第3話 世界樹

あれから、学校ではいつも通りの日常を送っている。といっても日陰者なのでいきなり非日常にあったからと言って、それを話す相手がいなければ話そうとも思わない。


いつも通り決まった時間割で、決まった事を黙々とする。僕は今日もロボットになっているが、頭の中は違った。


フィールド型っていってもどういうダンジョンにしよう、まず山と森、山岳あたりは作りたい、できれば豪雪地帯とかをつくって消耗しやすい立地にしたい。あとは廃神殿とか、廃村とかも作ってみたい、夢が広がる。


         §

「ねぇコア、そういえば私以外にもダンジョンマスターって呼ばれる人はいるの?」


—A:います。ダンジョンマスターは一定の確率でダンジョンに帰属して現れます。ダンジョンマスターのあるダンジョンは比較的攻略難易度が高いのが特徴です。


「ふぅーん」


ダンジョンがエネルギーを得る方法は主に八つあるらしい、一つダンジョン内に生物が入った時、二つダンジョン内で人が生物を殺した時、三つダンジョン内で人が死んだ時、四つダンジョンがダンジョンを食らった時。


ダンジョンはエネルギーを使うことによってダンジョンを運営することができる。主な収入源は人になるのだけど、知性のあるダンジョン、つまり他のダンジョンマスターがあるダンジョンはバイキングのような形でダンジョンを破壊しにくるかもしれない。いや、絶対そうするやつはでてくる、そうなってくるともうそれは人VSダンジョンではなく、人VS自分のダンジョンVS他のダンジョンになるわけだ。


人を殺すダンジョンを作るのは簡単だ。それは短期的に、最初の瞬間だけダンジョンに潤いを与えることになるだろう、だけどそれはほんの短期的、長期的に考えれば悪手だし、他のダンジョンに攻め込まれればすぐに落ちる脆いダンジョンになってしまう。


人は弱い、ちょっとした環境変化で体調は崩すし、死んでしまうこともある。だから人を殺すことは簡単なのだが、それをしてしまうとそれ以降人は寄り付かなくなってしまう。なぜなら利益がないからだ、利益のない物で死のうとする人はいない、そうなると後は分かる、ダンジョンのエネルギーが枯渇し、エネルギー不足になりダンジョン崩壊が起きる。


だから私が作るのはオープンワールドを利用した利益も取れるし、人が死ににくいダンジョン、それでいて防衛力の高いダンジョンだ。


まずは地形を盛るったり削ったりする。


中央は凹ませよう、水で沈めるのだ大体大きさは9.42km、深さは最大32m、ドーナツ型にして9.42kmの湖の中に2kmぐらい、中央にはそうだね、塔を立てよう一番目立つ、一番分かりやすい、このダンジョンの中央midだと分かるものを作ろう、デカく、高くわかりやすいものだ、イメージはそう、世界樹だ、どのものよりも自然を感じさせる圧倒的なデカさ、高さ、広さ


「コア、ここに、この島いっぱいになるようなでかく、高い木はたてられる?」


—はい、可能です。ですがこのダンジョンの元々持っているエネルギーの10分の4を使うことになりますがよろしいですか?


「それで頼む」


この規模で10分の4か、元々大きいダンジョンだとは思っていたけど、エネルギーをそんなに保有しているなんて


すると中央に人1人分くらいの大きさの種が埋まっていくとすぐに芽が生え、成長していった。ぐんぐんと伸びていく木は、巨大な根を張り、どんどんと中央を占領していった、木の高さはやがて東京タワーの高さを超えて、巨大な根は島を越え、湖にまで突き出てきた。中央の土地は世界樹の根に荒らされ、盛り上がったたり盛り下がったりと続いていく根は自分が小人になったのかのように錯覚させる。やがて成長は止まり、上を見上げると巨大な木が葉の傘を生い茂らせて光がちょくちょく差してくるのが見える。


遠目で見ると幻想的だが、近くで見ると圧倒的な威圧感を露わにしている。


「そういえばコア、ダンジョンの元々保持してたエネルギーって、ダンジョンの個体差的なのはあるの?」


—はい、存在します。どのダンジョンもが私達のダンジョンのように元の持っているエネルギーが多いわけではありません。一般的とされる10~30程の階層ダンジョンは私達のダンジョンの6分の1程度しかありません。


「へぇー、じゃあこのダンジョンはかなり規模が大きいんだね」


—はい、日本では最大規模ではないでしょうか


日本ではということは世界全体で見ればもっと大きいダンジョンはあるんだろう、世界樹が複数作れるくらいのエネルギーを持っているダンジョンか、考えたくないね。


————————————————————

どうもこんにちは若葉です。


私はあまりやったことが長続きしない性格でこれまでも1話から6話ぐらいでエタるという現象が起こっていたと思います。


私的には小説を読みたい欲が強いのであまり書くという作業に時間を使うことが少ないのですが。それでも継続して続けられている小説に憧れて長続きするように作品を作っていこうと思っています。

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