しあわせになれる魔法
紙の妖精さん
第1話
朝の光が校庭を照らし、秋の風がさわやかに吹き抜ける中、理科は学校の校門をくぐった。水泳部の初日を迎え、彼女の心は決意と不安でいっぱいだった。
理科が水泳部の練習場に向かう途中、部室の前で立ち止まり、深呼吸を一つしてから扉を開けた。中に入ると、プールの水面が朝の光を反射してきらきらと輝き、部員たちがそれぞれのウォーミングアップに取り組んでいるのが見えた。
理科は少し戸惑いながらも、静かに部室の扉を開けて中に入った。部員たちの視線がちらりと集まる中、彼女は背筋を伸ばして気持ちを落ち着けようとした。
「おはよう。初めて? こっちに来て、手伝うよ。」
穏やかな声が理科の耳に届いた。振り向くと、優しげな笑顔を浮かべた古琴が立っていた。古琴は落ち着いた雰囲気で、他の部員たちからも信頼されている存在だ。
理科
「はい、おはようございます。理科です。」
古琴
「初めてだよね?緊張しなくて大丈夫よ。私、古琴っていうの。よろしくね!」
理科
「よろしくお願いします。私は理科です。」
「古琴。こちらこそ、よろしくね。緊張してる? 大丈夫、みんな最初はそうだよ。」
古琴はやさしく微笑みながら、理科に声をかけた。その温かさに、理科の緊張は少しずつほぐれていった。
理科
「はい、ちょっと緊張してます。でも、頑張ります。」
古琴
「そうだね。最初はみんな初心者だよ。ゆっくり慣れていけばいいから、焦らないで。」
古琴の言葉に励まされ、理科は少しずつ安心感を覚えた。二人は一緒にウォーミングアップを始め、古琴のアドバイスを受けながら練習に参加した。理科は水面の波紋を見つめながら、自分が新しい世界に足を踏み入れた実感を深めていった。
プールに飛び込む理科の姿が、空の青さとかさなり、光の波紋は水平に広がり、その刹那さに古琴は目を閉じる。
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