杓島
<タイトル>
<舞台>
岡山県 瀬戸内海
<ポイント>
物量作戦……!
<解説>
岡山県に伝わる昔話で、瀬戸内海が舞台となっています。
寿永2年(1183年)に起きた
静かな晩秋の夜、一隻の
千石船とは千石(約150トン)単位の米を積載できる、主として中世に使用された大型荷船のことです。
すると突然、船の舵がきかなくなり、海の底から「
「杓」は水をくむ道具ですね。
いっこうにやむ気配のないかけ声に、耐えられなくなった若い
年老いた舵取りは必死になって止めますが、もみあいになった勢いで杓は海の中へ。
すると青白い手が海の中から現れ、その杓を握りしめます。
そして次々と、まるでコピペでもするように、海の中からたくさんの杓を握った手が出現するではありませんか。
白い手がわれ先にとばかり伸びてきて、船の甲板に杓でくんだ水を注いでいきます。
塵も積もれば理論により、船の上はだんだんと水で満たされていきます。
船は次第に重くなってきて、ついには沈みはじめます。
しかしここで、年老いた舵取りが別の杓を取り出し、その底を抜きます。
そして底のない杓を海に投げこむと、やはり白い手がそれをつかみます。
ところが底がないわけですから、当たり前ですがくもうとした水はすり抜けてしまいます。
こんな具合に底なし杓が大量にコピペされてしまって、白い手はやがて消えていったのでした。
船の舵もきくようになります。
浮かばれない亡霊たちは真水を欲していたのだろうと、老いた舵取りの提案により、のちにこの海域をとおるときは、真水を一杯海に注ぐことになったということです。
そしてその海に浮かぶ島のひとつは、「杓島」と呼ばれるようになったそうです。
瀬戸内海に伝わる昔話として、これとは別に「船幽霊」が存在します。
わたしは未視聴ですが、そちらも作品化されているようです。
子どものころに見てトラウマをうえつけられた回のひとつですが、海のあるところには海の怪異があるということなのでしょう。
次回は山の話でもしますかね、ほほほ……
久しぶりの投稿になりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございます。
ではでは。
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