第3話
仁奈と知は、休み時間や放課後を一緒に過ごすことが増えた。二人は学校内のカフェテリアや図書館、時には体育館で過ごし、互いのことをより深く知る。
ある日の放課後、仁奈と知は学校の庭で座っていた。知は少し沈んだ表情をしていた。
仁奈「知さん、何か悩んでいることがあるの?」
知は少し黙り込み、ためらいながら口を開いた。
知 「実はね。私には母親がいないの。」
仁奈は驚いた表情を浮かべたが、すぐに優しく知の肩に手を置いた。
仁奈 「そうだったんだ…。でも、知さん、私がいるよ。」
知は感謝の気持ちを込めて微笑んだ。
知 「ありがとう、仁奈さん。それにね、父親もほとんどいないから、よかったら、今日、家に来ない?」
仁奈
「良いよ。わたしは、知がよければ。」
仁奈と知はスーパーの中を歩きながら、夕食のメニューについて話し合っていた。
仁奈 「何を作ろうか?簡単で美味しいものがいいよね。」
知 「うん、どうせならパスタとかどう?簡単だし、美味しいよ。」
二人はパスタの材料を選び、さらにサラダやデザートも買い込んだ。知は、仁奈との夕食が楽しみで仕方なかった。
仁奈 「今日は嬉しいな。知さんと一緒に料理するの、楽しみだな。」
知は微笑みながら頷いた。
知 「本当にありがとう、仁奈さん。あなたがいてくれて、良かった。」
知の家に到着すると、仁奈は知の手助けをしながら料理を始めた。二人は笑いながらパスタを作り、サラダを用意した。
仁奈 「こんなふうに一緒に料理するのって、楽しいね。」
知 「うん、そうだね。」
夕食が完成し、二人はテーブルに座って食事を楽しんだ。知は仁奈に感謝の気持ちを伝えながら、少しずつ心を開いていった。
知 「仁奈さん、ありがとう。あなたがいてくれることで、私、救われてる。」
仁奈 「知さん、私もあなたのことが大切だよ。」
二人は互いに微笑み合った。夕食後もリビングでおしゃべりを続ける、特別な夜だった。
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