しあわせになれる魔法

第2話

プールサイドに立つ理科の手に汗がにじみ、彼女は深く息を吸い込んでから水面に目を向けた。水泳部の練習が始まる時間が近づく中、彼女は自分の心臓の鼓動を感じながら、緊張を和らげようとしていた。

古琴が隣に立ち、自然な笑顔で声をかけた。

古琴

「準備はいい？ 最初の練習は基本的なストロークから始めるよ。」

理科

「はい、よろしくお願いします。」

古琴は理科をサポートしながら、基本のストロークを丁寧に説明した。彼女は水中での動き方を何度も繰り返し、理科に正しいフォームを教えていく。

古琴

「水の中での体の使い方は、最初は少し難しいかもしれないけど、徐々に慣れてくるからね。気をつけるのは、体のバランスと呼吸だよ。」

理科は古琴の指導を受けながら、プールに入っていった。最初はおぼつかない手つきだったが、古琴の的確なアドバイスと他の部員たちのサポートで、次第にリズムを掴んでいった。

練習が進むにつれ、理科は徐々に自信を持ち始め、動きがスムーズになっていった。その様子を見守る古琴は、安心したように微笑みながら、時折アドバイスを加えた。

古琴

「いい感じだね！ その調子で続けて。」

練習が終了する頃、理科は水泳部のメンバーたちと少しずつ打ち解け、楽しそうに話していた。古琴もその輪の中に加わり、リラックスした雰囲気を作り出していた。

理科

「今日は本当にありがとうございました。最初は不安だったけど、古琴さんのおかげで楽しくできました。」

古琴

「よかった。これからも一緒に頑張っていこうね。」

プールの蒸気が立ち込める中、理科と古琴は互いに微笑みながら、今日の練習を振り返った。理科の心には、新たな仲間たちと共に歩む期待が芽生えていた。