第26話 あ! 鈴音、今度私の家にお泊まりしに来ない? あっ! もちろん山田くんと一緒に! ん?


 そして、しばらくするとほぼ同時タイミングで、正孝と中川さんが帰ってきた……


「おかえり〜じゃなかった、ただいま〜」


 そう、中川さんが元気良く言葉を漏らす。


「あ! おかえり〜鈴音!!」


 それに対して、月野さんが答えた。気づけば彼女の手は俺の手の上から離れていた。


「さ! 勉強再開しようか! みんな!」


 そう、月野さんが提案した。


「みんな〜お勉強頑張ってるね! 偉いわ〜これお菓子!!」


 そう、月野さんのお母さんがお菓子を持って彼女の部屋に来てくれた。


 月野さんが持ってるおぼんの上には大きいお皿の中にいろいろお菓子が入っている。


「あ! お母さん! ありがとう」


 そう、月野さんがお母さんに感謝を述べる。


「あの、お菓子ありがとうございます。」


 俺も彼女に続けて、彼女のお母さんに感謝を述べた。


 俺が感謝を述べると中川さんと正孝も感謝をしていた。


 お皿にはチョコスティックや、ポテトチップスなどがのっている。


「うふふ笑いいのよーでは、ごゆっくり」


 そう言ってお母さんは月野さんの部屋を後にした。


「ねぇ、山田くん……このチョコレートの棒って何?」


 そう彼女は俺の近くに来て、聞いてきた。

 そうか、彼女は、チョコスティックを見るのは、初めてなのか?


「これはチョコスティックって言って、このチョコの棒の黄色いクッキーみたいな部分あるでしょ……そこを持って、食べるんだ……」


 これで……あってるか? 

 俺は自分で説明してなんだか、不安になった……


「そうなんだ! 雫!! お菓子いただくね!」


「あいよ! どんどん食べちゃって!!」


 中川さんは彼女にそう、言って、チョコスティックを口の中に入れた……


「う〜ん! 美味〜〜!!」


 そう彼女はチョコスティック片手にそう言った。


「鈴音って、本当に何でも美味しく食べるよね!」


「へっ? だって美味しいんだもん!」


 中川さんと月野さんがそう、誇らしい会話をする。


 俺はそれを聞きつつ、勉強を続けていくのだった



「くっはー! 疲れた〜〜もう一生分勉強したみたい」


 そう言って月野さんは勢いよく床に寝転んだ。 


 一生分は、流石に言いすぎだろ……そう思ったけど……

 まあ、何というか、彼女らしい……


「まぁ、確かに疲れたな……」


 そう正孝も疲労を匂わす。

 だが、今日は成績優秀の月野さんと中川さんに教えてもらって……

 何だか、勉強が捗った気がする。本当に彼女たちには感謝しかない……


「あ、もうこんな時間! 私たちもう帰らないと……雫に迷惑かかっちゃう!!」  


「え? ほんとだ、もうこんな時間、全然気づかなかった……」


 俺は彼女の部屋の時計を見ると、どうやらもう午後六時を回っているらしい……


「いや、私は別に迷惑じゃないよ! それに! 今日楽しかったし! 本当にみんなありがとう」


「いや、俺も二人のおかげで勉強すごい、捗ったよ! ありがとう!!」


 そう、俺は月野さんに続いて言ったら、俺の横にいた正孝が寂しそうに……


「なぁ、俺は?」


 そう言った。

 俺は正孝の肩をトントンと叩き


「ああ、もちろん、正孝も……あれ? お前なんかしたか?」


「っておーい! お前それはないだろう!」


 そう正孝がニヤけながら苦言を漏らしてくる。


「それじゃ、私たちお暇しようか……」


 そう、中川さんが述べる。


「そうだね……」


 このまま彼女の家に夜遅くまで滞在すると彼女に迷惑がかかるかもしれない…………


「え〜もう、帰っちゃうの?」


 月野さんはしょんぼりそうにそう言った。


「うん! 雫!! また月曜日にね!!」


「うん!! 鈴音〜〜寂しいよ!! 」


 そう言って月野さんが中川さんに抱きつく。


 そうして、俺たちは月野さんの部屋を後にしようとした。

 月野さんが中川さんにある提案をする。


「あ! 鈴音、今度私の家にお泊まりしに来ない? あっ! もちろん山田くんと一緒に!」


 ……はっ? 今、彼女何とおっしゃった……?


「あの、月野さん……? 今なんとおっしゃった?」


 俺は流石に聞き間違いだろうと……彼女に聞いた。


「へ? だから、鈴音と一緒に山田くんも私の家でお泊まりしようって…………」


 いやいや! 中川さんはともかく、俺は流石にまずいって……


「なぁ、月野さん、俺は? 俺は?」


 そう、正孝が月野さんに聞く、すると、月野さんが恥ずかしがって俺に


「待って!! 山田くん! やっぱり今のなし!! 聞かなかったことにしてっ」


 そう、焦って言って来た。




 ーーそれから、俺たちは彼女の家を後にした。

 俺たちは正孝含めて三人で歩いていたが、正孝は、家があっち方面ということで、途中で別れた。


「じゃーな! 正孝!! また学校で!」


 俺は別の道を行く正孝にそう言った。

 すると正孝は、後ろ向きで歩きつつ手を振りながら


「おうー! 中川さんもまたね」


 そう言った。中川さんもそれに答えた。


「うん、また学校でね、田中くん」


 そして、彼女との帰り道


「今日、雫の家楽しかったね!」


 そう彼女が嬉しそうに言った。彼女の瞳を見ると、うっすら夕日の明かりに照らされてる。


「ほんとだね! 今日のおかげで勉強も捗ったし、楽しかったりで、いい一日だったね」


 これで、なんだか期末テストは、乗り切れそうだな……

 俺はそう思った。


「あ、そうだ! 山田くんがいいなら期末テストでわからないとこあったらいつでも聞いて!」


「えっ? いいの?」


「うん! それに、人に教えることで定着することもあると思うの。」


「ありがとう、中川さん! 助かるよ……」


 そう会話をして、俺たちは家へと帰って行った。


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