背中越しの好き
毎日自分の後ろを歩く彼女
背中越しに感じる視線
毎日感じるこの視線
自分にとっては幸せな時間だ
彼女からの愛が伝わってくる
でもたまには隣に並んで歩いて帰ってみたい気持ちもある
無理を承知で聞いてみる
「後ろじゃなくて横に並んで帰ろうよ」
「いやだ」
案の定断られた
別に断られたっていい
隣じゃなくたって気持ちは伝わるから
だから少し嫌味っぽく言ってみる
「たまには横に並んで帰りてぇ〜よ」
別に気にしてはないけど
いや少しぐらいは並んで帰りたい気持ちはある
だから聞いてみることにする
「なんでいっつも後ろ歩くんだよ」
「君の背中を見て歩くのが好きだから」
彼女は普通に照れることを真顔で言ってくる
やっぱり自分は彼女のことが好きだと改めて思う
彼女の他とは変わった感性何愛おしく思う
「なんか変な趣味してんな」
言い方は少し悪くなってしまったけど実際、変な趣味ではあると思う
それでも背中から感じる視線はちゃんと自分に「好き」と言うことを伝えてくれている
だから自分はこの時間が好きなんだ
彼女が自分の後ろを歩いて帰る帰り道が
いきなり彼女が背中に抱きついてきた
少し驚いたけどめちゃくちゃ嬉しい
「好き。君のこと大好きだよ」
大丈夫
大丈夫だよ
ちゃんと伝わってるから
安心して
「わかってるよ。ちゃんと伝わってる。
それより俺の背中見なくていいの?笑」
少しくらいは照れ隠しも入れていいよね
「うん。もうちょっとだけこうさせて」
彼女の暖かさを背中から感じる
彼女の「好き」が背中から伝わってくる
幸せな気持ちになる
「わかった」
もう少しだけ君の視線じゃない「好き」に触れさせて貰いたいから
完
背中越しの「好き」 さかなとごりら @ARKit
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