2章 夏休み
第29話 ねぇ! 夏休みもし良かったらさ! 一緒にプールでも行かない?
ーーそして、テストが終わってからおよそ二週間が経過した。俺は学校に登校してくる時……近くで歩いている生徒たちのテンションが高いように感じた。
ーーだって、明日から長期休み……夏休みなのだから……
俺はいつも通り学校の近くまで中川さんと一緒に登校して、それからは中川さんを先に学校へと行かせた。
俺は学校に着くなり、下駄箱で月野さんにばったりあった。
「ほ? あ! 山田くん! やっほー」
彼女が嬉しそうに近づいて来た。やっぱり月野さんももうすぐやってくる夏休みに心躍らせているのだろうか……
「嬉しそうだね、月野さん……」
「そりゃ! 嬉しいでしょ!! だって夏休みがやってくるんだもん!!」
まぁ、そりゃそうだよな……夏休みはとっても嬉しいよな……
続けて月野さんはある提案をして来た。
「ねぇ! 夏休みもし良かったらさ! 一緒にプールでも行かない?」
「えっ、プール?」
「あ! 鈴音とか誘ってさ!」
「うん……考えてみるよ!」
俺はとりあえず月野さんにそう答えた。
すると月野さんは喜ぶ仕草をみせて言った。
プールか……そういえばもう何年も行ってないな……それに、まさか月野さんに誘われることになるとはな……
「えへへ! 山田くん! 前向きに検討お願いね!」
それからは、俺と月野さんは一緒に教室へと向かった。
月野さんとは特に中川さんがこの世界にやって来てから、結構距離が近くなった気がした。月野さんは俺のことを友達と認識してくれているのだろうか……
ちなみに俺は今回の期末テストは、赤点回避の補習回避だった。
そして、期末テストの結果にて、一番驚いたのは、中川さんだ、彼女は期末テストの順位が二位だったので、とても驚いた……いや、驚きはしない……当然っちゃ当然だ……俺は知っている俺が寝た後、彼女は密かに勉強をずーとしていたことを……俺は期末テストに向けた彼女の頑張りを知っているだから当然と言っちゃ当然だ……
俺は、教室に着くなり、自席に座って机にぶっ倒れる。
ここ最近は、特に暑い……いや暑い……本当に暑い、月日は七月下旬にさしかかり……
夏の暑さが一際目立つようになる。朝投稿してくる時も体育の授業をしたんじゃないかと思うほどの汗の量をかく……
「……これでやっと夏休みか」
俺は自分の席に顔をくっつけてそうひとりでに呟く。
そして、先生が教室に到着するのを待った。
「みなさん! 席について!」
しばらくすると教室に先生が入ってくる。先生は教卓に着くなり、カバンに入ってた、うちわを持って仰ぎ始める。まあ、暑いからな……
それからみんなが席につき始める。
「それじゃあ、一学期! 最後の朝のショートホームルームを始める!」
そう、先生が喋り始める。
「みなさん! もうご存知かもしれないけど……明日から何が始まる?」
「夏休みでーす!」
先生が聞くと生徒の一人がそう告げる。まあ、明日から何が始まると言われて夏休み以外を答える人はきっといないと思うがな……
「そう……夏休み! みなさんには、夏休みを思いっきり楽しんで欲しい! それと、夏休みが終わって、二学期は、体育祭、文化祭、そして、修学旅行と行事がとても多いぞ! みんな二学期も頑張るように!! それじゃあ!! LETS!! 夏休み!!!」
「おおーーーーーー!!!」
そう先生が言うと、クラスの皆が立ち上がって、声を上げる。
……えっ? なに、どういう状況これ?
俺はとりあえずみんなイスから立ち上がったので仕方がなくみんなの真似をして立ち上がった。
ーーーこうして、夏休みが開幕した。
俺は学校からの帰り道、いつも通り中川さんと下校をしていた。
なんだろうな……毎年夏休みが来た時に思うのだが……学校が終了してからの帰り道青い空……白い雲を見るとなんだか夏休みが始まったという感じで幸福感に満たされる……
「あっ、そうだ! 中川さん……バイトの面接の日にちが決まったよ!」
「えっ! 本当!! やったーー」
そう、俺は彼女に頼まれた通り、彼女に俺の働いているバイト先でバイトできるから店長に聞いていたのである。
「山田くん! これで私も少しは山田くんにお返しできるね!」
そう言ってにっこりと笑った。
もう、お返しは十分もらっているのに……それに最近のテストの勉強など彼女には相変わらず世話をかけてもらっている……いつか彼女にはお返しをして彼女を喜ばせてあげたい……
ーーそして、夏休み開幕から、三日後、彼女は朝起きてからなんだか、そわそわしていた。
それはそうだ……今日はバイトの面接だから……
彼女は俺とバイトの面接練習を重ねていた。
それでも彼女は心配していたので俺はできるだけのエールを送った。
彼女がバイトの面接を行くためにバイト先に行くので、俺も一応道案内も含めてついて行った。
バイト先に行くと、彼女はレジにて、バイトに来たムネを伝えて、店長に言われて、面接をするため、店舗の二階へと上がって行った。
俺はそれを見届けて、そこで待っていようと空いている席に座った……てか、ここら辺の席を見ると根石さんを思い出すな……あん時の出来事はいまとなっちゃいい思い出か……でもどうやって根石さんはこの世界にやってきたのだろうか……それは本当に気になるな……
「あら? 山田くんじゃない」
すると、ここで同じく働く橋本先輩に話しかけられた。
「橋本先輩……こんにちは」
「ええ! こんにちは! 今日は聞いたわよ! あの面接に来た子、すごい美少女ちゃんね! 山田くんの友達?」
「先輩、覚えていませんか?五月頃……食堂にて会った時に……俺と一緒に学食を食べていた、転校生の中川さんですよ! 生徒会長……会っていませんでしたか? 彼女に……」
俺は鮮明にあの時の事を先輩に聞く。すると先輩は何かを思い出したようだった。
「あっ! あの、転校してきた美少女ちゃんね!」
よかった、生徒会長覚えてくれて……
てか、なんだ美少女ちゃんとは……
「へぇ〜ずいぶん、山田くんと仲がいいようね」
「まぁ、大切な友達ですよ……」
すると、先輩はこっちを向いてポケットからスマホを出してきた。
「ねぇ、山田くん……もしかして、美少女ちゃんの面接が終わるまで……ここで、待ってる気?」
「ええ、そうなりますね、彼女! 今スマホ壊れてて、連絡手段ないので」
「それじゃ! 私と連絡交換しよう!」
は? どっから……なぜそうなる?
俺はそう思い、生徒会長に聞き返した
「あの? どういう事ですか? 先輩……」
「あ、ごめんね! 私の説明不足だった……えっと、美少女ちゃんの面接が終わったら、私が山田くんに連絡するから、それまで近くのカフェでのんびりしてていいよ!」
俺はそういうことか……と思い、彼女とOINE《連絡先》を交換して、俺は先輩にお礼を言って、一旦バイト先を出た。
そして、近くのカフェで彼女を待つためにカフェに向かってゆっくりと歩き始めた。
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