第5話 巻き込まれた犯罪
最近、ネットなどでの犯罪となると、
「人を巻き込む事件というのが多かったりする。
詐欺事件においても、よくあるのが、
「受け子」
と呼ばれる人たちの存在で、詐欺をしたグループとは関係がなく、ただ、
「金になる」
と言われて、軽い気持ちで受け取りにいく連中である。
考えてみれば、ニューズなどで、
「犯人を捕まえてみれば、受け子だった」
というような話は飛び交っているのに、
「受け子をさせられる方も、なんで分からないんだ?」
と考えてしまう。
犯人を捕まえようとしても、そこにいるのが受け子という、ワンクッション挟むことで、犯人を特定できなくするということである。
最近は、若い連中は特にそうかも知れないが、
「テレビ離れ」
をしているといってもいいだろう。
昔であれば、
「一家に一台のテレビ」
などといっていた時代があったにも関わらず、今では、
「誰もテレビを見ない」
という時代になったであろう。
その理由はたくさんあるが、まず一つは、
「有料放送が始まった」
という時代があったからだ。
特に時代というと、
「ちょうど、20世紀末期の頃で、その頃になると、昔でいう、ゴールデン隊オムを中心として番組体系が変化してきた」
というのが、昔であれば、ゴールデンタイムというと、
「野球などのスポーツ番組が多かった」
しかし、今の野球は、イニングの間に球場などで、ファンを飽きさせないという方法がとられていて、それがありがたいと言われていたのだが、ちょうどテレビでは、CMの時間なのだ。
何といっても、スポンサーが一番の優先順位である、放送局は、スポンサーには逆らえない。
だから、嫌でもCMを見ないといけないし、延長放送もっ絶対に30分までということになるのだ。そのせいもあって、
「民放というものは、どうしようもない」
といっていたところに、ちょうど、有料放送だが、
「好きなチームの試合開始から終了まで、しかも、必ずヒーローインタビューまでは行う」
という触れ込みの放送がある」
のだった。
「それだったら」
ということで、誰もが飛びつくことになるだろう。
すると、
「普通のテレビは誰も見なくなる」
ということになると、民放も、時間帯での放送もまったく変わってくる。
「ゴールデンには、バラエティ番組。ドラマやスポーツは深夜枠」
とまるで、今までと逆になってきた。
昼の情報番組も、
「売れない芸人」
をコメンテイターとして、雇っている。
これまでテレビしかみていなくて、しかも、テレビを見るしかない人は、バラエティを見るしかないだろう。
ただ、今から10数年前に、
「地上デジタル放送」
というのが、主流になってきた。
「テレビ自体の買い替えか、デジタルへの変換機器の購入が必要」
となり、今までのアナログ放送は、その2年後には、放送停止ということで、
「わざわざ、面白くない番組のために、高い金を出して買い替えるのもなぁ」
ということで、テレビのない人が一気に増えたのだ。
ちょうど、その頃、
つまり、
「〇〇念の〇月から、デジタル放送開始:
ということで、基本的には、
「全国で、半年間という、猶予期間をもって、それ以降では、
「アナログ放送の終了」
ということを言われるようになった。
だから、デジタル放送を映すことのできるテレビ、あるいは、デジタルをアナログに変換し、放送できるという変換機を使わわないといけないということになった。
ただ、ちょうどこの時、ある地方で、
「大震災」
というものが起こり、デジタル化の猶予期間を、
「半年から、数年間」
ということにしたのだった。
そんな時代を思い起こさせるという意味で、
「地上デジタル化」
というのは、
「悲惨な時期を思わせる」
という忌まわしい時期でもあったのだった。
それでも、さすがに、ちょうど、
「スマホ」
というものの普及が、罰初的に普及した。
というのも、スマホの機能の中に、
「LINE」
などの機能として、
「電話回線を使用しない通話」
というものが可能な機能が追加されたのだった。
というのは、かつて、30年くらい前にあった別の地区の大震災の時、
「固定電話」
によって、安否確認などを行っていたが、すぐに回線がパンクしてしまったことで、当時、これからという開発途上であった、
「ガラケー」
と言われるものの開発が急ピッチであった。
というのも、
「固定電話回線がパンクした時、携帯電話回線が、ほとんど空いていた」
ちいうことで、
「携帯電話」
というものが、爆発的に普及した
という経緯があった。
しかし、この時は、逆に、
「携帯電話回線がパンク」
したのだった。
それも当たり前で、
「携帯電話があるから、固定電話は必要ない」
ということで、個人宅の電話も、街中の公衆電話も、ほとんど姿を消したので、すべてが、
「携帯回線に集中するのだから、当たり前のことだ」
といってもいいだろう。
しかし、今度は、携帯電話が、パンクしたということで、次に考えられるようになったのが、
「携帯回線」
いや、
「電話回線全般」
を使うわけではない回線を使用するようにすれば、回線のパンクを心配する必要はないだろう。
ということで、開発されるようになったのが、
「LINE」
などの、
「アプリの使用による、通話の開発」
ということであった。
だから、ちょうど市場に普及しかかっているスマホというものの開発がいろいろ行われることで、次第に普及していった。
しかし、日本の普及は遅れたということもあった。
というのは、
「日本というのは、今までの、ガラケーというものを最先端として開発していたので、あくまでもガラケーを使った開発ということにこだわっていたこともあって、どうしても、開発が遅くなった」
という経緯があった。
それでも、いいアプリが開発されたことと、テレビを買い替えることを面倒に考えると、
「結局テレビ離れをしているこの時代において、スマホのソフトで、楽しい映像がたくさんある」
ということで、
「わざわざ、テレビしか映らないものを高い金で買うのは、もったいない」
ということになったのだ、
スマホ一台あれば、テレビだって見ることもできて、いわゆるSNSというネットワークの中で、
「映像に特化した配信」
というものを、タダで見ることができる番組もたくさんあるということで、スマホは、さらに普及したのだった。
その中に、
「LINE」
などという、
「ただで通話ができる」
というアプリがあるのだから、これほどいいものはない。
ということで、
「スマホを持っていれば、テレビやラジオは必要ない」
ということであった。
ただ、災害に関しては、どんな災害においても言えることであり、それが、ガラケーであろうが、スマホであろうが、
「テレビ、ラジオ」
であっても同じことであり、
「電気がなければ、ただの箱」
でしかないということである。
ただ、電気さえ来ていれば、
「スマホを使いこなす」
ということさえできれば、
「その時に、手に入れることができる情報というのは、すべて手に入れることができる」
ということである。
それを考えると、
「スマホというものがどれほど便利なものであるか?」
ということになるだろう。
しかし、ネットというものは、便利である反面、
「犯罪に使用される」
という意味での、
「もろ刃の剣」
ということでもある。
ただ、それは何も
「スマホだから」
というわけではなく、スマホも携帯もない時、あるいは携帯だけだったころの時代というのがあり、その時代にはその時代で、
「人を騙す」
ということに特化した集団がたくさん存在し、その時々でだましてきたのだが、今の時代は、それが洗練されてきて、
「さらなる犯罪の悪質化」
ということが言われるようになってきたのだった。
「私がなぜ、逃げなければいけないのか?」
と感じながら逃げている女がいる。
彼女は名前を、
「みさき」
といって、これも、
「源氏名」
であったが、実は彼女の場合は、本名だというのだ。
警察はすでに、みさきのことを、
「怪しい」
と感じ、その行方を捜していた。
探しているということは、すでに行方不明ということだからであり、彼女の潜伏しそうなところを探したのだが、見つからなかった。
そうなると、当然警察は、
「重要参考人」
ということで彼女を探すのは当たり前で、他の人の捜査と並行しなかがら、みさきの行方を追っている。
疑われるには、それなりの理由があった。
まず、このみさきという女性は、被害者のかずきとは同じ店に勤めていて、お互いに、最初は意識しているわけではなかったが、どうやら、
「お互いに気にかけている男性が同じ男性である」
ということが分かったからだ。
店の中では、二人とも、その男性に対してのアプローチは結構なもので、ママさんも、
「なるべく二人を同じ日に勤務させないようにしよう」
と考えていたのだ。
ただ、少し気になっていたのが、二人が好きになった男性というのが、どうも、
「素行のいい客」
というわけではないようだった。
ママさんは、なんとなく分かっていたが、客であることに変わりはなく、キチンと毎回、普通に金払いもいいので、
「気のせいかしら?」
と思ったくらいだった。
だが、実際には、どこかチンピラのようなところがある男で、それだけに、女遊びも慣れているのかも知れない。
ママさんとしても、二人の従業員が喧嘩になるのはありがたいことであるわけもない。それを思うと、
「勤務日を分ける」
というくらいしか、方法はなかったのだ。
そのうちに、今回殺された、
「かずき」
が、結構お店を休みがちになっていた。
「あの男のせいかしら?」
と思ったのは、最近、その男が店にくる機会が減ったからだ。
それでも、みさきが店にくる時を狙ってきていたので、
「疑っては失礼か?」
と感じるようになった。
そもそも、
「もし、欠勤が多くなった理由が、男にあったとしても、そのことで客をとがめるということはしてはいけないだろう」
と思ったからだった。
男は、名前を、
「河東」
といい、以前にもらった会社の名刺では、どこかの建設会社の社員ということであった。
この男がこの店に最初に来たのは、1年くらい前だっただろうか、常連ということになったのは、来初めてから、数か月だったので、結構いい客だと、ママさんは思っていた。
かずきが、結局最近殺されたわけだが、最初は、その犯人を警察は、
「河東だ」
とほぼ決めつけて、捜査をしていたようだ。
しかし、河東には、
「完璧なアリバイ」
というのがあった。
というのは、ちょうどその時、
「東京出張」
にいっていたというのだ。
東京では、
「出張先は、23区ではなく、だいぶ奥まったところにある支店への出張だったようで、そのビジネスホテルへチェックインして、支店に向かった時、そして、支店での対応を終わり、ホテルに戻ってきた時と、証人もいれば、何といっても、会社の人たち居皆が証人ということなので、これ以上のアリバイはなかった。
ということになると、一番怪しいのは、
「みさき」
ということになり、そのみさきが行方不明だということになれば、それは当然。
「第一容疑者」
ということになるのだ。
最初こそ、二人は、
「一人の男をめぐって、争っていた」
という構図があったのだが、そのうちに、違うウワサが流れてきたのだった。
というのは、
「みさきと、かずきが、レズの関係」
ということであった。
ただ、どちらかが、その関係を解消したいと思っていたということで、二人の間に亀裂が走った頃、河東が現れたというのだ。
解消したいと思った方からすれば、河東の出現はありがたかった。
そもそも、
「解消したい」
といいだしたのは、かずきの方だったようだ。
これは、あとになって分かったことだが、その方が、
「なるほど、納得がいく」
ということだったのだ。
二人がどうして、レズの関係になったのかというと、詳しいことは分からなかったが、それに関しては、ママさんが知っていた。
「元々は、かずきさんが迫ったようなんですよ」
という、
その理由としては、
「当時、かずきさんは、プライベートで離婚をしたというんです。その理由が、かずきさんの不倫だったようで、かずきさんは、どうも、男性から誘われると、断り切れない性格だったようで、よく男性から狙われていたということだったんですよ」
と警察に話した。
「そんな時、ちょうど入ってきたのが、みさきさんで、二人は結構意気投合したようなんです」
というのだった。
「それで、すぐに二人は、レズの関係になったんでしょうか?」
ということであったが、実際には、
「そんなことはなかったですね、かずきさんには、最初はレズの気はなかったからですね。むしろ、レズ気があったのは、みさきさんの方で、最初は私にモーションをかけてきました。もちろん、私はだの拒否をしました、それで、かずきさんに行ったようです」
とママさんは言った。
「かずきさんが、引っかかってしまったということでしょうか?」
と刑事が聞くと、
「それはあるかも知れないですが、彼女も離婚問題があったので、精神的に不安定だったのか、それとも、、計算ずくで、旦那に対しての計算がそこにはあったかも知れないですよね」
とママさんは言った。
「というと?」
と刑事が聞くので、
「いえね。どうも、そのすぐ後に、少しもめていたはずの、かずきさんの夫婦が、そのすぐ後に、協議離婚したと聞いたんですよ。あの状態なら、よくても、調停離婚だと思っていたのに、そこまでならなかったのは、とにかうすぐにでも離婚したいという意志があったからではないかと思ったんですよね」
という、
「じゃあ、旦那の方も不倫していたとか?」
と刑事がいうと、
「それはあったかも知れないですね。でも、だからといって、そんなに簡単に離婚するなどとは思ってもいませんでしたね」
というではないか。
「もし旦那さんが急いでいたとすれば、それは、かずきさんにとっては、、願ったりかなったりということだったんでしょうね?」
と刑事が聞くと、
「そうですね。でも、あの夫婦は、一筋縄ではいかなかったような気がするんですよね。それも、お互いがお互いだった気がして」
とママさんがいうので、
「それはどういうことですか?」
と聞くと、
「詳しいことは分からないんですが、離婚交渉は、結構もめていたということですが、それは、別に金銭的なことでもめていたというわけではないんですよ。だけど、表向きには、金銭的なことが理由のように言われていたので、そのあたりとところが、どうにも分からないというのが、まわりの見解でしたね」
とママさんが言った。
「やっぱり、協議離婚だったというのが何か気になるところなんでしょうかね?」
と刑事が聞くと、
「それはあると思います。本来なら、調停離婚の方が、きちっとした決め事ができるし、特に金銭的なこととなると、分かりやすいからいいと思うんですよ。もっといえば、時間的にも早いですからね。そして、最大のメリットは、お互いに顔を合わせなくてのいいというところでしょうか?」
とママさんがいうと、
「そうなんですか?」
刑事はどうも、この辺りは詳しくないようだった。
「ええ、これは、簡易裁判のようなもので、お互いに顔を合わせることなく、調停委員という人が、男女それぞれいるので、男と女の言い分を聞いて、うまくまとめることができるんですよ。だから、夫婦が顔を合わせるのは、すべてが決まって、最後の調印の時くらいですかね。だから、怨恨が残るということもあまりないということのようですよ」
というのがママさんの話だった。
どうやらmママさんも離婚経験があるようで、話しぶりでは、
「これは、ママさんの、調停離婚したんだな」
ということが分かるというものだった。
そんなママさんの話を聞いていると、
「じゃあ、かずきさんが離婚してから、みさきさんと関係ができたんですかね?」
と言われ、ママさんは、
「そうだと思うんですけど、どうも、話がうますぎるきもするんですよ」
といった。
「というのは?」
と、刑事は、少し前のめりになっていた。
「二人の関係は、一筋縄ではいかないと思っていたのがその気持ちなんですが、でも、私が思うのに、男女が一筋縄ではいかないけど、くっつく時は簡単にくっつくでしょう? 女性同士というのも、同じなのかも知れないと思ってですね」
と言って、少し、ママさんは考え込んだ。
確かに、レズの関係というのは、簡単に理解できるものではない。
しかも、それが、
「身体だけの関係なのか、それとも、精神的にお互いが離れられないほどの感覚になっているのか?」
ということで、見た目と実際は、かなり違っているのではないか?
と感じるのだった。
特に、刑事などは、
「男女の関係については、今まで捜査で、いろいろ表も裏も見ているからな」
と思っていた。
しかし、こういうお店での関係性については、同じ水商売の、
「女の勘にはかなわない」
と思っていた。
実際に、今までいろいろな操作をしてきたが、特に、
「お店関係の、男女の関係」
というものは、毎回その事情が違っていて。それだけではない何かがあると考えるようになっていた。
ママさんの話を聞いていて、桜井刑事は、
「この事件も、一筋縄ではいかないのかも知れない」
と思っていた。
そして、桜井刑事の気持ちの中で、
「何か、誰かが巻き込まれた事件」
というように思えてならないのであった。
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