第27話 山田くんと雫ってとっても仲良いのね!

 ーーそして、月曜日に学校に行くと


「はーい! みなさん、もうすぐというか、来週から期末テストでーす! みなさん頑張ってね!! あ、あと、期末テストで赤点をとったら、もちろん夏休みは、補習が待ってるからね!」


 そう先生が告げた。

 俺は絶対に補習だけは避けなければならない……そう誓って思った。


「補習か〜〜いやだなーーなんか」


 そう言って月野さんが何故か俺の席に肘をついて言った。


「月野さんは自信ないの?」


「いや〜なんか、怖くなっちゃって……だって、失敗することもあるわけだし……凡ミスとか……」


「いや、きっと大丈夫だよ! 月野さんなら! だって土曜日俺たちに一生懸命教えてくれたし!」


 俺は月野さんを元気付けようとそう言った。まぁ、彼女なら本当に赤点取る心配は、ないのだが……

 とはいえ、俺と正孝は、本当に赤点を取る可能性がある。いや、これはマジで……ある。


「ありがとう……山田くんは優しいね!」


「……うへ? はぁ〜〜〜!?」


 俺は彼女が俺に感謝を述べた途端急に月野さんに抱きつかれた。


 ちょっと待て、ここ教室だぞ! ってか、これどういう事だ!?


 は? ひ? ふ? へ? ほ?

 俺はどういう状況か、全く理解できずそのまま固まる。


「ちょ、ちょょょ! 月野さん…………どうされましたか?」


 俺がそう言うと、彼女は顔を上げて


「はぁぁ〜〜〜〜〜〜わわわ」


 そう顔をとても明るめて、ダッシュで教室から出て行った。


 ……全く何だったんだ、マジで最近の月野さんの行動は、わからない……ってか……

 もともと彼女のことはわからないのだが


 俺はそんなことを思って、辺りを見渡した。すると

 クラスの人たちが俺を見て、固まっている。


 ……おいおい、勘弁してくれ……


 ーーそれから一時間目が開始した。

 一時間目はテストが近いため、授業は、自習に近かった。

 わからない所は先生に聞いていいと、先生が言ったので先生にたまに聞いたりしていた。



 一時間目が終わると、中川さんが話しかけてきた。


「ねぇ、ねぇ、山田くんと雫ってとっても仲良いのね!」


「へ? どうしてそう思うの?」


「だってさっき、仲良さそうに抱き合ったじゃない」


「ぶっふ!」


 俺は中川さんにそう言われて、空気を思いっきり吐き出した。


「別に抱き合ってたわけじゃない……ただ話してただけだ……」


 俺はそう、言い訳なのか、わからないがとにかく弁解した。


「そうなんだ! そういえば一時間目勉強わかった……?」


「いや……それがちょっとわからないというかわかる所もあるんだけど……」


「そうなんだ! じゃ! お弁当一緒に食べよう!

お昼休みお弁当食べつつ、私が教えてあげる!」


 そう彼女は俺にピースをして来た。


「え? いいの? ありがとう」


 こうして、俺と中川さんはお昼休み一緒に勉強する約束を取り付けた。



 ーーそして、お昼休み


「山田くん! こっち! こっち!!」


 俺は中川さんに促されて彼女の机に行く。


「あの……よろしく」


 俺はそう言って、自分の席から持ってきたイスを彼女の机のそばに置いた。

 ちなみに中川さんの机の横には、月野さんの机がくっつけてあって、そこには、月野さんもいた。


「それじゃ、さっさとお弁当食べて、お勉強しようか!」


 そう中川さんが俺と月野さんに呼びかけた。


 俺たちはお弁当を食べる。

 ちなみに今日も中川さんが作ってくれたお弁当はとても美味だった。それに、可愛かった。


 それよりも、さっきからいつも元気が炸裂してる月野さんがすごく静かなんだが、なにがどうしたんだろう?


 俺が月野さんに目線を合わせると、月野さんはすぐに俺から目線を逸らす。


 え? もしかして、俺、月野さんに嫌われた!?

 俺は弁当を食べずそう思い、内心けがきではなかった。


 そして、お弁当を食べ終わり、勉強を開始した。


「ここの問題は! こうすれば解けるよ」


「お! ほんとだ! ありがとう中川さん! おかげで解けたよ!」


 俺は中川さんに教えてもらって続々と問題を解いていく。


 すると遂に月野さんが口を開いた。


「ねぇ、山田くん……さっきはごめんね……いきなり抱きついたりして……嫌だったよね……」


 そう月野さんが謝ってきた。


「いや! 全然嫌じゃなかったよ!」


 俺はそう、月野さんに答えた。


「本当に? よかった〜〜」


 彼女はそう言って、笑顔を漏らす。


 俺はとりあえず嫌われてないのか? そう思って、ちょっと安心した。



 ーー学校が終わって、家に帰ると


「山田くん……期末テストでわからない所があったらいつでも聞いて! 私いつでも教えるから」


 そう中川さんが言ってくれた。なんだか、彼女はとても頼もしく見えた。


「ねぇ、期末テストって、赤点取ったらそんなにやばいの?」


 そう、中川さんが聞いてきた。


「中川さんの世界には補習とかなかったの?」


 俺はそう聞いた。けどあれ? 確か岡村主人公と中川さんじゃないが……別のヒロインとの補習イベントがあった気がする……


「あったよ! あったけど……ただこの世界にも補習がおるんだなって、そう思っただけ!」


 そう彼女は笑顔で言った。


 ーーそれから、俺はわからない所を、彼女に聞いたらして、期末テストの勉強を着々と進めて行った。

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