ひめかとつむぎの記憶(おもいで)
小説大好き!
第2話
〜ひめか視点〜
私は中学2年生のひめか。美志和学園に通っている、2年B組の生徒だ。
もうすぐ私たちの学校では文化祭が開催される!
このクラスでは出し物として縁日をやることになった。
誰を文化祭に呼ぼうかなあ。あ、、、。つむぎ、、、、。
私はその瞬間3年前のあの出来事を思い出してしまった。
私はその日、親友のつむぎと街の縁日に行ってた。
「楽しかったねー!」
「今日食べたリンゴ飴、すごい美味しかった!私初めて食べたけど、今までで一番好きかも!見て!さっき撮ったリンゴ飴の写真!気に入ったからホーム画面にしちゃった🎵」
「私もこの写真お気に入りなんだ!」
そんなたわいもない話をして、十字路に差し掛かったその時
「ひめかッ!」
つむぎがそう叫ぶ声が聞こえて私は歩道に突き飛ばされた。
「痛ッ!」
「ドンッッ!!!」
と大きな音が聞こえる。
恐る恐る後ろを振り返るとそこには意識を失って血まみれのつむぎがいた。
つむぎが私を庇って車にひかれたのだ。
「大丈夫!?!?」
そう聞く私の後ろで去ってゆくエンジン音がした。
まさかひき逃げ、?!
すぐに通報したが犯人は見つからず3年経った今も見つかっていない、、
つむぎはいまだに病院で生活している。記憶喪失になってしまったから、、
つむぎがこんなことになったのは私のせいだ、、、。
つむぎのことを考えるだけで寒気と吐き気が襲ってくる。
せっかくだから明日つむぎのお見舞いに行こう。
そう心に決めて私は眠りについた。
〜次の日〜
「ひめか!!早く起きないとつむぎちゃんのお見舞いに間に合わないわよーー!!」
お母さんの大きな声で起こされた。
「やばい!!急がなきゃ」
と急いで準備を始めた。
病院は家から5分、大丈夫、まだ間に合う、そう自分を落ち着かせ家を出る。
かなりの早歩きで向かう。そうしてるうちに病院についた。
呼吸を整え病室ノックする。
「つむぎー!入るよー!」
緊張気味に入るとそこには3年前と全く変わらないつむぎがいた。
「つむぎ!久しぶり!」
そう元気よく挨拶した。でも返事は返ってこない。
つむぎは私の方を向いて、
「ひめかさん、お久しぶりです。」
という。
敬語で返ってくる返事。
「ッ、つむぎの親友でしょ?タメ口で話してよ、、」
そう訴えても
「ごめんなさい、、」
そう返ってくる返事に私はだんだん苛立ちを感じる。
なんで思いだせないの!?
私はこんなに頑張ってるのに!
「大丈夫ですか、?」
しばらくの沈黙に困惑したのかつむぎが言ってきた。
「ッ、、、、、!!」
私はそのつむぎの発言で自分の中で何かがプツンと切れた。
「なんで思い出せないの!?!?!?私はこんなに頑張って話してんだよ!?そん
な他人みたいに敬語で話すのやめてよ!!!早く思い出してよ!!!!!」
そう叫び、病室から走って出た。
「あッ、待っ、、」
八つ当たりでしかないのはわかっている、でも、悲しかった。
泣きながら帰っていた途中、正屋の正男さんに会った。
正屋というご飯屋さんで小さな頃からお世話になっていて正男さんとはとても仲良くて相談相手になってくれるいい人、なので今回も、あったことを話した
「文化祭で縁日をやるんだったらそこに連れっていってあげれば何か思い出すんじゃない??」
正男さんはそう言った。
「私もそう思っていたんです。やっぱり今日あったことを謝って文化祭に来てもらおうと思います。正男さんありがとうございます!」
そう言って私は正屋を出た。その日の夜お母さんに頼んでつむぎのお母さんに文化祭に行けないか、聞いてもらうことにした。お母さんに
「つむぎちゃんいけるってよー。」
と言われた時は、とても嬉しかった。
ついに文化祭の日、クラスメイトと頑張って企画を考えた縁日をつむぎに見せる日。
「あ、、つむぎだ、」
ひめかは思い切ってつむぎに声をかけた。
「この間はごめん。前まで親友だったのに、頑張って、記憶を取り戻せるようにしていたのに、病院に頑張って通って、思い出してもらえるように頑張っているのに、他人みたいな話し方をされて、私が悪いのに、私のせいで記憶も無くなったのに、、本当ごめん、、八つ当たりして」
「全然大丈夫です!呼んでくれてありがとうございます!ていうかこの光景、、」
なにか思い出したのかと思って咄嗟に聞いてしまった。
「つむぎ、?もしかして記憶が戻ったの?」
困惑した表情で
「うーん、なんでもないです、何かを思い出しそうだったけどやっぱり分からな
い、、、」
そうつむぎは言った。
「、、、そうだよね!じゃ、行こ!」
少し残念だったが、他のところも回れば思い出してもくれるかも知れないと思い気合いを入れた。
こうして、ひめかとつむぎは縁日を楽しんでいった。2年B組の縁日は何か、3年前つむぎと行った縁日に似ている気がして、ひめかは懐かしい気持ちになっていた。
「あ!リンゴ飴!私あれ食べたいです!」
つむぎとひめかはリンゴ飴を買う。
「写真とろ!」
つむぎとひめかはリンゴ飴を手に持って写真を撮った。
それはまるで3年前のあの写真のようだった、、、、
「あ、、、、、」
つむぎの表情が凍る。
「ひめか、、?ひめかちゃんだよね?私、、。思い出したかも、、記憶、、」
ひめかは困惑を隠せなかった。3年間眠っていたつむぎの記憶が少しずつ取り戻されているのだ。この縁日によって。
その後、色々なことがあった文化祭は大盛り上がりで幕を閉じた。
ひめかはつむぎを家に送り届けることにした。帰り道、、
「今日文化祭楽しかった!呼んでくれありがとう!あと、、少し記憶も取り戻せたし!」
けど、つむぎの記憶は完全には戻っていなかった。
けど、あと少しなのだ!
あ、、ひめかは気づいた。
ここは3年前つむぎの記憶を奪った事故現場だった。
よく見るとちょうど事故があった交差点に花を添えている人がいる。
そういえば、今日事故が起きてからちょうど3年目なんだ、、。
よく見ると花を添えているのは正男さんだった。
けどなんで正男さんが、、?
事故があった場所は伝えていないのに、、そう思ったが、つむぎの家と正男さんは前から親しいもんね、だからつむぎの家族から聞いたのかな??と考えた。
「ごめん、違う道で帰ればよかったね、つむぎほんとにごめん!」とつむぎの方を
見たその時、、
つむぎは目を丸く見開いて凍りついていた。。。
〜つむぎ視点〜
その日は縁日に行った、ひめかとりんご飴を買って写真を撮って、楽しかった、お母さんに帰るねって連絡を入れた、ふと、前を見るとひめかが横断歩道を渡っている。よく2人で通る、学校の帰り道だ。 あっ、
車が横から走って来た、止まりそうにない、
「ひめかッ!」
ひめかを突き飛ばした、ドンっと大きな音がする、体が痛い、なんとか目を開けると、ひめかが見えた、よかったひめかは無事だったんだ、私をひいた車を見る。
えっ、なんで、、、あれは、、、、、、、
目の前が真っ暗になった。
事故に遭ったらしい、体が動かなくなったりはしなかったけど、記憶をなくしてしまったらしい、あまり実感が湧かない、目を開けたら病室で、家族がいた、そのあと、正男さんあと、しらない女の子にあった、正男さんを見ると真っ青になっていた、
正男さんが
「無事でよかった」
と言われた、
女の子も
「よかった、よかった」
と言っている、
「誰ですか?」
「「えっ?」」
女の子と正男さんは困惑した顔をしている、正男さんが
「僕は誰だかわかる?」
と聞いてくる、
「正男さんでしょ?」
という、
そして
「私は?」
と女の子が聞いてくる。
「えっと、ごめんなさい。」
「ッ、」
女の子が泣きそうな顔をする。
申し訳ない。
「なんで病院にいるかわかる?」
と聞かれる
「事故に遭ったってお母さんが言ってた。」
と答える。
正男さんが
「犯人の顔見た?」
と聞いてくる、見たかも知れないけど、覚えてない、犯人も、事故のことも、
「見てないと思う。」
そういうと正男さんは「ホッ」としていた??
女の子が
「ねぇ、覚えてないのつむぎの親友のひめかだよ、覚えてるでしょ、一緒に縁日行ったじゃん、、、」
という
「ごめんなさい、、、覚えてないです」
というと泣きながら部屋を出て行ってしまった、
「つむぎちゃんまたあとでね」
と言うと、正男さんも女の子を追うように部屋を出て行ってしまった。
それが三年前、
私には記憶がない、ひめかと名乗る女の子が時々病室に来る。
私はひき逃げにあったらしい、覚えていないけど、、、、
そのひめかと名乗る子は私の親友?らしい、、、、
一緒に縁日に行った帰りにひめかさんが轢かれそうになるのを庇ったって言っていた。
多分私にとってひめかさんは大切な人間だったんだと思う、、、、
ひめかさんが病室に入ってきた。
私はあまり仲良くない人には誰でもなるべく敬語で話す癖がある。
どうもひめかさんは敬語ではなくタメ口で話してほしいらしい、でも記憶がないから、どうしても敬語で話してしまう。どうも怒ってしまったらしい、
「あッ、待って!」
行ってしまった。
ひめかさんと喧嘩になってしまった私は相談するために正男さんが経営する正屋に行くことにした。
正男さんは私の両親の古くからの友達で私が小さい頃からよくしてもらっている。
ここでご飯を食べた時に父が正男さんと仲解くなって、正男さんからひめかを紹介された、らしい、
その後、正男さんにあった、
家の近くでご飯屋さんをしている。
「正男さん、こんにちは!」
つむぎは今日あったことを全部正男さんに話した。
正男さんに相談するとなぜか心がザワザワする、なんでだろう???
次の日お母さんから
「ひめかちゃんが縁日一緒に行かない?って誘われたけどどうする?」
そう言われて、
反射的に
「行くッ」
って言った、なんだろう前も似たようなことがあったような?、
気のせいか、縁日は家族としか行ったことしかないもの、
今日は縁日に行く日なぜかとっても楽しみ、
縁日に来た、なぜだろう見たことある気がする、気のせいかな?、
りんご飴?美味しそう、
「あ!リンゴ飴!私あれ食べたいです!」
りんご飴を買った、写真を撮った、あれ3年前も、、、、、、、、、、
「あッ」
「どうしたの」
ひめかさんが心配したように私の顔を見ている。
そう、『ひめか』が、、、、3年前に『ひめか』と一緒に縁日に行って、
りんご飴を買って写真を撮って、一緒に帰って交差点で、、、、
縁日をまわり終わったので帰ることなった、
ここは交差点事故があった、、、、、、
あ、、今までの記憶が全部私の頭をよぎった。
ひめかと出会って、通った、小学校、一緒に行った縁日、お
気に入りでホーム画面にまでしてたりんご飴の写真、
そしてあの事故の瞬間、その瞬間見た犯人の顔までも。。
そう、私は事故にあった時確かに犯人の顔を見ていたんだ。
完全に犯人の顔を思い出した。
けどその瞬間私は恐怖に包まれた。
そういえば、事故に遭って正男さんが、お見舞いに来た時、「ホッ」としていた、もしかして記憶がないことに、、、
ひめかとつむぎの記憶(おもいで) 小説大好き! @misoppe
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