第2話

新学期が始まり数日が経った頃。仁奈は知のことが頭から離れず、彼女のクラスの教室を訪れることに決めた。




仁奈は授業が終わるとすぐに、知のクラスの教室へ向かった。廊下を歩きながら、彼女の胸は少し高鳴っていた。何か特別な理由があるわけではないが、知のことがどうしても気になっていた。


教室に到着すると、知は机に向かってノートを整理していた。仁奈の姿に気づくと、驚きながらも嬉しそうな表情を浮かべた。


知 「仁奈さん、どうしたの?」


仁奈 「ちょっとあなたと話したくて、授業が終わったらすぐにここに来たよ。」


知 「それは嬉しいな。ありがとう。」


知は荷物をまとめると、仁奈と一緒に教室を出た。二人は校内を歩きながら、自然と学校の庭へと足を向けた。




学校の庭。広がる芝生の上で、柔らかな春の風が吹く中、二人は静かに座り込んだ。




仁奈と知は、芝生の上に腰を下ろした。空を見上げると、青い空と白い雲が広がっていた。しばらくの沈黙の後、仁奈が口を開いた。


仁奈 「知さん、君がここに転校してきた理由、教えてもらえないかな?」


知は少し考え込みながら、穏やかな笑顔を浮かべた。


知 「実は、家族の都合で引っ越してきたんだ。お父さんの仕事が変わってね。」


仁奈 「そうだったんだ。新しい環境に慣れるのは大変だよね。でも、あなたが来てくれて嬉しいよ。」


知は感謝の気持ちを込めて微笑んだ。


知 「ありがとう、仁奈さん。まだ慣れないことも多いけど、あなたみたいな友達ができて心強いよ。」


二人はしばらく芝生に座りながら、お互いの好きなことや趣味について話し始めた。話が進むにつれて、二人の間にある距離が徐々に縮まっていくのを感じた。


仁奈 「知さんってなんだか温かい。」


「ありがとうございます。」


二人は微笑み合った。

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