第28話 コンビニ

 ーーそして、一週間後、期末テストがついにやって来た……


 俺はこの一週間、中川さんにきっちり勉強を教えてもらった。その代わりと言ってはなんだが俺が教えられる範囲で歴史の勉強を中川さんに教えてあげた……もし、これで赤点なんか取ろうものなら彼女に申し訳がない……


「山田くん! 今日から期末テスト頑張ろうね!」


 そう、彼女が今日一番の最高の笑顔を見せて言った、俺はそれに大きく頷いた。

 絶対に赤点回避して見せる……彼女が俺に教えてくれてその頑張りを無駄にするわけには絶対にいかない


 ーーそして、教室に到着すると、みんなテスト前だからと机に座ったり友達と問題を出し合ったりして勉強をしていた。

 教室に入って自分の席に着くなり、正孝と真壁が話しかけて来た。


「なぁ、お前は赤点大丈夫そうか?」


 真壁が心配そうに聞いて来た。真壁も真壁で一応毎回赤点ギリギリだからな……俺と正孝と真壁は互いに赤点をとった時には互いに傷を舐め合っていた。


「まぁ、俺は大丈夫そうだと思うかな……けど、二人こそ大丈夫なの?」


 俺はそこにいる二人にそう聞き返した。俺は家で中川さんに教えてもらったから大丈夫だと信じたいが……


「まぁ、まぁ、余裕だぜ! なぁ、正孝!! はは」


 これは……やばそうだな……

 俺は、真壁の表情からそう読み取った。


「俺も……まぁ、ぼちぼちって感じ……」


 そう三人で会話をしていると、先生が入って来たので、俺たちは席に着こうとする。

 席に戻るさい、中川さんがこっちを見ていたので……俺は中川さんにグッチョブのジェスチャーをした。

 それに対して中川さんは小さく笑い、こっちに小さく手を振る、そして口パクで頑張ってと……そう言った感じがした……


 頑張るよありがとう中川さん……中川さんも頑張ってね……応援してるから


「よーし! お前ら! 今日から期末テストだ! お前ら! 気張っていけよー!!」


 今日、何だか先生は熱血だった。まあ、先生にしてはみんなにいい点数をとって欲しいという思いが根本的にあると思うが……


 こうして、俺たちの夏休み前の大一番! 期末テストがスタートした。

 この学校の期末テストは、およそ四日間に分けて行われる。

 さぁ、赤点取らないように頑張るとしますか……

 俺は中川さんとの勉強の日々を思い出して固く誓った。


 ーーそしてあれから三日間後……期末テスト全ての日程が終了を告げた。


「くはー! やっと終わったー!」


「疲れたな! でも、これで夏休みさいこうじゃやいか!」


「ねぇ! それで! 夏休みどこ行く?」


 そんな話をクラスのあちこちで聞く。

 クラスメイトの話題は次に来る夏休みの話題でもちきりだった。

 そんな時、俺はというと、机の上でぶっ倒れていた。


「あ〜疲れた、疲れた、疲れた」


 そう小声で繰り返し呟く。俺は多分今回の期末テスト人生で一番勉強したと思っている。


「よーう、海人、テストどうだった?」


 ぶっ倒れてる俺に正孝が聞いて来た。正親の声のトーンはテストが終わったことによるのかは定かではないが、いつもより一回り高く、声から嬉しさが溢れていた。


「ああ〜疲れたよ〜〜ちょー疲れた」


「だよな! ひひ! でも、これで夏休みだー!」


「おい、お前そのテンションどこから来るの?」


 俺は正孝にそう聞いた。

 俺はテストで疲れていてそんなテンションにとてもじゃないがなられるきがしないが、他のクラスメイトを見ても正孝と同じテンションっぽい人が何人もいた。


「だってよ! テストが終わったんだぜ! テストがよ! そりゃなー! テンションが高くなるもんだぜ!!」


 俺は正孝の会話を聞きつつ、中川さんの方をちら見した。

 どうやら、中川さんは月野さんとその他の女子数名と仲良くお話をしている。


 中川さんに話す人が増えることはとてもいいことだ!!

 俺は中川さんに友達が増えてとても嬉しくなった。


「どした? お前急に笑顔になって?」


「えっ? いや、気のせいじゃない、ハハ」


あぶな、今の正孝にみられていたのか……


「なぁ、お前、今度暇か?」


「えっ? 暇だけど……」


 俺は正孝にいきなりそう聞かれたのでびっくりする。


「実はよ! 今度ゲームが発売するんだ!! だからよ! 一緒に買いに行かね!」


 そう正孝が提案して来た。

 ゲームが発売する? あれ? なんかマウスが発売するゲームなんてあったっけ?


「え? 何のゲームだっけ?」


「は? おま! アニマルクエストだよ! アニマルクエスト!! お前忘れんなよな! 一緒に買いに行こうってこの前約束したじゃねぇか!」


「そうだった! ごめん、ごめん」


 あぶね! 完全に忘れてた! ってか、もうアウトなんだが……


 ーーそして、放課後、俺は中川さんの下駄箱に紙を入れる。

 ちなみにかれこれ、一ヶ月くらちこれを続けている。

 やっぱり俺はこれの何がいいのかわからないけど、彼女が喜んでくれるならそれでいいかと思って続けている。

 俺は、いつも通り  

 (学校の近くの公園集合)


 そう、書いてある紙だけを下駄箱に入れた。

 そして、俺は公園のベンチにいつも通り座った。


「ふ〜疲れた! やっぱり動画は疲れたこの体沁みるな……!」


 俺はそう独り言を漏らし、スマホで動画を見ながら彼女を待った。俺はテストの疲れを動画で癒していた。

 すると、しばらく程なくして、彼女が公園にやってきた。


「お待たせ〜山田くん、待った?」


「いや、全然、それよりもテストお疲れ様、それとありがとう! 中川さんのおかげで赤点無さそうだよ」


 とか言って、これで赤点があったらとても困るんからちょっと保険をうっとくか……


「やっぱり赤点あるかもしれないし、ないかもしれない……」


「ふふ! なによそれ! 山田くんの変なの!」


 彼女は微笑ましく笑う。

 俺は彼女との子のなんでもない……普通の時間がなんだか嫌いじゃない……


 俺はベンチから立ち上がり、立っている彼女の近くに行った。


「そうだ、中川さん、これからちょっと寄り道しようか!」


 そして、俺はあっちの方向をみて、笑う。

 せっかくテストが終わったんだ……


「寄り道? いいの? 山田くん」


「ああ! 行こうか」


 そして、俺と彼女は歩き出す。

 寄り道といっても行く所は、決まっているそれは、コンビニだ! 

 俺たちはここから歩いて一番近い、コンビニに行った。


「ここって、どこ? もしかして、コンビニ?」


 そう彼女が目の前にある建物をみて言う。


「うん、コンビニのイーソンだよ!」


「なんだか、この世界のコンビニ初めてだから、嬉しいよ! ありがとう」


 そう彼女は、俺に感謝する。

 あれ? 彼女がこっちに来てから一回もコンビニ来てなかったっけ?

 俺は記憶を思い出してみたが……確かに「モオン」やスーパに行ったことしか今は記憶から出てこない……まぁ、そんな事は今いいや!


「さぁ、入ろうか!!」


 そうして、俺と彼女は、店内の中に入る。

 店内の中に入ると、そこには、いつもと見慣れないコンビニの風景があった。


「へぇ〜いろいろ置いてあるね! やっぱりコンビニはコンビニだね」


 そう、彼女はコンビニのパンコーナーにある、パンを見ながら言った。コンビニは菓子パンが豊富に揃えてあるから……昼何食べるか困った時なとでとっても俺の役に立っている。


「うん、そうだね! あっ、そうだ中川さん、ここにあるアイス何か食べる?」


 俺はパンコーナーの奥にある、アイスが入ってるボックスを見つけて、彼女に聞く。


「いいの? アイス」


「うん! もちろん!!」


「ありがとう!」


 そう言って、アイスを選び始めた。

 そして、俺と彼女はそれぞれアイスを選ぶ。

 俺はチョコレートのアイス、

 彼女はスイカの形をしたスイカアイスを買った。


 そして、俺たちはレジに向かう。

 レジに向かう途中の道には「イーソン」人気商品の「からあげちゃん」が置いてあった。


 俺は小さい頃からこのからあげちゃんを美味しく食べさせてもらっている。


「中川さん、せっかくだから! このからあげちゃんも買っていこうよ!」


 そう言って、俺はからあげちゃんを二つ注文した。

 俺たちはそれから、コンビニの外に出て、アイスの袋を開けた。


 そして、アイスを口の中に入れた。

 やっぱり美味しいなアイスというものは

 そう思う俺の横では、とても最高の笑顔を輝かせている一人の美少女がいる。やっぱりまだ俺の友達に中川さんがいるって俄かに信じがたいな……


 彼女はとても幸せな顔をするもんだから、こっちまで幸せな気分になってしまった。

 それから俺たちはアイスを残り残さず食べ終わった。


「美味しかった〜〜ありがとう!」


 そう感謝を述べる彼女の顔はいつもよりも一段と可愛く見えた。


「そうだ! これ食べてみて!」


 そう言って俺は彼女にさっき買った、からあげちゃんを差し出す。

 彼女はからあげちゃんに付属していた爪楊枝を使ってからあげを口の中に入れる。


「うんうん! とっても美味しい!」


「中川さん美味しかったら全然おかわりしてもいいからね」


「え? いいの? 本当にいいの?」


「うん! 俺にテストを教えてくれてお礼……ってわけではないけどさ……気が済むまで食べてよ!」


「ありがとう!! うん! 美味しい!」


「ちょっと……中川さん……からあげちゃんは別に逃げたりしないんだからさ! その、もうちょっとゆっくり食べても……まあ、いいか……アハハ!」  


「うん? 山田くん何笑ってんの?」


 彼女はそう言って、唐揚げを次々口の中に入れている。

 ほんとに彼女は幸せそうな顔をしてよく食べるな……

 なんだか幸せそうだな本当に……俺はとても幸せそうに唐揚げを頬張る中川さんにとても癒される……


 一章 ゲームの世界からやってきたヒロイン編 完結

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