4章 夏休み

第29話 ねぇ! 夏休みもし良かったらさ! 一緒にプールでも行かない?

 ーーそして、テストが終わってからおよそ二週間が経過した。俺は学校に登校してくる時……近くで歩いている生徒たちのテンションが高いように感じた。

 ーーだって、明日から夏休みなのだから……


 俺はいつも通り学校の近くまで中川さんと一緒に登校して、それからは中川さんを先に学校へと行かせた。


 俺は学校に着くなり、下駄箱で、月野さんにばったりあった。


「ほ? あ! 山田くん! やっほー」


 そう、彼女が嬉しそうに近づいて来た。


「嬉しそうだね、月野さん……」


「そりゃ! 嬉しいでしょ!! だって夏休みがやってくるんだもん!!」


 まぁ、そりゃ、そうだよな……


 続けて月野さんはある提案をして来た。


「ねぇ! 夏休みもし良かったらさ! 一緒にプールでも行かない?」


「えっ、プール?」


 そう、俺は月野さんに誘われた。

 も、も、もしかして、二人で!?


「あ! 鈴音とか誘ってさ!」


 ……ですよね……てか、二人だと緊張してしょうがない。


「うん、考えてみるよ!」


 俺はとりあえず月野さんにそう答えた。

 すると月野さんは喜んで言った。


「えへへ、前向きに検討お願いね!」


 それからは、俺と月野さんは一緒に教室へと向かった。


 彼女とは特に中川さんがこの世界にやって来てから、結構、距離が近くなった気がした。これは、もう友達と呼べるのだろうか?


 ちなみに俺は今回の期末テストは、赤点回避の補習回避だった。

 そして、期末テストの結果にて、一番驚いたのは、中川さんだ、彼女は期末テストの順位が二位だったので、とても驚いた。


 俺は、教室に着くなり、自席に座って、ぶっ倒れる。

 ここ最近は、特に暑い、いや暑い、本当に暑い、月日は七月下旬にさしかかり……

 夏の暑さが一際目立つようになる。


「ふっ〜これで夏休みか」


 俺は自分の席に顔をくっつけてそう言う。

そして、先生が教室に到着するのを待った。


「みなさん! 席について!」


 しばらくすると教室に先生が入ってくる。先生は教卓に着くなり、カバンに入ってた、うちわを持って仰ぎ始める。


 それからみんなが席につき始める。


「それじゃあ、一学期! 最後の朝のショートホームルームを始める!」


 そう、先生が喋り始める。


「みなさん! もうご存知かもしれないけど……明日から何が始まる?」


「夏休みでーす!」


 そう、先生が聞くと、生徒の一人がそう告げる。


「そう、夏休み! みなさんには、夏休みを思いっきり楽しんで欲しい! それと、夏休みが終わって、二学期は、体育祭、文化祭、そして、修学旅行と行事がとても多いぞ! みんな二学期も頑張るように!! それじゃあ!! LETS!! 夏休み!!!」


「おおーーーーーー!!!」


 そう先生が言うと、クラスの皆が立ち上がって、声を上げる。


 ……えっ? なに、どういう状況これ?


 ーーーこうして、夏休みが開幕した。


 俺は学校からの帰り道、いつも通り中川さんと下校をしていた。


「あっ、そうだ! 中川さん……バイトの面接の日にちが決まったよ!」


「えっ! 本当!! やったーー」


 そう、俺は彼女に頼まれた通り、彼女に俺の働いているバイト先でバイトできるから店長に聞いていたのである。


「山田くん! これで私も少しは山田くんにお返しできるね!」


 そう言ってにっこりと笑った。


「別に……」

 もう、お返しは十分もらっているのに


 俺は彼女の笑顔にやられて言葉が出なかった。



 ーーそして、夏休み開幕から、三日後、彼女は朝起きてからなんだか、そわそわしていた。

 それはそうだ……今日はバイトの面接だから……


 彼女は俺とバイトの面接練習を重ねていた。

 それでも彼女は心配していたので俺はできるだけのエールを送った。


 彼女がバイトの面接を行くためにバイト先に行くので、俺も一応道案内も含めてついて行った。


 バイト先に行くと、彼女はレジにて、バイトに来たムネを伝えて、店長に言われて、面接をするため、店舗の二階へと上がって行った。


 俺はそれを見届けて、そこで待っていようとすると


「あら? 山田くんじゃない」


 そう、橋本先輩に話しかけられた。


「橋本先輩……こんにちは」


「ええ! こんにちは! 今日は聞いたわよ! あの面接に来た子、すごい美少女ちゃんね! 山田くんの友達?」


「先輩、覚えていませんか?五月頃、食堂にて会った時に、俺と一緒に学食食べていた、転校生の中川さんですよ!」


 俺は鮮明にあの時の事を先輩に聞く。すると、先輩は何かを思い出したように


「あっ! あの、転校してきた美少女ちゃんね!」


 そう言った。

 よかった、先輩覚えてくれて


「へぇ〜ずいぶん、山田くんと仲がいいようね」


「まぁ、大切な友達ですよ……」


 俺は先輩にそう答えた。

 すると、先輩はこっちを向いてスマホを出してきた。  


「ねぇ、山田くん……もしかして、美少女ちゃんの面接が終わるまで……ここで、待ってる気?」


「ええ、そうなりますね、彼女、今スマホ壊れてて、連絡手段ないので」


「それじゃ! 私と連絡交換しよう!」


 は? どっから、なぜそうなる?

 俺はそう思い、先輩に聞き返した。


「あの? どういう事ですか? 先輩……」


「あ、ごめんね! 私の説明不足だった……えっと、美少女ちゃんの面接が終わったら、私が山田くんに連絡するから、それまで近くのカフェでのんびりしてていいよ!」


 そう言われた。

 俺はそういうことか……と思い、彼女とOINE《連絡先》を交換して、俺は先輩にお礼を言って、一旦バイト先を出た。


 そして、近くのカフェに彼女を待つ間、立ち寄るためにゆっくりと歩き始めた。


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