第31話 あいつ……俺の幼馴染に似てる気がする
俺はあれからずーとゲームをプレイしていると正孝からOINEメッセージが届く。
(正孝) なぁ、明日お前暇? 暇だったらよ! 前、約束していたゲーム買いに行こうぜ!
明日か……俺は何も予定がないな……
俺はそう、予定がないことを確認して、正孝に行ける旨のメッセージを飛ばした。
(かいと) わかった……場所は? いつもの「モオン」か?
(正孝) ああ! もちろん、明日午前一〇時集合な! 忘れんなよ!!
そういえば……正孝と二人きりで出かけるのは久しぶりだな……
後で、中川さんにも言っておかないと……俺はそう思った。
ーーそして、中川さんが帰って来た。
「あのね! あのね! バイトの書類いっぱいもらってきちゃった!!」
何故か彼女は、はしゃいでいた。
「どうしたの? 中川さん! なんか、嬉しそうだね!」
彼女は嬉しそうにぴょんぴょん跳ねる勢いで俺の近くにやってきた
「実は明日ね! お友達と一緒に遊ぶの!」
「それはよかったね!」
彼女の喜びようでなんだかこっちまで嬉しくなる。
ところで……明日、俺も正孝と出かけるから家には誰もいなくなるな……
「中川さん……そういえば、俺も明日モオンに正孝と出かけるんだ!」
そう彼女に明日出かけることを伝えた。俺のことだ……今伝えないと伝え忘れると思ったからだ
「そうなんだ! もしかしたら! 明日どっかで会うかもね!!」
「え? 会うって? 中川さんも、もしかしてモオンで買い物とか?」
「ピンポーン!! 山田くんも田中くんと一緒にモオンに行くんでしょ!?」
彼女はニコッと笑った。
そういえば……彼女はこの世界に来てからスマホが機能していない……
友達と出かける際の連絡手段は、どうするんだ?
俺は心配になり、彼女に聞く。
「ねぇ、中川さん……その、明日何時に待ち合わせとかって決めてるの?」
「うん! 私! 九時に雫の家に行ってそっから一緒に行くことになってるんだ!!」
「そうなんだ……楽しんでね!」
「うん! 楽しむ!!」
そう彼女は頷きにっこり笑う。
俺と彼女は出掛ける先は、一緒なのか……
ーーそして、次の日
彼女は俺より先に家を出て、月野さんの家に向かった。
俺は正孝と十時に現地に待ち合わせをしているため、中川さんが家を出てから少し経ってから家を出た。
俺は早めに家を出たことにより、待ち合わせよりも三十分も早くきてしまった。
俺はショッピングモール入り口の近くにあるベンチにゆっくり腰を下ろし、スマホゲームをして時間を潰していた。
その時、俺は見慣れた声を耳にする。
「あ! いたいた! おーい! みんな〜〜」
「雫ー!! 鈴音ー!!」
「やっほ!!」
まさかと思い、声のする方を見ると、そこに中川さんと月野さん……そして、クラスメイトの女子二人がモオンの前で一学期最後の日以来の再会をしたことに喜んでを感じていた。
俺は彼女たちから目線を外しゲームに集中しながらしばらくベンチに座って正孝が来るのを待っていると……
「山田くんなんかめちゃくちゃうまいね! そのゲーム!」
「あぁ、まあ、このゲーム相当やりこんでいるからな……ん?」
俺は突如後ろから誰かに話しかけられたことでどうせ正孝が話しかけてきたと思い正孝に話す口調で喋ったが、明らかに正孝じゃない声に気づいた。
「月野さん!? なんで!?」
「エヘヘ! びっくりした?」
「そりゃ! びっくりするよ!」
「実はね! さっきそこで山田くんらしい人が座ってるな! って思って近づいて見たら、ほんとに山田くんでもう本当に面白い……ぶ! アハハ!!」
月野さんはなんだか嬉しそうに笑った。
「本当に偶然だね……月野さん……俺ほんとにびっくりしちゃったよ……」
「エヘヘ! 山田くんはさ学校じゃない日にわたしと会えて嬉しい?」
彼女はニヤニヤしながら聞いてくる。
「え? 嬉しいか? それはもちろん嬉しいよ……月野さんに今あえて……」
俺はその質問に何を言えば正解なのかわからず今の発言をした。
「あうん……一緒だね! わたしも嬉しいよ……」
月野さんは自分で質問しておきながら俺が答えると顔を真っ赤にしてか弱い声でつぶやいた。
どうしたんだろう月野さん……もしかして俺なんかまずいことを言っちゃったかな?
「雫ーー!! 置いてくよ!!」
すると、月野さんの友達が月野さんのことを呼び始めた。
「あ! ごめん! 待ってー!!」
「じゃあね! 山田くん! またどこかで!」
「うん……それじゃ……またね月野さん……」
月野さんは俺に手を振って、友達のところへ戻って行った。
月野さんの後ろ姿をしばらく眺めていると、月野さんのグループの後ろにいた中川さんが俺に笑顔で手を振ってきたので、俺は照れながら彼女に手を振りかえした。
それから三十分が立って、ようやく正孝が到着した。
「よう! 正孝! なんかお前と会うのは久しぶりな気がするな……」
まぁ、まだ学校が夏休みが始まってから……一週間しか経っていないんだけど、なんだか久しぶりな感じがする。なんだろうなこれ……一時期すごいハマってたゲームを一旦放置して違うゲームをめちゃくちゃやった後、また放置していたゲームをやるとなんだか懐かしく感じる……要はそれと同じことなのか?
「お前! 早いな今日は!」
「うん……ついつい時間見ずに出たら早く着いてしまった」
「そうなのか! 待たせて悪いな! それじゃあ行こうぜ! 海人!」
俺と正親は二人揃って「モオン」の中に入って行った。
「なぁ、まずどこ行く?」
俺は横で歩いている正孝にそう聞く。
今日はなんだかわからないけどこのショッピングモールに人がいつもより多い気がした。
「ん? 決まってんだろ! ゲーム売り場だよ! ゲームを買いに、まずはイエロー電気だろ!」
イオロー電気か……イエロー電気は全国に展開している大型家電量販店だ……
「んじゃ! 行くか……イエロー電気……」
そして、俺たちはイエロー電気へと向かう。
「よしよし! 買うぞ!! 「アニマルクエスト」買うぞ〜〜」
そう言って、正孝は他のイエロー電気のコーナにも目もくれないで……
ゲームコーナーにひたすら歩いて行った。
俺もその後を追いかける。
俺が正孝に追いつくと、正孝は「アニマルクエスト」のゲームソフトを手に取って、はしゃいでいた。
「はは! あってよかったな……正孝!」
「ああ! よーし! 今日からやりこむぞ!!」
そう正孝は嬉しそうに言った。
「ほいよ、これお前の分」
そう言って、正孝は俺に「アニマルダンジョン」のソフトを渡してくる。
「ありがとう……それじゃあ、買いに行くか!」
俺は正孝ににっと! 笑って一緒にレジまで歩いて行った。
ーーそれから、俺たちはゲームソフトの入った袋を片手にゲームセンターへと足を運んだ。
「へへっ! やっぱりここに来たらここだよな!」
そう正孝が笑って言った。いつも正孝とショッピングモールにあそびにくると一緒にゲームセンターやらに遊びに来ている。
「それで、どうする? なにする?」
俺はゲームセンターに目を光らせるまさたかに聞いた。
「とりあえず……色々みて回ろうぜ!」
しばらくゲームセンターを歩いていると、ゲームセンターのクレーンゲームの商品にあの「僕の友達は眩しすぎるほど可愛い」のヒロイン、
結果は三千円も使って、やっと取れた。
「やべ、ついつい、使いすぎちまったけど……まあいいや」
俺はそう小さな声で独り言を言って、そのフィギュアを袋に入れて歩き始めた。
「あれ? そういえば、あいつどこ行った?」
俺は正孝を探したゲーセンを彷徨った。
すると……正孝はゲーセンで人気のある格闘ゲームに人だかりができてるその中にぽつりといた。
「おい、正孝……一体どうした?」
俺は人だかりの中の正孝にそう聞いた。正孝は目を細めながら奥の方を見ていた。
「似てる気がする……」
「ん? なにに? てか、なにが?」
正孝のが似てると言った目線の先にはゲーセンにある格闘ゲームで無双している。金髪ショートカットの女の子がいた。
「あいつ……俺の幼馴染に似てる気がする……」
「は? 幼馴染って? あの?」
正孝は以前から俺に昔女の子の幼馴染がいたとよく話をしていた。あのよく話していた幼馴染ってことか!? 俺はそう思いその金髪ショートカットの人を見た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます