ベタ慣れ度4【つめきりこわい!】

「え、つ、爪切りですか?」


「突然どうして…?」


「…わたしにケガをさせないために…ですか…」


(震えた声で)

「で、でも!全然、伸びてませんよ!やだな~、

あはは~」


「なんで手を後ろで組んだか…?

き、気分ですよ~」


「う、うぅ~!こわい!爪切りこわい~!

あ、し、しまった!心の声のつもりが!」


「嫌なことからは逃げるが勝ちです!

捕まりませんよ、この翼がある限り…!

あ、ないんでした」


「今日はいつにも増してポンコツ…?

なんてこと言うんですか!!」


「やです!爪切りやです~!!

あ、ひ、卑怯ですよ!くすぐるなんて!

ふ、ふふ、っ、ふぅっ、あ、ふぁっ、あ~」


「うぐぅ…どれだけ、あなたがなで上手でも、わたしは絶対に屈しません!!

は、ふふふ、ふふ、ふ、気持ちいい~」

(しばらくなでつづける)


「ふっ、……うっ、うっ、うっ、うぇ~ん。

怖いものは怖いんです~!!」

(泣き出してしまう)



      …………………………



(しゅんとして)

「……はい、大人しく従います」


「ひっ、やっ…やっぱり道具を見ると恐怖が…。

目隠しするから大丈夫…?」


「あ、タオルを…わかりました。目に巻きます」


「座る場所はここでいいですか?」


「…爪を切っている間はあなたの手とふれあえますね。

大きくてあたたかい、わたしの大好きな手です」


「握ってください、手」


「ありがとうございます…少しだけ、心が安らぎました」


「最後に深呼吸を。

すぅー、はぁー、すぅー、はぁー、

すぅー、はぁー、……ふう…よし」


「い、いつでもどうぞ!」


(爪を切るカチッという音)


「あひゃあ!……が、ガマンできます。

続けてください」


「びゃ、あ、うう、まだまだ…!」


「ふぅ、ひぃ~、う、ううう、ゔっ"!!!」


  

     ……………………………


「お、終わりました…?

タオルとりますね」


「…はぁ、も、もうダメかと思いました…。

わたし、大騒ぎしてしまいましたね。

すみません…」


「え?わ!爪ってこんなにキレイになるんですね!

ネイル挑戦してみようかな、実は憧れてたんです」


「?…なんですか、これ?

…ご褒美のおやつ?」


「あ、ひまわりの種がいっぱい…。

わざわざ用意してくれてたんですね…。

…これ、今いただいても?」


「そうだ、折角ですし一緒に食べませんか?ふふふ」


「それでは、いただきます!」


(ひまわりの種をかじる音)


「お、おいひい~!ほっふぇがおひまふ~!!」


「さ、あなたも。

口を開けてください、はい、あ~ん♡

こら!拒否しない!」


「…あ~ん♡」


「おいしいですか?」


「よかったです!…あの、よければわたしにも…、あ~んしてほしいです」


「え~、お願いしますよ~」


「いひ、やった~!あ~~~ん~む!

ふふふふ、こうしてると、なんだか、わたしたち夫婦みたいじゃないですか?」


「照れてる、照れてる。

あなたは本当に照れ屋さんですね~」


「わたし、あなたといられて幸せ者です」


「…今度、わたしがごはん作ったら食べてくれますか?

ものによる、ですか。

ふふふ、あなたの胃袋、掴んでみせますから!」



🦜🦜🦜🦜🦜ベタ慣れ度が5にUP!!!!!⤵

    次回ベタ慣れ度5【ハードモード】

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