ベタ慣れ度6【セーヘキヒーリング】

「はい!行ってらっしゃい!

…って、きゃあ!!」


(インコちゃんに向かってバタリと倒れる音)


「わわ!だ、大丈夫ですか?!」



     ………………………………



(頭をなでる音、徐々に強まる)


「あ、目を覚ました、よかった…。

急に倒れるなんて…完全に働きすぎですね。

…正直、最近、顔色が悪いなと思ってたんです」


「安心してください。

会社の方には、電話でわたしから事情を説明しておいたので」


「え?ああ…同棲中の彼女だって言いましたよ」


「まあまあ、いいじゃないですか。

妻って名乗るか迷ったんですからね?」


「病院に行くんですか?…行かない?

だったら…ああ、無理して立とうとしないで!

フラフラしてるじゃないですか!」


「いいから、大人しく膝枕されててください。

こんなときくらい、何もかもを忘れて休むべきです」


「…それにしても、インコが人間を乗せるなんて、あべこべですね。

世界初なんじゃないですか。

空でも飛んであげられたらいいのにな~」


「…世界初…はじめて、か…。

わたしはあなたのはじめてをどこまで奪えるんでしょう?

ふふ、な~んちゃって」


「ちょっ!こ~ら!わたしが癒すまで、まだ動いちゃダメです!…はい、癒しますよ。

今こそ恩返しです!」


「さてと、どうすれば一番癒せるのかな~。

耳かきとか!…は昨日やってましたよね…」


「むむむ…ん~、ん~!ん~?

……そうだ!」


「今からわたしがあなたの理想の女の子になります!

好みの性格を教えてください」


「恥ずかしがる必要はありません、あなたがどんなセーヘキでも受け止める覚悟はできています」


「……甘々母性たっぷりお姉ちゃん…?うわ。

い、いえ、引いてません、引いて…ません…よ」



     ………………………………


(声色を変えて)

「で、では。コホン!

…よしよし、あなたはエライわね~」


「なんか違う?今チューニングしてるんです!」


「きょ、今日は…お姉さんにた~っぷり甘えていいのよ?」


「棒読みって言わないで…!やりづらいだけで…

え?…口の悪いギャルお姉ちゃんでもいい…?」


(軽い咳払いの後、声色を変えて)

「…また、お姉ちゃんかよ。

そんなにかわいがられたいの?

あんた…欲求不満すぎだっつの」


「ふ~ん、こんなのでいんだ?

あたしみたいのが好きなんだ?

…あんた、ヤバいね」


「あたしの膝に乗れてること、ちゃんと感謝しろよ」


「うるさい、喋んな、褒めんな。あ?理不尽だ?

…おい、興奮してんな、いいから早く寝ろ。

ったく、このまま膝枕しといてやるから」


「あ、ホントに寝た?

なんとかミッションクリアですね…」


「…寝顔かわい。つんつん、ぷにぷに。

つ~んぷに!つんつんぷ~にぷ~に!ふふ。

やわらか~い」


「……素のわたしが一番好き…?」


「…もう、どんな夢見てるんですか…」


🦜🦜🦜🦜ベタ慣れ度が7にUP!!!!!!!⤵

   次回ベタ慣れ度7【素晴らしいセカイ】

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