獰猛なる海トカゲ

 大阪。日本史が大好きな海トカゲがいた。彼はとある武将に憧れ…いや恋といった方がいいかもしれない。その海トカゲは全長18mにもなる。

 政平が静岡にやってきた。

「ここが日本か。みんな私をどう思っているのかな」

「少なからず、恐れていよう。そういえば、景久が大阪に行くと聞いた。我らも海方面からついていこう」

 景久は大阪にいた。

「どうしても気になって我らもついてきたのだ」

「家友、政平!ここ大阪では、白亜紀の海の王の化石が見つかるらしい」

「生きている可能性は?」

「生きていないとは言い切れない。ただし、生き残っている可能性は非常に低い」

 海トカゲは、その会話を聞いてしまった。そして、家友と政平の背後から襲いかかった。

「後ろ!」

 家友は胸鰭を咬まれた。なかなか離れない。

「誰だ貴様!もしや、白亜紀の海の王か!?貴様も生きていたのか」

 景久が魔法使いの姿に変身して、海トカゲに魔法をかける。海トカゲは言葉を発した。

「知っての通り、俺は白亜紀の海の王、モササウルスだ」

「うむ、その名前に聞き覚えがある。生きておるのかもしれぬと人間たちに噂されていた」

「噂をすれば影がさす、というのはこのことか」

「あなたを命名する。これからあなたの個体名は、猛川…名前どうしよう」

「そうだ、気になっていることがあった。貴様は石田三成という人間を知っておるか」

「無論だ、歴史上に出てくる人間の中では一番好きだ」

「では名前は、淀川にちなんだ淀、石田三成にちなんだ成、猛川淀成とするのはどう?」

「ありがたく頂こう。ところで、なぜ汝は先ほど石田三成様について聞いた?」

「その人物には生存説があるという。我らと同類ということよ。申し遅れた。我は静岡より参った、鮫原家友だ」

「アメリカから来ました、鎧倉政平です」

「静岡から来た、古川景久だよ」

「待てよ…静岡だと?徳川家康とかいう人間のお膝元だ」

「その名前にも、聞き覚えがある。確か、両者は敵対しておった」

「え、日本史の話?全然わかんないだけど」

「故に、我らが説明する。淀成、景久、後を頼む。我は殆どわからぬ」

「それより前に…報告じゃない?白亜紀の海の王が生きていた、と。発表してもいい?」

「無論だ。人間たちが驚くだろうな」

「家友と私が見つかり、景久含め人間たちは既にかなり驚いていると思う」

「そうと決まれば、全世界に向けて発表だ」

 次の日。ニュースでこんなワードが話題になっていた。

「メガロドン、ダンクルオステウスに続きモササウルス生存確認 古川景久氏が発見」

 人々は彼らを恐れている。にも関わらずこのような情報が入ってしまった。人々は何らかの秘密兵器で、彼らを殺しに行くのかもしれない。それが彼らの戦いの始まりであった。

 時を同じくして、エジプト。一体の巨大な恐竜が飢えていた。現地の人々が川を汚してしまったからである。魚を食べられなくなった。恐竜はついに倒れてしまった。川は干からびるし汚れるし、彼にとって最悪であった。それだけではない。テロ組織が地雷を埋めているのである。地雷が怖くて川から出られない。それでも水場は情け容赦なく小さくなっていくのだ。しかし彼にも、救いが訪れたのである。



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