♪」
さっきまでのテンパり具合が嘘のように、心愛はすっかり上機嫌だった。
そこに、妹である萌花が意地悪な声を絡ませてくる。
「もぉ、お姉ちゃんてば現金だなぁ。今朝までアサトシに会うのにどのシャンプー使ったらいいんだろうとかどの匂いが好きかなとか騒いでいたのに」
「そ、それは言わないでよぉ!」
心愛は慌てながら萌花をむぎゅりと抱きしめた。それ、攻撃になっているのか?
姉妹の仲睦まじさに俺が和んでいると、和を乱す居丈高な声が乱暴に割り込んできた。
「東雲朝俊! このワタクシと決闘なさい!」
振り返ると、金髪碧眼の派手な女子が立っていた。
――ていうか乳でけぇな。
スイカをまるごとふたつ、詰め込んだような規格外のサイズに、つい圧倒された。
萌花より胸の大きな女子がいることに驚きつつ、俺は首を傾げた。
「え? 嫌だけど?」
俺が断ると、金髪女子の顔がこわばり、周りの生徒たちが俺らを囲みながらざわつく。
「何故!? このワタクシが決闘しろと言っているのよ!」
「なんでって、する理由がないしな」
「理由ならありますわ」
金髪女子は鼻を鳴らすと背を逸らし、巨大な胸を突き出した。
「中等部主席のワタクシは、必然、現、高学部一年首席。だけど、魔王軍幹部ヤルゴットを倒したアナタは今や最強候補の一角。最強が誰かはっきりさせるべきだわ!」
「じゃあお前の不戦勝でいいよ」
「なっ!? ま、負けるの怖いんですの?」
金髪女子は頬を引きつらせながら、無理のある作り笑いを浮かべた。
「別に俺最強とかどうでもいいし、やる意味ねぇだろ」
俺が溜息を吐きながら踵をかえそうとすると、金髪女子は声を荒らげた。
「だとしても、このワタクシの誘いを断るだなんていったい何様!?」
「お前が誘ったからなんなんだよ? ていうかお前こそどこの誰だよ?」
「あがっ!?」
それは金髪女子だけでなく、周囲の生徒、そしていつの間にか集まっていたマスコミの人の口からも漏れ出た声だった。
心愛が震えた声で俺の肘に触れてきた。
「あ、あのねあさとし、アメリナは凄い有名人なんだけど……」
「無理だよお姉ちゃん、アサトシこの手の話は全然だもん」
俺を挟んだ反対側で、萌花は額に手を当てて首を左右に振った。
「アナタね! この【世界の至宝】【人類の守護者】【美し過ぎる救世姫】と称されるアメリナ・ハリソン様を知らないなんてどこの田舎出身よ!」
「へぇそりゃ凄いな。っで、何万人ぐらいの人類を救ったんだ?」
「え? いえ、ワタクシは学生ですしまだ実戦は……」
「え? なのにそんな名前を称されて恥ずかしくないのか?」
「ッッ~~~~~~~!」
アメリナは真っ赤な顔を歯を食いしばり、握り拳を震わせた。
「悪いけど時間の無駄だし、俺は教室の集合時間まで幼馴染と喋りたいことがあるんだ。じゃあな」
言って、俺は心愛と萌花の手を取った。
ふたりの手はやわらかく、そして熱かった。
「お待ちなさい!」
今度はなんだと俺が倦怠感丸出しで立ち止まった。
アメリナはこちらを鋭く指さしながら、腰に手を当てた。
「エリジオン学園最初の授業で、必ずワタクシのほうが格上だとわからせてあげるわ!」
「あのなぁ、学園の教室は男女別なんだぞ?」
「でも、最初の授業は全クラスの合同だもの。二人ペアになっての魔獣狩り。そこで一番の大物を倒したペアは表彰されるの。ワタクシとアナタ、表彰されたほうが学年最強よ!」
「だってよ、心愛と萌花も頑張れよ」
「アナタが頑張りなさい!」
アメリナがまだ何か言っている風だったけれど、俺は無視してその場を離れた。
俺のデバイスに学園からメールが届いたのは、その五分後だった。
◆
「それでお姉ちゃんが膝の上で猫がお昼寝したせいで動けなくて学校遅刻しちゃったんだよ。お姉ちゃん動物に優しすぎて可愛いよね」
「ちょっとやめてよ萌花。なんでいつも萌花は全力でお姉ちゃんの醜態をあさとしに報告するの!?」
「LIMEの内容もほとんど心愛のことだったな」
「ふゃっ!? まま、まさか萌花、あのことまであさとしに言っていないよね!?」
「え~、なんのことかなぁ?」
「もぉ~かぁ~!」
月城姉妹に挟まれ空白の三年間を埋めるように思い出話をする俺は、いつの間にか校舎を歩いていた。
そろそろ男子棟と女子棟で二人とはお別れだろう。
と、思ったのだが、なかなか二人が離れない。
「それでさぁ、お姉ちゃんてばぁ」
「萌花ぁ~」
女子だらけの廊下を抜けて、女子だらけの階段を上って、一年生教室のある三階に辿り着くと、左手の廊下奥に男子たちの姿が見えた。
「あ、もう着いちゃった。早いなぁ」
男子棟への渡り廊下を一瞥して、心愛がさびしそうに呟いた。
「そうだよね、ずっと一緒だったらいいのに、とお姉ちゃんは申しています」
心愛は無言で萌花を抱きしめた。
萌花はきゃー、と喜んだ。
けれど、俺は教室の番号を見上げてから、MR画面のメッセージを確認した。
「いや、俺の教室あっちじゃなくてこっちなんだけど」
「「え?」」
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本作はひたすら下品で幼稚なエロが並びます。
ヒロインはピュアキュアでキュートで白ワンピでお花畑を無垢な笑みで歩いていなければならない、と考えている方は鏡銀鉢の別作品をご覧ください。【追放貴族とハズレゴーレム】とか。
ただし本作はビッチヒロインの話ではなく、ピュアキュアでキュートで白ワンピでお花畑を剥くな笑みで歩いているヒロインが裸を晒して「みちゃだめぇ!」と恥じらったり、自身の内なる性欲に戸惑い「どうしよう、主人公君にえっちな子だって思われちゃう」とか「はしたない子でごめんね」となるのエロ可愛くていいよね、という作品です。
関係ないけど異種族レビュアーズのクリム君が最初、えっちなのはいけません側だったのに、途中から恥じらいながら風俗通いしたり、ついには自ら積極的に嬢を買うようになったのが好き。
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