私の街への希望
へこあゆ
第1話
私のカメラの記録にあるのは、鮮やかな景色。
それは私が以前住んでいた街の景色があった。
私は突然200年後の未来に飛ばされてしまったのだった。
そこにあるのは忘れ去られた私の街。砂漠に変貌してしまった景色だった。
未来の街には誰もいない。温かな家族、私を愛してくれていた恋人。私が家族同然に愛していた隣の家のゴールデンレトリバー。
私はひとりぼっちになってしまった。
私に突然悲観的な気持ちが押し寄せられ、無機質な未来の街をカメラに写そうとしたその時、砂漠の中に小さな蟻が巣を作っているのを見つけた。
この無機質な未来にも蟻は家族と共に生きている。
私は蟻の行列に感謝した。蟻等を見ていると私が生きている実感がでてきた。
私が好きだった街がどんなに荒れ果て、色彩がなくなり、愛していた物全てがいなくなってしまっても、新しい生命が未来ではこの街を形作っているのだと。
私は蟻の行列をカメラに写し、生きる糧とすることに決めた。
蟻の他にも生命がいるのかもしれない。
そう希望を抱きながら、私は荒廃した砂漠を歩き出した。
私の街への希望 へこあゆ @hekoF91
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