またね 4人用台本

ちぃねぇ

第1話 またね

人物紹介

真理子(まりこ):明るい女子高生の地縛霊。享年16歳、死後30年 ※死因→いじめを苦にした飛び降り自殺

百合(ゆり):大人っぽい物書きの霊。享年32歳、死後2年※死因→過労死

桜(さくら):控えめなOLの霊。享年18歳、死後3カ月※死因→栄養失調

勇人(ゆうと):イケメン舞台俳優の霊。享年23歳、死後3日※死因→リハーサル中の事故死



■ビルの屋上に


真理子:夏と言えばなんだと思う?


百合:唐突になに


真理子:だから、夏と言えばなんだと思う?やっぱ怪談?怪談よね怪談!


百合:何も言ってないし…ていうか私、怖いの無理だから


真理子:何言ってんの、死んでるくせに。怪談とかもはやただの日常会話でしょ


百合:死んでたって嫌なものは嫌なの。なんか怖いじゃない、全体的に。わざわざ怖い音楽付けて暗くして、なんであんなに怖さに特化した演出つけるのか、意味わかんないわ


真理子:怪談の良さ全否定じゃん


百合:嫌いなんだもの


真理子:え~ダメ?


百合:ダメ


真理子:どうしても?


百合:しつこい


真理子:ちぇ。じゃあ、他に夏と言えば?


百合:夏?


真理子:そう、夏


百合:夏、夏ねぇ…ひと夏の恋とか?


真理子:流石ロマンチスト!


百合:茶化すなら叩(はた)くわよ


真理子:ざんねーん、幽霊相手に物理攻撃は効きませーん


百合:うるさいバカ


真理子:バカって言う方がバカなんです~


百合:言ってなさい


真理子:(聞いてない)ひと夏の恋かぁ~懐かしいなぁ。そう、あれは何十年も前のこと


百合:語らなくていいから


真理子:なんでよー聞いてよ


百合:興味ないわよ


真理子:もー相変わらず冷たいなぁ。あ、じゃあさ、書いてよ


百合:は?


真理子:ひと夏の恋をテーマに一本


百合:一本って


真理子:簡単でしょ、百合なら。私、百合の書く話大好きなんだよね、どれもこれもすごく深くてさ~


百合:ストップ、それ以上褒めないの


真理子:ああ、そうだった


百合:あんたは全く


真理子:(聞いてない)ねぇねぇ、書いてよ百合、ひと夏の恋!


■桜&勇人登場


桜:こんばんわ~


真理子:あ、桜。いらっしゃい


百合:こんばんわ、桜


桜:お邪魔します


百合:遅かったじゃない、今日は来ないかと思ってたわ


桜:あ、実は


真理子:あれ、隣にいるの…


■桜の隣にいる男性に気づく真理子


勇人:お邪魔します


桜:こちら、最上さん


勇人:初めまして、最上勇人(もがみゆうと)と申します


真理子:うわイケメン!


百合:(たしなめるように)真理子


桜:最上さん3日前に亡くなったそうで、そこの川の近くを浮いていらっしゃったんです


勇人:なにがなんだかわからずぼーっとしてたら、戸塚さんがこちらまで連れて来てくださって


百合:なるほどね


真理子:わかる、わかるよぉー「死にたて」だと状況把握に時間掛かるよねぇ


百合:「死にたて」ってあんた


真理子:最上くんは享年(きょうねん)何歳?死因は?


百合:こら真理子、ズケズケ踏み入らない!


真理子:いいじゃーん、もう死んでる者同士仲良くしようよ。ね?


勇人:(笑って)僕は構いませんよ


真理子:お、中身までイケメン


百合:真理子


勇人:享年は23です


真理子:あら若いのに可哀そう


百合:あんたの方がもっと早く死んでるじゃない


真理子:あは、そうだったそうだった


勇人:死因は事故死です


百合:事故死?


勇人:はい、劇のリハーサル中に頭の上にあった照明器具が降ってきてしまって


百合:それは災難ね、お悔やみ申し上げます


勇人:いえ、まあ


真理子:劇のリハしてたってことは、最上くんは役者さんだったの?


勇人:ああはい、と言ってもまだ全然売れてなくて…これからだったんですけど…


百合:そう…


真理子:惜しかったねー最上くんくらいイケメンだったらすぐにスターになれたのに


百合:真理子


勇人:…皆さんのことをお聞きしてもいいですか?


真理子:あ、もちろん!私の名前は泉真理子(いずみまりこ)、享年は16


勇人:16歳で…僕よりずっと若いのに


真理子:しんみりしないで、私の場合死因は自殺だから、そんなに神妙な顔されると困っちゃうよ。ちなみに自殺の原因はまぁ、よくあるいじめって奴かな。私ももう少し考えて行動すればよかったんだけどさーその時は何もかもが嫌んなって、飛んじゃったんだよねーここから


勇人:ここから


真理子:そ、ここのビルの屋上から。おかげで地縛霊になっちゃって、ここから離れられないでやんの。ドジったわ。あ、ちなみに死後30年経過してるから、こんなセーラー服姿だけど中身アラフォーのおばさんよん♪


勇人:(困ったように)あー…


百合:ちょっと、飛ばし過ぎ。最上さん引いてるから


真理子:ああごめんごめん。ええとだから、ここでは最年長ってことになる…のかな?わかんないことあったら何でも聞いてちょ


勇人:ありがとうございます


百合:次に長いのは私かな。倉木百合(くらきゆり)、享年は32。生きてる間は銀行員やってたわ


勇人:銀行にお勤めだったんですね


百合:そ、そして激務による過労死。あっけない人生だったわ、ホント。生まれ変わったら銀行員なんか二度とやるもんですか


真理子:百合がここに来てからもうすぐ2年くらいだよね


百合:もうそんなになるのかしら、早いわね


桜:じゃあ私も改めて。戸塚桜(とづかさくら)です、享年は18になります。私の死因はその、この時代にって笑われるかもしれませんが栄養失調です


勇人:栄養失調


桜:はい、うち結構貧乏で。早くに両親が他界して、下に弟もいたので私が働いて食べさせるしかなくて…もう少し自分の食事にも気を配るべきでした


勇人:それは…ええと


桜:あ、お気遣いなく。死んでからだいぶ日も経っていますし、もう吹っ切れています。残してしまった弟にも保険金が下りてるはずなので、なんとかやっていけてると思いますし


真理子:桜がここに来たのは3カ月くらい前だったよね


桜:はい、私も最上さんと同じであの川辺りでぼーっとしてる時に百合さんに声を掛けて頂いて。独りぼっちだったのでとても助かりました


百合:大した事はしてないわ、「暇してるならしゃべりに来ない?」って聞いただけだし


真理子:いやいや、百合には感謝してるよ。だってほら私、君らと違って地縛霊だからさ、連れて来てくれないとこうして話すことも出来なかったわけで。みんなが来る前は寂しすぎて死んじゃいそうだったもん


百合:死んじゃうって、もう死んでるじゃない


真理子:比喩じゃん。とにかく私はみんなに会えて嬉しいよ、お喋りできる毎日がすんごく楽しい。あ、あと百合の書く小説も私の生活には必須!


勇人:小説?百合さんは小説を書かれるのですか?


百合:まあね、下手の横好き、あくまで趣味の範囲だけど


真理子:またまた~謙遜(けんそん)しちゃって!よ、文豪(ぶんごう)!


百合:真理子、盛らないで


真理子:盛ってなんかないよーねえ桜?


桜:はい、(勇人に向かって)百合さんの話はいつもすごく面白いんですよ、ストーリーにちゃんと筋道が立ってて、キャラそれぞれにもしっかり個性があって


真理子:そうそう


勇人:へぇ、すごいですね


真理子:でしょでしょ?


百合:ストップ、それ以上はいいから


真理子:(笑って)で、さっきも「ひと夏の恋」をテーマに一本書いて~ってお願いしてたとこなの


勇人:ひと夏の恋ですか


桜:いいですねそれ、私も読みたいです


真理子:ねー読みたいよねー


百合:桜まで


勇人:僕もすごく興味があります


百合:ええ?あなたまで乗っからないでよ


真理子:いいじゃーん、どうせ暇でしょ


百合:暇って、それはあんたも一緒でしょ。そんなに簡単に言うならあんたが書きなさいよね


真理子:無理でーす。言うのは簡単、やるのは超難しいって知ってるもん


百合:んもう


真理子:あそうだ!


百合:なに


真理子:どうせなら、今回は小説じゃなくて台本の形で書いてよ


百合:台本?


真理子:そ。だってここにはこんなにイケメンの舞台俳優がいるんだよ?せっかくならその「ひと夏の恋」、演劇で鑑賞したくない?


桜:わ、贅沢ですねそれ


真理子:でっしょー?


百合:あんたはまたそうやって思い付きで。勝手に最上さんまで巻き込むんじゃないの!ねえ最上さん


勇人:やりたいです


百合:え


勇人:そのお話、ぜひお願いしたいです


百合:ええ?乗っちゃうの?


勇人:僕、次の劇で初めて主役を張らせてもらえる予定だったんですけどこんなことになってしまって。一度でいいからちゃんと舞台に立ちたかったなって、ずっと考えていたんです


百合:あー…それがあなたの未練なのか


勇人:未練?


百合:(無視して)まあいいわ、そういうことなら書きましょう


真理子:やった!


百合:あれでも待って?ひと夏の恋がテーマなのよね?相手役は誰がやるの?


真理子:へ?


百合:恋なら最低2人はいないと。まあ一人芝居でもいいけど、でもやっぱり相手役は欲しいわね


真理子:そこはほら、百合が


百合:はぁ?書いた上に演じろっての?


真理子:ダメ?


百合:やーよ、人前で演技なんて。第一、最上さんと私とじゃ年齢が離れすぎてるし


真理子:そー?


百合:私年下好みじゃないの、生きてる間散々な目にあったし


真理子:そなの?その話詳しく


百合:詳しくすんな。そんなに言うなら真理子が演じなさいよ


真理子:えー?やだやだ、私は純然(じゅんぜん)たる観客だもん


百合:んもう、勝手なんだから


真理子:ってことは…


■3人の視線が桜に集まる


桜:え…私ですか?


真理子:うんうん、いいじゃんいいじゃん!桜ヒロイン役、超似合いそう


百合:そうね、年も近いし…いいものが書けそう


桜:え、あのでも


勇人:お願いできませんか


桜:あ、でも私恋とかしたことないんで


勇人:大丈夫です、堕とします


桜:えっ


勇人:僕のこと、好きにさせてみせますから


桜:あ、はい…




■1週間後


百合:できたわよ~


真理子:待ってました大先生!


勇人:こんなに早く…すごいですね


百合:筆だけは早いのよ私。他にやることも無いしね


真理子:よーし二人とも、気合い入れて覚えてね、上演は1週間後、この場所で。オーライ?


勇人:はい!よろしくお願いします、桜さん


桜:あ、はい、よろしくお願いします


百合:(真理子に向かって)あれ、最上さんって桜のこと名前で呼んでたかしら?


真理子:さぁ?この一週間で仲良くなったんじゃない?


百合:ふうん…(ぽつりと)桜の未練がそれじゃなきゃいいけど


真理子:なんか言った?


百合:ううん、別に


勇人:(桜に向かって)この後お時間ありますか?読み合わせ練習、一緒にできたらって思うんですけど


桜:はい、大丈夫です。ええとじゃあ、あの川のところでやりますか?


勇人:そうしましょう。あ、あとこのセリフなんですけど…(フェードアウト)





■1週間後(劇中劇。配役:勇人→俊也(としや)、桜→加奈子(かなこ)、舞台設定:加奈子の病室)


勇人:迎えに来た


桜:(驚いて)俊也…なんでここに


勇人:約束しただろ


桜:帰って


勇人:加奈子


桜:帰って!なんで、なんで来ちゃうかなぁ


勇人:…


桜:聞いたんでしょ、私の病気のこと


勇人:聞いた


桜:だったらさ、もうほっといてよ


勇人:無理だよ


桜:なんで


勇人:だって好きなんだもん


桜:だもんって


勇人:結婚しよ、加奈子


桜:何馬鹿なこと言ってんの、私もうすぐいなくなっちゃうんだよ


勇人:うん


桜:俊也にはこれから先ずっと、笑っててほしいの


勇人:うん


桜:だから、だから


勇人:だから、一緒にいよう


桜:(息を飲む音)


勇人:これから先ずっと俺が笑えるように、傍にいてよ。お前じゃなきゃ、俺やだよ


桜:だって


勇人:お前の命が尽きるまで、傍にいさせてよ


桜:なんで


勇人:だから、好きなんだって


桜:私これからもっとボロボロになってくんだよ?頬だって痩せこけて髪だって抜け落ちて


勇人:うん


桜:今別れようよ、綺麗な思い出の中で生きさせてよ


勇人:やだ


桜:やだって、あんた聞き分け悪すぎ


勇人:うん、俺ガキだもん。だからお前がいなきゃダメ。スナック菓子ばっかり食ってブクブクに太るかも


桜:なにそれ


勇人:ほっといたら俺、お前より先に死ぬよ


桜:バカじゃないの。私そのうちキッチンにも立てなくなるのに


勇人:いいよ、そしたら俺が作るから


桜:料理できたんだ


勇人:練習する


桜:なにそれ


勇人:最初はマズいかもしんねぇけど、そこはまあ我慢してもらうとして


桜:美味しいご飯じゃなきゃやだ


勇人:じゃあコソ練(れん)するよ


桜:伝えたらコソ練になんないじゃん


勇人:あそっか


桜:なによもう…バカ、ほんとバカ


勇人:うん、バカだよ


桜:開き直んなバカ


勇人:(指輪を出して)加奈子、俺と結婚してください


桜:(涙声)


勇人:頷いてよ。この指輪、お前のサイズで作ったんだから。高かったんだぞ、これ


桜:バカ、バカバカバカ


勇人:手、出して


桜:絶対に、最期まで一緒にいてよ


勇人:当たり前だろ


■桜の指に指輪をはめる振りをする勇人


勇人:うん、やっぱ似合うわそれ


桜:モデルがいいもん


勇人:結婚してくれますか


桜:…はい


■劇中劇終了


真理子:(涙声で)最高…最高だったよぉ。なんだよもう泣かせやがって、おばちゃん涙で前が見えないじゃんかぁ


百合:あんたはホントに感動屋ね。でもよかったよ二人とも、お疲れ様


桜:(涙声で)えへへ、ほんとに泣いちゃいました


勇人:僕も役に入り切ってました。本も桜さんの演技も素晴らしかったです


桜:ほんとですか


勇人:もちろん


真理子:あったりまえじゃんかぁ!私のこの涙でぐっちょぐちょになった顔見ればわかるでしょ!


桜:(笑って)よかったぁ


勇人:(桜に向かって)本当にありがとうございました、僕のわがままに付き合っていただいて


桜:いえ、すごく楽しくて。私のほうこそありがとうございました


勇人:これで思い残すことはもうありません


桜:え


■透け始める勇人の身体


桜:優人さん、身体が…


勇人:あれ


百合:あー…未練が消えたのね


勇人:え


百合:最上さん、そろそろ時間みたいよ


真理子:お、のぼってく感じ?卒業だね


勇人:あ…そうみたいです


桜:そんな


勇人:皆さん、短い間でしたが本当にお世話になりました


真理子:いえいえ


勇人:百合さん、素敵な本をありがとうございました


百合:どーも


勇人:なにより桜さん、僕の一生に一度の晴れ舞台の相手役があなたでよかったです。稽古、すごく楽しかった


桜:私も、私もすごく楽しかったです。だからとても……寂しいですっ


勇人:桜さん


■:次いで、透け始める桜の身体


桜:え、あれ、なんで?


百合:あー…やっぱり


真理子:ん?どういうこと?


百合:桜、あなたはどうして成仏せずにこの世界にとどまっていたの?


桜:え


百合:未練があったんでしょ?そして、それは今解消された


桜:未練…未練…あ、そうか。私、恋がしてみたかったんだと思います。ずっと弟の世話ばかり焼いてきて、そういう感情すら知らずに死んでしまったから…そっか、だから成仏できなかったんだ、自分のことなのに全然気づかなかったなぁ。…勇人さん


勇人:はい


桜:加奈子を通して私、あなたのことを好きになっていたみたいです。見事に堕とされちゃいました。…私もご一緒していいですか


勇人:はい、一緒に行きましょう


桜:お二人とも、お世話になりました。百合さん、あの時私に声を掛けてくださって本当にありがとうございました。あとこの素晴らしい台本も。恋って素敵なものですね。真理子さん、明るく輪の中に入れてくれてありがとうございました。あなたの明るさが、私とても好きでした。さようなら


百合:うん、さようなら


真理子:まったね~


■消える瞬間、桜と勇人の手が重なったように見えた


真理子:行っちゃったねぇ


百合:だね。にしてもあんた、まったね~って


真理子:えへへ。でもやっぱ百合の本は凄いわ。2人の人間の未練を消しちゃうなんてほんと凄い。一週間で書いた作品とは思えないよマジで


百合:真理子、それ以上は


真理子:褒めすぎると百合まで成仏しちゃうから?


百合:え


真理子:百合の未練って「自分の本を人に認められたかった」なんでしょ。時々透けかけてたよ、あんた


百合:なんだ、バレてたのか


真理子:そのまま成仏しちゃえばいいのに。すっごく気持ちいいんでしょ、その瞬間って。みんなすっごい笑顔で消えてくもん


百合:…そんなことしたら、あんたまたここで独りぼっちじゃない


真理子:やっぱり私のためだったか


百合:成仏するときは一緒がいいわ


真理子:お人好しなんだから。私は自分の未練忘れちゃってるんだよ、この先何年かかるかわかんないのに


百合:お人好しなんかじゃないわよ、私はただせっかくできた友達と離れたくないだけ


真理子:え


百合:あれ、友達だと思ってたんだけど、違った?


真理子:あ、あれ…あそっか、私たちって友達だったんだ


百合:何よその反応、傷つくわね


真理子:あれ、あれ、(徐々に涙声で)そっか、友達なんだ私たち


百合:なんで泣いてんのよ、ってあんたそれ


■透けだす真理子の身体


真理子:あれ、透け始めてる、なんで…あそっか、そっか。私の未練って、「友達が欲しい」だったんだ


百合:なによそれ。だったらもうずっと前に成仏できてたじゃない


真理子:みたい


百合:バカねぇ


真理子:百合、私、百合の書く話が好き。大大大好き!あとなんだかんだ言いつつ私のわがまま聞いてくれるとことか、困ってる人をほっておけないとことか、そういうの全部好き。あんたが生まれて来てくれてよかった。百合も、素直に喜ばない?それで一緒に行こうよ


■透けだす百合の身体


百合:ったく、勝手なんだから


真理子:へへ、わかってたでしょう


百合:まーね。のぼったら何が待ってるんだろうね


真理子:わかんない


百合:だよねー


真理子:ねー


百合:また会えるかしら


真理子:会えるよ、きっと。何度生まれ変わっても、私百合を探して会いに行く。そんでサイン書いてもらうんだ、百合が出版した小説に


百合:私作家になるんだ?


真理子:あったりまえでしょ、次はその才能、ちゃんと生かさないと。もったいないったらありゃしない


百合:じゃあそのときは、真理子が読者第一号になってね


真理子:喜んで


百合:じゃ、ぼちぼち行きますか


真理子:うん、出会ってくれてありがと


百合:こっちこそ。またね


真理子:うん、またね


■二人の身体が同時に消えた。完


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またね 4人用台本 ちぃねぇ @chiinee0207

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